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SEPTEMBER 2004 54
二○○四年七月八日、マサチューセッツ
ICタグ(RFID)を利用した商品のト
ラッキングは、メーカーのサプライチェーン
における主要課題のひとつである。 ウォルマ
ートや米国防総省および他の需要家には、既
にICタグや読み取り機メーカーの多くがゴ
ールドラッシュさながらに殺到している。
一方、そうした需要家に製品を納める日用
消費財、食品、飲料などのメーカーは、IC
タグ利用を正当化する努力を続けている。 し
かしながら医薬品の分野には、ICタグが魅
力的なソリューションになりうる多くの要因
があり、当初の需要が一巡したあとには、こ
のセグメントが次のゴールドラッシュを担う
ことになるとARCは考えている。
医薬品分野での有用性
医薬品メーカーにとってトラッキングとト
レーシング機能が不可欠であるのは、いろい
ろな理由があるにせよ、そのほとんどは法規
制によるものである。 履歴の追跡や製品リコ
ール、もしくはチャネル全体を通じた追跡が
必要となる分野では、これらの機能の必要性
はますます高まっている。 法規制の中でも、
とりわけICタグが適しているのが、いま問
題になりつつある偽造防止規制に関するもの
である。 FDA(米食品医薬品局)はすでに、
不正開封防止パッケージやバーコード、ある
いは隠しインクといったセキュリティー対策
とともに、ICタグを偽造防止策のひとつと
して推奨している。
FDAの予定ではケースとパレットから始
まり、二〇〇七年にはほとんどの医薬品のパ
ッケージ一個一個にもタグが付くとしている。
このほど発表されたレポート「メーカーのサ
プライチェーンにおけるRFIDシステム」
の著者で、ARC副社長であるシャンタル・
ポルソネッティは次のように述べている。
「ICタグ市場のポテンシャルは極めて大
きく、タグを付ける品物の個数は、米国だけ
で一二○億にも達すると予想される。 商品価
値がサプライチェーン全体に不均一に分布している小売り業者の場合とは異なり、医薬品
メーカーの場合は、最終製品にいたるまでタ
グを付けることを、トラッキングとトレーシ
ングの必要性に基づいて正当化することが容
易である。 また、最終製品に付けるタグの価
格がせいぜい五セント以下でなければペイし
ない製品に比べ、医薬品は高価格でマージン
も大きい」
メーカーのサプライチェーンにおけるIC
タグ市場に関するARCの調査は、真に(顧
客の)需要により生まれた現象ではあるが、
ICタグの技術的未成熟さや、ベンダー各社
間の互換性の欠如、メーカー各社が自社のみ
次のゴールドラッシュ? 医薬品向けICタグ
本コーナーでは米国の大手調査会社、AR
Cアドバイザリーグループの市場調査報告書
について紹介している。 今回は医薬品業界に
おけるICタグの将来性に関するレポートを
取り上げる。
2003 2004 2005 2006 2007 2008( 年)
(百万ドル)
●メーカーのサプライチェーンにおける
無線ICタグの世界市場
C 2004 ARC Advisory Group
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
55 SEPTEMBER 2004
に最適なものを追求しているなど、マイナス
面もあることも指摘している。
同レポートには、ICタグ・リーダー・そ
の他周辺機器の市場規模とそのポテンシャル、
主要サプライヤー、市場の成長を左右する主
な要因、市場の変化、サプライヤーが直面す
る戦略的課題など、さまざまな情報が盛り込
まれている。
ARCアドバイザリーグループは、一九八
六年創立以来、製造及びサプライチェーンソ
リューションに特化したグローバルアドバイ
ザーとして、その専門的経験と分析力を持っ
たアナリストが、顧客の製造戦略開発、ベス
トソリューション追及を戦略的にサポートし
ている。 設備投資効果、オペレーションパフ
ォーマンス、トータルコスト、生産性などグ
ローバル競争力向上への課題ソリューション
決を目指す、製造企業、ユーティリティ、シ
ステムインテグレーター、サプライヤーへ戦
略的アドバイスを提供している。
本レポートはUS$四九〇〇で入手できま
す。 お問い合わせは下記ARCジャパンオフ
ィスまで。
問い合わせ先
ARCジャパンオフィス 黒岩重雄
電話番号 〇四(二九九一)一六八五
ファックス番号 〇四(二九九一)一六八六
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