2022年12月号
特集
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SBS東芝ロジスティクス DFLを武器に4PLカンパニー化を推進
包装部門がAGV用牽引台車を開発
SBS東芝ロジスティクスはロジスティクスイノベーション全般を担当する物流改革推進部の傘下に「包装・設備技術担当」を設置している。
技術者は各地の中重量品を中心に扱うロジスティクスセンターにも配置されており、全体では20人以上の包装設計技術者を擁する。
元々は東芝グループ内に包装設計部門が配置されていたが、中重量品分野の包装設計業務が1990年代後半に物流子会社へ移管されたのを皮切りに、家電品や電子部品・材料、半導体などの包装設計も担うようになった。
発電所関連設備などのエネルギー系製品や、エレベーター・エスカレーターなどの社会インフラ系の中重量品は包装設計に加えて包装作業自体も移管されている。
一方、家電や電子機器などの量産品の個装は主に工場インラインで行われることが多いため、基本的には包装設計のみをSBS東芝ロジスティクスが担当している。
包装・設備技術担当は鋼材を用いた包装機器の設計や開発も手掛けている。
建設現場に納品するエレベーター部品の通いコンテナや医療器の段積み用機材などがその代表例だ。
エレベーターの各種部品は従来、木箱などによる梱包が主流だったが、四方をメッシュの鋼材で囲んだ通いコンテナを包装・設備技術担当が独自に開発した。
ユニック車による吊り荷役に対応し、フォークリフトの利用が難しい建設現場での搬送用に着脱可能なキャスターも備えている。
木箱からリユース可能な通いコンテナ化したことで、コストの削減に加えて現地での開梱時間も削減することができた。
こうした取り組みの発展形として、包装・設備技術担当はAGV用の牽引台車も開発している。
同社では主に家電関係を取り扱う自社拠点でAGVを運用していたが、メーカー仕様のままでは複数のケース荷姿の大型家電を同時に搬送することが難しかった。
そこで現場からの要望に応えるかたちで、包装・設備技術担当がオリジナルの牽引台車を設計した。
「AGVの牽引台車も鋼材を用いた機械設計に変わりはないので、これまで蓄積してきた技術やノウハウを応用できる。
最適な機材が市販されていないということであれば、自分たちで作ってしまおうと考えた」とSBS東芝ロジスティクスの秋元一哲物流改革推進部包装・設備技術担当グループ長は語る。
具体的にはAGVに平台車を接続できる機材を開発した。
これにより従来は冷蔵庫や洗濯機、テレビといった大型家電を複数台の平台車に乗せて人間が行っていた100メートル以上の構内搬送をAGVに代替させることができた。
続いて中小物商品向けのカゴ台車接続、平台車とカゴ台車の混合接続機材なども開発した。
庫内スタッフがバース手前などのAGVの搬送着地で待機する必要がないように、任意の場所で自動的に台車を切り離せる自動ストッパーといった複数の追加機能も開発し、実際にセンター内で運用している。
これらAGV用牽引台車の一部は特許も取得している。
現在、SBS東芝ロジスティクスは「4PLカンパニー化」をビジョンとして掲げている。
物流オペレーションと管理を担う従来の3PLの機能に加えて、荷主がロジスティクス戦略を立案する段階からパートナーとして携わり、経営課題の解決へと導く。
秋元一哲グループ長は「当社の4PLは技術力とコンサルティング力を融合したソリューションがその柱となる。
技術面の武器の一つが『デザイン・フォー・ロジスティクス(DFL)』だ。
物流視点に基づいて包装設計のみならず、製品設計段階までさかのぼった最適設計を提案する。
DFLでロジスティクスは大きく変わっていく」と説明する。
DFL提案で積載効率を向上 LEDシーリングライトの包装改善はそうした取り組み事例の一つだ。
従来の段ボール包装はケース内部でシーリングライトを囲うような形で保持する設計だった。
ケースを縦に置くと中のLEDシーリングライトがずれて落ちてしまう恐れがあるため、ケースを必ず平置きしなくてはならなかった。
しかし、全てのケースを横に平置きしてパレットに積載するとデッドスペースができてしまう。
そこでケースを平置きだけではなく、縦置きもできるように梱包材の内部構造を改良した。
