ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2005年9号
欧州通信
欧州ロジスティクス通信

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

SEPTEMBER 2005 76 《ニュースブリーフ編》 米UPS 中国ネットワークを拡大 ■同社プレスリリース 7・7 米UPSは九月をめどに、中国国内 での小包ネットワークを強化すると発 表した。
これにより、北京や上海を含 む沿岸地域を中心とした二三都市への 翌日配送が可能となる。
同社の国際部門のディビッド・アブ ニー社長はこう語る。
「われわれの狙いは、中国において最も 広範囲にわたる小包配達とロジスティ クスサービスの提供だ。
今回のネット ワーク拡大で、中国国内外でのサービ スに付加価値を加えることができるよ うになる」 UPSは昨年末、中国国内業務での 主導権を握った。
長年のパートナーで あるシノトランス(Sinotrans)との合 意により、九月までに二三都市にある ビジネス・ センターのUPSへの委譲 が可能となった。
UPSはすでに、中国発着の貨物便 を週一八便運行しており、二〇〇六年 には、これに一日三便を付け加えよう としている。
UPSの3PL部門であ るUPSサプライチェーン・ソリュー ションズは最近、上海を含む三カ所に 配送センターを立ち上げており、二年 後をめどにさらに二〇カ所でセンター を立ち上げる予定だ。
同部門はすでに 中国で四〇カ所を超すセンターを運営 している。
米フェデックス 広州にハブ拠点を建設 ■同社プレスリリース 7・13 米フェデックスは、拡大する中国と アジアの市場に対応するため、中国の 広州白雲国際機場(空港)に太平洋地 域のハブ拠点を建設すると発表した。
新 しいハブ拠点の稼動は、現在のフィリ ピンにあるスービック湾のハブが閉鎖と なる二〇〇八年十二月を予定している。
投資額は一・五億ドル(一六五億円) で、六三ヘクタールの敷地に、床面積 八万二〇〇〇平方メートルの施設を用 意する。
立ち上げ時には一二〇〇人を 雇用する計画。
一時間当たり二万四〇 〇〇個の貨物の仕分けが可能になる(こ れはスービック湾のハブの二倍の能力)。
ハブ拠点による地元経済への波及効果 は、二〇二〇年までに六三〇億ドル (約七兆円)に上ると試算している。
同社の親会社であるフェデックス・ コープのフレデリック・スミス会長は こう語る。
「われわれは二〇年前から、中国はロ ジスティクスにとっての要となる地域 だと考えてきた。
その結果、中国市場 に最初に参入した貨物キャリアとなっ た。
今回、太平洋地域で最大となる広 州のハブ拠点建設に着手したことで、 顧客はよりアジア地区へのアクセスが 容易になる」 米ライダー 大手荷主と契約更新 ■同社プレスリリース 7・ 14 米ライダー・システムは、家電の製 造販売企業であるワールプール社と交 わしていたサービスパーツの倉庫業務・ 輸送業務についての契約を二年間延長 し、契約終了時を二〇〇八年七月末と する、と発表した。
ライダーはインディアナ州プレイン フィールドにあるワールプールの物流 センターから、世界各国に広がるワー ルプールの販売店や修理店に向けたサ ービスパーツ配送を手掛けてきた。
二 〇〇一年の取引開始以来、ライダーは、 五八〇〇万件の注文を受けて、七二〇 〇万個の部品を配送した。
ライダーの担当者は今後、業務の流 れをさらに改善して、ワールプールが 顧客満足度を高めるのに貢献していき たい、と話している。
英エクセル 鉄道関連荷主と三年契約 ■同社プレスリリース 7・ 19 英エクセルは、イギリス鉄道の橋や トンネルといったインフラを作るネット ワーク・レイル社と三年契約を結んだ。
契約金額は二一〇〇万ポンド(四二億 円)という大型契約となった。
この契 約は、さらに五年の延長が可能という 条件もついている。
エクセルは、ネットワーク・レイル 社が年間に使用する六〇〇〇万ポンド (一二〇億円)分の資材の在庫管理か ら倉庫業務、イギリス国内への輸送業 務を引き受ける。
これには二〇〇〇カ 所へのジャスト・イン・タイムでの配 送業務も含まれている。
エクセルでは、 イギリス中部のウースターにある九三 〇〇平方メートルの拠点を専用物流セ ンターとして使用する予定だという。
米シュナイダー 日用雑貨大手と契約更新 ■eyefortransport 7・ 22 米シュナイダー・ロジスティクスは 日用雑貨大手のキンバリー・クラーク・ ヨーロッパとの輸送契約を更新した。
キンバリー・クラークがイギリス南東 部に構えるヨーロッパ向けのハブ拠点では、引き続きシュナイダー・ロジス ティクスが独自に開発したSCMの最 適化ソフト「SUMIT」を使って輸 送業務を行う。
ハブセンターから一極管理を行うこ とで、貨物の追跡と現場管理を容易に する。
