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88 AUGUST 2003
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月に米国物流視察ツアー
サン物流開発
今年一〇月、日本小売業協会と物流
コンサルティング会社のサン物流開発
は共同で「米国最新物流・情報システ
ム視察」ツアーを開催する(後援=日
本販売士協会・東京販売士協会)。 ロ
ジスティクス先進国と言われる米国の
小売業が各地に展開する物流センター
を訪問。 マテハン設備や情報システム
の活用術、センター運営のノウハウな
どを学ぶことを目的としている。
今回のツアーで訪問を予定している
のはアパレル専門店「タルボット」、通
販「アムウェイ」、スーパーマーケット
「パブリクス」「メイヤー」、ホームセン
ター「ホームデポ」など。 このほかに
本誌二〇〇二年十二月号特集で紹介し
たアウトドア専門店「LLビーン」、ジ
ーンズメーカー「リーバイス」、文具販
売「オフィスデポ」、リバースロジステ
ィクスを得意とする3PL「ジェンコ」
なども視察する。 センター見学に加え、
セミナー、訪問都市の最新小売り店舗
の視察なども用意されている。
コーディネーターは日本ロジスティ
クスシステム協会(JILS)などで
講師を務めているサン物流開発代表の
鈴木準氏。 同氏は過去に日米欧で一〇
〇〇カ所以上の物流センターを視察し
た経験を持つ。 商品の入荷からピッキ
ング、仕分け、出荷までのフローを細
かく解説してくれる。
視察は一〇月二二〜三一日までの八
泊一〇日で行われる。 日本を出発し、
デトロイト経由でボストン入り。 その
後、ランシング、アトランタに移動す
る。 休日には美術館見学なども予定さ
れているが、メーンはあくまでも物流
センターの視察だ。 まさに「物流セン
ター漬け」の一〇日間となるはずだ。
ツアー料金は小売業協会の会員およ
び後援団体会員が五九万八〇〇〇円。
一般が六二万八〇〇〇円。 サン物流開
発経由で申し込むと会員価格が適用さ
れるという。 募集人数は二〇人(最少
催行人数一〇人)。 参加申し込みの締
め切りは九月二二日となっている。 た
だし、定員が埋まり次第、募集を終了
する。
参加申し込みはサン物流開発まで。
電話・ファクス(03)3642
3
762。 Eメールアドレスは
BZN00530@nifty.com
本誌の連載陣としてお馴染みの日
通総合研究所の湯浅和夫常務が編著
者を務める『物流管理ハンドブック』
が、PHP研究所より発刊された。 サ
ブタイトルに「在庫管理、物流AB
Cからグローバル・ロジスティクスま
で」とあるように、新書サイズの本
のなかに物流マンに必要な知識をコ
ンパクトに収めた実務書である。
全十一章、二九一ページからなり、各章を日通総研の現役コンサルタン
トが分担で執筆している。 第一章の
「物流管理とは何か」に始まり第二章
「物流管理の新しい展開」、第三章「ロ
ジスティクスで物流が変わる」、第四
章「在庫管理の知識とポイント」、第
五章「『物流ABC』で物流を管理す
る」といった前半では、本誌の読者
にも聞き覚えのあるテーマが続く。
本書のユニークなところは、こう
した概念的な話に加えて、実務に役
立つ情報を併せ持っている点だ。 後半部分では、物流改善の手法や、物
流ITの基礎知識、物流マーケット
に関する基礎情報などを豊富な図表
とともに適度に紹介している。 しか
も取り上げられている領域は、輸送
管理からグローバル・ロジスティク
スまで極めて幅広い。
これほど多くのテーマを扱うと、と
もすれば全体としては雑ぱくで読み
にくい本になりがちだ。 ところが本
書は一つひとつの章が完全に独立し
ており、しかもほぼ二ページ単位で
話を完結させているため、必要な情
報だけを抽出して気軽に読むことが
できる。 また、全体を通読すれば、現
代の物流マンが備えるべき心構え的
なことから、日々の業務で使う実務
の知識までを幅広く身に付けられる
構成になっている。 最終章に収めら
れた各種の物流データは、プレゼン
資料を作成するネタ元としても利用
可能だろう。
装丁にも工夫を凝らしてある。 紙
のカバーを外すと、いかにも汚れや
水濡れに強そうなグレーのビニール
地の本体があらわれる。 現場や出張
などに気軽に携行するための配慮な
のだろう。 キャリアの浅い物流マン
には日々発生する疑問点を即座に解
消する手助けとして、またベテラン
物流マンの方々には業務を再点検す
るための実務書として、一読をお勧
めしたい。
日通総研が『物流管理ハンドブック』を上梓
気軽に持ち歩ける新書サイズでも内容は充実
『物流管理ハンドブック』湯浅和夫編著
(PHP研究所、税別価格一二三八円)
アウトドア専門店
「LLビーン」の物流センター
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