さらにはメーカーの設計部門にシーリングライトの一部設計見直しをモデルチェンジの際に提案。
新たなデザインに合わせてパレット積載率が高まるよう梱包材も再設計した。
その結果、デザイン変更前の1パレット当たり24台積載が1パレット当たり36台積載に改善された。
保管効率と積載効率は50%以上向上し、包装容積は21%削減された。
幹線輸送や保管までも含めたトータルでのロジスティクス関連のコストを30%削減することに成功した。
海外産業機器メーカー向けリチウムイオン電池の包装における改善でもDFLが大きな効果を発揮した。
初期の包装案では2個のリチウムイオン電池を左右に配置し、それを結ぶハーネスを棒状の金属フレームで固定していた。
金属フレームによって梱包状態の横幅が約80センチ超の細長い形状になってしまい、海上コンテナへの積載効率に問題があった。
そこで、金属フレームを取り除き、二つのリチウムイオン電池を近づけた状態で梱包して、梱包容積を小さくすることを提案した。
この案が採用されて梱包の横幅は60センチ程度となった。
包装容積が約32%削減されて、海上コンテナへの積載数が480台から900台に増えた。
複数の荷主に対して積極的にDFL提案を行っている。
荷主の包装診断を実施し、まずは現状の包装による輸送コストや保管コストを調査。
その上で、包装の改善によってどれだけの効果を期待できるのか、さらには製品設計の変更まで実施した場合には、どのような変更がどれだけのコスト効果を生むのかを具体的な数字で示す。
効果が比較的出やすいのは、製品分野としては電気製品、機械部品、医療用機器、電子部品など。
ケース包装であれば緩衝材や製品保護のための部材スペースが広い場合は特に効果を期待できるという。
新規顧客開拓の進展に伴い、包装関連の荷主提案も近年増加する傾向にある。
同社の横浜包装試験所は多数の評価試験設備を保有している。
最大の特徴はISO/IEC 17025規格の試験所認定を受けている点だ。
包装貨物の自由落下試験や振動試験の国際試験所として相互認定されているため、同規格を要求される場合に輸出先などで追加の包装関連試験を行うことなくワンストップで納入できる。
同施設を活用して今後は包装設計サービスに加えて、包装関連評価試験の外部展開にも力を入れていく方針だ。
技術者は各地の中重量品を中心に扱うロジスティクスセンターにも配置されており、全体では20人以上の包装設計技術者を擁する。
元々は東芝グループ内に包装設計部門が配置されていたが、中重量品分野の包装設計業務が1990年代後半に物流子会社へ移管されたのを皮切りに、家電品や電子部品・材料、半導体などの包装設計も担うようになった。
発電所関連設備などのエネルギー系製品や、エレベーター・エスカレーターなどの社会インフラ系の中重量品は包装設計に加えて包装作業自体も移管されている。
一方、家電や電子機器などの量産品の個装は主に工場インラインで行われることが多いため、基本的には包装設計のみをSBS東芝ロジスティクスが担当している。
包装・設備技術担当は鋼材を用いた包装機器の設計や開発も手掛けている。
建設現場に納品するエレベーター部品の通いコンテナや医療器の段積み用機材などがその代表例だ。
エレベーターの各種部品は従来、木箱などによる梱包が主流だったが、四方をメッシュの鋼材で囲んだ通いコンテナを包装・設備技術担当が独自に開発した。
ユニック車による吊り荷役に対応し、フォークリフトの利用が難しい建設現場での搬送用に着脱可能なキャスターも備えている。
木箱からリユース可能な通いコンテナ化したことで、コストの削減に加えて現地での開梱時間も削減することができた。
こうした取り組みの発展形として、包装・設備技術担当はAGV用の牽引台車も開発している。
同社では主に家電関係を取り扱う自社拠点でAGVを運用していたが、メーカー仕様のままでは複数のケース荷姿の大型家電を同時に搬送することが難しかった。
そこで現場からの要望に応えるかたちで、包装・設備技術担当がオリジナルの牽引台車を設計した。
「AGVの牽引台車も鋼材を用いた機械設計に変わりはないので、これまで蓄積してきた技術やノウハウを応用できる。
