2020年12月号
特集
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三井物産 物流ロボットを尖兵に新たな社会基盤を構築
12サイトにロボット700台を導入
三井物産は2019年6月、日本GLPとの共同出資でロボティクスソリューションを提供するプラスオートメーションを設立した。
同9月には豊田自動織機も資本参加した。
初期投資ゼロかつ月額固定制のサブスクリプション方式「Robotics as a Service(RaaS)」モデルを採用。
単なるレンタルや販売ではなく、ロボットの導入サポートから効果検証、導入、保守運用、改善までをトータルで支援する。
プラスオートメーションでは物流業界の課題を大きく4点に整理している。
一つは物流オペレーションの“短寿命化”だ。
顧客ニーズの変化が加速しているため、設計した物流オペレーションが短期間で陳腐化してしまう。
二つ目は個別最適の追及によって生じた業界全体の効率性低下。
三つ目は長年続いてきた労働集約型オペレーションの限界。
そして四つ目が物流サービスに対する社会的評価の低さだ。
三井物産でエレクトロニクスやICTなどに携わってきたプラスオートメーションの飯間卓社長は「これらの物流業界の課題を解決する具体策としてロボティクスソリューションを選んだ。
社会の基盤を構築して、ビジネスで貢献していくことが総合商社の役割だ。
物流という社会インフラのバージョンアップに大きなやり甲斐を感じている」と語る。
物流ロボットには固定的な設備と違う次のようなメリットがあるという。
まずトラブル時。
固定設備は全体を停止する必要がある。
作業員は基本的に立ち入りできない。
ロボットは、トラブルが発生したロボット単体だけを交換できる。
人によるリカバリーも可能なので影響は限定的で済む。
固定設備は作業内容や処理能力の変更も難しい。
ロボットは庫内レイアウトの変更が容易な上、現場に投入するロボットの台数を増減することで、処理能力を柔軟にコントロールできる。
導入・撤去時のスピードと現状復旧費用などの点も固定設備に勝っている。
ただ、処理数に関しては固定設備に軍配が上がる。
三井物産で物流や不動産などに携わり、プラスオートメーションの創業メンバーでもある山田章吾COO経営企画部長は「各要素を総合的にみると、季節波動があり、柔軟性や機動力、庫内スタッフとの共存が必要な物流現場においては固定設備よりも物流ロボットに優位性がある」と評価する。
さらにRaaSモデルの利点が大きく二つある。
一つは繁閑に応じて現場に投入するロボットの台数を機動的に増減できる点だ。
ユーザーは閑散期の処理量をベースに最低台数で長期契約を結ぶ、あるいは購入して、繁忙期には必要に応じて台数を借り増しする。
「必要な時に必要な分だけ」のロボットを利用できる。
一方、プラスオートメーション側では、繁閑の波動が異なる複数のユーザーを自社の顧客基盤の中で組み合わせて運用していく。
プラスオートメーションを軸に複数の現場でロボットをシェアリングする。
もうひとつの利点はスモールスタートだ。
最初は10台を導入して50店舗の仕分けに利用。
次にロボットを20台追加して100店舗分を仕分け。
さらには返品物流にも利用するといった具合に、運用を確認しながら段階的に台数を増やしていける。
プラスオートメーションには導入拠点数が増えていくのに伴い多様な運用データが蓄積されていく。
その分析内容を顧客にフィードバックしていく。
本格的なサービス開始から1年余り、同社がロボットを導入した現場は既に累計12サイト、累計の導入ロボット台数は700台に及んでいる(10月末時点)。
導入先はアパレル企業、大手総合物流、3PLなどが中心だ。
現在、取り扱っている主力ロボットは中国Zhejiang LiBiao Robot社の「t-Sort」シリーズと、Rapyuta Robotics社の協働型ロボット「PA-AMR」。
トレイ式ロボットソーターのt-Sortは最大積載重量が異なる2モデルを用意している。
積載重量5キロの標準モデルは種まき仕分けなどで主に利用されている。
