2023年1月号
特集
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《ラストワンマイル》CBcloud「SmaRyuポスト」 宅配業務の経験がないドライバーでも戦力化
22年3月に初の自社倉庫を開設
CBcloudは2022年3月、埼玉県川口市に初めての自社倉庫「CBcloud川口デポ」を開設した。
現在はEC事業者の配送業務を主に展開しており、即日配送や夜間配達も行っている。
通過型物流センターとして主に運用されているが、在庫スペースも保有するため、在庫型物流センターとしての運用も可能だ。
CBcloud川口デポでの宅配業務は同社が展開するマッチングプラットフォーム「PickGo(ピックゴー)」に登録している軽貨物ドライバーが主に担っている。
その業務をサポートしているのが宅配効率化システム「SmaRyuポスト(スマリューポスト)」だ。
一般的な宅配現場では、ドライバー自身が自分の受け持ち宅配貨物をどのような順番で配達するのかを地図アプリや紙の地図を参照しながら決める。
地図と荷物の配達先番地の双方を確認しながらルートを作成するのと同時に、配達順に応じた車内の積載場所も考える必要がある。
こうした宅配の一般的な業務手順は軽貨物ドライバーの多くが主力業務としているスポットチャーターや定期チャーターとは大きく異なる。
そのため、普段はチャーターが中心の軽貨物ドライバーがいきなり宅配現場に入るのはハードルが高い。
特定エリア内の複数の場所に小口貨物を届けるという宅配業務は土地勘がないと効率的なルート設定ができないし、配達順に応じてどのように車内に荷物を積み込むのが適切なのかも分からない。
「従来型の宅配業務のやり方だと、慣れている人と初めて宅配をやる人では1個当たりの配達時間で3倍近い差がついてくる。
手際よく宅配をできるようになるまでには時間もかかる。
しかも慣れた人であっても、配達するエリアが変われば生産性が落ち込んでしまう」と久保田弦執行役員経営企画本部長は説明する。
スマリューポストを活用しているCBcloud川口デポの宅配業務では各人が担当する宅配貨物がカゴの中に準備された状態でドライバーに渡される。
ドライバーが貨物を端末で読み込むと、システム側が配達ルートを提案するのと連動して、車両のどの辺りに荷物を積み込めば効率的なのかを指示する。
配達順が先なら手前、後なら奥といった区分でルート設定と連動した提案をしてくれる。
「実は宅配業務における作業時間内訳を分析すると、車が走っている時間よりも停車している時間の方が長い。
配達する荷物を持ち出す作業に時間がかかるからだ。
配達するルートも大事だが、停車後に荷物を持ち出して配達して車に戻ってくるという一連の作業が生産性には大きな影響を与える。
スマリューポストを使えば配達対象荷物がどのような荷姿で、荷台のどの辺りに置かれているかを教えてくれるので、停車後に荷物を探し出すための時間が大幅に短縮される」と久保田執行役員。
荷物を車から持ち出す時点で、一度読み込む。
配達先とは違う荷物を読み込んでしまったら、画面に赤い表示が出るので確実に誤配を防止することができる。
電子サインでの受け渡しも実装している。
「宅配業務の生産性は段取りの良し悪しで決まる。
導線を短くすることが重要なので、荷物に触る回数が少ないほど効率は高まる。
段取りとルーティングをテクノロジーの力で支援することで、宅配初心者であっても問題なく業務ができるようにしている。
ただし、ガチガチに手順を指定するような仕組みにしていない。
創意工夫の余地があった方がより一層の改善に結びつくからだ」と久保田執行役員は話す。
置き配や宅配ボックスなどといった対面以外の誤配対策としてトライアルを進めているのがGPS機能を活用した誤配防止システムだ。
スマリューポストのシステムでは10秒単位でGPS測定をしている。
これを活用して現在持ち出している荷物の配達先であるGPS地点とドライバーが配達完了しようとしているGPS地点が一定以上離れている場合にアラームを出す。
これにより隣のマンションに置き配してしまうといったケースを防止する。
CBcloud川口デポでは最初からスマリューポストを宅配業務に活用しているため、導入前後の比較ができないが、従来のやり方で宅配業務を実施していた事業者がスマリューポストを導入した事例から効果が測定できる。
大手宅配のある拠点の場合、出発前のルーティング関連作業と積み込み作業の合計時間が導入によって約53%削減できた。
荷物1個当たりの平均配送時間は約35%の削減を果たしている。
今後の展開について久保田執行役員は「予備知識がなくても宅配業務のパフォーマンスが出せる支援ツールとしての機能強化を推し進めていきたい。
スマリューポストは全ての宅配現場での使用が可能。
幅広い現場で活用してもらうことで、プロダクトをさらに磨き上げていきたい」と語り、デジタル化によるドライバー負荷軽減に注力していく方針だ。
