2026_08

2026年8月号

特集持続可能なEC物流

第1部 いかに強みを育てるか

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吉野家

直販サイトの配送工程一元化で出荷容量拡大

 需要が急拡大する直販サイトにおける一般消費者向け外販商品などの配送工程を、ヤマト運輸と組み、保管から発送まで複数の機能を持たせた物流施設の活用で一元化。横持ちの削減などで生まれた時間的余裕を出荷容量の拡大につなげたほか、食品・資材ロス削減や温室効果ガス削減などの環境効果も生んでいる。

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メルカリ

越境取引拡大支える物流拠点の実直な改善

 海外の消費者がフリーマーケット(フリマ)に出品している日本の商品を購入する越境取引事業の強化を打ち出している。その成長を支えるのが、首都圏で今年2月に稼働を始めた物流拠点だ。商品が法令上輸出できないものかどうかなどを厳密にチェック。出荷能力を高めるために作業の生産性向上を図るなど実直な改善を進めている。

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MonotaRO

「当日出荷」の発注締め切りを後ろ倒し

 工具や消耗品といった「間接資材」のECで豊富な品ぞろえや配送のスピードなどを前面に打ち出し、調達を効率化したい製造業などのニーズを確実に掘り起こしている。商品の「当日出荷」の発注締め切りを全国で順次、午後5時まで2時間後ろ倒ししており、今年5月には購入者が配送日を指定できるサービスも試行的に始めた。

第2部 今こそ発想を転換しよう

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「無人受け取り拠点で消費者の行動を変容させる」

Interview EveryWiLL 須藤俊明 CEO

 生活動線上にある駅や店舗などにある未利用スペースを、宅配荷物が受け取れる無人スポットとして運営するサービスを手掛ける。既存の受け取り手段で課題だった防犯面や容量制限、事業者制約といったハードルを解消。ドライバーが配送先を減らせる効果に加え、多彩なポイントサービスも武器に消費者の行動変容につなげる。

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楽天グループ

ロボット配送の先駆はどこまで進化したか

 2024年11月に東京都内でロボットによる定常的な商品配送サービスを開始した。地域の飲食店やスーパーなどで注文のあった商品を積み込んで公道を走行し、対象エリア内の受け取りポイントまで届けている。大きなトラブルはなく、1カ月当たりの注文数はサービス開始当初の4倍に拡大。地域の日常風景として定着しつつある。

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ライナフ

オートロックに対応可能な「スマート置き配」展開

 オートロック付きマンションでも、認証された配達スタッフが一時的に解錠、置き配できるようにする「スマート置き配」を展開。導入数は全国で2万棟を突破した。配送現場の負荷を減らす有効策として、2027年度末までに5万棟へ伸ばしたい考えだ。さらに次のステップとして「住戸内物流」の自動化にも意欲を見せる。

第3部 物流事業者の戦略と覚悟を問う

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「ECを含む全方位物流に取り組んでいく」

Interview SBSホールディングス 鎌田正彦 社長

 3PLのメーカー物流を主軸としつつ、EC物流も成長戦略の柱の一つに位置付ける。東西の2大EC物流戦略拠点を軸に、全方位型のサービスを展開。拠点では物流ロボットを含む各種省人化設備の導入を進めるとともに、グループの配送ネットワークを活用した差別化を図る。連結売上高に占めるEC物流の割合を1割程度に設定し、持続的な成長を目指していく。

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住商グローバル・ロジスティクス

標準化と自動化を軸に通販物流体制を構築

 1999年に開始したテレビ通販物流を出発点にECを含む幅広い通販物流を展開する。通販物流の旗艦拠点である千葉県のSGL茜浜センターでは同一エリア内で複数通販荷主のオペレーションを展開する仕組みを整備し、繁忙期などの機動的な庫内スタッフ転換を実現。複数荷主の共通工程に各種自動化機器を導入する通販物流プラットフォームも構築している。

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澁澤倉庫

EC・店舗在庫を同一拠点・システムで一元管理

 3PL事業の主軸の一つである多品種小ロット物流事業でEC物流を展開している。特徴は店舗用在庫とEC用在庫を同一倉庫・同一システム内で一元的に管理する仕組みだ。千葉県の松戸営業所周辺を一大拠点に店舗物流とEC物流を組み合わせたハイブリッド型の物流サービスを提供している。庫内では省人化機器とマンパワーを融合した独自の現場設計を行うほか、松戸で集積した知見を軸とする他地域での水平展開も始まった。

第4部 個性派ECを解剖する

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SECAI MARCHE 日本人起業のプラットフォーム

東南アジア産直ECを物流体制ごと構築

 良質な農産物があっても、流通システムが未熟で鮮度を保てず消費者に価値が届かない──。マレーシアの食品流通の課題に、現地で構築したBtoBの産直ECプラットフォームとフルフィルメントで切り込んだのが、日本人が起業したSECAI MARCHE(セカイマルシェ)だ。創業10年弱で高級飲食店の大半を開拓。シンガポールにも進出している。

