ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2002年1号
メディア批評
創価学会から仕事をもらう大新聞巧妙なマスコミ操作に為す術なし

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

佐高信 経済評論家 67 JANUARY 2002 まず、一九六九年に出た小林正巳著『池田 大作』(旺文社)というチョーチン本から、 創価学会会長だった池田(現名誉会長)につ いての、ある逸話を引く。
池田が奄美大島に渡るため、鹿児島県の指 宿で一泊した時のこと。
翌朝、池田がホテル の庭に出ると、集まってきた近所に住む学会 員の中の、目の悪い老人が手を合わせて池田 を拝むしぐさをした。
それを見て池田は、 「おじいさん、ボクを拝んだりしては駄目 です。
拝むなら御本尊を拝みなさい」 と言い、その老人の手をほどいたという。
そして、老人の顔を両手の掌でさすりながら、 「二十一世紀まで生きるのですよ」 と激励し、最後にもう一度、 「ボクを拝んだりしては邪道ですよ」 と念を押したとか。
しかし、?邪道〞はその後、むしろ進んで いる。
いや、意図的に進められていると言う べきだろう。
『諸君!』一九九六年四月号に 載った井田真木子の「池田大作論」には、池 田が口にしたクリームソーダを信者がありが たがって食べまわす話が出てくる。
また、最近やたら目につくのは池田の本の 新聞広告である。
それは大手紙だけでなく、 地方紙にも及んでいる。
宗教に不況はないの か? いや、不況だからこそ宗教は栄えると いう側面もあるだろう。
その大きな広告を見 ていると、新聞が池田大作に占拠されているようにも思えてくる。
これらの広告は、池田 批判、あるいは学会批判をためらう無言の圧 力となるに違いない。
『選択』の十二月号「社会・文化 情報カ プセル」欄には、「大新聞を侵食する創価学 会」として、別の角度からの「支配」が語ら れている。
読売、毎日、産経が次々と池田のインタビ ューを掲載し、学会による「大新聞ジャック」 と騒がれたが、朝日だけはやらなかった。
それで、「聖教新聞を受託印刷している毎 日、読売は学会に頭が上がらない。
一線を画 す朝日はさすが」との声が挙がったけれども、 事実は異なり、朝日にも学会の手は伸びてい たという。
同誌の記事の要を引く。
〈大阪府豊中市に朝日が四二%の株式を握 る日刊オフセットがある。
この関連会社を使 って、朝日は聖教新聞九万部を印刷し、年間 二億五千万円の売り上げを得ている。
学会の 牙城である関西だけでなく、朝日はお膝元の 東京でも学会相手に商売をしている。
傘下の 日刊スポーツ印刷(東京・中央区築地)を使 って、聖教新聞社から「創価新報」「高校新 報」「無冠」を受託印刷し、年間一億円を超 える売り上げを得ている〉 道理で、大手紙に厳しい池田批判、学会批 判が載らないはずである。
公明党など、まっ たくコウモリ党と言うしかないデタラメぶり なのに、それを追及する記事には、なかなか お目にかかれない。
『選択』の記事は、その後、こう結ばれる。
〈そういえば確かに他紙に先駆けて池田名 誉会長の寄稿文を掲載したのは朝日だった。
「朝日、おまえもか」である〉 冒頭に挙げた『池田大作』によれば、池田 の好きな人物に織田信長とナポレオンが挙げ られるという。
いずれも多くの人間を殺した。
藤沢周平など、それだけで信長は嫌いだと書いているが、しょせん、池田を指導者とする 学会の平和論はその程度のものなのだろう。
そうでなければ、あれだけ反対していた自衛 隊の海外派遣に、簡単に賛成できるわけがな い。
「ナポレオンの理念は、征服の理念だけで、 今日にも将来にも通用するものではない。
で も、不死身のように二度にわたって立ち上が ったところは見事だ。
しかし、やはり権力者 だから破壊を行ない、一人も人材を育ててい ない」という池田のナポレオン評は、そのま ま池田自身に当てはまる。
創価学会から仕事をもらう大新聞 巧妙なマスコミ操作に為す術なし

購読案内広告案内