囲み記事 一人一人のニーズに合う荷物を提供する 松本隆一 CEO 宅配クライシスが叫ばれていたころ、「PickGo(ピックゴー)」に登録してもらっていた軽貨物ドライバーさんの多くから「宅配は安定的な収入のベースにはなるが、積極的にやりたくはない」という声を聞いた。
宅配が敬遠される理由は大きく二つあった。
一つはスポットや定期などのチャーターの仕事よりも業務手順が複雑な点だ。
チャーターの仕事は基本的に行き先は一つでシンプル。
それに対して、宅配は届け先が複数あり、回る順番もドライバーに委ねられることが多い。
対象エリアの道を覚え、段取りをしっかりと整えないと、効率的に配達ができない。
この問題を解決するため、われわれは「SmaRyuポスト(スマリューポスト)」を開発した。
スマリューポストのアプリで荷物をスキャンすると、システムが最適な配送ルートや荷物の積み込み方法などを提案して、出庫から帰庫までの一連の業務をサポートしてくれる。
宅配の仕事自体が初めての人、あるいは初めて入るエリアでも最初から一定の生産性を発揮できる。
宅配の仕事が敬遠されるもう一つの理由が終日拘束されて定期的に入る必要がある点だった。
午前中はチャーターの仕事をして、午後は宅配をやるといった働き方が難しい。
これについては当社が物流センターを自社運営して、宅配の仕事をピックゴーに提供することで解決を試みている。
その拠点が2022年3月に立ち上げた当社初の倉庫「CBcloud川口デポ」だ。
川口デポの宅配業務は、ルールや環境をわれわれである程度コントロールできるので、数時間単位や時間帯別、希望方面など、ドライバーのニーズに合わせたさまざまな形式の宅配業務を提供できる。
荷物の総量を単純に割り算して必要なドライバーをそろえる従来のやり方とは全く違って、ドライバー側の都合を加味して宅配のルートを設定する。
例えば宅配を午前中の2時間やりたい人、夕方の4時間やりたい人、埼玉方面に帰るのでその途中で宅配をやりたい人、というデータがあったら、その人たちの希望に合致する宅配のルートを組む。
人手で設定していたら難しいが、デジタルの力を借りれば実現できる。
短時間枠を含むフレキシブルな宅配業務の提供と、普段宅配をやらない人でも無理なく業務に入れる仕組みの両方をそろえることで、軽貨物ドライバーの働き方を変えていく。
ラストワンマイルを軸としつつ、輸配送の荷主ニーズを取り込めるインフラにもこれから挑戦したい。
その際にもドライバーの希望をくみ取ったサービスの作り込みが最も重要になると思っている。
ドライバーが何を求めているかを常に考えて、仕組みを磨き上げていきたい。
現在、ピックゴーに登録している軽貨物の配送パートナーは約4万。
全軽貨物事業者の半分に登録してもらうことを当面の目標に設定している。
軽貨物の個人事業主が開業したら「まずはピックゴーに登録しよう」と思ってもらえるような存在を目指す。
現在はEC事業者の配送業務を主に展開しており、即日配送や夜間配達も行っている。
通過型物流センターとして主に運用されているが、在庫スペースも保有するため、在庫型物流センターとしての運用も可能だ。
CBcloud川口デポでの宅配業務は同社が展開するマッチングプラットフォーム「PickGo(ピックゴー)」に登録している軽貨物ドライバーが主に担っている。
その業務をサポートしているのが宅配効率化システム「SmaRyuポスト(スマリューポスト)」だ。
一般的な宅配現場では、ドライバー自身が自分の受け持ち宅配貨物をどのような順番で配達するのかを地図アプリや紙の地図を参照しながら決める。
地図と荷物の配達先番地の双方を確認しながらルートを作成するのと同時に、配達順に応じた車内の積載場所も考える必要がある。
こうした宅配の一般的な業務手順は軽貨物ドライバーの多くが主力業務としているスポットチャーターや定期チャーターとは大きく異なる。
そのため、普段はチャーターが中心の軽貨物ドライバーがいきなり宅配現場に入るのはハードルが高い。
特定エリア内の複数の場所に小口貨物を届けるという宅配業務は土地勘がないと効率的なルート設定ができないし、配達順に応じてどのように車内に荷物を積み込むのが適切なのかも分からない。
「従来型の宅配業務のやり方だと、慣れている人と初めて宅配をやる人では1個当たりの配達時間で3倍近い差がついてくる。
手際よく宅配をできるようになるまでには時間もかかる。
しかも慣れた人であっても、配達するエリアが変われば生産性が落ち込んでしまう」と久保田弦執行役員経営企画本部長は説明する。
スマリューポストを活用しているCBcloud川口デポの宅配業務では各人が担当する宅配貨物がカゴの中に準備された状態でドライバーに渡される。
ドライバーが貨物を端末で読み込むと、システム側が配達ルートを提案するのと連動して、車両のどの辺りに荷物を積み込めば効率的なのかを指示する。
配達順が先なら手前、後なら奥といった区分でルート設定と連動した提案をしてくれる。
「実は宅配業務における作業時間内訳を分析すると、車が走っている時間よりも停車している時間の方が長い。
配達する荷物を持ち出す作業に時間がかかるからだ。
配達するルートも大事だが、停車後に荷物を持ち出して配達して車に戻ってくるという一連の作業が生産性には大きな影響を与える。
