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OCTOMBER 2003 60
日本郵政公社が事業の再構築を急いでいる。 今年四
月の公社化を契機として、民間宅配便会社に足元を浸
食され続けてきた過去と決別。 企業向け物流の強化に
よるシェアの巻き返しに本腰を入れ始めた。 宅配便市
場では二〇〇五年度までに現在の倍近い、シェア一〇%
を目指すという。 果たして勝算はあるのか。
『信書便法』時代の郵政公社
本誌
今年四月一日、日本郵政公社の発足と同時に
「信書便法」が施行された。 これによって法律上、郵便
事業は民間に開放されたものの大手宅配業者は新法に
反発して今のところ参入を見送っている。 今回の決着
をどう評価しているか。
日本郵政公社:大部修司経営企画部門物流・国際部長
(以下、郵政・大部)「競争によってサービスが向上す
るのはいいこと。 ただし一方で、郵便に関しては日本
に限らず一部の国を除いて世界中どこでも独占が認め
られている。 これは東京の真ん中でも地方でも同じサ
ービスを提供するというユニバーサル性を確保するた
めだ。 全国一律料金で均一のサービスを提供するため
に、構造としては都会のユーザーにローカルな部分の
コストを補填してもらっているのが実情だ」
「そういう意味では、競争は必要でも一度に一〇〇%
の競争状態に入ると、ネットワークを維持できなくな
る可能性がある。 そのために郵便の自由化は、どこの
国でも段階的に行われている。 我々はファーストクラ
ス・サービスを目指している。 サービスを向上させな
がらコストを下げていく。 その中で我々の使命をきち
んと果たしていくだけだ」野村証券:北見聡公共法人部課長(以下、野村・北
見)「自由化の過渡期の段階において、全ての関係者の
満足を得ることが難しいことは、言うまでもない。 自
由化のメリット、デメリットを総括的に判断せざるを
得ないため、今回は民間宅配便事業者の一部に不満が
残ったともいえる。 ただし、民間でも公的機関でも、ま
ず第一に必要なのは、継続的に事業を行うための商品
戦略であり、損益管理だ。 それによって、事業価値を
向上させることが、郵政公社にも求められるはずだ。 新
規参入する側にとっても、サービス品質の維持とコス
ト低減については、一層の企業努力が不可欠であり、消
費者あるいはユーザーからの一定の評価を得られなけ
ればならない」
本誌
郵政公社の当面の課題は?
郵政・大部「国内に関しては、ゆうパックのシェアを
増やすためにサービスを磨くというのが当面の課題。 現
大部修司 日本郵政公社 経営企画部門 物流・国際部長
北見聡 野村証券 公共法人部 課長
司会 本誌編集長
大矢昌浩
日本郵政公社 大部修司
経営企画部門物流・国際部長
61 OCTOBER 2003
在のゆうパックのシェアは五・八%〜五・九%という
レベルで、競争上は敗者に近い。 生き残るにはシェア
の拡大が必須になる。 平成一七年度にシェアを一〇%
にするという野心的な目標を持っている」
「国際についてはもっとダイナミックに展開していき
たい。 特に東アジア、東南アジアを対象にした物流で
は、我々のネットワークを使ってより良いサービスを
提供できる可能性が大きい。 これについては民間とも
提携しながら、ドイツポストのように派手ではないけ
れど、将来の出資も考えながら展開していきたい」
アジア各国の郵政も国際展開を活発化
本誌
現地に支店を構えるなどして郵政が自分で出て
いくという可能性もある?
