2020年6月号
特集
特集
プラットフォーマーが描く小売りの未来
1.対抗手段としてのデジタル化戦略
店舗型小売業者はネット通販事業者に対抗するため、実店舗とオンラインという二つのチャネルを組み合わせた「クリック・アンド・モルタル」により、旧来の「ブリック・アンド・モルタル」からの脱却を試みようとしてきた。
クリック・アンド・モルタルは、オンラインに加えてテレビ、カタログ、DM、コールセンター、携帯電話などといった、さらに多くのチャネルを組み合わせたマルチチャネルへと広げることにより、顧客層を拡大していった。
そして、消費者利便性の視点から実店舗とネットを融合し、マルチチャネルを消費者が意識することなく越えて買い物を経験できるオムニチャネルへと発展した。
米国のメーシーズ百貨店は2010年頃にオムニチャネルを前面に打ち出し、顧客がいつでも、どのチャネルからでもアクセスできるよう在庫情報や顧客情報を一元管理可能な組織体制の構築を本格的に開始した。
その後、GMSのウォルマート、ドラッグストアのウォルグリーン、ホームセンターのホームデポなどといった多くの業態でオムニチャネルへの取り組みが進んだ。
日本ではヨドバシカメラ、良品計画、ファーストリテイリングといった専門店やSPAなどが先行してオムニチャネルを手掛けてきた。
15年にはセブン&アイ・ホールディングスが傘下のコンビニ、スーパー、百貨店、専門店などを含む業態を超えたオムニチャネルを開始。
全国のセブン─イレブン店頭での商品受け取りや、ネットスーパーといった多業態を生かしたオムニチャネルに取り組んでいる。
実店舗小売業者は、最大の強みである実店舗を生かしたオムニチャネル戦略に活路を見出そうとしてきた。
しかし、顧客や在庫などの情報管理やチャネル別組織をオムニチャネルとして融合するのは簡単ではない。
成功している実店舗小売業者ほど、その取り組みに苦戦しているのが現状だ。
実店舗小売業者の多くはシームレスなオムニチャネルというよりも、オンラインを使ってオフラインの実店舗へと送客するOtoO(Online to Offline)にとどまっている。
RFIDが普及し始め、IoTやビッグデータ、人工知能(AI)の活用が謳われるようになり、最新デジタル技術を実店舗やオンラインに利用する動きが加速している。
20年に設立された日本オムニチャネル協会は、「日本の店舗・拠点を持つ企業がデジタル変革の波をいかし、新しい顧客体験を創造、進化させることに貢献する」ことを目的として掲げている。
実店舗小売業者にとってのオムニチャネルはネット通販事業者に対抗するためのデジタル化戦略となってきている。
2.ネット通販企業による 実店舗展開の狙い リアル店舗を持たないネット通販事業者は、実店舗でかかる土地代、施設費、人件費などを負担する必要がない。
このコストを価格に反映することで、消費者に低価格で商品を販売してきた。
しかし、アマゾンや中国のアリババや京東(JD.com)といった大手ネット通販事業者は最近急ピッチで実店舗網の整備を進めている。
実店舗設置を加速する目的の一つは、これまでネット通販事業者が不得意としてきた食品分野の取り込みにある。
現時点までにネット通販事業者が開設した実店舗のほとんどは、食品スーパーやコンビニであることが、それを裏付けている。
価格が安く、すぐに消費される食品、特に鮮度が要求される生鮮品はネット通販にとっては鬼門であった。
消費者は、近くの実店舗で必要な時に必要な分だけ少量の買い物をすることに慣れている。
普段利用しているスーパーから届けてくれるネットスーパーなら、品質も分かっているし、すぐに配達してくれる。
この点でネットスーパーは、実店舗小売業の優れたオムニチャネル戦略だ。
ネット通販事業者は広域をカバーする物流センター配送方式で食品をネット販売している。
しかし、この方式はリードタイムが長く、配送時間枠も大きくなってしまう。
この問題を克服するため、アマゾンは大都市圏内で小規模分散型の物流センターを整備し、そこから短時間で配送する「アマゾンフレッシュ」を展開している。
アマゾンは従来の無店舗型での取り組みに加えて、アメリカでの食品スーパー買収や無人店舗などの新型店舗の整備を進め、多数の実店舗を展開するに至った。
また中国でも、アリババや京東が、アマゾンよりもさらに大規模に実店舗網の整備を加速させている。
こうした事例から分かるように、実店舗網整備の第2の目的は物流面での活用にある。
実店舗を分散型物流拠点として用いることで、消費者に短いリードタイムで届けられる体制を構築できる。
最寄り店舗でネット注文した商品を受け取れることは消費者の利便性向上にも結びつく。
実店舗網整備の第3の目的はオンラインとオフラインを統合した新しい小売業態を確立することである。
この詳細については次節以降で述べるが、その前に中国でのネット通販事業者による零細商店のチェーン化について触れておきたい。
中国には近代化が遅れた零細商店が600万以上あるといわれる。