最適な機材が市販されていないということであれば、自分たちで作ってしまおうと考えた」とSBS東芝ロジスティクスの秋元一哲物流改革推進部包装・設備技術担当グループ長は語る。
具体的にはAGVに平台車を接続できる機材を開発した。
これにより従来は冷蔵庫や洗濯機、テレビといった大型家電を複数台の平台車に乗せて人間が行っていた100メートル以上の構内搬送をAGVに代替させることができた。
続いて中小物商品向けのカゴ台車接続、平台車とカゴ台車の混合接続機材なども開発した。
庫内スタッフがバース手前などのAGVの搬送着地で待機する必要がないように、任意の場所で自動的に台車を切り離せる自動ストッパーといった複数の追加機能も開発し、実際にセンター内で運用している。
これらAGV用牽引台車の一部は特許も取得している。
現在、SBS東芝ロジスティクスは「4PLカンパニー化」をビジョンとして掲げている。
物流オペレーションと管理を担う従来の3PLの機能に加えて、荷主がロジスティクス戦略を立案する段階からパートナーとして携わり、経営課題の解決へと導く。
秋元一哲グループ長は「当社の4PLは技術力とコンサルティング力を融合したソリューションがその柱となる。
技術面の武器の一つが『デザイン・フォー・ロジスティクス(DFL)』だ。
物流視点に基づいて包装設計のみならず、製品設計段階までさかのぼった最適設計を提案する。
DFLでロジスティクスは大きく変わっていく」と説明する。
DFL提案で積載効率を向上 LEDシーリングライトの包装改善はそうした取り組み事例の一つだ。
従来の段ボール包装はケース内部でシーリングライトを囲うような形で保持する設計だった。
ケースを縦に置くと中のLEDシーリングライトがずれて落ちてしまう恐れがあるため、ケースを必ず平置きしなくてはならなかった。
しかし、全てのケースを横に平置きしてパレットに積載するとデッドスペースができてしまう。
そこでケースを平置きだけではなく、縦置きもできるように梱包材の内部構造を改良した。
さらにはメーカーの設計部門にシーリングライトの一部設計見直しをモデルチェンジの際に提案。
新たなデザインに合わせてパレット積載率が高まるよう梱包材も再設計した。
その結果、デザイン変更前の1パレット当たり24台積載が1パレット当たり36台積載に改善された。
保管効率と積載効率は50%以上向上し、包装容積は21%削減された。
幹線輸送や保管までも含めたトータルでのロジスティクス関連のコストを30%削減することに成功した。
海外産業機器メーカー向けリチウムイオン電池の包装における改善でもDFLが大きな効果を発揮した。
初期の包装案では2個のリチウムイオン電池を左右に配置し、それを結ぶハーネスを棒状の金属フレームで固定していた。
金属フレームによって梱包状態の横幅が約80センチ超の細長い形状になってしまい、海上コンテナへの積載効率に問題があった。
そこで、金属フレームを取り除き、二つのリチウムイオン電池を近づけた状態で梱包して、梱包容積を小さくすることを提案した。
この案が採用されて梱包の横幅は60センチ程度となった。
包装容積が約32%削減されて、海上コンテナへの積載数が480台から900台に増えた。
複数の荷主に対して積極的にDFL提案を行っている。
荷主の包装診断を実施し、まずは現状の包装による輸送コストや保管コストを調査。
その上で、包装の改善によってどれだけの効果を期待できるのか、さらには製品設計の変更まで実施した場合には、どのような変更がどれだけのコスト効果を生むのかを具体的な数字で示す。
効果が比較的出やすいのは、製品分野としては電気製品、機械部品、医療用機器、電子部品など。
ケース包装であれば緩衝材や製品保護のための部材スペースが広い場合は特に効果を期待できるという。
新規顧客開拓の進展に伴い、包装関連の荷主提案も近年増加する傾向にある。
同社の横浜包装試験所は多数の評価試験設備を保有している。
最大の特徴はISO/IEC 17025規格の試験所認定を受けている点だ。
包装貨物の自由落下試験や振動試験の国際試験所として相互認定されているため、同規格を要求される場合に輸出先などで追加の包装関連試験を行うことなくワンストップで納入できる。
同施設を活用して今後は包装設計サービスに加えて、包装関連評価試験の外部展開にも力を入れていく方針だ。
