ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
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2002年2号
メディア批評
大手メディアが報じない米国人の声月刊『クーヨン』が載せたある手紙

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

佐高信 経済評論家 JANUARY 2002 94 「わたしたちのプレジデントはクールじゃ ない。
教育なんかそっちのけで、戦争にばか りお金を使おうをしているんだから。
メディ アは、本当のことは言わないから、何を信じ ればいいのかわからない。
でも今日は、こん なにたくさんのひとたちが、わたしのという か、若者の声を聞いてくださって、うれしく てたまりません」 これは二〇〇一年九月二九日、サンフラン シスコで開かれた、ブッシュ大統領の「報復 戦争」に反対する集会での高校生の発言であ る。
二万人が集まったと言われるこの集いの声 を緊急特集しているのは『月刊クーヨン』と いう雑誌の二〇〇一年十二月号。
落合恵子の 主宰するクレヨンハウスの発行だが、子供が 「クレヨン」を「クーヨン」と発音したこと から、この誌名になったらしい。
「War 
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瓧遑鵤er」 というこの「アメリカからの急ぎの手紙」の 送り手は、カリフォルニア在住の環境活動家、 風砂子・デアンジェリス。
「平和がイチバン」と日本語で書かれたプ ラカードが特に人目を引いたとか。
この手紙には、私が最も知りたかったバー バラ・リーの言葉が掲載されている。
言うま でもなく、報復爆撃にただ一人反対したアメ リカの下院議員である。
日本の大手のメディ アは彼女の声を詳細に伝えることはなく、逆にブッシュがケネディをしのいで「史上?最 も称賛される男性〞」になったと報じた。
十 二月二八日の『毎日新聞』によれば、ギャラ ップなどの世論調査で、三九%のアメリカ国 民がそう答えたという。
あの人気絶頂のケネ ディでさえ、三二%だったのである。
「最も称賛する女性」でも、ブッシュ夫人 のローラが十二%でトップになったというの だから、いま、アメリカは異常な興奮状態に あるのだろう。
三七年ぶりに教育法を改正し、予算をふや したと言っても、それは高校生の批判力を高 める方向に使われるはずがない。
すさまじい脅迫の中で、バーバラ・リーは 説いた。
「誰かが言わなければなりません。
少し時 間をおいて、いまわたしたちがしようとして いることの意味とその重大性を、もっとよく 考えてみようと。
わたしたちは、これまでの ような戦争に対処しているのではありません。
いままでのやり方では対応できないのです。
わたしは、この悪循環が制御不能になるのを 見たくはありません。
今回の危機には、国家 保安、外交政策、公衆安全、情報収集、経済、 そして殺人といったさまざまな問題が含まれ ています。
こちらの対応も、それと同等に多 面的でなければなりません」 そして彼女は最後に、ある牧師が追悼集会 で述べた次の言葉を引いている。
「わたした ちが行いをする際には、悲しみゆえに悪魔に なることのないようにしましょう」 先の手紙によれば、ある政治学者はアメリ カの外交政策を中毒患者の行動になぞらえた という。
武器中毒、石油中毒、そして支配中 毒。
もう一人、高校生の声を引こう。
「戦争は、暴力と憎しみのサイクルを促す だけ。
政府に命令されたからといって、ひと を殺すことはできない。
ぼくらが、本当に世界平和を望むなら、自分から武器を捨てて、 お金だけではない人生の価値づけをする必要 がある。
ぼくらが、自分達の利益だけを求め て、イラクを搾取したりするのをやめて、彼 らと気持ちを分かち合えるようになれば、こ の世界はもっとよい安全な場所になる」 デアンジェリスはこの声を引いて、こう付 け加える。
「これが、高校生なんですよ! 希望がわ きませんか? 大統領立候補資格を二〇才未 満とするよう、署名運動をはじめたいぐらい です」 大手メディアが報じない米国人の声 月刊『クーヨン』が載せたある手紙

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