実際、地方都市に行くとコンビニは見当たらず、あるのは古臭い商店ばかり。
そうした商店の商品棚には在庫や賞味期限の管理もされていない商品が埃を被って乱雑に置かれている。
アリババや京東は、このような零細商店に自社の情報・物流システムを提供し、チェーン化しようとしている。
零細商店側はアリババや京東の最新システムを利用して近代的な商業経営ができるようになる。
ネット通販事業者側は「BtoスモールB」事業を拡大するだけでなく、オンラインでは分からなかった実店舗での購買行動について、電子決済システムから情報を得られるようになる。
京東は19年1月、「京東便利店」100万店計画を発表し、ネット通販が普及していない農村地域を中心に出店を進めている(写真1)。
同じくアリババの「天猫小店」には、既に中国全土で数万店が加盟している。
3.アリババ「新小売」と 京東「無界小売」 ここで、世界のEC(電子商取引)市場をみてみたい。
全世界のECは年平均20%もの急成長を続けており、経済産業省の調査によるとEC化率(小売市場に占めるECの比率)は18年に10%を超えた。
中国のEC化率は世界最高の22・7%となり、世界最大のEC市場に成長した(図)。
欧米と比べてECの歴史が浅い中国で急成長した理由としては、実店舗型小売業が依存している伝統的な流通経路の問題が大きい。
多段階での介在業者や複雑な制度・慣行があるため、小売価格が高くなり、消費者が希望する金額で求める商品を入手しにくい。
しかしECであれば、そうした問題がクリアできる。
これが中国におけるEC市場急成長に結びついた。
小売企業の売り上げ規模をみると、EC事業者の京東、蘇寧、天猫(アリババのBtoC部門)が上位3社を占めている(英国Euromonitor調査)。
京東、蘇寧が直販を主体としているのに対し、天猫はマーケットプレイス型だ。
天猫は売上規模では3位だが、流通総額ではトップとなる。
アリババには、CtoCネット通販で最大手のタオバオもあるため、中国のネット通販市場で最大のプレーヤーである。
アリババは決済・金融分野でもトップ企業だ。
同社のアリペイは、ネット通販のエスクローサービス(売買の当事者以外の第三者が決済を仲介して取引の安全性を保証するサービス)として始まった。
アリペイにチャージすると金利が付き、消費者の膨大な利用データから計算された信用スコアに基づいて優遇金利で融資までする。
京東は、SNSのウィーチャットを運営するテンセントと提携し、決済ではウィーチャット・ペイを利用している。
中国の電子決済でウィーチャット・ペイはアリペイと並ぶ2大決済手段となっている。
電子決済はオンラインだけでなく日常生活のあらゆる場面でも利用されている。
日本でも報道されているように、中国はキャッシュレス化が進み、現金がなくても生活できるが、スマホでの電子決済ができないと日常生活もままならないほどである。
日常生活から得られる膨大な購買・決済情報を活用して、オンラインとオフラインを完全に融合しようというのが「OMO(Online Merged with Offline)」である。
これを、アリババは「新小売」、京東は「無界小売」と呼んでいる。
アリババは前述の天猫小店に加えて、多くの小売業態に進出している。
百貨店・ショッピングセンターを展開する銀泰商業集団との提携を皮切りに、実店舗を活かしたオムニチャネルで消費者の支持が高い家電小売の蘇寧やスーパー、コンビニに出資。
現在、提携関係を含めると全国6千店以上の実店舗をネットワーク化している。
アリババの新小売で注目すべきは、食品スーパー、フードコート、ネットスーパーの機能を兼ね備えた「盒馬鮮生(フーマー)」である。
短期間のうちに大都市中心に150店を開いている。
食品の新鮮さを訴求し、即日販売を前提とした商品には曜日が大きく印刷されている。
消費者は産地から売場までの商品のサプライチェーンをスマホのアプリを使ってその場で確認できる。
店内には中国で人気の生け簀が備えられ、高級魚に付けられたタグを読み取れば産地や履歴が分かる仕組みだ。
併設されたフードコートでは、スーパーで購入した商品をそのまま調理してもらうこともできる。
支払いがアリペイのみのため日本人には利用しづらいが、アリペイが利用できれば次世代の買い物や食事を体験できる。
食品スーパーの商品やフードコートの料理はネットでも注文でき、店舗から3キロメートル以内なら30分以内で配達される。
一度店舗で商品の鮮度を実際に確認した後は、多くの消費者がネット注文するようになるという。
筆者は上海の店舗を真夏の8月に訪問したが、この時期は手ぶらでも外に出たくなくなるほどの炎天で市内の交通混雑も激しいため、フーマーが人気なのも納得できた。
フーマーの店舗内では、買い物客に交じって店員が棚からネット注文された商品をピッキングしている。
トートバックに入れた商品は天井のレールを使ってバックヤードに運搬され、温度帯別に梱包された商品は店舗のバックヤードで待機する大勢の配達員によって配達される。
