ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2011年8号
特集
第3部主要プレーヤーはこう動く大和ハウス工業──先行投資で用地を確保しBTSをスピード開発

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

AUGUST 2011  28  大和ハウス工業は物流不動産市場では異色 のプレーヤーだ。
現在はハウスメーカーとして 知られているが、もともと同社は倉庫の建築 請け負いから事業をスタートさせている。
一 九五五年のことだ。
加えて七〇年代に入って からは土地所有者と物流会社などとの賃貸借 を仲介するようにもなった。
 さらに二〇〇〇年代に入って、大和ハウス 自らが新規施設の開発に投資する戦略に切り 替えた。
証券化を始めとする様々なスキーム を活用し、地主や物流資産のオフバランス化 を希望する企業に対して、跡地の有効活用か ら新センターの確保までを提案するソリュー ションを「Dプロジェクト」と名付けて展開 してきた。
 〇三年に第一号案件が竣工して以来、Dプ ロジェクトで開発した物流施設はおよそ一〇 〇棟・床面積にして六〇万坪以上に達する。
施設はBTS(ビルド・ツー・スーツ)型が メーン。
テナントのニーズをきめ細やかに設 計段階から織り込み、食品物流向けなど温湿 度管理機能などを備えた付加価値の高い施設 の開発を得意としている。
 食品向け以外にも、アパレルの専用センター や現金輸送業務の専門センターなど特殊な施 設の開発実績も持つ。
通常のドライ倉庫やマ ルチテナント型の施設を使えない業種、業態 は多く、需要が強いという。
 用地は大和ハウス自身で予め取得するスタ イルをとっている。
施設開発を受託してから 探していたのでは竣工までに時間がかかる。
顧客企業がどのようなサプライチェーンを展 開し、次にどのような施設が必要かを想定し てめぼしい土地を用意しておき、ニーズに対 して即座に応えることを身上としている。
 土地の入手方法も独特だ。
入札に参加する ケースは稀で、不動産会社や信託銀行などの 土地情報に頼らず市場に出回る前の情報を押 さえてしまう。
これまでの顧客基盤を生かし、 企業に対して保有不動産の有効活用を提案す る「CRE(企業不動産)戦略」がそうした 手法を可能にしているという。
 国や地方自治体などの土地の造成情報な どをいち早く手に入れ、土地開発事業に参画 するかたちで物流施設を開発することもある。
さらに、これまでの開発実績が新たな土地や テナントの情報を呼び、次の開発につながる 好循環が生まれている。
 そのため「当社の場合、金融危機後も物 流施設の竣工ペースはほとんど落ちていない。
用地の取得もずっと続けている。
むしろ、そ れまで売り物がなかったエリアで妥当な価格 の売却案件が出るようになり、一方で外資系 を中心とした開発会社は投資をストップして いたことから、市況の低迷は我々にとっては チャンスだった」と同社で物流施設を担当す る浦川竜哉上席執行役員東京支社建築事業 部事業部長はいう。
 大和ハウスは今のところ開発した施設の半 分程度を運用して賃料収入を得ているが、残 り半分は、〇七年から昨年一〇月にかけて組 成した私募ファンド「DHファンド」一〜三 号や、施設の入居企業、他社のリートやファ ンドなどに売却している。
 同社の施設は付加価値の分だけ賃料水準が 高く、賃貸の契約期間も一五年〜二〇年と長 期間にわたるものが多い。
安定した運用益を 生み出すことができるため、売却も容易だと いえる。
 中でも第二号のDHファンドを組成し、施 設を組み入れたのは金融危機まっただ中の〇 八年十二月。
浦川上席執行役員は「当時、他 社にはこの時期にファンドを組成するのは絶 対ムリだと言われたが、見事にディールを成 功させることができた。
当社の開発した施設 に対する評価が高いことが証明された」と胸 を張る。
 
庁肇侫.鵐桧〜三号の資産規模は現在、計 一〇〇〇億円以上に達している。
今後は続く 四号ファンドを組成して、総資産額を一五〇 〇億円規模にする計画だ。
将来的な選択肢の 一つとしてリートの上場も視野に入れている。
 また、今後はマルチテナント型施設の開発 も手掛けていく方針だという。
東日本大震災 以降、仙台などでは物流施設に対するニーズ が急増した。
そうした突発的な需要に対して 即座にスペースを供給できる体制を整える考 えだ。
            (梶原幸絵) 浦川竜哉上席執行役員 東京支社建築事業部事 業部長 大和ハウス工業 ──先行投資で用地を確保しBTSをスピード開発 第3部主要プレーヤーはこう動く 特 集 物流不動産 29  AUGUST 2011  オリックス不動産は昨年一〇月から今年五 月にかけて、マルチテナント型物流施設四棟・ 計約六万坪を竣工させた。
