ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
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2008年8号
物流不動産市場レポート
東京都 湾岸部は用地不足で供給進まず施設需要は堅調だが賃料は横ばい

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

物流不動産市場レポート AUGUST 2008  74  最近の不動産投資家等の開発動向としては、 AMBプロパティジャパンが昨年五月、新木 場に「AMB新木場ディストリビューションセ ンター(延べ床面積三万六九九九平米)」を 竣工させている。
今後は日本レップが江東区 辰巳に「J─
劭釘丱蹈献好董璽轡腑鹵ぬΑ米 六七三〇平米)」の竣工を予定している。
大田区湾岸 羽田空港など重要拠点擁する  当エリアは、羽田空港を擁する一大物流拠 点となっている。
周辺には川崎港、横浜港な どがあり、国内のみならず海外への物流およ び港湾機能に対応する様々な施設が集まって いる。
東京、川崎、横浜といった巨大消費地 への交通アクセスも良好で、物流立地として 評価が高い。
 利便性の高さから潜在的な需要は見込める ものの、大型用地が供給されにくい状況にあ る。
そのため、不動産投資家等の供給動向 倉庫着工面積は低水準で推移  東京都の物流マーケットは、国内最大の企 業集積地である東京都心部、最重要物流イン フラである東京港および羽田空港の二大流通 拠点をもつ。
物流施設は、港湾部では江東区 新木場、有明、品川区勝島、大田区平和島に かけて集積している。
内陸部では中央道八王 子IC周辺を中心に施設が集まっている。
 倉庫着工面積は一九九四年以降、三〇万平 米前後と低水準で推移している(図1)。
物 流施設を供給するための大型用地が減少傾向 で、近年湾岸部ではマンションなどの住宅化 が進行している。
工場跡地などを利用した物 流施設の供給も限定的で、今後も新規供給は あまり期待できない状況だ。
 拠点の集約・統合や物流合理化に伴う3P L業務の拡大により大型施設需要は堅調な動 きをみせる。
しかし、賃料水準の上昇には至 っていない(図2)。
また、荷主企業は都内 を希望するものの使い勝手のよい空室物件が 乏しいため、都内近傍の埼玉県南部、横浜、 浦安市周辺といったエリアを視野に入れて物 件を探す傾向がみられる。
江東区湾岸 大型施設供給は限定的  このエリアは一大消費地である都心部への 交通アクセスが良好で、かつ湾岸道路を中心 とした広域交通網も備えることから、物流施 設立地としてのポテンシャルが高い。
湾岸部 の準工業地域だが、高層マンションの建設が 進んでいることもあり、大型物流施設の供給 は限定的となっている。
 需要は底固く推移しているが、利便性に優 れた物件が市場に放出されることが少ないた め顕在化していない。
堅調な需要に支えられ ているが物流コストの大幅な上昇が容認され る環境にはなく、賃料水準は上昇していない。
第14回 東京都 湾岸部は用地不足で供給進まず 施設需要は堅調だが賃料は横ばい シービー・リチャードエリス インダストリアル営業本部 村田恭平 生駒データサービスシステム 鈴木公二    75  AUGUST 2008 C周辺を中心に大型施設が集積している。
し かし、近年は八王子IC周辺での用地確保が 困難なため、需要が圏央道沿線に流れてきて いる。
 このエリアは広域管轄の物流センターに対 する需要が多い。
大規模面積を確保可能な敷 地・物件に対する需要は底固く推移している。
 不動産投資家等の開発動向は、コマーシ ャル・アールイーが昨年、西多摩郡瑞穂町に 「CRE瑞穂物流センターA棟(同一万四六 六二平米)・B棟(同一万七〇六一平米)」を 竣工させた。
 今年以降は、ラサールインベストメントマネ ジメントが羽村市に「羽村物流センター(同 四万二九八四平米)」、野村不動産インベスト メント・マネジメントが八王子市に「ランドポ ート八王子(同四万一九四五平米)」の開発 を予定している。
については、プロロジスが二〇〇三年に「プ ロロジスパーク東京(同七万四二三八平米)」、 AMBプロパティジャパンが〇五年に「AM B大田ディストリビューションセンター(同九 万七〇二六平米)」を供給して以降、不動産 投資家等による供給はみられない。
八王子IC周辺 圏央道に需要流れる  
複卉羆本線、中央自動車道が横断するな ど、多摩地域中心部の交通の要衛となってい る。
中央自動車道八王子IC、圏央道青梅I  東京の湾岸部は古くから倉庫街を形 成している。
しかし地価の高騰等の影 響もあり、倉庫の賃料は物流業者で は負担できない水準まで上昇している。
そのため、マンションなどへの建て替 えもみられる。
また一部の倉庫オーナ ーは、賃料負担能力のある商業テナン ト等を誘致して建物の用途を転用する コンバージョンを進め、倉庫の新しい 活用法を見出そうとしている。
 倉庫からのコンバージョンの事例と して、中央区月島の旭倉庫一階にあ るスペイン料理店「月島スペインクラ ブ」は、倉庫を改装した店舗では草分 け的存在である。
品川区天王洲の寺 田倉庫にあるレストラン「ティー・ワイ・ ハーバーブルワリー」は、運河の見え るロケーションで人気が高い。
倉庫の 持つ独特でモダンな雰囲気が、おしゃ れな空間を演出している。
湾岸部倉庫街の新たな活用法 図1 東京都の新規着工面積と件数(?) (棟) 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 1,000,000 900,000 800,000 700,000 600,000 500,000 400,000 300,000 200,000 100,000 0 800 700 600 500 400 300 200 100 0 年年年年年年年年年年年年年年年年年年年 床面積棟数 図2 東京都県の中・大型物流施設の募集賃料 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 -5.0 -10.0 -15.0 00 年01 年02 年03 年04 年05 年06 年07年 上期 07年 下期 5,890 5,770 5,570 5,700 5,680 5,770 5,630 5,110 5,730 -1.0 -2.0 -3.5 2.3 -0.4 1.6 -2.4 -9.2 12.1 変動率 (%) 平均賃料 (円/坪) (円/坪) (%)

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