配達には、小回りがきき小ロットで迅速に配達可能な電動バイクが使われている(写真2)。
4.アマゾンの実店舗展開 近代的小売業態を次々と生み出したアメリカにおいても、ネット通販は急成長を続けており、直近のEC化率は9・0%となった。
アマゾンが実店舗型小売業に及ぼす影響は凄まじく、多くの歴史ある小売業者が倒産し、小売業界の淘汰が加速している。
店舗型小売業者はアマゾンへの対抗上、オムニチャネルに取り組まざるを得ない状況にある。
アメリカの小売業界は上位集中化が進み、ウォルマートの売上高が全米小売販売額に占める割合は11・6%にまで到達している。
英国Euromonitorの19年調査によると、ウォルマート、CVSヘルス、クローガー、ウォルグリーン、コストコに続き、アマゾンは第6位で市場シェア2・5%である。
この結果だけをみると、アマゾンの規模は実店舗主体型事業者と比べるとまだ小さいように思えるが、アマゾンは直販以上にマーケットプレイスで膨大な出品者の商品を販売している。
さらに小売以外にもクラウドコンピューティングサービスのAWS(アマゾンウェブサービス)やフルフィルメントサービスのFBA(フルフィルメントバイアマゾン)、広告、動画・音楽配信サービスなどのプラットフォームサービスを多数提供している。
中でも、AWSは非常に収益性の高いサービスである。
アマゾンは、15年に最初の実店舗である「アマゾンブックス」を開いた後、売れ筋商品や新製品を集めた「アマゾン4スター」、無人コンビニの「アマゾンゴー」などを開設している。
店舗数から考えると、これらはいずれも実験の域を出ていないが、17年に買収した高級食品スーパーの「ホールフーズ」は500以上の店舗を持つ。
生鮮食品はネット通販でもっとも取り込みが難しい分野であり、実店舗型小売業者のオムニチャネルが強みとする分野である。
07年にスタートしたアマゾンフレッシュでは、大都市内の配送拠点から短時間で配達する方式を採用していたが、ホールフーズの買収により実店舗も併営することになった。
アマゾンの実店舗運営はオムニチャネルというより、同社のアニュアルリポートにも明記されている「地球でもっとも顧客中心主義の会社になることを追求する」ための努力の一環であるといえるだろう。
顧客中心の視点からは、オンラインもオフラインも区別されず、顧客の都合の良いやり方で買い物ができればよい。
スマートスピーカーのアマゾンエコーやアレクサによる音声注文、DRS(Dash Replenishment Service)による自動発注なども、そのような顧客中心主義の位置付けのもとで展開されているのだといえる。
5.デジタルプラットフォーマーの 複合型ビジネス アマゾン、アリババ、京東による実店舗展開はプラットフォーマーの視点からみることも有用である。
この3社はデジタルプラットフォーマーとして、消費者の購買行動、嗜好、決済などに関する情報を収集、分析できる立場にある。
消費者それぞれにお勧め商品を紹介したり、広告を打ったりすることができるし、需要動向に合わせて在庫を調整したり、サプライチェーンを最適化することもできる。
生鮮食品を中心とする食品分野での実店舗展開の真の狙いは、こちらにある可能性が高いと筆者は考えている。
マーケットプレイス型のネット通販は、供給側の顧客グループ(出品者、出店者)と需要側の顧客グループ(消費者)の取引を仲介するマルチサイドプラットフォームである。
需要サイドでは、利用者が増えるほど、リコメンデーションや口コミが増え、商品を選びやすくなり、規模の経済が働いて配送料も安くなる。
一方供給サイドでも、販売者が増えるほど品揃えが豊かになる。
このように需給両面で、「サイド内ネットワーク効果」が働くことでプラットフォームの価値が高まるのだ。
そればかりか、利用者が増えれば供給者にとって魅力的となり、供給者が増えれば利用者が増えるという「サイド間ネットワーク効果」が働き、一人勝ちするのだ。
このようなマルチサイドプラットフォームの長所を生かして、ネット通販は店舗型小売が真似できない膨大な品揃えと顧客を短期間で獲得できた。
しかし、ロール・クレア・レイエとブノワ・レイエの両氏は『プラットフォーマー 勝者の法則』において「マルチサイドプラットフォームには、バリューチェーンや顧客体験の制御に弱みがある」と指摘した。
ネット通販事業者は、調達から消費者への販売に至るバリューチェーンの大部分を供給者に依存している。
このため、品質が劣った商品や偽ブランド品までが出品されたり、配送方法・料金がばらばらだったりする。
しかも実店舗を持たないネット通販では、顧客体験がバーチャルに限られている。
この弱みは消費者が実物を実店舗で確認し、ネット通販で購入するショールーミングにも表れている。
ショールーミングは一見、ネット通販事業者による実店舗へのただ乗りのように思えるが、販売チャンスを実店舗小売業者に奪われる脅威でもある。