積載重量が30キロに拡張し、長尺物の搬送にも対応する「t-Sort+」は主に通過型センターでの方面別仕分けなどで活用されている。
積載重量が15キロ程度の新モデルも近日中に投入する予定だ。
各機種のさまざまな運用法をプラスオートメーションが開発している。
「物流ロボットは汎用性が大きなポイント。
標準的な運用だけでなく、創意工夫によって適用可能な工程を拡大していける」とプラスオートメーションの山田COOはいう。
品川にR&Dセンターを開設 20年11月にR&Dセンター「cube」を東京都品川区に立ち上げた。
約300平方メートルの区画に庫内オペレーションの各工程を再現し、各種ロボットの運用をテストしている。
新たなソリューションの開発やデモセンターとしての運用などに加え、プラスオートメーションの人材育成にも活用していく。
cubeではまだ現場に投入していない新たな物流ロボットの研究も進めている。
その一つがアームロボットだ。
前後工程の搬送ロボットと組み合わせての運用を研究しているほか、一度設置したら通常は動かすことができないアームロボットの移動を実現させてレイアウトの自由度を高める実験なども行なっている。
cubeが持つもうひとつの役割がデモンストレーション施設としての側面だ。
多くの顧客にとって物流現場にロボットを導入するのは初めての経験。
動画や図面などで概要を理解していても、具体的にどのように使われているのかは現場を見ないとなかなかイメージできない。
cubeでなら、具体的にどのようにロボットを運用するかを見せながら説明することができる。
実際、図面上や動画で説明するのとでは反応が全く違うという。
現在、世界中で開発されている新たな物流ロボットや設備の開拓は三井物産、日本GLP、豊田自動織機などと連携して行なっている。
そして目利きをプラスオートメーションが担当する。
プラスオートメーションの飯間社長は「ロボットそのものの性能はもちろん重要だが、評価基準として特に重視しているのは他の機器との連携部分やカスタマイズ性だ。
最初からロボットの用途を限定するのではなく、プラスオートメーションと共同で使い方を確立させることが可能な企業と幅広く連携していきたい」という。
同9月には豊田自動織機も資本参加した。
初期投資ゼロかつ月額固定制のサブスクリプション方式「Robotics as a Service(RaaS)」モデルを採用。
単なるレンタルや販売ではなく、ロボットの導入サポートから効果検証、導入、保守運用、改善までをトータルで支援する。
プラスオートメーションでは物流業界の課題を大きく4点に整理している。
一つは物流オペレーションの“短寿命化”だ。
顧客ニーズの変化が加速しているため、設計した物流オペレーションが短期間で陳腐化してしまう。
二つ目は個別最適の追及によって生じた業界全体の効率性低下。
三つ目は長年続いてきた労働集約型オペレーションの限界。
そして四つ目が物流サービスに対する社会的評価の低さだ。
三井物産でエレクトロニクスやICTなどに携わってきたプラスオートメーションの飯間卓社長は「これらの物流業界の課題を解決する具体策としてロボティクスソリューションを選んだ。
社会の基盤を構築して、ビジネスで貢献していくことが総合商社の役割だ。
物流という社会インフラのバージョンアップに大きなやり甲斐を感じている」と語る。
物流ロボットには固定的な設備と違う次のようなメリットがあるという。
まずトラブル時。
固定設備は全体を停止する必要がある。
作業員は基本的に立ち入りできない。
ロボットは、トラブルが発生したロボット単体だけを交換できる。
人によるリカバリーも可能なので影響は限定的で済む。
固定設備は作業内容や処理能力の変更も難しい。
ロボットは庫内レイアウトの変更が容易な上、現場に投入するロボットの台数を増減することで、処理能力を柔軟にコントロールできる。
導入・撤去時のスピードと現状復旧費用などの点も固定設備に勝っている。
ただ、処理数に関しては固定設備に軍配が上がる。