スマリューポストを使えば配達対象荷物がどのような荷姿で、荷台のどの辺りに置かれているかを教えてくれるので、停車後に荷物を探し出すための時間が大幅に短縮される」と久保田執行役員。
荷物を車から持ち出す時点で、一度読み込む。
配達先とは違う荷物を読み込んでしまったら、画面に赤い表示が出るので確実に誤配を防止することができる。
電子サインでの受け渡しも実装している。
「宅配業務の生産性は段取りの良し悪しで決まる。
導線を短くすることが重要なので、荷物に触る回数が少ないほど効率は高まる。
段取りとルーティングをテクノロジーの力で支援することで、宅配初心者であっても問題なく業務ができるようにしている。
ただし、ガチガチに手順を指定するような仕組みにしていない。
創意工夫の余地があった方がより一層の改善に結びつくからだ」と久保田執行役員は話す。
置き配や宅配ボックスなどといった対面以外の誤配対策としてトライアルを進めているのがGPS機能を活用した誤配防止システムだ。
スマリューポストのシステムでは10秒単位でGPS測定をしている。
これを活用して現在持ち出している荷物の配達先であるGPS地点とドライバーが配達完了しようとしているGPS地点が一定以上離れている場合にアラームを出す。
これにより隣のマンションに置き配してしまうといったケースを防止する。
CBcloud川口デポでは最初からスマリューポストを宅配業務に活用しているため、導入前後の比較ができないが、従来のやり方で宅配業務を実施していた事業者がスマリューポストを導入した事例から効果が測定できる。
大手宅配のある拠点の場合、出発前のルーティング関連作業と積み込み作業の合計時間が導入によって約53%削減できた。
荷物1個当たりの平均配送時間は約35%の削減を果たしている。
今後の展開について久保田執行役員は「予備知識がなくても宅配業務のパフォーマンスが出せる支援ツールとしての機能強化を推し進めていきたい。
スマリューポストは全ての宅配現場での使用が可能。
幅広い現場で活用してもらうことで、プロダクトをさらに磨き上げていきたい」と語り、デジタル化によるドライバー負荷軽減に注力していく方針だ。
囲み記事 一人一人のニーズに合う荷物を提供する 松本隆一 CEO 宅配クライシスが叫ばれていたころ、「PickGo(ピックゴー)」に登録してもらっていた軽貨物ドライバーさんの多くから「宅配は安定的な収入のベースにはなるが、積極的にやりたくはない」という声を聞いた。
宅配が敬遠される理由は大きく二つあった。
一つはスポットや定期などのチャーターの仕事よりも業務手順が複雑な点だ。
チャーターの仕事は基本的に行き先は一つでシンプル。
それに対して、宅配は届け先が複数あり、回る順番もドライバーに委ねられることが多い。
対象エリアの道を覚え、段取りをしっかりと整えないと、効率的に配達ができない。
この問題を解決するため、われわれは「SmaRyuポスト(スマリューポスト)」を開発した。
スマリューポストのアプリで荷物をスキャンすると、システムが最適な配送ルートや荷物の積み込み方法などを提案して、出庫から帰庫までの一連の業務をサポートしてくれる。
宅配の仕事自体が初めての人、あるいは初めて入るエリアでも最初から一定の生産性を発揮できる。
宅配の仕事が敬遠されるもう一つの理由が終日拘束されて定期的に入る必要がある点だった。
午前中はチャーターの仕事をして、午後は宅配をやるといった働き方が難しい。
これについては当社が物流センターを自社運営して、宅配の仕事をピックゴーに提供することで解決を試みている。
その拠点が2022年3月に立ち上げた当社初の倉庫「CBcloud川口デポ」だ。
川口デポの宅配業務は、ルールや環境をわれわれである程度コントロールできるので、数時間単位や時間帯別、希望方面など、ドライバーのニーズに合わせたさまざまな形式の宅配業務を提供できる。
荷物の総量を単純に割り算して必要なドライバーをそろえる従来のやり方とは全く違って、ドライバー側の都合を加味して宅配のルートを設定する。
例えば宅配を午前中の2時間やりたい人、夕方の4時間やりたい人、埼玉方面に帰るのでその途中で宅配をやりたい人、というデータがあったら、その人たちの希望に合致する宅配のルートを組む。
人手で設定していたら難しいが、デジタルの力を借りれば実現できる。
短時間枠を含むフレキシブルな宅配業務の提供と、普段宅配をやらない人でも無理なく業務に入れる仕組みの両方をそろえることで、軽貨物ドライバーの働き方を変えていく。
ラストワンマイルを軸としつつ、輸配送の荷主ニーズを取り込めるインフラにもこれから挑戦したい。
その際にもドライバーの希望をくみ取ったサービスの作り込みが最も重要になると思っている。
ドライバーが何を求めているかを常に考えて、仕組みを磨き上げていきたい。
現在、ピックゴーに登録している軽貨物の配送パートナーは約4万。
全軽貨物事業者の半分に登録してもらうことを当面の目標に設定している。
軽貨物の個人事業主が開業したら「まずはピックゴーに登録しよう」と思ってもらえるような存在を目指す。