郵政・大部「今すぐというわけではないが営業上そう
いうこともいずれ必要になってくると思う。 海外に事
務所を作って、それを子会社として法人化する。 そこ
で営業して、実際に自分たちのネットワークを使って
モノを運ぶという事業が考えられる。 ただしアジアの
場合、我々は韓国や中国の郵便事業体と非常に強い連
携を持っている。 我々が向こうのマーケットに単独で
乗り出していくというのではなく、共同で出資して子
会社を作るというアイディアもある」
「実際、オランダとシンガポール、イギリスの郵政庁
は共同出資で軽量国際メール便の会社、スプリング
(
SPRING
)を作り、売り上げを伸ばしている。 オラン
ダの郵便事業が五一%を出資し、残りをイギリスとシ
ンガポールポストが半分ずつ出資している。 とくにシ
ンガポールはこうした国際展開では非常に戦略的に動
いているという印象だ」
野村・北見「シンガポールの場合、狭隘な国土から国
内の書状事業の成長戦略は限定的だ。 一方で、シンガ
ポールはアジア有数の港湾・空港設備を保有している。
また、二〇〇七年までは書状、はがきの独占的ライセ
ンスがシンガポールポストに与えられているが、民間
事業者との提携に関する法的規制はない。 スプリング
設立にはこうした背景がある。 恐らく今から数年内に
は中国のチャイナポストも民営化されるだろう。 アジ
アの郵便マーケットも各国の規制緩和を睨みながら、効
果的な合従連衡の時代に入っていくと予想される」
本誌
そうなると海外の郵政庁が日本のマーケットを
取りにくる?
郵政・大部「そういったことも当然、考えられる。 海
外工場や海外調達が当たり前になって、今や日本企業
の物流も国際と国内の境界がなくなっている。 我々も
国際、国内を一貫して考えなければいけない。 そうい
う意味で、まだまだ我々のポテンシャルは大きいと考
えている」
野村・北見「マーケットもそのポテンシャルを早く実
現して欲しいと望んでいる。 官民問わず、非効率的な
物流サービスを改革できる事業者には、将来の展望が
開けているということだろう」
本誌
ドイツポストがDHLを始めとした大手民間企
業に積極的に出資しているのを見ていると、郵政公社
がヤマト運輸や佐川急便を買収するという選択肢もあ
り得るはず。 それによって国内市場を固め、国際分野
の勝負に出る、という戦略は世界の郵政庁の戦略とし
ては今や定石ともいえる。
郵政・大部「確かにドイツポストの戦略は非常にわか
りやすい。 先行した有利さもある。 またドイツポスト
に限らず、オランダのTPGはTNTを買収し、フラ
ンスのラポストも動いている。 日本でもと思うのは分
野村証券 北見聡
公共法人部課長
OCTOMBER 2003 62
かるが、前提として法律の改正が必要になる。 それに
は時間がかかる。 そもそも我々が大手宅配便事業者を
買収することを世論がどう見るか」
野村・北見「仮に郵政が大手宅配便事業者を買収する
となった場合、一番のネックは独禁法だろう。 物流市
場という括りであれば不問かもしれないが、宅配便と
いう市場に限定して判断されると独占的シェアは問題
になる。 しかし、こうした事業者の統廃合は、方向性
としてはあってもおかしくはない」
郵政・大部「独禁法の話の前に我々には一定の制約が
ある。 法律に書かれているものもあるし、書かれてい
ないものもある。 民業圧迫という批判もあり、公的な
機関が民間企業と全く同等のことをやるのはおこがま
しいのではないかというメンタルな部分もある」
野村・北見「マスコミを含めて、国民に対する合理的
説明が問われるのは確か」
郵政・大部「また方向性でいえば国内以上に成長して
いるのは先ほども話に出た国際物流、とりわけエクス
プレス分野だ。 しかもアジアは世界市場以上に伸びて
いる。 そういう分野に我々が乗り込んでいき、他の事
業体と提携、連携しながらやっていくというアプロー
チであれば、ドイツポスト流の戦略も成り立つかも知
れない」
企業向けサービスの課題
本誌
本当は民営化した方が仕事もやりやすい?