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ビィ・フォアード 海外向け中古車輸出

物流品質カオスのアフリカで協力会社を育成

 中古車EC事業で主要市場となったアフリカは組織化されたトラック事業者がほとんど存在しなかった。不利な状況だが、物流品質に合わせて輸送委託量に大差を付ける手法により運送パートナーを育成、困難を突破した。人口増加やデジタル経済の発達も追い風にしてフロンティアで事業を伸ばしている。

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メルカドリブレ 中南米最大の事業者

円滑な決済や物流で利便性は日本並み

 一般に開発途上国では、クレジットカードの普及の遅れや物流インフラの不備が、ECの障壁となりやすい。中南米諸国でこうした障壁を乗り越え、最大のプラットフォームとして支持を集めるのがアルゼンチン発祥のMercado Libre(メルカドリブレ)だ。ジェトロ職員らも、中南米駐在時に活用していたという。

第5部 AIがECの出荷を変える

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オープンロジ

自動梱包予測で最適な車両手配を実現

 ECのフルフィルメントサービスの一環として、AIが商品の3辺データを基に最も合った梱包箱を自動選定する技術を開発。倉庫の作業効率化や配送料の最適化を促進している。出荷する商品全体の容積を高精度で確認できるため、最適なサイズのトラックを選ぶことも可能だ。対応を強く求められている積載効率向上に貢献できると期待している。

第6部 海外論文

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Amazonストアと物流の相互作用

“Interplay between Amazon store and logistics”
カナダ トロント大学ロットマン・スクール・オブ・マネジメント教授
Joshua Gansほか

 アマゾンは特に欧州において、小売業者にして出店場所の所有者、自前の物流サービスの提供者といった立場の強さを生かして、不公正な競争を行っているのではと批判されることが少なくない。しかし、その批判はどの程度まで妥当なのだろうか。他の出店者や3PLとの関係性、収益の伸びや物流パフォーマンスの比較などを基に考察した。

Key Person

4

「CLOは『頭の柔らかい人』が理想的だ」

木村 大 国土交通省大臣官房審議官(物流・自動車局担当)

 かつては同一の物のように論じられた物流統括管理者とCLOは、国が3月にまとめた提言で明確に役割を整理した。物流「を」改善する物流統括管理者に対し、CLOは物流「で」付加価値を創出することだと指摘する。ならばCLOは物流分野に限らず新たなビジネスを考える手掛かりになりそうだ。国がイメージするCLO像を聞く。

Case Studies

48

東急ストア〈物流改革〉

中核拠点・東扇島流通センターの刷新に着手
営業本部長がCLOを兼任し物流改革を推進

52

エアウィーヴ〈物流効率化〉

3分割可能なマットレスで配送負荷を低減
東西2センター体制に移行し安定供給確立

Columns

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《不定期連載》中国マテハン市場レポート2nd《第5回》

広東塔斯克機器人

「引き算」発想でフォークリフトを改革
部品標準化で故障時の稼働停止時間を最小化

 愛知淑徳大 潘 卉 准教授、法政大 李 瑞雪 教授

60

物流企業の値段《特別編》

2026年3月期
物流企業決算ランキング

過去最高水準に迫る売上高を記録して増収増益

64

高度物流人材のためのリスキリング講座《第29回》

サプライチェーンマネジメント(4)
需給管理

 講師 梶田 ひかる

70

フィジカルインターネット通信《第48回》

アマゾンと順豊速運に学ぶPI実装の現実

 野村総合研究所 水谷禎志 エキスパートコンサルタント

71

海外トレンド報告

《欧米編①》貨物船火災、2025年は過去10年で2番目の多発
《欧米編②》ロイズ、ホルムズ海峡通航用に戦争リスク保険提供開始
《アジア編》台湾海峡有事などシナリオに「レジリエンス・ゲーム」

74

NEWS ROOM

化学品業界が危険物の物流動態を初めて可視化

80

湯浅和夫の物流コンサル道場《第291回》〜温故知新編 第172回〜

JILSの『経営×変革』レポートを読む

84

物流指標を読む《第202回》

『荷動き指数』のゴールデンクロス再出現

 NX総合研究所 佐藤信洋

86

国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告

【続】 ILSとPMの関係についての考察【後編】

90

佐高信のメディア批評

当たらない予想ばかりで醜聞の追及は疎か
あいも変わらぬ新聞の劣化ぶりに幻滅する

Information

CLIP BOARD

46

  • 日本パレット協会・二村会長が会見で設備価格下落に懸念表明
  • WE TECHとNAPAが日本の海運業界向けに脱炭素ソリューション提案強化

47

  • 第1回「物流DX展」でAI用いた新たな業務効率化ツールが多数登場

55

  • 清水建設が冷蔵倉庫のコスト抑制可能な新工法を開発

59

  • 宇宙産業の重要課題「地球への回収」で物流大手と新興企業の協業進む

69

  • 中東情勢でトラック運送業の97%が経営ダメージ・ハコベル調査
  • NAAが成田空港の新滑走路建設で土地収用制度を活用へ

DATA BANK

92

  • 国土交通月例経済(国土交通省)
  • デカルト・データマイン 海上コンテナ輸送量実績調査

96

主要記事索引

100

編集後記

101

広告索引

101

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