リーマンショック 以降、他の開発事業者はリスクの高いマルチ テナント型施設の開発には慎重になっていた。
テナントの決まっていない施設に対する先行 投資には銀行が首を縦に振らないという事情 もあった。
 しかし、同社の斉藤裕久物流投資事業部長 は「新規施設に対する需要がゼロになったわ けではない。
当社の場合、資金はオリックス からの親子間借り入れで調達できる。
景気の 悪化で建築費は下がっている。
マーケットを 睨みながらあえてリスクを取りに行った。
結 果として、その決断が功を奏した」と胸を張 る。
 新設した四棟の内訳は愛知県小牧市の五〇 〇〇坪、今年一月の埼玉県川越市の一万五〇 〇〇坪、千葉県市川市の二万坪、東京都町田 市の二万坪だ。
先行投資だったがリーシング は好調に進んでおり、五月に竣工したばかり の町田を除けばほぼすべてのスペースにテナ ントが入居済みだという。
町田も年内にはフ ル稼働を見込んでいる。
 同社の物流施設への投資実績は約一九〇〇 億円。
これまでに三二件・三〇万坪を開発し ている。
物流不動産事業への参入は〇一年頃。
〇三年に第一号案件を竣工させた。
以来、リ スクを低減するためにBTS型施設を基本に 開発を進めてきたが、〇六年頃にターゲット を先行投資のマルチテナント型に切り替えた。
物流適地の取得競争が進み、先に用地を確保 する必要が出てきたためだ。
 事業開始から三年が経ち、物流施設開発の ノウハウが蓄積されていたことも大きかった。
大型施設にテナントを呼び込むだけのリーシ ング能力もついていた。
BTSの開発を通じ て物流不動産事業の顧客を開拓し、今では国 内の3PL会社およそ五〇〇社のほぼすべて にアクセスが可能になっている。
そのうち二 〇〇社とは親密な関係を築くことができたと いう。
 オリックスグループの持つ金融、不動産、投 資銀行などの幅広い機能と物流の専門家の知 見を併せた総合的な提案が強みになっている。
オリックス不動産の社員は基本的に本体に籍 を置いており、人事異動を通じてさまざまな 経験を積んでいる。
物流投資事業部には大手 3PLの出身者もいる。
「お客さんはウチに 来れば、何でも相談できる。
これは物流不動 産の専業者にはない最大のポイントだ」と斉 藤部長。
 今後も市場の状況を睨みながら年間四〜六 万坪前後のペースでスペースを供給していく 方針だ。
現在、オリックス不動産は新規施設 については関東圏だけでも二〇万〜三〇万坪 の潜在需要があるとみている。
立地が良くス ペックの高い新規施設に対する需要は底堅い。
さらに、一九七〇年代の高度成長期に建てら れた倉庫の更新需要がこれから本格化すると 考えている。
 その需要の受け皿となるために、用地の取 得を積極化する。
〇八年までに購入していた 土地八件のうち、未着工の土地は埼玉に三件、 愛知に一件の計四件。
いずれも既に開発が決 まっており、来年には用地が底をつく。
 ただし、資本効率の向上という課題にも直 面している。
竣工後の施設は基本的に外部の リートやファンドのほか、一部はグループの総 合型リートなどに売却して投資を回収してい るが、ROE(自己資本利益率)の観点から、 今後は開発段階からオフバランス化を進めた いと考えている。
 そのために、今後は商社や銀行などをパー トナーとした共同投資事業を増やす。
実際、 今年一月に竣工した川越市のセンターは、三 井物産と共同で用地を取得し、開発したもの だ。
 機関投資家などの資金を募り、私募ファン ドも組成する。
当面は利回りを安定させるた めに保有物件を定めた方式のファンドの組成 を計画しているが、将来的に投資家の信頼を 得られればファンドの組成後に物件の取得を 行う方式ファンドも手がけて、幅広く投資家 のニーズに対応していく考えだ。
そうするこ とで、施設開発を通じて培ってきたアセット マネジメント能力をより活かすことができる と考えている。
       (梶原幸絵) 斉藤裕久物流投資事業部長 オリックス不動産 ──低迷期にマルチテナント型の開発を断行 第3部主要プレーヤーはこう動く AUGUST 2011  30  伊藤忠商事は昨年一月、シンガポール政府 系の不動産会社、メープルツリー・インベスト メンツと物流施設特化型の共同投資ファンド を設立し、同社との合弁による物流施設の開 発事業を開始した。
目標資産規模は五〇〇億 円。
首都圏および主要地方都市でBTS型施 設を開発する。
既に現在、神奈川、茨城、中 部で計四件の開発案件が進行中だという。
 伊藤忠の物流不動産事業は建設・不動産部 門が中心となっている。
もともと同部門はグ ループ企業などの物流センターの開発・建設 などを請け負ってきた。
そこから二〇〇〇年 代初めに不動産流動化のスキームを使った新 規施設の開発事業へと展開した。