優れた実店舗小売業者はショールーミングをオムニチャネルのチャンスとして、実店舗での購入に結びつけるための仕掛けを構築している。
ネット通販事業者は、マルチサイドプラットフォームの弱みを補完するために実店舗小売に取り組み始めたとも考えられる。
この流れの先には、前述のフーマーや「7フレッシュ」(京東の食品スーパー)、無人コンビニなどのように最新技術を活用して、新たな買い物を体験できる店舗がさらに広がる未来が待っているのかもしれない。
6.労働集約的なラストマイル 実店舗小売業のオムニチャネルであれ、プラットフォーマーの実店舗展開であれ、重要な課題はロジスティクスだ。
店舗や配送拠点までのロジスティクスでは、小ロット荷物に対応した自動仕分け機やデジタルピッキング方式を導入し、効率化が進められている。
今後も情報通信技術の発展やロボット技術の普及により、物流センター内の自動化と無人化が進んでいくと期待される。
しかし、店舗や配送拠点から各家庭までの配送、つまりラストマイルでは解決すべき問題が山積している。
中国においては店舗から主に電動バイクを使って宅配しており、その手法は極めて労働集約的である。
即時配達をするためには、多くの注文を積み合わせることも難しく、ピストン輸送になりがちで効率が悪い。
こうしたラストマイルの配達リソースは、これまでは主に農村からの出稼ぎ労働力に依存してきたが、既に労働力は減少し始めている。
最近は出前サービスの需要が急増し、配送員の奪い合いが発生している。
アメリカではクラウドソーシング方式のアマゾン・フレックスがラストマイルで導入されている。
日本においては法制度上の問題から営業用車に限定されているが、アメリカでは自家用車も参加できる。
アメリカでは専属配送事業者をさらに育成するため、アマゾン・デリバリー・パートナー制度をスタートさせた。
車両、保険、モバイル機器などを低価格で提供し、配送業務のトレーニングやサポートを実施している。
日本から見ると、中国やアメリカは大胆な手法でラストマイルを確保しているように思えるが、労働力に依存した人海戦術であるという点に変わりはない。
長期的な人口動態を考えれば、持続可能な手法かどうかは疑問だ。
現在、実験中の配達ロボットや自動運転サービス、ドローンなどが実用化されなければ、ラストマイル問題は解消できないかもしれない。
7.オムニチャネルの行方と新型コロナ 日本のEC化率は7・3%とまだ低い。
これは実店舗小売が今も消費者の大きな支持を得ていることを意味する。
ネットスーパーなどオムニチャネルの普及も遅れている。
諸外国と比べると、コンビニや食品スーパーなどといった多くの店舗が近所にあるため、こうした店舗を冷蔵庫代わりにして、毎日新鮮な食品を購入する消費者も多い。
しかし、日本の小売構造を形作ってきたこのような消費習慣は、これから大きく変わっていく可能性がある。
その理由は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、生活様式の変容だ。
本稿執筆中、緊急事態宣言の期限が延長され、特定警戒都道府県での外出自粛継続が決まった。
新型コロナウイルスに関する政府の専門家会議は、感染拡大防止のための「新しい生活様式」を発表した。
接触機会を減らすため、買い物では通販を利用したり、電子決済を活用することを具体例として示した。
外食を控え、テイクアウトや宅配を利用することも求めている。
店舗で買い物をする場合には一人、もしくはできるだけ少人数で短時間にまとめて行うことが推奨されている。
買い物の際には店員との接触を極力避けることが求められ、金銭のやり取りが不要な電子決済の利用も勧められている。
これは買い物という行為の有り様が大きく変わることを意味する。
買い物が家族や友人とともに楽しむ行為ではなくなり、安全と効率が求められる「仕事」になる。
既に1カ月以上の巣ごもり生活が続き、消費者の買い物行動は新しい生活様式に対応した方向にかじを切っている。
消費者によるネット通販利用が拡大した結果、商品によっては品切れが続き、配達が通常よりも遅れるといった事態も発生している。
ネットスーパーの利用も急増し、配送枠の予約がほとんどとれない状況だ。
日本においては生活必需品の買い物は外出自粛の対象外だが、諸外国の多くではより厳しい外出規制が課されている。
そのため、ネット通販や出前サービスの需要が急増している。
アメリカでは、アマゾンが従業員の安全確保を図りつつ、17万5千人もの大規模採用を計画している。
中国では、フーマーが休業中の飲食店の従業員をシェアして配送員として雇用しているという。
新型コロナウイルスの影響が見通せない中、消費者は新しい生活様式を取り入れざるを得ない。
その新しい生活様式では、これまで以上にオムニチャネルが重要な役割を担うことになる。
そして、それを支えるラストマイル体制の構築が重要な課題になっている。
