ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2004年11号
SOLE
SOLE報告

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

NOVEMBER 2004 80 「当初はソーラーを使用する予定であったが使用しなかった」 「通常は6時間もつのだが、このバッテリーの調達、配布、廃棄につい てかなり細かいロジスティクスを必要とした」――など、いろいろなス ピーカが述べていた。
昨年も話題になっていたのが、バッテリーの欠品問題であった。
考え てみれば、今日の我々の周辺にある便利なもの、無くてはならないもの は、ほとんど電気を利用して動いている。
先々月のフォーラムでは、電 力ロジスティクスの話を聞き、電気の安定供給のための大変な努力を改 めて知った。
砂漠の中での電源はやはりバッテリーであろうし、ほとん どの近代兵器はそれに依存している。
IT社会のもろさを教えられた。
現在、新しいバッテリーの開発がいろいろと試みられているようであ るが、開発予算の問題もあって苦戦している様子であった。
3 CLMの名称変更について これはSOLE2004の中で語られた話題ではないが、先日CLM (Council of Logistics Management)から案内状が届き、来年初めから CLMの名称をCSCMP( Council of Supply Chain Management Professional)に変更すると書かれていた。
かつて1987年に筆者がオハイオ州立大学のラロンド教授をお訪ねした とき、教授は「ロジスティクスという言葉はやがてSCMという言葉に 変わるよ」とおっしゃっていた。
ラロンド教授のもとにおられたクーパ ー教授(前出)がSOLE2004に参加されていたので、CLMの名称変更に ついて尋ねたところ、理由は、CLM会員のニーズが変化してきたので、 それに合わせたとのことだった。
CLMのサイトを覗くと、これからは「ロジスティクス」のみならず 「調達、製造、販売、マーケティング」といった領域も対象にする、と ある。
昔、NCPDM(1963年設立)をCLMに変更(1985年)したときの 理由と同じであり、ロジスティクスはサプライチェーンの重要な機能で あるから今後も焦点を当てていく、とあった。
今年度のフォーラム10回分は2004年9月で終了した。
SOLE東京支部 では、以下のような内容のフォーラムを、11月から新しいシリーズとし て開催していく。
なお、都合により内容を変更する場合があるため、参加希望者は別途、 ご確認いただきたい。
このフォーラムは基本的に年間計画に基づいてい るが、単月のみの参加も可能。
1回の費用は6,000円。
参加希望の方や SOLE東京支部の活動内容に関するお問い合わせはSOLE_consult@ jmac.co.jpまで。
SOLE報告 The International Society of Logistics 次回フォーラムのお知らせ SOLE東京支部では毎月「フォーラム」を開催し、ロジスティクス技 術、ロジスティクスマネジメントに関する活発な意見交換、議論を行い、 会員相互の啓発に努めている。
9月のフォーラムは9月30日に開催し、8月31日〜9月2日に米国で催さ れた「SOLE2004」(SOLEの年次総会)の視察報告を行った。
総会の概 要は前号で紹介したため、今回はそれ以外の話題について記す。
*       *       * 1 SCMからLCMへの転換の必要性 SCMからLCMへの転換が「ホワイトペーパーディベロップメント」 と題したセツションのテーマの一つとして取り上げられていた。
かつて SCMが話題になりはじめた頃、サプライというのは、供給側が市場に 対して商品を(一方的に)供給する顧客中心に考えるべきで、ディマン ドチェーンというべきだという主張があった。
実際、現在ではサプラ イ/ディマンドチェーンなどと表現している。
会場ではSCM(サプライチェーンマネジメント)かLCM(ロジステ ィクスチェーンマネジメント)か、両者はどのように違うのか、といっ た議論がなされた。
まず最初に次のような議論があった。
「サプライチェーンマネジメントの定義のひとつは、5R(Right Material、Right Place、Right Time, Right Quantity, Right Cost)であ り、そのための輸送、在庫などの問題もそこに組み込まれている」 「ロジスティクスチェーンも結局、同じことを言っているのではない か」 ここでオハイオ州立大学のマーサ・クーパー教授が発言した。
「かつ てバリューチェーンという言葉があり、サプライチェーンマネジメント という言葉は1982年に最初に使われた。
サプライを管理する技術の発展 にともない、管理すべき領域が増えている。
このためチェーンの長さで、 たとえば“ゆりかごから墓場まで”のように切ってみるのもよい」 続いて別の参加者がこう語った。
「商品の製造の前には原料があり、 その前には鉄鉱石の採掘がある。
最初の原料から消費された後の環境保 全問題まで含めて、長い範囲を見るのがロジスティクスチェーンといえ るのではないか」 その後も、いろいろな意見が出たが、最後にクーパー教授が次のよう にまとめた。
「顧客の視点が大切であり、質的な見方が必要と思う。
たとえばワイ ヤレス電話のサプライチェーンを考えた場合、民間であれば、製造者か ら消費者への物流が焦点だ。
ところがロジスティクスチェーンマネジメ ントでは、電話を販売した後の充電器の提供や、その他の補助機器まで 考えねばならない。
長さより厚みかもしれない」 なかなか面白い議論であった。
コンシューマグッズについてはサプラ イチェーンマネジメント、システム製品についてはロジスティクスチェ ーンマネジメントということか。
SOLEではサプライチェーンマネジメントという言葉も盛んに使用す るが、ロジスティクスチェーンマネジメントという表現も頻出する。
SOLE設立のきっかけであるライフサイクル(αアルファからΩオメ ガ・・・一生の意味・・・SOLEのロゴマークはαとΩの組み合わせ)を重視 すると、ロジスティクスチェーンになるのかもしれない。
2 IT社会の脆弱性 今回のイラク戦争におけるロジスティクス支援ではバッテリーの供給 が大問題だったようである。
「今回使用した『5590』というバッテリーは大変重いもので、目的は 赤外線照準用、あるいはGPS用、その他の用途に用いられた」 SOLE東京支部フォーラムの報告 04年 11月17日( 水) オリエンテーションと講演 12月15日( 水) ロジスティクス技術の研究:AIDC技術(1) 05年 1月19日( 水) 中国市場への戦略的ロジスティクス展開 2月16日( 水) 見学:物流センター 3月16日( 水) 事例研究:コンサルティング事例紹介 4月13日( 水) 見学:防衛庁・市谷 5月18日( 水) 見学:物流センター 6月15日( 水) ロジスティクス技術の研究:AIDC技術(2) 7月13日( 水) 環境ロジスティクスの動向と焦点 8月休会(SOLE2005視察のため米フロリダ州オーランドへ) 9月14日( 水) SOLE2005報告

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