ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2004年6号
SOLE
SOLE報告

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

JUNE 2004 82 2. 事例の紹介 事例―1:セメント工場のクーリングファンへの適用 このファンはいつでも修理可能なものであるから、修理方針は故 障時の事後修理とし、故障したファン構成品は新品と交換し、構成 品の修理はしないとした。
ライフサイクルは10年、ファン装置のコ ストは100万ドル、故障から再スタートまでの修理時間は7時間、運 用中のダウンによる損失は時間当たり1万ドル、期間中ファン構成品 は12回交換された。
トータルライフサイクルコスト(LCC)は1328 万ドル。
これに対して、保全改良と設計改良の2つのステップをとり、保 全改良や設計改良にはCAREやCAMEの各種モジュールを用いて信 頼性・保全性解析を行い、修理方針の変更や予防保全間隔の最適化 を図った結果、LCCは106万ドルになった。
事例―2:1年間修理不可能なクーリングファンへの適用 宇宙ステーションや潜水艦はスペアパーツの供給なしで長期間運 用しなければならない。
年1回ロケットを打ち上げ、クルーの交代を 行うが、その時にスペアパーツの供給も行う。
このスタディでは供 給するスペアの量を決定した。
事例―3:電子メール/データサーバーの初期戦略 テレコム、コンピュータは高いアベイラビリティが要求され、複 雑なネットワークが必要となる。
CARE、CAMEを活用して設計ア ーキテクチュアの改良、設計後の確認、保全改良などを行った。
3.CARE、CAME、CAfdEの意義 システムや設備の保全のやり方には、故障したら直すという事後 保全から、故障する前に整備する予防保全、状態を監視しながら整 備する予知保全、保全にかかわる各種の要素(修理するか廃棄する か、何処で修理するか、スペアなど)を複合的に最適化を目指す戦 略的改良保全にいたるまで、いろいろな手法が存在する。
システムや設備の初期段階は、LCCは高く、稼働性は低いが、保 全のやり方を実際のデータに基づいて改良していくことによって、 LCCを下げ、稼働性を向上させていくことができる。
そのために設 計時のデータ、日常発生する運用時のフィールドデータをデータベ ース化し、故障分析、LCC分析、FMECA/FMEAなどを繰り返し ていくが、そこにCARE、CAME、CAfdEの意義がある。
この種の統合化されたソフトウエアは日本にはあまりない。
だが 欧米にはいくつかあり、多くのユーザーが利用している。
これらの ソフトウエアを活用するには、まずマネジメントが必要性を理解す ることが重要である。
以上(文責在事務局) 5月のフォーラムは5月25日に開催され、SOLE東京支部の 「RAMS研究会」の活動成果が報告された。
RAMSとは、信頼性(R)、 即応性(A)、保全性(M)、支援性(S)の頭文字をとったもの。
そ の内容は次回、紹介する。
6月のフォーラムは6月18日に日本能率協会コンサルティングの テクニカルアドバイザー・田中良知氏による講演「流通業の動向と 改革ポイント」を予定している。
このフォーラムは基本的に年間計画に基づいているが、単月のみ の参加も可能。
1回の費用は6,000円。
参加希望の方やSOLE東京支 部の活動内容に関するお問い合わせはsole_consult@jmac.co.jpまで。
SOLE報告 The International Society of Logistics 次回フォーラムのお知らせ SOLE東京支部では毎月「フォーラム」を開催し、ロジスティクス 技術、ロジスティクスマネジメントに関する活発な意見交換、議論 を行い、会員相互の啓発に努めている。
前回のフォーラムは4月16日に開催し、イスラエルのソフトウエ ア会社、BQR Reliability Engineering Ltd.のYizhak Bot氏による 「メンテナンス・コスト・リダクション」と題する講演を聴いた。
以 下、講演の概要を紹介する。
*       *       * はじめに BQR Reliability Engineering社(以下、BQRと略す)はイスラエ ルのソフトウエア会社で、RAMS(信頼性、稼働性、保全性、支援 性)やILS(統合ロジスティクス支援)のソフトウエアツールを開発、 提供している企業である。
それらのツールによりハイテクシステム 製品の信頼性と支援性を改良し、設計期間とコストを30%低減する ことが可能である。
BQRは1989年に設立された。
ハイテク産業を対象にRAMSやILSに 関するコンサルティングサービスを提供し、数多くのプロジェクト を成功させた実績を持つ。
同時並行的にRAMSやILSのためのソフト ウエア、CARE、CAME、CAfdEを開発した。
本日の講演では、これらのソフトウエアについて、事例、デモン ストレーションを通じて紹介したい。
1. ソフトウエアの紹介 ソフトは下図のようにCARE、CAME、CAfdEの3つで構成され ており、おのおのコアデータベースで関係づけられている。
CAREは故障が製品に与える影響をシミュレーションするツールで あり、設計期間、市場到達時間を短縮させながら、費用効果の高い、 より信頼度の高い製品の開発を支援する。
CAREは統合化されたツールで、メンテナンスコストを低減し、製 品の稼働率、稼働時間を向上させる。
CAMEはCARE、CAfdEによ って生成された結果データを使用する。
CAfdEはフィールドやテスト段階の故障データを解析するための ツールで、故障データは各種のITツール(ERP、CMMS、CRM、そ の他)から収集することが可能である。
CAfdEはそれぞれの部品や 構成品のための統計値や分布を計算するためのアルゴリズムを持っ ている。
SOLE東京支部フォーラムの報告 Maintenance Expert Optimal Maintenance Strategy Field Data Field Eng. Design Data Design Eng. Optimal Design Architecture CAME CARE Core Database ERP CAfdE CAD/CAE

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