参考文献 経済産業省(2019)『電子商取引に関する市場調査』 ロール・クレア・レイエ、ブノワ・レイエ(2019)『プラットフォーマー 勝者の法則』日本経済新聞出版社
クリック・アンド・モルタルは、オンラインに加えてテレビ、カタログ、DM、コールセンター、携帯電話などといった、さらに多くのチャネルを組み合わせたマルチチャネルへと広げることにより、顧客層を拡大していった。
そして、消費者利便性の視点から実店舗とネットを融合し、マルチチャネルを消費者が意識することなく越えて買い物を経験できるオムニチャネルへと発展した。
米国のメーシーズ百貨店は2010年頃にオムニチャネルを前面に打ち出し、顧客がいつでも、どのチャネルからでもアクセスできるよう在庫情報や顧客情報を一元管理可能な組織体制の構築を本格的に開始した。
その後、GMSのウォルマート、ドラッグストアのウォルグリーン、ホームセンターのホームデポなどといった多くの業態でオムニチャネルへの取り組みが進んだ。
日本ではヨドバシカメラ、良品計画、ファーストリテイリングといった専門店やSPAなどが先行してオムニチャネルを手掛けてきた。
15年にはセブン&アイ・ホールディングスが傘下のコンビニ、スーパー、百貨店、専門店などを含む業態を超えたオムニチャネルを開始。
全国のセブン─イレブン店頭での商品受け取りや、ネットスーパーといった多業態を生かしたオムニチャネルに取り組んでいる。
実店舗小売業者は、最大の強みである実店舗を生かしたオムニチャネル戦略に活路を見出そうとしてきた。
しかし、顧客や在庫などの情報管理やチャネル別組織をオムニチャネルとして融合するのは簡単ではない。
成功している実店舗小売業者ほど、その取り組みに苦戦しているのが現状だ。
実店舗小売業者の多くはシームレスなオムニチャネルというよりも、オンラインを使ってオフラインの実店舗へと送客するOtoO(Online to Offline)にとどまっている。
RFIDが普及し始め、IoTやビッグデータ、人工知能(AI)の活用が謳われるようになり、最新デジタル技術を実店舗やオンラインに利用する動きが加速している。
20年に設立された日本オムニチャネル協会は、「日本の店舗・拠点を持つ企業がデジタル変革の波をいかし、新しい顧客体験を創造、進化させることに貢献する」ことを目的として掲げている。
実店舗小売業者にとってのオムニチャネルはネット通販事業者に対抗するためのデジタル化戦略となってきている。
2.ネット通販企業による 実店舗展開の狙い リアル店舗を持たないネット通販事業者は、実店舗でかかる土地代、施設費、人件費などを負担する必要がない。
このコストを価格に反映することで、消費者に低価格で商品を販売してきた。
しかし、アマゾンや中国のアリババや京東(JD.com)といった大手ネット通販事業者は最近急ピッチで実店舗網の整備を進めている。
実店舗設置を加速する目的の一つは、これまでネット通販事業者が不得意としてきた食品分野の取り込みにある。
現時点までにネット通販事業者が開設した実店舗のほとんどは、食品スーパーやコンビニであることが、それを裏付けている。
価格が安く、すぐに消費される食品、特に鮮度が要求される生鮮品はネット通販にとっては鬼門であった。
消費者は、近くの実店舗で必要な時に必要な分だけ少量の買い物をすることに慣れている。
普段利用しているスーパーから届けてくれるネットスーパーなら、品質も分かっているし、すぐに配達してくれる。
この点でネットスーパーは、実店舗小売業の優れたオムニチャネル戦略だ。
ネット通販事業者は広域をカバーする物流センター配送方式で食品をネット販売している。
しかし、この方式はリードタイムが長く、配送時間枠も大きくなってしまう。
この問題を克服するため、アマゾンは大都市圏内で小規模分散型の物流センターを整備し、そこから短時間で配送する「アマゾンフレッシュ」を展開している。
アマゾンは従来の無店舗型での取り組みに加えて、アメリカでの食品スーパー買収や無人店舗などの新型店舗の整備を進め、多数の実店舗を展開するに至った。
また中国でも、アリババや京東が、アマゾンよりもさらに大規模に実店舗網の整備を加速させている。
こうした事例から分かるように、実店舗網整備の第2の目的は物流面での活用にある。
実店舗を分散型物流拠点として用いることで、消費者に短いリードタイムで届けられる体制を構築できる。
最寄り店舗でネット注文した商品を受け取れることは消費者の利便性向上にも結びつく。
実店舗網整備の第3の目的はオンラインとオフラインを統合した新しい小売業態を確立することである。
この詳細については次節以降で述べるが、その前に中国でのネット通販事業者による零細商店のチェーン化について触れておきたい。
中国には近代化が遅れた零細商店が600万以上あるといわれる。
実際、地方都市に行くとコンビニは見当たらず、あるのは古臭い商店ばかり。
そうした商店の商品棚には在庫や賞味期限の管理もされていない商品が埃を被って乱雑に置かれている。