 〇四年には自己資金をベースに金融機関と 共同で物流施設特化型の第一号ファンドを立 ち上げた。
さらに〇六年には第二号ファンド を組成した。
二つのファンドの運用資産実績 は累計約五〇〇億円。
自社開発した九物件が ベースで全てBTS型だ。
 開発に物流部門(物流統括部)を巻き込ん で、テナントが求める立地と商流の詳細まで を検討。
そのテナントにとって戦略性が高い と判断できる案件にのみ投資することによっ て、空室リスクを抑えた。
 その後、伊藤忠は九物件すべてをメープル ツリーに売却している。
〇七年に一号ファン ドの六物件、〇九年から今年にかけて二号 ファンドの三物件を売却して、投資を回収し た。
施設開発に物流不動産事業の主眼を置い ているだけに、運用し続けてインカムゲイン を得るというモデルは馴染まない。
 出口戦略の選択肢の一つとしてJリートの 上場を検討した時期もあった。
実際、住宅 ではJリートを上場させている。
しかし、J リートは手続きや管理に手間がかかる上、相 場の影響を大きく受ける。
住宅に比べて物流 不動産は取り扱いの歴史が浅く、運用のノウ ハウが蓄積されているとは言い難いという事 情もあり、実施を見送った。
 それよりもメープルツリーへの売却に比重 を移したほうが合理的だと判断した。
伊藤忠 とメープルツリーは〇五年に業務提携を結ん でいる。
当時、日本市場への進出を急ぐメー プルツリーは日本での?水先案内人?を探し ていた。
不動産投資の出口を模索していた伊 藤忠と思惑が一致した。
 〇五年の提携から一年余りの人事交流や情 報交換を経て、メープルツリーは〇七年、日 本法人を設立。
シンガポール市場に上場する リート、「メープルツリー・ロジスティクス・ト ラスト(MLT)」向けの物件取得を開始し た。
以降、両社は日本での不動産投資で協力 関係を続けている。
〇九年十二月には共同投 資ファンドの設立で合意、投資のペースを加 速させている。
 伊藤忠商事の荒木稔建設・不動産部門建設 第二部長は「メープルツリーは当社とは違っ て、世界中の投資家と真正面から向き合って いる。
仕事の規模もケタが違う。
彼らの仕事 のスタイルとスピード感は非常に勉強になる。
定量的な面でも定性的な面でも提携して非常 によかったと思う」と語る。
 一方、伊藤忠の開発した物件はメープルツ リーから高い評価を受けているという。
不況 時でも利回りが安定していたためだ。
 将来的にはメープルツリーの協力を得て、ア ジアにも展開していく方針だ。
伊藤忠は中国 をメーンに据えて全社を挙げてアジア事業に取 り組んでいる。
それに歩調を合わせて建設・ 不動産部門でも物流不動産を中国事業の収益 の柱の一つに育てたいと考えている。
 一方、国内ではBTS型ばかりでなく、既 存物件の取得やマルチテナント型施設の開発 にも手を広げる。
「物流不動産事業をより強 化していくためには、投資の選択肢を増やし ていかなければならない。
それと並行して出 口戦略も改めて強化していく必要がある」と 荒木部長。
いったんは見送ったJリートも再 び選択肢として浮上している。
(梶原幸絵) 伊藤忠商事 ──メープルツリーを出口に開発に集中 第3部主要プレーヤーはこう動く 伊藤忠商事の主要な開発実績。
温度管理対応型の付加価値の高い センターが中心 1 2 3 4 5 6 7 8 広島県広島市 京都府長岡京市 埼玉県行田市 千葉県柏市 神奈川県座間市 神奈川県綾瀬市 神奈川県愛川町 千葉県船橋市 1 万3711 坪 9396 坪 3024 坪 4924 坪 6391 坪 2309 坪 5065 坪 9857 坪 1 万1332 坪 6809 坪 2862 坪 9458 坪 1 万2544 坪 2309 坪 5224 坪 5760 坪 2006 年9月 2004 年10月 2005 年10月 2007 年4月 2007 年1月 2007 年1月 2005 年9月 2006 年9月 所在地敷地面積延べ床面積竣工 特 集 物流不動産 31  AUGUST 2011  三菱商事の一〇〇%子会社で不動産私募 ファンドの組成・運用を担当するダイヤモン ド・リアルティ・マネジメント(DREAM) は昨年秋、外部の不動産ファンドに対する融 資事業を始めた。
主に三菱商事の資金を活用 し、ファンドに「メザニンローン」を提供する。
 メザニンローンとはシニアローン(銀行から の通常の借り入れ)とエクイティ(出資)の 中間に位置付けられる融資方法だ。
返済の順 位はシニアローンよりも低いが、その分、金 利は高い。
 融資の対象となるアセット分野は限定して いない。
住宅や商業など幅広い分野の不動産 を対象としている。
第一弾の案件として、昨 年、物流施設特化型の不動産ファンドに対し て融資を実行した。
 金融危機以降、資金繰りに窮する不動産 ファンドは少なくない。
