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JUNE 2007 82
国際物流大手のUPSは「UPSアジ
ア・ビジネスモニター」の調査結果を発
表した。 日本、中国、インド等アジアの
主要十二地域の計一二〇〇人の中小企業
経営者を対象に、グローバルSCMに関
する意識をアンケート調査したものだ。 以
下、注目すべきテーマをピックアップし
て紹介する。
?アジア全体のSCM意識調査
「効率的なサプライチェーンを構築し、
有効に機能しているか」という設問に対
して、日本を除く全ての国で、六〇%以
上の経営者が、自社のサプライチェーン
は有効に機能していると回答した。 これ
に対し、日本は三九%と、他国に比べて
著しく低かった。
?中国の物流業界の改善事項
同調査では各国に特有のビジネス上の
課題についても、国別に調査を行ってい
る。 新興市場として成長著しい中国では、
効率性と競争力を高めるために必要な物
流分野の改善事項について、効率的かつ
先進的なインフラの整備が必要とする企
業が最も多く、八八%を占めた。 またS
CMの専門知識の提供と活用方法と回答
した企業が八三%、サプライチェーンの
可視性向上を挙げた企業も七七%と続い
た。
?香港の物流業界の抱える懸念
香港では、ハブ港としての地位を揺る
がしかねない脅威と感じる要因として、高
コスト環境を問題視する企業が三九%と
最も多かった。 次いで中国のコンテナ港
や輸出港との競争拡大と回答した企業が
二九%、香港から中国への製造拠点のシ
フトと回答した企業が二二%と、中国の動向に懸念を抱いている企業が多いこと
がわかった。
?タイの新空港に寄せられる期待
二〇〇六年九月に全面開港したスワン
ナプーム国際空港がタイの物流業界にも
たらすメリットを尋ねたところ、回答者
の三〇%は開港によってタイの輸出が拡
大し、アジアのロジスティクスハブに一
歩近づくと回答した。 物流能力の競争力
が高まることで、経済が刺激されると答
えた企業は二六%と次いで多く、開港に
よってタイの物流業界の競争力の高まり
を期待する企業の意見が目立った。
?台湾企業が発展するための要因
台湾の中小企業が小規模なOEM業務
からグローバルブランドへと発展する上
で、重要だと思われる要因は何かという
設問に対し、プロダクトイノベーション
と回答した企業が最も多く、六五%を占
めた。 一方、効率的なSCMの構築と回
答した企業は二五%に留まった。
中小企業におけるグローバルSCM
UPSがアンケート調査結果を発表
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