アリババや京東は、このような零細商店に自社の情報・物流システムを提供し、チェーン化しようとしている。
零細商店側はアリババや京東の最新システムを利用して近代的な商業経営ができるようになる。
ネット通販事業者側は「BtoスモールB」事業を拡大するだけでなく、オンラインでは分からなかった実店舗での購買行動について、電子決済システムから情報を得られるようになる。
京東は19年1月、「京東便利店」100万店計画を発表し、ネット通販が普及していない農村地域を中心に出店を進めている(写真1)。
同じくアリババの「天猫小店」には、既に中国全土で数万店が加盟している。
3.アリババ「新小売」と 京東「無界小売」 ここで、世界のEC(電子商取引)市場をみてみたい。
全世界のECは年平均20%もの急成長を続けており、経済産業省の調査によるとEC化率(小売市場に占めるECの比率)は18年に10%を超えた。
中国のEC化率は世界最高の22・7%となり、世界最大のEC市場に成長した(図)。
欧米と比べてECの歴史が浅い中国で急成長した理由としては、実店舗型小売業が依存している伝統的な流通経路の問題が大きい。
多段階での介在業者や複雑な制度・慣行があるため、小売価格が高くなり、消費者が希望する金額で求める商品を入手しにくい。
しかしECであれば、そうした問題がクリアできる。
これが中国におけるEC市場急成長に結びついた。
小売企業の売り上げ規模をみると、EC事業者の京東、蘇寧、天猫(アリババのBtoC部門)が上位3社を占めている(英国Euromonitor調査)。
京東、蘇寧が直販を主体としているのに対し、天猫はマーケットプレイス型だ。
天猫は売上規模では3位だが、流通総額ではトップとなる。
アリババには、CtoCネット通販で最大手のタオバオもあるため、中国のネット通販市場で最大のプレーヤーである。
アリババは決済・金融分野でもトップ企業だ。
同社のアリペイは、ネット通販のエスクローサービス(売買の当事者以外の第三者が決済を仲介して取引の安全性を保証するサービス)として始まった。
アリペイにチャージすると金利が付き、消費者の膨大な利用データから計算された信用スコアに基づいて優遇金利で融資までする。
京東は、SNSのウィーチャットを運営するテンセントと提携し、決済ではウィーチャット・ペイを利用している。
中国の電子決済でウィーチャット・ペイはアリペイと並ぶ2大決済手段となっている。
電子決済はオンラインだけでなく日常生活のあらゆる場面でも利用されている。
日本でも報道されているように、中国はキャッシュレス化が進み、現金がなくても生活できるが、スマホでの電子決済ができないと日常生活もままならないほどである。
日常生活から得られる膨大な購買・決済情報を活用して、オンラインとオフラインを完全に融合しようというのが「OMO(Online Merged with Offline)」である。
これを、アリババは「新小売」、京東は「無界小売」と呼んでいる。
アリババは前述の天猫小店に加えて、多くの小売業態に進出している。
百貨店・ショッピングセンターを展開する銀泰商業集団との提携を皮切りに、実店舗を活かしたオムニチャネルで消費者の支持が高い家電小売の蘇寧やスーパー、コンビニに出資。
現在、提携関係を含めると全国6千店以上の実店舗をネットワーク化している。
アリババの新小売で注目すべきは、食品スーパー、フードコート、ネットスーパーの機能を兼ね備えた「盒馬鮮生(フーマー)」である。
短期間のうちに大都市中心に150店を開いている。
食品の新鮮さを訴求し、即日販売を前提とした商品には曜日が大きく印刷されている。
消費者は産地から売場までの商品のサプライチェーンをスマホのアプリを使ってその場で確認できる。
店内には中国で人気の生け簀が備えられ、高級魚に付けられたタグを読み取れば産地や履歴が分かる仕組みだ。
併設されたフードコートでは、スーパーで購入した商品をそのまま調理してもらうこともできる。
支払いがアリペイのみのため日本人には利用しづらいが、アリペイが利用できれば次世代の買い物や食事を体験できる。
食品スーパーの商品やフードコートの料理はネットでも注文でき、店舗から3キロメートル以内なら30分以内で配達される。
一度店舗で商品の鮮度を実際に確認した後は、多くの消費者がネット注文するようになるという。
筆者は上海の店舗を真夏の8月に訪問したが、この時期は手ぶらでも外に出たくなくなるほどの炎天で市内の交通混雑も激しいため、フーマーが人気なのも納得できた。
フーマーの店舗内では、買い物客に交じって店員が棚からネット注文された商品をピッキングしている。
トートバックに入れた商品は天井のレールを使ってバックヤードに運搬され、温度帯別に梱包された商品は店舗のバックヤードで待機する大勢の配達員によって配達される。
配達には、小回りがきき小ロットで迅速に配達可能な電動バイクが使われている(写真2)。