郵政・本部「民営化して独占がなくなり、自分たちで
稼げとなった場合には、やはりユニバーサルサービスが
問題となる。 ニュージーランドやスウェーデンのように、
完全な自由化の中でユニバーサルサービスの義務を与
えられているところもあるが、国の規模や人口、マー
ケットを考えれば、日本に同じ形は当てはまらない。 ア
メリカのUSPSなどは公社以上の制約もある。 一方
では独占も与えられている」
「郵便に関しては、民営化で完全競争というのは結局、
国民的なコンセンサスではないはずだ。 それが日本郵
政公社という形に反映されているし、この先すぐに民
営化なのかといえば、我々が判断することではないが、
その部分をきちんと検証していかなければいけないと
思う」
野村・北見「確かに民営化のためにはサービス品質の
維持と、もう一つ『あまねく公平に』という部分を満
たせるかどうかが課題になる」
本誌
荷主向けの物流事業ともなると「公平に」とは
言っていられない。 とりわけ3PLなどは特定のお客
さんにカスタマイズしたサービスを提供する仕事で、今の郵政のあり方からは最も遠いところにあるサービス
だ。 今後、郵政がロジスティクス・サービスを手掛け
ていくとなると、否応なくそれを求められることにな
る。
郵政・大部「現在でも郵便などの差し出し人の八割は
企業だ。 ワークシェアという形での料金の割引など、カ
スタマイズはしている。 ベーシックな部分はユニバーサ
ルサービスの義務を果たす。 そして競争分野について
は、一般の郵便についてもカスタマイズして収益を上
げていきたい」
本誌
決済サービスに関しては?
郵政・大部「検討している。 いずれやりたいとは思っ
ているがもう少し時間がかかる。 技術的には問題ない
ものの、郵便の場合、決済金額は小口が多くなる。 そ
うなると手数料をどうするか。 海外ではクレジットカ
ード利用金額に下限を設けているケースも見られるが、
今年1月からローソンの店舗には郵政
公社のポストが置かれるようになった
63 OCTOBER 2003
我が国ではどうすればいいのかといった課題などを検
討している」
野村・北見
「一番の問題は与信管理だろう。 資金回
収にコストを掛けてしまうと、せっかくの付加価値サ
ービスが無駄になってしまう。 また、バランスシート
(貸借対照表)上で、運転資金とそれに見合うキャッシ
ュフローをうまくマッチさせる機能も必要だろう」
郵政・大部「その通り。 与信を担当するセクションは、
これまで我々にはなかった」
民間宅配便業者に勝てるか?
本誌
国内に目を向けると宅配便市場が飽和状態に近
づいている。 その中で、ゆうパックがシェアを伸ばすに
は民間から荷物を奪うしかない。 果たして可能なのか。
現在の郵政の実力をどう自己評価しているのか。
郵政・大部「佐川さんはB
to
Bの物流に優位性がある。
それに対して我々はB
to
Bよりも、Cが絡んだ物流と
相性がいい。 そういう意味ではヤマトさんに近い。 ヤ
マトさんと我々のサービスを比べた場合、最後の配達
の機能では勝るとも劣らないという自負は持っている。
しかし、お客さんに与える利便性、例えばコンビニで
宅急便の受付をしたり、電話で集荷に来てくれるとい
う面では、やはりまだかなわない。 行き届いたサービス
という部分では、まだやることがある。 配達のスピー
ドについても、今年の五月一九日に新体制を組んでキ
ャッチアップしたもののまだ万全とはいえない」
本誌
どう強化していくのか。
郵政・大部「例えばコンビニのローソンと提携して今
年の一月一日から店舗にポストを置いている。 日本の
コンビニは世界的にも例を見ないほど密にあり、二四
時間営業だ。 極めて利便性が高い。 それを我々のネッ
トワークと結びつけたことはある意味、非常に象徴的
な出来事だ。 一つのスタートポイントになると考えて
いる。 コンビニの活用の仕方を戦略的に考えていく。 将
来的にはゆうパックも扱ってもらいたい」
本誌
郵政がコンビニに旗を立てるとなると、官民競
争がいよいよ本格化することになる。
郵政・大部「実態としてはカタログやDMに関しては
信書便法が成立する以前からメール便という形で民間
の参入が始まっている。 自由化を待つまでもなく、実
質的には既に競争状態に入っている。 しかも民間のメ
ール便で扱う荷物のサイズがどんどんと小型化してい
る。 そういった郵便物は都会の方が多い。 我々にとっ
ては厳しい競争に直面しているというのが実感だ」
本誌
メール便が小型化すると信書便とまともにぶつ
かるというのは分かるが、都会での競争が厳しいとい
うのは?
