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APRIL 2003 76
超音波でパレットの位置を追跡する
世界初の入出庫支援システムを開発
アイオイ・システム
日本オリンピック委員会(JOC)はこのほど、佐
川急便と宅配便サービス分野のJOCオフィシャルパ
ートナーシップに関して合意したと発表した。 契約期
間はアテネオリンピックの開催される二〇〇四年の末
まで。
今後、佐川急便は宅配便サービス分野での協賛のほ
か、選手強化およびオリンピックムーブメントの推進
などでJOCを支援していく。 また一九九九年に国際
オリンピック委員会により策定された「オリンピック
ムーブメンツアジェンダ
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」に基づく、スポーツを通
した環境保全活動の実践にも取り組んでいく。
佐川急便は一九五七年の創業以来、スポーツ活動に
力を入れており、オリンピックをはじめ国際大会で活
躍するアスリートをこれまでに多数、輩出してきた。 同時に近年は、社内にエコプロジェクト推進委員会を
発足、低公害車の天然ガス自動車の導入や天然ガス充
填スタンドの設置、アイドリングストップ運動など、
環境の保護・保全活動にも積極的に取り組んでいる。
佐川急便の真鍋邦夫社長は、「オリンピックムーブ
メントの推進は
もちろん、選手
強化の支援およ
びJOCのすす
める環境活動に
積極的に協力し
ていきたい」と
抱
負
を
語
っ
た
。
今回の合意に基
づく具体的な活
動
内
容
は
今
後
、
双方で協議、検
討していく方針
だ。
JOCのオフィシャルパートナー
宅配便部門は佐川急便に決定
アイオイ・システムはこのほど、
超音波によるIDシステムを利用
した「パレット入出庫支援システ
ム」を開発した。 パレットにID
タグを取り付ける必要がないため
低コストでシステムを構築できる
うえ、フォークの位置情報を認識
することで、ロケーションの間違
いを防止できるのが特徴。 同社に
よるとパレットの位置を超音波に
よって追尾・検知するシステムは
世界で初めてという。
入庫の作業フローは次の通り。
入荷した商品に、まず入庫ラベル
を添付。 バーコードスキャナーで
ラベルをスキャンすると、無線端
末に入庫指示が表示される。 後は
指示されたロケーションに商品を
格納した時点で、端末の入庫確定
を入力するだけ。 この時、ロケー
ションが正しければ端末に入庫完
了が伝えられる。
出庫作業も同様だ。 無線端末に
出庫指示を提示。 指示されたロケ
ーションで、パレットにフォーク
を差した時点で出庫を確定。 ロケー
ションが正しければ無線端末が出庫
完了を知らせる。 経験のない作業員
でもミスなく簡単に業務を処理する
ことができる。
同システムのパレット位置検出精
度は約三〇センチで、パレット位置
の検出に要する時間はフォーク五台
までで〇・五秒。 倉庫の天井に設置
する受信機の認識範囲は一七メート
ル。 受信機の設置の間隔は、一〇メ
ートル×三〇メートルの範囲で二〇
台となっている。
問い合わせ先
株式会社 アイオイ・システム
電話番号 〇三(三七六四)〇二二八
ジャンクション
ボックス
ホスト
LAN
管理PC 入庫PC
ラベル
プリンタ
S-IDコントローラ
AI-NET
S-IDユニット(発信機)
S-ID受信機
フォーク無線端末
無線端末用
アクセスポイント
佐川急便の真鍋邦夫社長(左)とJOCの小粥義朗会長
77 APRIL 2003
キヤノン販売は、同社がASP(A p p l i c a t i o n
Service Provider
)事業として提供している、求貨求
車インターネットシステムサービス「キヤノピーネッ
ト(CanoppyNet
)」の新ラインアップ、「キャノピー
ネット リミテッド エディション(CanoppyNet
Limited Edition
)」のサービスを、三月四日より開始し
たと発表した。
求貨求車システムは、荷主の持つ貨物情報と運送会
社の空車(帰り便)情報を、インターネット上でマッ
チングさせるというもの。 初代の「キヤノピーネット」
は二〇〇〇年七月にスタート。 必要なハードウェア、
ソフトウェア、インフラ、サポート、保守サービスを、
マッチングを行う運営幹事会社に提供してきた。 それ
ぞれの運営幹事会社が独自のビジネスモデルにあわせ
て運営を行うことが可能なカスタマイズ型のASPサ
ービスだ。
今回、発表された新サービスには、運営幹事会社に
よるマッチングではなく、荷主企業と運送会社が直接
取引できる機能を追加。 運送事業者同士で情報を共有
することによって、事業者間における全体最適化を図
ることが狙い。 事業者間のネットワークを強化するこ
とで、共同配送など新たなビジネス展開が可能になる
と、同社は説明する。
新サービスの月額ASP利用料金は五万円。 今回は
機能を特化・集約させたことでASPの月額利用料金
をより低価格に設定、これまでの大手物流業者や物流
子会社に加え、中小規模の運送会社など、より多くの
ユーザーの利用が見込まれるという。
問い合わせ先
キヤノン販売
ロジスティクスソリューション販売推進課
電話番号 〇三(三四五五)九八四三
求貨求車システムの
新ラインアップ発表
キヤノン販売
本誌二〇〇二年二月号、三月号
に「実践から学んだ日本型在庫管
理法」を寄稿したライオンの関口
寿一氏が、同社初の社内ベンチャ
ーとして起業を果たした。 二〇〇一年にライオンが創業五〇周年を
記念して企画した社内ベンチャー
コンテストに、関口氏は「SCM
システムの外販事業化推進」と題
した論文を提出。 第二席で入賞を
果たした(第一席は該当なし)。
これを機に関口氏は新規事業を
担当する開発企画部に異動し、事
業化調査に着手。 調査報告書は経
営会議の稟議をパスし、今年一月
に
晴
れ
て
新
会
社
、
シ
ー
コ
ム
ス
(
C . c o m ' s
)の登記にこぎつけた。 スタッフには代表に就任した関口
氏を含め計五人がライオンから出
向した。
もともと関口氏はライオンで卸
向けの自動補給システム「IMS
(
Inventory Management based
Supply
)」の開発・普及活動に携わ
ってきた。 IMSは九八年に岡山
共和物産が導入したのを手始めに
現在、ライオンの特約卸一七社・
五八拠点で稼働している。 IMS
を導入した拠点では在庫を二〜三
割削減したのを始め、発注担当者
の半減、欠品率半減などの成果が
挙がっているという。
このIMSをベースとした在庫
管理システムの構築支援がシーコムスのメーンのソリューションだ。
当面は加工食品卸や地域スーパー
などを対象にする。 将来は中小企
業向けのASP事業も検討してい
るという。
現在、五三歳の関口氏。 「起業家
というには老け過ぎているかも知
れない。 普通ならリストラに怯え
ている世代。 しかし同じ団塊世代
のサラリーマンに元気を与えられ
るような活躍ができたら嬉しい」
と意欲を燃やしている。
ライオンがSCMでベンチャー設立
社内起業家は団塊世代の物流マン
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