4.アマゾンの実店舗展開 近代的小売業態を次々と生み出したアメリカにおいても、ネット通販は急成長を続けており、直近のEC化率は9・0%となった。
アマゾンが実店舗型小売業に及ぼす影響は凄まじく、多くの歴史ある小売業者が倒産し、小売業界の淘汰が加速している。
店舗型小売業者はアマゾンへの対抗上、オムニチャネルに取り組まざるを得ない状況にある。
アメリカの小売業界は上位集中化が進み、ウォルマートの売上高が全米小売販売額に占める割合は11・6%にまで到達している。
英国Euromonitorの19年調査によると、ウォルマート、CVSヘルス、クローガー、ウォルグリーン、コストコに続き、アマゾンは第6位で市場シェア2・5%である。
この結果だけをみると、アマゾンの規模は実店舗主体型事業者と比べるとまだ小さいように思えるが、アマゾンは直販以上にマーケットプレイスで膨大な出品者の商品を販売している。
さらに小売以外にもクラウドコンピューティングサービスのAWS(アマゾンウェブサービス)やフルフィルメントサービスのFBA(フルフィルメントバイアマゾン)、広告、動画・音楽配信サービスなどのプラットフォームサービスを多数提供している。
中でも、AWSは非常に収益性の高いサービスである。
アマゾンは、15年に最初の実店舗である「アマゾンブックス」を開いた後、売れ筋商品や新製品を集めた「アマゾン4スター」、無人コンビニの「アマゾンゴー」などを開設している。
店舗数から考えると、これらはいずれも実験の域を出ていないが、17年に買収した高級食品スーパーの「ホールフーズ」は500以上の店舗を持つ。
生鮮食品はネット通販でもっとも取り込みが難しい分野であり、実店舗型小売業者のオムニチャネルが強みとする分野である。
07年にスタートしたアマゾンフレッシュでは、大都市内の配送拠点から短時間で配達する方式を採用していたが、ホールフーズの買収により実店舗も併営することになった。
アマゾンの実店舗運営はオムニチャネルというより、同社のアニュアルリポートにも明記されている「地球でもっとも顧客中心主義の会社になることを追求する」ための努力の一環であるといえるだろう。
顧客中心の視点からは、オンラインもオフラインも区別されず、顧客の都合の良いやり方で買い物ができればよい。
スマートスピーカーのアマゾンエコーやアレクサによる音声注文、DRS(Dash Replenishment Service)による自動発注なども、そのような顧客中心主義の位置付けのもとで展開されているのだといえる。
5.デジタルプラットフォーマーの 複合型ビジネス アマゾン、アリババ、京東による実店舗展開はプラットフォーマーの視点からみることも有用である。
この3社はデジタルプラットフォーマーとして、消費者の購買行動、嗜好、決済などに関する情報を収集、分析できる立場にある。
消費者それぞれにお勧め商品を紹介したり、広告を打ったりすることができるし、需要動向に合わせて在庫を調整したり、サプライチェーンを最適化することもできる。
生鮮食品を中心とする食品分野での実店舗展開の真の狙いは、こちらにある可能性が高いと筆者は考えている。
マーケットプレイス型のネット通販は、供給側の顧客グループ(出品者、出店者)と需要側の顧客グループ(消費者)の取引を仲介するマルチサイドプラットフォームである。
需要サイドでは、利用者が増えるほど、リコメンデーションや口コミが増え、商品を選びやすくなり、規模の経済が働いて配送料も安くなる。
一方供給サイドでも、販売者が増えるほど品揃えが豊かになる。
このように需給両面で、「サイド内ネットワーク効果」が働くことでプラットフォームの価値が高まるのだ。
そればかりか、利用者が増えれば供給者にとって魅力的となり、供給者が増えれば利用者が増えるという「サイド間ネットワーク効果」が働き、一人勝ちするのだ。
このようなマルチサイドプラットフォームの長所を生かして、ネット通販は店舗型小売が真似できない膨大な品揃えと顧客を短期間で獲得できた。
しかし、ロール・クレア・レイエとブノワ・レイエの両氏は『プラットフォーマー 勝者の法則』において「マルチサイドプラットフォームには、バリューチェーンや顧客体験の制御に弱みがある」と指摘した。
ネット通販事業者は、調達から消費者への販売に至るバリューチェーンの大部分を供給者に依存している。
このため、品質が劣った商品や偽ブランド品までが出品されたり、配送方法・料金がばらばらだったりする。
しかも実店舗を持たないネット通販では、顧客体験がバーチャルに限られている。
この弱みは消費者が実物を実店舗で確認し、ネット通販で購入するショールーミングにも表れている。
ショールーミングは一見、ネット通販事業者による実店舗へのただ乗りのように思えるが、販売チャンスを実店舗小売業者に奪われる脅威でもある。
優れた実店舗小売業者はショールーミングをオムニチャネルのチャンスとして、実店舗での購入に結びつけるための仕掛けを構築している。