危機以前は高いレバ レッジによって高利回りを得るために、借り 入れ比率が九〇%に設定されることさえあっ た。
しかし現在、銀行は融資先の選別を強め ている。
借り入れ比率を五〇%〜六〇%程度 に抑制しなければ借り換えが難しい。
 そこにDREAMは目を付けた。
不動産価 格は既に底を打ったとみて、銀行よりも融資 のハードルを下げられると判断した。
 
庁劭釘腺佑硫久保直志社長は「たとえ物 件を保有するSPCが返済不能になったとし ても、当社にとっては担保となる物件を買う のと同じことだという覚悟を持っている。
当 社は物件の査定も運用も両方できるため、一 般の銀行や金融機関には取れないリスクを取 ることができる」と説明する。
 
庁劭釘腺佑寮瀘は〇四年。
三菱商事が 投資・開発した物件に外部からの取得物件を 加え、機関投資家が出資する私募ファンドと して運用してきた。
昨年三月には資産規模二 三四億円の物流施設特化型ファンド「ドリー ム・ロジスティクス・ファンド」を組成した。
 現在、DREAMの運用資産規模はおよ そ計三一〇〇億円で、商業施設をメーンにオ フィスや住宅などを運用している。
同じ三菱 商事グループ内には、Jリートを運用する産 業ファンド投資法人がある。
私募ファンドと リートを使い分けて、投資家の資金を集めて いる。
 
庁劭釘腺佑慮什澆留人兒饂困里Δ訴流 施設はおよそ一五%の約四五〇億円に過ぎな い。
しかし、今後は物流施設を運用事業の柱 の一つとして位置付け、資産規模を拡大して いく考えだ。
会社全体の総運用資産規模を五 〇〇〇億円にすることを当面の目標に掲げて いるが、そのうち三〜四割を物流施設に割く 計画だ。
 物流ファンドの運用期間は五年間で、首都 圏の汎用型施設四物件と九州のBTS型施 設一物件の計五物件で構成されている。
最 初から期間と投資対象を固定し、物件の追加 取得は行わない。
借り入れ比率は五五%程度。
投資家の要望を受け、リスクの低い、安定性 を重視した立て付けになっている。
 物流不動産事業を拡大していく上では、総 合商社というバックグラウンドが強みの一つに なると考えている。
荻久保社長は「当社には 商社系ならではの情報網やネットワークがあ る。
中でも物流施設については、商社は投資 するだけでなく、自らも施設を使うユーザー としての側面を持っている。
外資系のファン ドや開発会社に規模では叶わなくても、彼ら にはない強みを活かして物流不動産に取り組 みたい」と考えている。
    (梶原幸絵) ダイヤモンド・リアルティ・マネジメント ──外部ファンドにメザニンローンを提供 ダイヤモンド・リアルティ・マネジメントの主要運用実績 投資対象 データセンター 特化型ファンド 2004年 2005年 2006年 2010年 2010年 2011年 約530 億円 約300 億円 約350 億円 約230 億円 約300 億円 約260 億円 商業施設特化型 ファンド 賃貸住宅特化型 ファンド 商業施設特化型 2 号ファンド 物流施設特化型 ファンド オフィス特化型 ファンド 主要都市の近隣型 商業施設11 件 首都圏を中心とする安定 稼働の賃貸住宅21件 主要都市の近隣・都 市型商業施設8件 首都圏を中心とする稼 働中の物流施設5件 首都圏の稼働中の オフィス1 件 首都圏および主要都市 のデータセンター3件 運用開始 時期 ファンド 規模 荻久保直志社長 第3部主要プレーヤーはこう動く AUGUST 2011  32  野村不動産グループで私募ファンドの運用 事業を担う野村不動産インベストメント・マ ネジメント(NREIM)は二〇〇八年二月 から〇九年六月にかけて、およそ一万〜二万 坪前後の大型マルチテナント型物流施設を五 棟竣工させた。
大型物流施設の竣工ラッシュ が続き、マルチテナント型の供給量が急増し たタイミングだった。
 シービー・リチャードエリスの調査による と、首都圏の大型マルチテナント型施設の空 室率は〇七年十二月期の五・三%から〇八 年三月期は一六・四%、同六月期には一八・ 〇%と跳ね上がっている。
 そこにリーマンショックがきた。
「その結 果、市場が一時的に止まってしまった。
我々 開発側はもちろんテナントさんの動きも同様 で、竣工した施設が埋まらないケースが出た」 と、NREIMの山田譲二不動産運用二部長 は振り返る。
〇九年十二月期まで市場の空室 率は高水準が続き、NREIMも〇八年秋頃 からの一年間はリーシングに重点を置き、活 動していた。
 同社の施設はマルチテナント型とはいって も基本的に二分割程度で、契約期間は五〜一 〇年程度を主とする方針をとっている。
しか し、その半分がなかなか埋まらない。
短期の スポット貸しで急場を凌ぎ、長期契約を望む テナントが見つかるごとに賃貸先を切り替え ていった。
その結果、昨秋にはすべて安定稼 働にこぎつけた。
