ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2003年12号
SOLE
SOLE報告

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

DECEMBER 2003 74 キングベイを保有し、各1店舗対応のサービスが可能だ。
つまり各 店舗に対して別々のトレーラを対応させることができる。
保管ラッ クは約18キロメートル、ベルトコンベアは11キロメートルになり、セ ンターの処理能力は15,000個/時間という。
ここでターゲットは、米 国内でも最も近代的かつ高度に自動化された倉庫業務を運営してい る> *       *       * 見学会に参加した我々は大型バスで配送センターの中央にある入 り口に乗り付け、入場手続きをした。
しばらくすると4組ほどのグ ループに分けられたうえで会議室に案内され、そこで概要説明を受 けた。
説明によると、同センターのミッションは「顧客が求めるものを、 顧客が求めるタイミングにあわせて、最低のコストで配送すること によって、各店舗が儲かるように販売を支援すること」。
そのために 顧客にフォーカスし、顧客ニーズの変化に対応し、日々の活動を目 標サービス水準に合致させている。
また、「3Fチーム」(Fast, Fun and Friendly Team)を設け、互いに尊敬し認め合い、お互いに知 らせ合い、共同体として助け合うことを指導しているのだという。
概要説明のあと、いよいよ現場見学が始まった。
とにかく広い。
建物のちょうど中央付近からのスタートで、メインの通路の中央付 近に立って左右を見ると、はるかかなたに壁がかすむように見える。
歩くのがうんざりするような距離であった。
作業者は勝手気ままな服装で、フォークリフトを運転し、トレー ラから荷降ろしし、トラックにコンベアを引き込んで積み込み作業 をしている。
作業のペースは早くもなく、遅くもないといったとこ ろ。
ただフォークリフトはかなりのスピードで走り回っており、パレ ットラックの保管は6段積みで、荷崩れしないかと思われるところ もあり、ちょっと怖い感じすらした。
2年半前に建設されたというセンターは小奇麗で、整理整頓もま ぁまぁと言ったところ。
ただ膨大な荷量には圧倒された。
案内して くれた女性のスーパーバイザーにアイテム数を尋ねたが判らないと いう。
夕方、我々の見学会が終了する頃、交代の作業者が次々とセンタ ーに入ってきた。
皆、セキュリティのゲートをくぐると、我々には 目もくれず、そそくさと中へ入っていく。
センターは24時間操業で、 平日は1シフト10時間の20時間オペレーション、4時間のメンテナ ンス、土日は1シフト12時間の24時間オペレーションである。
ちな みに時給を聞いたところ、最低賃金は時給9.95ドル(1100〜1200円程 度)とのこと。
素晴らしく高い賃金だと井上氏は言っていた。
また、このセンターは安全、労災防止に力を入れており、センタ ー内に安全委員会の類も設置され、荷揚げ技術の認証、救急方法・ 人工呼吸法、緊急事態対処法の訓練など、広範囲にわたるトレーニ ングを実施しているという。
米国ではこの面を疎かにすると、かな り厳しい措置があるそうだ。
11月から東京支部フォーラムの新しいシリーズが始まった。
11月 はオリエンテーションということで、松本支部長による「ロジステ ィクス展望」がなされた。
次回12月のフォーラムはロジスティクス 技術の研究「ロジスティクスとシステム監査」と銘打って、冠夢堂 システムズの代表取締役山田一彦さんに、システム監査、セキュリ ティの観点からロジスティクス、物流改革に対するアプローチを語 っていただく予定。
このフォーラムは年間計画に基づいているが、単月のみの参加も 可能。
1回の費用は6,000円となっている。
参加希望の方やSOLE東 京支部の活動内容に関するお問い合わせはsole_consult@jmac.co.jp まで。
SOLE報告 The International Society of Logistics 次回フォーラムのお知らせ SOLE東京支部では毎月「フォーラム」を開催し、ロジスティク ス技術、マネジメントに関する意見交換を行い、会員相互の啓発に努 めている。
10月は総会開催のためフォーラムは休みだったため、今 回は「SOLE2003」(国際ロジスティクスシンポジウム)で開催され た「ハンツビル・ターゲットストア配送センター見学会」について 報告する。
シンポジウムでは、この見学会と同時にロケットセンターや製薬 会社の工場などへの見学会も実施されたが、筆者の通訳を務めてく れた井上氏によれば、「通常では絶対に見学できないセンターの一つ だから、何をおいてもこのセンターの見学会に参加すべき」とのこ と。
同氏は米国の流通業界に大変詳しい方だが、ターゲットストア 配送センターについて以下のように解説してくれた。
*       *       * <ターゲットストアの親会社ターゲットコーポレーション(旧デ イトン・ハドソン)の年間売上高は約5兆円、純利益1700億円、グ ループ総従業員数28万人、店舗数は全米に155カ所ほどある。
ターゲ ットの第1号店は1962年にミネソタ州ローズビルに誕生したが、同じ 年にウォルマートやKマートが創業した。
スーパー・ターゲットの 第1号店は1995年に登場した。
ターゲットは「ディスカウントプライスでも高品質」をうたい文 句に、40歳前後の女性、特に母親を顧客の中心にすえている。
「地球 環境に優しい」とのビジョンを掲げ、過剰包装廃止、ショッピング カートのリサイクル、リサイクル資材を使ったショッピングバッグ の使用などを実施。
また、具体的なリサイクル数値をウェブサイト で定期的に発表している。
ハンツビル・ターゲットストアの配送センターはアラバマ州、フ ロリダ州、ジョージア州、ケンタッキー州、ミシシッピー州、テネ シー州の73の店舗に対するサービスを行っており、配送センターは 132エーカー(53万平方メートル)の土地に、フットボールのフィー ルド25面相当の建物(12.6万平方メートル)を有している。
駐車場に は1000台のトラクター/トレーラユニット、約800台の自動車が入れ るという巨大なセンターである。
入荷エリアに105のドッキングベイを、出荷エリアには130のドッ SOLE東京支部フォーラムの報告 ターゲットストア配送セ ンター見学会の様子 建物の面積は12.6万平 方メートルと、とにかく 広い

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