ネット通販事業者は、マルチサイドプラットフォームの弱みを補完するために実店舗小売に取り組み始めたとも考えられる。
この流れの先には、前述のフーマーや「7フレッシュ」(京東の食品スーパー)、無人コンビニなどのように最新技術を活用して、新たな買い物を体験できる店舗がさらに広がる未来が待っているのかもしれない。
6.労働集約的なラストマイル 実店舗小売業のオムニチャネルであれ、プラットフォーマーの実店舗展開であれ、重要な課題はロジスティクスだ。
店舗や配送拠点までのロジスティクスでは、小ロット荷物に対応した自動仕分け機やデジタルピッキング方式を導入し、効率化が進められている。
今後も情報通信技術の発展やロボット技術の普及により、物流センター内の自動化と無人化が進んでいくと期待される。
しかし、店舗や配送拠点から各家庭までの配送、つまりラストマイルでは解決すべき問題が山積している。
中国においては店舗から主に電動バイクを使って宅配しており、その手法は極めて労働集約的である。
即時配達をするためには、多くの注文を積み合わせることも難しく、ピストン輸送になりがちで効率が悪い。
こうしたラストマイルの配達リソースは、これまでは主に農村からの出稼ぎ労働力に依存してきたが、既に労働力は減少し始めている。
最近は出前サービスの需要が急増し、配送員の奪い合いが発生している。
アメリカではクラウドソーシング方式のアマゾン・フレックスがラストマイルで導入されている。
日本においては法制度上の問題から営業用車に限定されているが、アメリカでは自家用車も参加できる。
アメリカでは専属配送事業者をさらに育成するため、アマゾン・デリバリー・パートナー制度をスタートさせた。
車両、保険、モバイル機器などを低価格で提供し、配送業務のトレーニングやサポートを実施している。
日本から見ると、中国やアメリカは大胆な手法でラストマイルを確保しているように思えるが、労働力に依存した人海戦術であるという点に変わりはない。
長期的な人口動態を考えれば、持続可能な手法かどうかは疑問だ。
現在、実験中の配達ロボットや自動運転サービス、ドローンなどが実用化されなければ、ラストマイル問題は解消できないかもしれない。
7.オムニチャネルの行方と新型コロナ 日本のEC化率は7・3%とまだ低い。
これは実店舗小売が今も消費者の大きな支持を得ていることを意味する。
ネットスーパーなどオムニチャネルの普及も遅れている。
諸外国と比べると、コンビニや食品スーパーなどといった多くの店舗が近所にあるため、こうした店舗を冷蔵庫代わりにして、毎日新鮮な食品を購入する消費者も多い。
しかし、日本の小売構造を形作ってきたこのような消費習慣は、これから大きく変わっていく可能性がある。
その理由は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、生活様式の変容だ。
本稿執筆中、緊急事態宣言の期限が延長され、特定警戒都道府県での外出自粛継続が決まった。
新型コロナウイルスに関する政府の専門家会議は、感染拡大防止のための「新しい生活様式」を発表した。
接触機会を減らすため、買い物では通販を利用したり、電子決済を活用することを具体例として示した。
外食を控え、テイクアウトや宅配を利用することも求めている。
店舗で買い物をする場合には一人、もしくはできるだけ少人数で短時間にまとめて行うことが推奨されている。
買い物の際には店員との接触を極力避けることが求められ、金銭のやり取りが不要な電子決済の利用も勧められている。
これは買い物という行為の有り様が大きく変わることを意味する。
買い物が家族や友人とともに楽しむ行為ではなくなり、安全と効率が求められる「仕事」になる。
既に1カ月以上の巣ごもり生活が続き、消費者の買い物行動は新しい生活様式に対応した方向にかじを切っている。
消費者によるネット通販利用が拡大した結果、商品によっては品切れが続き、配達が通常よりも遅れるといった事態も発生している。
ネットスーパーの利用も急増し、配送枠の予約がほとんどとれない状況だ。
日本においては生活必需品の買い物は外出自粛の対象外だが、諸外国の多くではより厳しい外出規制が課されている。
そのため、ネット通販や出前サービスの需要が急増している。
アメリカでは、アマゾンが従業員の安全確保を図りつつ、17万5千人もの大規模採用を計画している。
中国では、フーマーが休業中の飲食店の従業員をシェアして配送員として雇用しているという。
新型コロナウイルスの影響が見通せない中、消費者は新しい生活様式を取り入れざるを得ない。
その新しい生活様式では、これまで以上にオムニチャネルが重要な役割を担うことになる。
そして、それを支えるラストマイル体制の構築が重要な課題になっている。
参考文献 経済産業省(2019)『電子商取引に関する市場調査』 ロール・クレア・レイエ、ブノワ・レイエ(2019)『プラットフォーマー 勝者の法則』日本経済新聞出版社