 続いて昨秋から今年初めにかけて、運用す る私募ファンドのノンリコースローンを借り換 えた。
同ファンドの資産規模は一〇〇〇億円 強。
開発物件六物件と既存物件十二物件で構 成される。
 それまでは物件ごとに特定目的会社(SP C)を立ち上げてローンを組んでいた。
物件 からテナントが撤退し、空室が長期間に及ん だ場合には、そのSPCは返済不能になるリ スクがあった。
これをファンド全体の物件を 対象としたローンに一括して借り換え、ファ ンドの安定性を高めた。
 市況の急激な変化に振り回された二年間だ った。
それでも山田譲二不動産運用二部長は 「オフィスなどの他分野に比べて物流分野は市 況の回復が早く、市場としては比較的安定し ていた。
物流施設は開発期間が一年程度と他 のアセット分野に比べて短く、市場でのプレ ーヤーも少ないため、需給の調整機能が働き やすかったこともあったと思う。
実際、今で は当社の運用する物流施設は一〇〇%稼働し ている」と評価している。
 投資家にもそうした認識が広がり、物流施 設に対する注目も高まっている。
物流施設へ の投資を再開する環境は整った。
、マーケット の状況を睨みながら、今年度は改めて攻勢に 出る構えだ。
 当面のターゲットは首都圏でのBTS型施 設の開発に据えている。
既存物件の取得は最 も手がかからないものの、良い物件が市場に 出回ることは少ない。
一方でマルチテナント 型はリスクが大きい。
その点、BTS型の新 規開発はマルチテナント型に比べて一件当た りの規模はが小さく、投資効率は劣るとして も、継続的に安定した資産規模を積み上げる ことが可能で、銀行からの借り入れも容易と いう性質を持つ。
 物流施設を対象としたリートの設立も有力 な出口戦略の一つに位置付けている。
野村不 動産グループは、さまざまなタイプの上場/ 非上場リートや私募ファンドを展開している。
私募ファンドはファンドの出資者の投資とリ ターンに対する考え方に応じて自由度の高い 運用ができ、機動性もある。
それに対してリ ートは多少利回りが低くても安定した運用を 望む投資家に適している。
 投資の方針が異なるため、同じ物流施設で あっても物件の取得の仕方が違ってくる。
例 えば物流用地が再び高騰した場合には、期待 利回りの比較的低いリートの購買力が活きて くる。
 山田部長は「それぞれの特徴と良さを活か して事業を展開していきたい。
投資家に対し て多様なメニューを用意することによって、 投資のチャンスを広げることができる。
その ことがまた、投資家のニーズをより幅広く吸 い上げていくことにつながっていく」と考え ている。
           (梶原幸絵) 山田譲二 不動産運用二部長 野村不動産インベストメント ──多彩なメニューを投資家に提供 第3部主要プレーヤーはこう動く 特 集 物流不動産 33  AUGUST 2011  プロロジスとAMBの日本事業をそれぞれ 立ち上げたスチュアート・ギブソン氏とチャー ルズ・デ・ポルテス氏の二人が、再び日本の 物流不動産市場に帰ってきた。
九月頃までに 私募ファンドを組成し、来年中には一号案件 の開発をスタートする計画だ。
今後三年間で 約一二〇〇億円の投資を予定している。
 ギブソン氏はもともとプロロジスの日本代 表職を務めていたが、同じプロロジスで日本・ アジア、欧州の購入責任者などを歴任したデ・ ポルテス氏とともに〇三年に同社を離れ、日 本に参入したAMBとの共同出資でAMBブ ラックパインを設立。
二人揃って同社の共同 CEOに就任した。
 
腺唯促屮薀奪パインは成田空港や東京・ 大田区、愛知、兵庫、大阪で床面積一〇万平 方メートル規模の大型物流施設を次々に開発 するなど、設立直後から急ピッチで事業を拡 大していった。
しかし、〇六年に親会社の米 AMBはAMBブラックパインの一〇〇%子 会社化を決断。
二人はこれに応じて持ち株を AMBに譲渡した。
 そして同じ年にレッドウッド・グループを 設立する。
これまでに同社は日本で計五〇〇 億円を投資している。
しかし、その対象はオ フィス、商業施設、住宅に限られていた。
創 業者の二人がAMBに対して競業避止義務を 負っていたからだ。
その契約が昨年末で期限 切れとなったことで、日本における物流不動 産事業がようやく解禁になった。
 今後、レッドウッドは投資の対象を物流不 動産に集中させる方針だ。
物流不動産には土 地勘があり、競合も少ないため、他のアセッ ト分野よりも有利に事業を展開できると見て いる。
これに合わせて今年六月には、プロロ ジスとAMB時代に二人の同僚として活躍し た松波秀明氏をレッドウッド・グループ・ジャ パンのマネージングディレクターに招聘した。
 当面は首都圏近郊の新規開発をメーンに据 え、七〜八%程度の利回りを目標とする。
B TSはもちろん、マルチテナント型でも床面 積の五割程度のテナントが確保できているの であれば積極的に投資していく。