野村・北見「もともと郵政には全国均一の『ユニバー
サルサービス』を提供しなければならないという制約
があるため、民間の宅配会社と比較して大都市圏のネ
ットワークが弱いと感じられる。 具体的には、都心部
での一拠点あたり、一従業員あたりのカバーエリアが
広い。 密度を狭くすることで、サービス品質の向上が
図られれば、商品競争力も高まるはずだ。 ただし、一
方でコスト増の要因ともなる可能性があり、提携等を
通じてコスト面を抑制し、かつ迅速な事業拡大を目論
むことができれば、メリットは大きいだろう」
C
to
Bの物流事業を開拓
本誌
郵政の弱点を補う方法の一つが民間物流業者と
の提携だ。 しかし現在の提携先となっている山九、三
井倉庫、日立物流は宅配会社ではなく全て倉庫系の物
OCTOMBER 2003 64
流業者。 その狙いはどこにあるのか。
郵政・大部「メーカーから最終的な配達先まで届ける
までの物流には色々な機能がある。 三井倉庫さんにし
ても山九さんにしても、もちろん日立物流さんも、そ
うした機能を持っている。 情報システムの強みもある」
本誌
ビジネスモデルとしては郵政公社が営業をかけ
た荷主企業向けの総合物流サービスを、提携先の協力
会社が受注する形になるのか。 物流センター事業を提
携会社が受注し、郵政はそこから出てくる配送を請け
負う?
野村・北見「例えば日立物流の提携に関して言えば、
郵政公社にとって日立物流が、いわゆる大口差出人扱
いになるのだろう。 しかし、我々からみれば物流セン
ターで行う在庫管理や流通加工事業は付加価値のある
分野、すなわち将来の収益源になり得る。 法的規制が
あるにせよ、その部分は郵政公社が元請けとして受注
したほうが得策ではないか。 郵政公社の機能のうち、足
りないところだけを提携先からノウハウを移植するよ
うな形にすれば、郵政公社が元請けになったロジステ
ィクス・ビジネスの一貫した流れができる」
郵政・大部「確かに北見さんがおっしゃるようなこと
もあると思う。 ただし我々が今持っている機能は郵便
中心で、残念ながら総合的な物流サービスのノウハウ
はほとんどない。 提携が我々にとっては勉強の機会に
なる。 まずは経験を積むことが必要という判断だ」
本誌
センターから郵便局へという流れとは逆に、郵
便局から提携企業に荷物が動くというフローのビジネ
スは想定していないのか?
