2005年4号 |
メディア批評 西武問題で無節操な?経営評論家〞にコメントを求めるテレビ局の無定見 |
*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。 佐高 信経済評論家71 APRIL 2005堤義明が逮捕された日 テレビ朝日系の 報道ステ シ ン にコメンテ タ として針木康雄が出ていて 私は違和感を禁じ得なか た テレ朝は針木を 堤を 知 ている人 として起用したのだろう しかし どう 知 ているか である 針木ほど堤を持ち上げた人を私は知らない 住友銀行のドンだ た磯田一郎やリクル トの創業者の江副浩正についても その全盛時は礼賛し 疑惑が発覚するや 掌を返すように批判する側に針木はまわ た 私など唖然とするばかりだ たが そうしたことをテレビ局は知 ているのか 私は一九九一年秋に エコノミスト のコラムで そんな針木を次のように断罪したことがある 針木センセイと言えば 経営評論家と称する針木康雄しか 私には思い当たらないが 先日 差出人なしの こんなワ プロの手紙が舞い込んだ あんまりナメたこというんじ ね よ 針木先生の悪口ばかり言うと うちの組の若いもんが だま ち いね ぞ 小指を詰めるくらいじ すまね からな お前だ てそんなにほめられることしてね だろうが くだらね 企業から俺たちが みかじめもら てどこが悪い 偉そうなこというな 針木は今度 全七巻の 経営者讃歌 を完結させた 松下幸之助に始まり 本田宗一郎 豊田英二 盛田昭夫 中内 稲盛和夫 堤義明という 七人の巨星 で 私が賛同できるのは本田しかいない あとの六人はほとんどマイナス評価である 以下は略すが たしか この七巻本は講談社から出た いま 復刊したらオモシロイことになるのではないか 何せ 巨星 と仰ぎ見ているのである みかじめ とはヤクザの使う用語で用心棒代 こんなヘンな手紙をもら たのは 噂の真相 の タレント文化人筆刀両断 で 針木を 堀紘一と一緒に次のように斬 たからだ た この欄で 一人でとりあげるには役不足の場合は 似たようなのをコミにして相手にする 合わせ技一本 の小物たちである 今回は共に厚顔無恥の企業ぶらさがり人 それにしても 先ごろの 週刊文春 の特集 こいつだけは許せない! には驚いたぜい かつて 住友銀行の磯田一郎を見ていると 経営は芸術だということがよく理解できる と 日刊ゲンダイ で持ち上げた針木康雄が 老いて駑馬どばとな た と磯田を批判しているのだから 私は口をアングリだ 針木こそ 許せない! ではないか その針木は先日 リクル トコスモス株でもうけた日経前社長の森田康こうを 株の譲渡を受けたことを理由にいさぎよく社長を退任した と書いていて この男のアタマはどうな ているのかと思 た 解任すべきという声さえあ たのだから いさぎよく も何もないだろう 反権力を標榜する 日刊ゲンダイ が こんな男の連載を長々と続けている 日刊ゲンダイ の針木の連載は先ごろようやく終わり 夕刊フジ に移 た 針木には フジ・サンケイ 路線の方が似合うだろう それにしても 一度持ち上げた人間を 失脚したから叩くという神経が私にはわからない たとえば堤義明の場合でも 巨星 と礼賛したのだから 今度は沈黙を守るというのが最低の仁義ではないか ヤクザでも いやヤクザなら なおさら 最低の仁義 を守らなければならないだろう そんな無節操な針木にコメントさせるテレビ局もテレビ局である おそらく デ レクタ 等は 針木がさんざん堤に お世話にな た ことを知らないのではないか テレビ局を含むマスコミに節操を求めるのがまちが ていると言われればそれまでだが 私は針木が堤を批判する姿を堤自身にこそ見せたいと思 た 西武問題で無節操な 経営評論家 にコメントを求めるテレビ局の無定見 |