大型の賃貸 物流施設に対するテナントのニーズは依然と して堅調だが、既存の大手は金融危機による ダメージからまだ完全には脱し切れていない。
リスクのある投資には慎重になっている。
後 発のレッドウッドにとってはチャンスだと見て いる。
 資金調達には自信を持っている。
「日本の 物流不動産に興味を持ちながらも具体的な投 資機会を得ていない投資家が海外にはたくさ んいる。
ギブソンとデ・ポルテスはそうした投 資家たちとのネットワークを持っている」と 松波マネージングディレクター。
 私募ファンドの設立のため現在、米国、欧 州のほか、中近東、中国、シンガポールなどの 機関投資家と接触を重ねている。
それもレッ ドウッドから説明に出向くのではなく、レッ ドウッドの話を聞きたいと、わざわざ来日し てオフィスを訪ねてくる海外投資家が跡を絶 たないという。
 日本で物流不動産市場が立ち上がってから 一〇年が経つが、その間、オフィスビルや商業 施設などの賃料が乱高下したのに対し、物流 施設の変動幅は一割程度に収まっている。
賃 貸借の契約期間も他のアセットに比べると長 く、管理コストは安い。
日本の物流不動産は 安定した投資先だという認識が海外投資家に 広がっている。
 金融機関も同様だ。
〇九年、一〇年は銀行 からの借り入れ比率は物流施設の購入価格に 対して最大でも六〇%程度が相場だった。
そ れが最近では六〇〜七〇%台、場合によって は八〇%も可能になってきたという。
ただし レッドウッドは機関投資家からの要望を受け、 借り入れ比率を最大でも六〇〜六五%程度に 抑制する方針だ。
 松波マネージングディレクターは「われわれ は外資系の大手とは違って日本を本拠として いる。
本社から都度、投資の承認を得る必要 がないため判断が早い。
小回りが利き、フッ トワークの軽いことが強みになる。
AMBで は設立から三年でプロロジスの地位を脅かす ところまで成長することができた。
今回も三 年程度をメドとして、レッドウッドを相当の ポジションに持っていきたい」と意欲を燃や している。
          (梶原幸絵) 松波秀明マネージング ディレクター レッドウッド・グループ ──新規開発中心に3 年で1200 億円 第3部主要プレーヤーはこう動く AUGUST 2011  34  日本レップの業績が回復の兆しを見せてい る。
二〇一一年三月期の決算では営業収益 五二億一二〇〇億円、経常利益三億七五〇 〇万円、当期純利益四億六〇〇〇万円を計 上。
二期連続の大幅赤字を脱して黒字に転換 した。
今期も六五〇〇万円の最終黒字を見込 んでいる。
 リーマンショック以降、継続的に行ってき た組織や拠点、人員のリストラクチャリングが 奏功した。
収益面では運用する連結大型私募 ファンドのリーシングに注力した結果、ポー トフォリオ入居率を前期の八二%から九五% に向上させた。
これによって賃料収入が増え、 さらに開発用地の売却によるキャピタルゲイ ンを確保したことなどで黒字化を果たした。
 復活の狼煙も上げた。
今年二月、「J─
劭 Pロジステーション守谷」(茨城県守谷市)の 着工を発表した。
日本通運向けのBTS型物 流施設で、延べ床面積は二棟で三万三〇〇〇 平方メートルになる予定。
今年十二月の竣工 を目指している。
 投資開発を担当する栗原誠専務取締役イン ベストメントディビジョン長は「守谷の案件は リーマンショック以降ストップしていた当社の 開発事業の再開を意味している。
この二年間 はなかなかチャンスがなかったが、今後は積 極的に新規開発を手掛けていく」と意気込み を語る。
 現在、水面下では新たな開発用地の確保に 奔走している。
対象はマルチテナント型、B TS型の双方に及ぶが、基本的には延べ床面 積二万坪(約六万六〇〇〇平方メートル)以 上の大型プロジェクトをメーンのターゲットに していく考え。
また、開発事業と並行して、 既存物件の買い取り(アクイジション)も活 発に進める方針だ。
 マーケットが反転していることもあり、開 発用地の取得やアクイジションでは今後競争 の激化が予想される。
しかし、栗原専務は 「仲介事業から出発した当社はリーシング力に は絶対の自信がある。
テナントのコミットメ ントが無いという理由で競合が手を出せない 案件でも、当社であれば?投資適格?と判断 できるケースも多い」と自信を見せる。
 肝心の資金面においては、親会社である マッコーリー・グッドマン・ジャパン(MG J)の全面的な支援を受けることになりそう だ。
MGJは世界有数の産業用不動産会社、 豪グッドマン・グループと銀行業務・金融サー ビスを主体とする国際投資銀行、豪マッコー リー・グループが折半出資で設立した合弁会 社。
日本レップは〇七年五月にMGJと資本 業務提携を結び、株式の過半を保有される実 質的子会社となっている。