このシステムのサポートは、オラ ンダにあるシュナイダーの欧州本部が担 当する。
ヨーロッパにおけるシュナイダ ーとキンバリー・クラークの取引は一九 九九年にスタート。
アメリカでの取引 77 SEPTEMBER 2005 では二〇年の歴史があるという。
米プロロジス 加州に大型倉庫を建設 ■同社リリース 7・ 25 不動産投資ファンドの米プロロジス は、カリフォルニア州南部フォンタナ に八五万平方フィート(七万六五〇〇 平方メートル)の物流施設を建設して いると発表した。
施設には「マホー ク・インダストリーズ」が入居するこ とが決まっている。
マホーク社は、ア メリカのフロアリング資材の大手メー カーで、すでに米国内にあるプロロジ スの三カ所の施設を利用している。
米ライダー 米郵政省と複数年契約 ■FleetOwner 7・ 25 米ライダー・システムは米郵政省(U SPS)と郵便以外の貨物業務に関す る複数年契約を結んだ。
USPSの米 国内、海外の貨物の輸送計画と実行、 それにコンプライアンス業務などを引 き受ける。
業務開始は、今年十一月を 予定している。
クーネ+ナーゲル 上半期決算を発表 ■同社プレスリリース 7・ 25 スイスに本社を置くクーネ+ナーゲ ルが発表した二〇〇五年上期の決算に よると、同社は売上高と利益の両面で 過去最高の業績を上げている。
売上高は六四・一億スイスフラン(五 五七七億円=前年同期比一八・〇% 増)で、EBITA(減価償却費前営 業利益)は二・一億スイスフラン(一 八三億円=同一七・八%増)、最終利 益は一・三億スイスフラン(一一三億 円=同三四・四%増)となった。
これは主力である海上・航空貨物の ロジスティクス部門の売上高が大きく 伸びたため。
同部門の売り上げは、四 七・九億スイスフラン(四一七〇億 円=同一八・七%増)となった。
海上 貨物量の伸びは同二一%で、そのうち アジア〜ヨーロッパ間が同三〇%の伸 び、アジア〜南アメリカ間が同四六% の伸びを記録した。
また、社内の業務 効率化が利益を押し上げるのに大きく 貢献した。
米UPS 英エクスプレス会社を買収 ■Transport Intelligence 7・ 26 米UPSはイギリスのエクスプレス 会社・リン・エクスプレス(L y n x Express)を約一億ドル(一一〇億円) で買収することで合意した、と発表し た。
リン・エクスプレスは、イギリス の独立資本系の業界大手で、二〇〇四 年の売り上げは約三億ドル(三三〇億 円)。
従業員は三五〇〇人で、車両二 〇〇〇台を擁している。
同社は一九九七年のMBO(経営者 による企業買収)以降、急速に業績を 伸ばしてきた。
小包配送に加えて、各 種スペアパーツの配送ネットワークも 整備している。
UPSのヨーロッパ市場への参入は 七〇年代にさかのぼる。
イギリスでは これまでもいくつかのM&Aを手掛けてきた。
UPSはリンを買収したこと で、イギリスでのネットワークを大幅 に強化することができる。
独DHL 通販企業のSCMを受注 ■同社プレスリリース 7・ 26 独DHLは、携帯電話機器の通販会 社である独エテロンのSCM業務を請 負った、と発表した。
DHLがドイツ 国内に持つハイテク専用のセンターを 使って、約十一万点ある商品の調達か ら顧客への配送までの全業務を一括で 請け負う。
翌日配達の受付時間は、通常便なら 午後八時までで、エクスプレス便なら 午後一〇時までとなる。
エテロンの主 力商品であるSIMカードを搭載した 携帯電話については、DHLがSIM のパッケージングなども代行する。
ドイツポスト 上期決算を発表 ■Transport Intelligence 7・ 28 ドイツポストが発表した二〇〇五年 上期の決算によると、売上高は二一五 億ユーロ(二兆九〇二五億円)で、前 年同期比でわずかに上回った。
売上高 の上昇は主に会計基準の変更によるも の。
営業利益はメールビジネスの利益 率の落ち込みにより同一・八%減とな った。
しかしEBIT(利払い前の税 引前当期利益)では同一〇・六%増の 一七億ユーロ(二二九五億円)を達成 した。
部門別の売上高では、メール部門が 同一%増の六四億ユーロ(八六四〇億 円)で、その中でも国際部門が同一 六%増となりドイツ国内のメール部門 の減少を埋め合わせた。
エクスプレス 部門は同一・八%増の八八億ユーロ (一兆一八八〇億円)。
ロジスティクス 部門は、十一・八%増の三六億ユーロ(四八六〇億円)となった。
経営陣によると、エクスプレス部門 については、懸念されていたアメリカ 地域での輸送品質に大幅な改善が見ら れたという。
また、ロジスティクス部 門については、DHLダンザス・エア ー&オーシャンとDHLソリューショ ンの二部門が売上高の増加に貢献した、 としている。

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