郵政・大部「廃品回収に関して山九さんと提携してい
るのは、そのモデルだ。 消費者が郵便局に持ち込んだ
り、また郵便局で集荷したパソコンをゆうパックで山
九さんの物流倉庫に集める。 そこからパソコンの廃品
をリサイクルに回すという流れ。 今年の一〇月から実
際に回収が始まる」
野村・北見「パソコンのような大きな荷物が郵政のネ
ットワークで回収できるのか。 信書を配達している局
員はバイク、もしくは自転車だ。 パソコンサイズのも
のが増えてきた場合には車両が必要になる。 しかも軽
トラよりも大きい車両も必要になるはずではないか」
郵政・大部「まず重量について、これまで二〇キロま
でだったゆうパックの上限を三〇キロにする予定だ。 集
荷についても既存のネットワークで対応できる。 もと
もとトラックで集荷しているエリアもあるし、幹線輸
送には二トン車や四トン車も使っている。 回収品は、ま
とめて大量に発生するわけではないので問題なく吸収
できる」本誌
確かにC
to
Bの物流では郵政の強みを活かすこ
とができそうだ。
郵政・大部「とくに廃品回収や環境リサイクルは今後
の成長分野として重点的に取り組んでいこうと思って
いる。 荷物の中味によっては取り扱う資格が必要にな
るため、全ての廃品を扱えるというわけではないが、少
なくともパソコンについてはクリアできている」
一番有利な会社と提携する
本誌
倉庫系以外の物流業者との提携の可能性は?
郵政・大部「公社とはいえ事業体である以上、一番有
利なところと提携して収益やシェアを増やすことは必
要であり、正当な行為だと考えている。 我々としても
当然ながら戦略上、有利になるところ、メリットのあ
るところと組みたい。 ただし法律でどこまで許される
のか明示されているわけではない。 提携に関しては基
65 OCTOBER 2003
本的にはオープンで、排他的な協定はしていない」
本誌
現在、日本の宅配マーケットはヤマト運輸と佐
川急便の「二強時代」を迎えている。 日通以下の宅配
部門は実質、赤字状態だ。 彼らが宅配事業をどう立て
直していくかを考えた時、郵政の存在は一つのカギを
握っている。 郵政を中心に、ヤマト・佐川に続く三つ
めネットワークができるという見方だ。 そういう形での
提携は検討していないのか。
郵政・大部「今でも部分的ではあるが、民間の宅配事
業者と、ゆうパック分野の提携は行っている。 民間の
宅配事業者が自分達の扱っていないチルドサービスや
配達エリアを郵政に委託するという形だ。 こうした提
携の延長線上では今のようなお話もありそうだなとは
思う。 実際、提携、協力の可能性を探っては毎日のよ
注:※は、一般小包の取扱いも実施(西濃運輸のグループ会社のうち北海道
西濃運輸及び沖縄西濃運輸は、一般小包の取扱いも実施)
図1 民間物流事業者との提携状況
提携民間運送事業者(16社)
提携民間倉庫会社(3社)
西濃運輸
(グループ会社含む)
※トナミ運輸
名鉄運輸
信州名鉄運輸
第一貨物
※岡山県貨物運送
※宇和島自動車運送
※琉球通運航空
※松岡満運輸
全国 全国
25都府県
新潟県、長野県
愛媛県
沖縄県
北海道
※西武運輸 23都道府県
15都道府県
全国
12都道府県
北海道
九州西武運輸
※西鉄運輸
※エスラインギフ
※札幌通運
※近鉄エクスプレス 北海道
※近鉄ロジスティクス
システムズ
事業者名 引受地域 配達地域 実施時期
北海道、宮城県、山形県
愛知県、岐阜県、三重県
福岡県
広島県、福岡県、佐賀県、
長崎県、熊本県、大分県、
宮崎県、鹿児島県
岡山県、広島県、山口県、
福岡県、佐賀県、長崎県、
熊本県
青森県、岩手県、宮城県、
秋田県、山形県、福島県
岡山県、広島県、山口県、
鳥取県、島根県
H10.11/16
(富山県、石川県、福井県の
取扱いは、H10.7/3)
(一般小包の取扱いは、H11.3/1)
H10.11/16
(岡山県、広島県、山口県の
取扱いはH11.7/12)
H10.9/1
(北海道、宮城県の取扱いは、H11.4/1)
(山形県の取扱いはH11.6/1)
(福岡県の取扱いはH12.9/1)