 昨年一〇月にMGJとの間で三五億円を限 度枠とするローン契約を締結。
同時に、MG Jの完全子会社となり、上場を廃止すること を前提としたTOBを発表した。
一般投資家 の経営関与を排除し、親会社と一体化するこ とでスピーディな事業展開を志向した。
とこ ろが、日本レップの前社長でもある片地格人 氏を筆頭とする少数株主の反対にあい、この シナリオは頓挫。
完全子会社化および上場廃 止の計画は見送られることになった。
 それでも、MGJ支援のもとで大々的に物 流不動産投資事業を進めていく方針に変更は ない。
既にMGJは日本市場での投資を加速 させるため、相当額の資金を準備しているも のと見られる。
 栗原専務は「我々の親会社が一貫して日本 市場に対して強い関心を持っていることは事 実。
我々は親会社の持つ圧倒的な資金調達力 や様々なパイプラインの支援をバックに、ビジ ネスを加速していく」と語る。
日本レップの 商号も近く「グッドマン・ジャパン」に変更 される見通しだ。
       (石鍋 圭) 栗原誠専務取締役インベ ストメントディビジョン長 日本レップ ──グッドマン・ジャパンとして再出発 15000 10000 5000 0 -5000 -10000 -15000 08 年 3 月期 09 年 3 月期 10 年 3 月期 営業収益 当期純利益 11 年 3 月期 日本レップの業績推移(百万円) 第3部主要プレーヤーはこう動く 特 集 物流不動産 35  AUGUST 2011  リーマンショック直後の二〇〇八年一〇月、 J─リートのニューシティ・レジデンス投資法 人が破綻した。
同社のメーンスポンサーだった ニューシティコーポレーションも翌〇九年五 月には清算に追い込まれた。
同社の運営して いた私募ファンドはアムステルダムに本社を置 くINGグループのING不動産投資顧問に 引き継がれた。
 ニューシティコーポレーションは、清算と同 じ月の〇九年五月に横浜・大黒ふ頭に「ニュー シティ横浜ロジスティックスパーク(YLP)」 を竣工させている。
マルチテナント型で延べ 床面積は約四万坪、上り・下り各線用のラン プウェイを備えた七階建ての大型施設だ。
し かし、竣工から一年経っても同施設は空き家 状態が続いていた。
 いかにINGグループが不動産投資事業に おいても世界的な大手だといえども、得意と するアセットは住宅やオフィスが中心であり、 日本の物流施設は門外漢だ。
そこで同社は 一〇年四月、物流施設専門の資産運用会社、 アール・アイ・シー・マネジメント(RIC M)と契約を結び、YLPのテナント誘致を 同社に依頼した。
 
劭稗達佑脇本レップの片地格人前社長を 中心とする同社のOBが集結し、〇九年九月 に創業したばかりのベンチャー企業だが、3P Lをはじめとする物流施設の有力テナントに 太いパイプを持っている。
実際、同社は佐川 グローバルロジスティクス、ダイワコーポレー ション、ヤマタネなどの誘致に成功し、約一 年でYLPをほぼ満床にして見せた。
 物流施設は住宅やオフィスと違ってリーシ ング専門会社が事実上存在しない。
その穴を RICMが埋めた格好だ。
再び活性化に向 かった日本の物流不動産市場において、R ICMの持つリーシング機能は多くのファン ドや開発会社から注目される。
 しかし、同社の片地格人社長は「会社を立 ち上げてからこれまではYLPのテナント誘 致で手一杯の状態だった。
それにメドが付い たので、これからは新規開発に本腰を入れて いきたい」という。
 ターゲットとするのは中型の専用施設、B TSだ。
片地社長以下、RICMの主要メ ンバーが日本レップ時代に手掛けた二〇〇件 近くの開発案件も過半数が中型のBTSだっ た。
マルチテナント型の大型施設であれば、一 棟で数百億規模の資産運用も可能であるのに 対し、BTSは一棟当たりの投資規模が限ら れるため、大手からは管理効率の点で敬遠さ れがちだ。
 海外の大手ファンドや総合商社を向こうに 回し、何の後ろ盾も持たなかった日本レップ が事業規模を拡大できたのは、そうしたニッ チ戦略が大きかったと分析している。
同じや り方をRICMでも踏襲する。
テナントと中 長期の物流戦略を検討するところから始まり、 必要な施設をBTSで開発、そこに投資家を 募って回していくというスキームだ。
「既に テナントからの相談は相当数舞い込んでいる。
そのうちいくつかは、この一、二年で開発に 入ることができる見込みだ」という。
 片地社長は「何の系列色もない中立的な物 流不動産会社を日本に誕生させることが、も ともと我々の夢だった。
前職では残念ながら それは適わなかったが、今も気持ちは変わら ない。
日本の物流不動産市場の健全な成長に は、そうした存在が必要なはずだ」という。
