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JANUARY 2009 56
二〇〇八年十二月に来日したユナ
イテッド航空の貨物部門、ユナイテッ
ド・カーゴのスコット・ドーラン社長
に、国際航空貨物市場の見通しと同
社の事業戦略について尋ねた。
──〇九年の市場の見通しは?
「とても厳しい年になることを覚悟
しています。 世界的な景気後退によ
り、貨物量は減少することが予想さ
れます。 ただし、個人的には現在の
景気低迷が二年以上続くとは考えて
いません」
──運賃相場は?
「現状ではスペースの供給量が需要
を上回っています。 供給量が減らな
い限り、相場はこのまま下がり続け
ると思われます。 燃料費については、
現在の価格から再び値上がりする可
能性も否定はできませんが、世界的
な景気後退がそれを抑制するため、ピ
ークを迎えた〇八年の夏と同じよう
な数字を示すことはないでしょう」
──デルタ航空とノースウェスト航空
の合併を
はじめ米
国では航
空業界の
再編が進
んでいま
す。
「航空貨物運賃は当面下がり続ける」
ユナイテッド・カーゴ スコット・ドーラン社長
「さらに業界再編を図っていく必要
があります。 しかし、現在の不安定
な燃料価格と不透明な経済状況は環
境強化にとっては妨げになるかも知
れません」
──インテグレーターによるフォワー
ダーの系列化は、一般の航空会社に
どのような影響を与えているのでし
ょうか。
「インテグレーターは貨物輸送の巨
大な供給力と購買力を兼ね備えてい
ます。 その影響を全く受けないとい
うわけにはいかないでしょう。 しか
し我々もフォワーダーとの戦略的パー
トナープログラムを通じて、新しい価
値を提供していきます」
「航空会社とフォワーダーは、その
航空会社が提供できるネットワーク・
スペースと、そのフォワーダーが提供
できる一定した物量・それを支える
安定した顧客関係に基づいて、パー
トナーシップを結ぶ傾向にあります。
フォワーダーとの関係強化は我々に
とって多くの利益につながります」
──フォワーダーを介さずに荷主企
業と直接取引を進めるつもりは?
「荷主に直接営業をかける計画はあ
りません。 我々にとって第一の顧客
はあくまでもフォワーダーであり、フ
ォワーダーを除外したサプライチェー
ンは考えられません」
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