H10.10/12
(一般小包の取扱いはH11.7/1)
H10.11/16
(一般小包の取扱いはH12.10/2)
H10.9/1
H10.10/1
H10.10/1
H10.10/1
H11.11/11
H12.3/1
H12.12/1
H13.6/1
H10.10/1
H10.11/16
H10.9/1
(岐阜県、静岡県、愛知県、三重
県の取扱いは、H10.6/1)
事業者名 実施時期
山九 H13.4/2
三井倉庫 H15.2/3
日立物流 H15.5/29
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うに何社も相談に来ている。 しかし今はまだ我々の戦
略や方針を絞っていく段階だ」
「もちろん提携を通じて、我々の営業力と提携先企業
の営業力をあわせて顧客を獲得する形にすればシェア
にも貢献できるだろう。 しかし当面は我々自身のサー
ビスを一流にすることが先決だ。 平成一七年度にシェ
ア一〇%というのは、あくまでも自力で達成すべき目
標だ。 それ以上シェアを増やそうという場面では、単
なる提携ではなく出資による拡大も視野には入ってく
る」
野村・北見「アメリカではUSPSがフェデックスと
提携している。 狙いは二つあって、一つは幹線輸送の
アウトソーシング。 USPSのアメリカ国内における
空港間の航空輸送をフェデックスが請け負うことで、サ
ービスの信頼性改善とコスト低減が図られている。 こ
の提携先選定は、公開入札ではなく、USPS独自の
基準、例えば、規模の経済、アメリカ国民にとっての
利益拡大などで選定されている。 もう一つはUSPS
の郵便局内にフェデックスのドロップボックスを置け
るという点」
本誌
そのように主業に踏み込んだ形での提携も郵政
公社に可能なのか?
郵政・大部「郵便物には法律の制約があって、全ての
業務を民間に委託できるわけではない。 しかし郵便物
の幹線輸送を民間に委託することはできるし、これま
でもやってきた。 USPSの場合、それまで国内輸送
を大手運送会社のエミリーに委託していたが、それを
フェデックスに換えたということだろう。 そうした提携
は郵政公社にも可能だ」
「ただし、もう一つの郵便局に民間宅配業者のドロッ
プボックスを置くかどうかについては慎重に検討しな
ければいけない。 すぐに思いつくのは民間のA社がボ
ックスを置くとなると、ライバルのB社も置かしてく
れという話になるかも知れない」
比類のないインフラを活かす
本誌
民間宅配会社のボックスを郵便局に置くという
のは、競争相手に塩を送るようなことになりかねない。
フェデックスがボックスを置くのはUSPSにとって
は荷物を取られることにはならなかったのだろうか。
野村・北見「フェデックスがUSPSの事業領域を侵
害しないことが提携の大前提になっている。 USPS
のサイズ、フェデックスのサイズにはそれぞれ棲み分け
がある。 また、USPSは海外向けにはDHLと提携、
ダイレクトメールの事前区分作業では最大のライバル
UPSとも協業している。 日本の場合の『信書』は、米国の従量制とは違った定義になっているため、棲み分
けが難しく、郵便局に民間事業者がボックスを置くの
は、現実的ではないかもしれない」
郵政・大部「日本の郵政公社の場合は、国際商品とし
てはEMSがあるし、国内商品ならゆうパックがある
ため、基本的には民間業者のドロップボックスを置く
ということは考えられない。 USPSの場合は、彼ら
もEMSをやっているがフェデックスの商品と比べる
とグレード面で競合しないと判断したのかもしれない。
我々からみるとクエスチョンマーク」
「そうした提携より先に、我々には毎日三一〇〇万カ
所、全世帯の六割弱に配達するというネットワークが
ある。 お客さんとのコンタクトが頻繁で、かつ正確な、
事故の少ないネットワークだ。 そして非常に精度の高
い住所情報を持っているという強みがある。 その強み
をうまく使っていきたいと考えている」
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