 一方、片地社長個人としては現在、日本初 の株主委員会「日本レップ株主委員会」を組 織して、日本レップを相手に持ち株の買い取 りを要求している。
マッコーリー・グッドマ ンジャパン(MGL)が日本レップのTOB で提示した買付価格は納得できないとの主張 だ。
これによって日本レップはMGLの完全 子会社化に伴う上場廃止計画の撤回を余儀な くされている。
 リーマンショック後のこうした市場の混乱 を片地社長が経験したことは、RICMの経 営にも少なからず影響しているようだ。
「こ れまでは会社を上場させることを一つのゴー ルと考えてきた。
しかし、今はリスクをとっ てAM会社自体を上場させる必要はないのか も知れないと考えるようになった。
RICM では時間をかけても一つひとつ丹念に案件を 積み上げていきたい」と抱負を述べている。
(大矢昌浩) RICMの片地格人社長 アール・アイ・シー・マネジメント ──リーシング武器に中規模案件を狙う 第3部主要プレーヤーはこう動く AUGUST 2011  36  佐川急便を中核とするSGホールディング ス傘下のSGリアルティは、グループの不動 産戦略を一手に担う機能子会社として〇七年 八月に設立された。
その第一のミッションは グループ全体で三五〇以上に及ぶ物流関連施 設を所有し、管理・運営することにある。
 同社の町田公志社長は「ホールディングス の出店戦略や物流戦略に基づき、新規開発や 既存物件の取得・修繕など様々な形で不動産 投資を行う機能も託されている」と説明する。
 現在、SGホールディングスが物流業務で 使用している床面積の九割はSGリアルティ が保有している。
つまり実質的な自社物件だ。
典型的なアセット型物流会社であり、不動産 のオフバランス化には現時点では消極的だ。
 町田社長は「グループが提供している宅配 サービスや物流事業は、何があっても止める ことのできない社会インフラだ。
そのベース となる物流拠点を賃借で賄っていれば、不当 な立ち退き要請や賃料の高騰といったリスク に晒されることになる。
荷物のボリュームが 担保されていて、永続的にビジネスをすると いう前提なら、拠点を自ら所有することは必 ずしも間違いではない」と判断している。
 物流不動産を所有し、それを効率的に運用 するプロパティマネジメントやリーシング機能 を社内に構築することが、SGホールディン グスにおいては成長戦略の一つとして位置付 けられている。
そのためリーマンショック後 の相場の下落が、同社にとっては格好の?買 い場?となった。
 
咤妊螢▲襯謄は〇九年一月に埼玉県久 喜市の物流センターを取得したのを皮切りに、 積極的な施設の購入に動いた。
同年六月には 福岡県糟屋郡の物流施設を日本レップから購 入した。
この二つの施設はいずれもグループ の佐川グローバルロジスティクスがテナントと して入居していた物流施設が売りに出た案件 だった。
 さらに同年七月には、経営難に陥っていた コマーシャル・アールイーが千葉県印西市に 保有していた物件を相対交渉で取得。
この物 件はテナントはNTTロジスコで、SGリア ルティにとってはグループの物流事業と完全 に切り離された純粋な不動産事業だった。
 新規開発プロジェクトも動き始めている。
今 年に入り、「SGHロジスティクス柏(仮称)」 と「SGHロジスティクス横浜(仮称)」を着 工した。
SGHロジスティクス柏は、マルチ テナント型施設、BTS型施設を配した複合 物流施設になる予定で、総延べ床面積は二〇 万平米におよぶ見込み。
総額二〇〇億円規模 のビッグプロジェクトだ。
 
咤韮肇蹈献好謄クス横浜は延べ床面積八 万四〇〇〇平米の施設で、一階部分は佐川急 便のターミナルとして利用し、残りはグルー プ外への賃貸を予定している。
両物件とも来 年春の竣工を目指している。
 町田社長は「グループの佐川急便や佐川グ ローバルロジスティクスのテナントとしての視 点を取り入れるので、痒いところに手が届く 物流施設ができる。
グループ企業と荷主との パイプも活用できるため、リーシングの競争 力もある」と自信を見せている。
 
咤妊曄璽襯妊ングスは今期二二五億円の 施設投資額を設定しており、今後も積極的な 投資を行っていく模様。
今年六月にも品川区 勝島と埼玉県久喜市で大型の物流施設を三棟 取得するなど、投資意欲は活発だ。
 ただし、過去二年間のように割安な物件を 手に入れるのは今後は難しくなると見ている。
町田社長は「グループの本業はあくまで物流。
ムリをしてまで不動産に投資をする必要は無 い。
物流不動産市場でのシェアも求めていな い。
収益率の高い案件に絞って投資をしてい く」と言う。
         (石鍋 圭) 町田公志社長 SGリアルティ ──アセット型物流会社としてCRE展開 SGHロジスティクス柏(仮称)の完成予想図。
グルー プ内外のテナントを呼び込む予定 第3部主要プレーヤーはこう動く

購読案内広告案内