三井物産で物流や不動産などに携わり、プラスオートメーションの創業メンバーでもある山田章吾COO経営企画部長は「各要素を総合的にみると、季節波動があり、柔軟性や機動力、庫内スタッフとの共存が必要な物流現場においては固定設備よりも物流ロボットに優位性がある」と評価する。
さらにRaaSモデルの利点が大きく二つある。
一つは繁閑に応じて現場に投入するロボットの台数を機動的に増減できる点だ。
ユーザーは閑散期の処理量をベースに最低台数で長期契約を結ぶ、あるいは購入して、繁忙期には必要に応じて台数を借り増しする。
「必要な時に必要な分だけ」のロボットを利用できる。
一方、プラスオートメーション側では、繁閑の波動が異なる複数のユーザーを自社の顧客基盤の中で組み合わせて運用していく。
プラスオートメーションを軸に複数の現場でロボットをシェアリングする。
もうひとつの利点はスモールスタートだ。
最初は10台を導入して50店舗の仕分けに利用。
次にロボットを20台追加して100店舗分を仕分け。
さらには返品物流にも利用するといった具合に、運用を確認しながら段階的に台数を増やしていける。
プラスオートメーションには導入拠点数が増えていくのに伴い多様な運用データが蓄積されていく。
その分析内容を顧客にフィードバックしていく。
本格的なサービス開始から1年余り、同社がロボットを導入した現場は既に累計12サイト、累計の導入ロボット台数は700台に及んでいる(10月末時点)。
導入先はアパレル企業、大手総合物流、3PLなどが中心だ。
現在、取り扱っている主力ロボットは中国Zhejiang LiBiao Robot社の「t-Sort」シリーズと、Rapyuta Robotics社の協働型ロボット「PA-AMR」。
トレイ式ロボットソーターのt-Sortは最大積載重量が異なる2モデルを用意している。
積載重量5キロの標準モデルは種まき仕分けなどで主に利用されている。
積載重量が30キロに拡張し、長尺物の搬送にも対応する「t-Sort+」は主に通過型センターでの方面別仕分けなどで活用されている。
積載重量が15キロ程度の新モデルも近日中に投入する予定だ。
各機種のさまざまな運用法をプラスオートメーションが開発している。
「物流ロボットは汎用性が大きなポイント。
標準的な運用だけでなく、創意工夫によって適用可能な工程を拡大していける」とプラスオートメーションの山田COOはいう。
品川にR&Dセンターを開設 20年11月にR&Dセンター「cube」を東京都品川区に立ち上げた。
約300平方メートルの区画に庫内オペレーションの各工程を再現し、各種ロボットの運用をテストしている。
新たなソリューションの開発やデモセンターとしての運用などに加え、プラスオートメーションの人材育成にも活用していく。
cubeではまだ現場に投入していない新たな物流ロボットの研究も進めている。
その一つがアームロボットだ。
前後工程の搬送ロボットと組み合わせての運用を研究しているほか、一度設置したら通常は動かすことができないアームロボットの移動を実現させてレイアウトの自由度を高める実験なども行なっている。
cubeが持つもうひとつの役割がデモンストレーション施設としての側面だ。
多くの顧客にとって物流現場にロボットを導入するのは初めての経験。
動画や図面などで概要を理解していても、具体的にどのように使われているのかは現場を見ないとなかなかイメージできない。
cubeでなら、具体的にどのようにロボットを運用するかを見せながら説明することができる。
実際、図面上や動画で説明するのとでは反応が全く違うという。
現在、世界中で開発されている新たな物流ロボットや設備の開拓は三井物産、日本GLP、豊田自動織機などと連携して行なっている。
そして目利きをプラスオートメーションが担当する。
プラスオートメーションの飯間社長は「ロボットそのものの性能はもちろん重要だが、評価基準として特に重視しているのは他の機器との連携部分やカスタマイズ性だ。
最初からロボットの用途を限定するのではなく、プラスオートメーションと共同で使い方を確立させることが可能な企業と幅広く連携していきたい」という。
