2026_07

2026年7月号

特集未来を創る輸送改革

第1部

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「自動物流道路」は危機を救えるか─その全貌と課題

 「物流2024年問題」やトラックドライバー不足に対応するための新たな解として、専用ルートを設けて貨物を先進機器で輸送する「自動物流道路」を整備する構想が官民で進んでいる。実現すれば物流の窮状を救える可能性があるが、世界でまだどこの国も実用化を果たしていないだけに、乗り越えるべき課題も多い。

第2部

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荷主9社が模索する「支線配送」共同化

 花王と三菱食品の両社が中心となり、異業種の荷主9社がコンソーシアムを結成。幹線輸送に比べて難度が格段に高い「支線配送」の共同化に挑み始めた。各社の物流情報を集約してITで分析、対象となるルートの候補を明示する「データドリブンな共同化」を実践しようとしている。

第3部 モーダルシフトの旗手に聞く

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「総合物流として変革ニーズの受け皿になる」

Interview JR貨物 麦谷泰秀 執行役員 鉄道ロジスティクス本部 営業部長

 ドライバー不足が叫ばれるトラック輸送に代わる選択肢として、新たな領域で鉄道輸送のニーズが拡大している。単なる輸送モードの担い手という立ち位置を脱却、サプライチェーンの課題を解決する総合物流へとビジネスを衣替えし、物流の持続可能性に対する荷主や運送事業者からの“声なき不安”を受け止める。

第4部 ケーススタディー・輸送大変革

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ダイハツ工業&北越コーポレーション

紙輸送コンテナに小型車が好マッチング

 自動車と紙類。製品特性も輸送スタイルも全く異なるメーカー同士が、貨物鉄道のラウンドマッチング輸送を昨年2月からスタートさせ、定期輸送を軌道に乗せている。トラック輸送による長距離輸送を減らしたい自動車メーカーと、片荷を解消したい製紙メーカーが実現に向けて折り合いを重ね、ノウハウを次の連携へと生かそうとしている。

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ロッテ&サッポログループ

冬季の菓子ドライ輸送で飲料物流波動をカバー

 飲料出荷の季節波動を活用し、冬季に飲料輸送用のドライ車両を使ったチョコレート菓子と酒類のラウンド輸送を開始した。車両規格や荷役オペレーションの違いといったハードルを約1年間に及ぶ試行錯誤で乗り越え、大幅な輸送リソース効率化と環境負荷低減につなげた。

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F−LINE

加工食品6社の共同輸配送を全国で展開

 幹線共同輸送や共同配送を加工食品メーカー6社と合同で推進している。全国を対象とする中長距離の幹線共同輸送では鉄道や船舶へのモーダルシフトに加えて、トラックによる中継輸送を二つの異なる枠組みで整備。納品配送の一部に鉄道輸送を組み込むモーダルコンビネーション型の共配も北海道で開始した。

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エニキャリ

2系統のラストワンマイル配送網を組織化

 独自開発した配送管理システムを軸とするラストワンマイル向けソリューションを展開する。複数の荷物と配送リソースをN対Nで結びつけるシステムを構築するとともに、配送品質の確保を実現するドライバーアプリを開発。二輪車と軽貨物自動車の2系統の配送網を組み合わせた新しいラストワンマイルプラットフォームを整備している。

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島村楽器&三菱商事ロジスティクス

地方港活用で長距離横持ちを海運シフト

 荷主と物流事業者の連携で、九州から関東までの長距離横持ち輸送を、トラック中心の陸上輸送から9割以上を海上輸送に切り替えた。地方港の労働力不足などに対応したスキームも始動させ、海上輸送の持続性を高めていく。

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ヤマト運輸

空輸シフトで活魚の商圏を遠隔地に拡大

 離島の宅急便ドライバーに持ち込まれた相談をきっかけに、貨物機による活魚の空輸サービスを開始した。九州、北海道、首都圏を結び、獲れたての活魚を小ロットで最短翌日に消費地の市場や飲食店に届けている。トラック輸送ではコストやリードタイムの制約から困難だった遠方への販路開拓が可能となり、半年間で利用が急拡大している。

第5部

32

T2の「無人幹線輸送」実現への道筋

 長距離幹線輸送の自動運転実用化に最も近づいているプレーヤーの一つがスタートアップのT2だ。関東~関西間で昨年5月、国内で初めてドライバーが同乗し有事に備える「レベル2」自動運転による商用運行をスタート。2027年度以降に特定条件下で無人化する「レベル4」の開始を目指し、課題克服を図っている。

第6部 先進技術で苦境を打ち破る

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平和島自動運転協議会

ラストマイル自動運転の社会実装を支援

 東京流通センターを拠点に50の企業・団体が参画して、自動運転技術の社会実装に向けた各種取り組みを進めている。主な対象としているのは高速道路から先の領域。高速道路ICから物流施設までの一般道走行、施設敷地内走行、荷役自動化、ラストマイル配送までをシームレスに連動させる自動化物流モデルの構築を目指していく。

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無人運航船プロジェクト

自動運航を海洋国家・日本再興の切り札に

 無人運航船の開発と貨物・旅客輸送への活用実現を目指す日本財団主導のプロジェクトは、3月までに実証船4隻が全て、世界で例のない自動運転レベル4(特定条件下での完全無人)相当の商用運航を開始した。船員不足などの課題を抱える内航船航路を維持し、海洋国家・日本の再興を目指す切り札の取り組みが加速しようとしている。

42

栗林商船&ALGO ARTIS

モーダルシフト推進へ内航配船デジタル化

 内航小型不定期船の配船業務をAIでデジタル化した。配船管理システムは外航大型船用が主流だったが、モーダルシフトなど提案機会の強化を目的に、適したシステムを共創した。Excelの操作感を継承して現場の負担感を軽減しつつ、配船計画の全てをAIに委ねるのではなくあえて人智の関与を残す仕様にした。

第7部 寄稿

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京都府北部沿岸における水産物流の現状

KPMGコンサルティング 伊勢田 伸 プリンシパル

 トラック輸送は「物流の2024年問題」以前から、人材不足や厳しい労働環境などという構造的な課題を抱えてきた。その影響を顕著に受けるのが漁業や農業などの一次産業で、地域産業の持続性にも暗い影を落としている。本稿では京都府北部地域の水産物流を例に、地域の一次産業が直面する課題と背景を整理するとともに、求められる対応の方向性を検討する。

第8部 海外論文

50

チューブ型貨物輸送システムの価値と課題

“Smart Urban Logistics and Tube-Based Freight Systems:A Review of Technological Integration and Implementation Barriers”
モロッコ シディ・モハメド・ベン・アブダラ大学 Arif Jabirほか

 自動化されたカプセルや搬送容器に格納された貨物が、地下もしくは地上に設置された閉鎖型の誘導路を通じて移動するチューブ型貨物輸送システムは、定時性や温室効果ガス排出削減の観点から、将来的な都市物流インフラの候補として技術・政策両面で関心が高まっている。開発事例や要素技術、地域別の動向を取り上げる。

Key Person

2

「空飛ぶクルマも物流利用が広がる」

日本UAS産業振興協議会(JUIDA) 鈴木真二 代表理事

 ドローンや「空飛ぶクルマ」を物流に使おうとする動きが加速している。ドローンは国土交通省がガイドラインを改定し、複数機を同時運航する際の制限を緩和。空飛ぶクルマは官民の協議会で2030年代前半に貨物輸送サービス開始を目指すロードマップを公表した。荷物輸送の機体が日本の空を飛び交う日が着実に近づいている。

Case Studies

56

SWCC〈物流改革〉

グループの最高事業責任者が物流改革を牽引
「ROIC経営」を徹底して事業構造を最適化

60

Brewtope〈流通効率化〉

クラフトビールの物流や在庫管理を広範に支援
シノプスと提携し店舗へのAI自動納品も開始

Columns

64

《不定期連載》中国マテハン市場レポート2nd《第4回》

深圳市今天国際物流技術股份

日系大手の代理店から自社技術で飛躍へ
40業界で1千件以上の導入プロジェクト

 法政大 李 瑞雪 教授、日本大 孫 徳峰 准教授

68

物流企業の値段《第213回》

 米澤正祥 大和証券 アナリスト

サカイ引越センター

引越領域を軸に据えつつポートフォリオ拡大
関東圏のシェア拡大と人材関連施策に注視

70

高度物流人材のためのリスキリング講座《第28回》

サプライチェーンマネジメント(3)
生産

 講師 梶田 ひかる

76

フィジカルインターネット通信《第47回》

PIアンバサダー、ボルドーに集結

 野村総合研究所 水谷禎志 エキスパートコンサルタント

77

海外トレンド報告

《欧米編》変化するキャビア流通~ロシアの消費購買力は減退~
《アジア編》インドの宝石業界、地政学リスクで輸出先多角化
《アフリカ編》ケニア政府、放射性物質の輸出入検査を強化

80

NEWS ROOM

セブン-イレブンが飲料納品で鮮度逆転緩和の取り組みを開始

86

湯浅和夫の物流コンサル道場《第290回》〜温故知新編 第171回〜

納品時の「鮮度逆転」規制緩和が始まった

90

物流指標を読む《第201回》

燃料価格高止まりが運賃上昇を加速

 NX総合研究所 佐藤信洋

92

国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告

海外諸国のサプライチェーン教育事情【後編】

96

佐高信のメディア批評

高市政権の詭弁をタレ流し続けるNHK
「SKK(政府広報協会)」と名称変更せよ

Information

CLIP BOARD

55

  • ニチレイロジ・盛合社長が26年度の事業方針を説明

63

  • ダイフク・寺井社長が工場や物流施設向けの人間型ロボット開発に意欲

DATA BANK

97

  • 国土交通月例経済(国土交通省)
  • デカルト・データマイン 海上コンテナ輸送量実績調査
  • 物流施設の賃貸マーケットに関する調査
    一五不動産情報サービス 東京圏は3四半期連続で空室率低下も賃料下落圧力根強い

102

主要記事索引

106

編集後記

107

広告索引

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