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《近畿》繁忙期の傭車運賃が急上昇
荷動きは減少している。 製造業の中でも家電産業の存在感が
大きいため、同産業の不振の影響を受けている。 震災後、救援
物資輸送や関西での代替生産が行われたこともあり、関東向け
が一時的に増加したが、荷動き全体を押し上げるには至らなかっ
た。 運賃は底値近くまで下がっており、横ばいが続いている。 し
かし、トラック業者は車両台数を減らす傾向にあり、繁忙期の
傭車運賃は急上昇しているもようだ。
●当社のメーンは食品のセンター運営と店舗配送。 不
況でも比較的堅調のはずだが、一月に入ってから
閑散期というのを抜きにしても荷動きは悪い。 そ
れでも運賃は下がっていない。 荷主は例年、一月
から二月にかけて運賃の見直しを行う。 これまで
は下げ圧力が強かったが、今年はそうした動きがあ
まりなかった。 倒産する業者が多いために、荷主
の要求する物流水準を満たせる業者の絶対数も減
少しているのではないか。 新規参入した業者もあ
るが、案件としては厳しいものが多そう。 皆、雇
用を維持するので精一杯。 (大阪府・3PL)
●運賃は四トン車一〇〇キロ以上は二万数千円、一五
〇キロ以上は三万円前後。 近距離は一万六〇〇〇
円くらい。 下げ圧力は強いが、皆ぎりぎりまで落
としているから横ばいが続いている。 ただし、そ
れに貨物の無料保管などのサービスを付けており、
最近はその部分に対する要求が厳しくなってきて
いる。 (大阪府・一般運送)
●関西から東京に行く車の帰り便が大きく値崩れし
ている。 その逆も下がっている。 また、地方から
大阪に来る車が減っているのが目につく。 それだ
け荷動きが悪いのだろう。 ウチは他社のやりたが
らない仕事も受けているので運賃水準は維持して
いる。 そして車を増やして自社で運ぶようにして
いる。 他社のように、いったん車両を減らして縮
小してしまえばもう戻らない、終わりだと思って
いる。 (大阪府・一般運送)
●運送はまったく合わない仕事になっており、大阪
の中小業者は悲惨な状況。 だから当社は倉庫業に
シフトしている。 今後、生産拠点や在庫拠点を関
西に分散する動きが顕在化したとしても、そうし
たニーズの受け皿になるのは大手業者。 中小に恩恵
APRIL 2012 28
特別積み合わせ貨物の荷動き推移(近畿運輸局) フェリーの自動車航送台数の推移(近畿運輸局)
(千トン) (%)
120,000
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
30.0
25.0
20.0
15.0
10.0
5.0
0
-5.0
-10.0
-15.0
-20.0
(台) (%)
4月5月
6月
7月
8月
9月
10
月
11
月
12
月
1月
2月
3月
7000
6000
5000
4000
3000
2000
1000
0
6.0
4.0
2.0
0
-2.0
-4.0
-6.0
-8.0
-10.0
-12.0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10
月
11
月
12
月
1月
2月
3月
平成23 年度前年
同月比増減率
平成22 年度前年
同月比増減率
平成22 年度
輸送台数
平成23 年度
輸送台数
平成22 年度
輸送トン数
平成23 年度
輸送トン数
平成23 年度前年
同月比増減率
平成22 年度前年
同月比増減率
市場の声
解 説
4 ブロック別運送市場レポート
はないだろう。 (大阪府・倉庫)
●震災後、東北への救援物資輸送は関東が積み替え
拠点になっていたので、関東向けの輸送が増えた。
トラック協会を通じてきた依頼については、行政か
ら届出運賃で請求するよう指示が出ていたようだ。
しかしそれも数カ月で落ち着いたので、運賃相場に
影響はなかった。 (大阪府・一般運送)
●関西は家電の街であり、ものづくりの街。 家電産
業が良くならないことにはどうにもならない。 最
近は地方から来る車をあまり見かけなくなった。 そ
れだけ荷動きが悪いのだろう。 そこに燃料価格の
上昇が来て、残るものも残らないようになってい
る。 数年前ならそれなりに荷物が動いていたので、
サーチャージを導入するための交渉の余地はあった。
しかし今は荷物の確保が最優先になっている。 皆、
他社に下をくぐられるのが恐くて動けない。
(大阪府・一般運送)
●相場全体としては横ばいが続いているが、皆が車
を減らしているので月末や年末、年度末など繁忙
期の運賃が急に上がる。 また、ものが売れず、荷
主の在庫は貯まっているが、押し込み販売で一時
期に集中して動くようになり、繁閑の差が激しい。
予備の車両はないのでその時期は同業を頼るしかな
いが、なかなか車が見つからない。 それでも納期
は絶対なので、深夜まで車を動かして対応してい
る。 しかし、そうした時期が終わればパタっと動か
なくなり、運賃も元に戻る。 (兵庫県・一般運送)
●震災後、生産が一時的に関西に移り、夏頃まで関
東向けが増加した。 帰り荷がなかったこともあり、
通常の二〜三割増しという運賃も出たようだが、当
社では既存荷主の仕事がほとんどだったので、割
り増し運賃はそれほどもらっていない。 今の荷動
きは悪い。 今後も荷動きがよくなる材料は見当た
らない。 (兵庫県・一般運送)
29 APRIL 2012
平成22 年4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
平成23 年1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
93.9
91.9
110.4
105.1
93.3
103.1
98.7
100.5
103.8
89.8
103.9
113.6
94.1
92.3
106.5
97.8
93.1
105.3
97.6
101.3
103.2
102.1
100.7
100.9
104.9
105.8
103.8
101.9
104.4
104.8
107.5
104.9
102.8
101.3
100.2
102.3
96.1
94.4
97.6
93.7
95.5
97.3
前月比
(%)
前年同月比
(%)
一般貨物の荷動き営業用貨物車両台数の推移
131,480
131,364
131,419
131,105
131,021
130,966
130,895
131,053
131,237
131,062
131,130
131,343
131,208
130,988
130,878
130,886
130,925
131,053
130,969
131,098
13,918
13,873
13,847
13,844
13,816
13,814
13,850
13,840
13,837
13,818
13,813
13,836
13,786
13,757
13,690
13,667
13,652
13,639
13,625
13,569
20,794
20,814
20,798
20,840
20,795
20,779
20,826
20,852
20,848
20,853
20,894
20,902
20,907
20,925
20,932
20,947
21,013
21,073
21,091
21,122
普通貨物小型
四輪貨物被けん引車
出所)国土交通省
景況感一覧
宅配貨物 宅配以外 一般貨物
10 年
1〜3月
10 年
4〜6月
10 年
7〜9月
10 年
10〜12月
11 年
1〜3月
11 年
4〜6月
11 年
7〜9月
11 年
10〜12月
12 年
1〜3月(見通し)
特積貨物雇用関連総合計
出所)全日本トラック協会
判断指標
矢印
… -100 … -60 … -20 … +20 … +60 … +100 …
滋賀
京都
大阪
兵庫
奈良
和歌山
計
特積
事業者数
一般
事業者数
3(±0)
6(±0)
16(-1)
5(±0)
3(±0)
5(±0)
38(-1)
522(-10)
1019(+25)
4512(+180)
2212(+36)
614(-13)
552(-4)
9431(+214)
平均年齢 労働者数(十人)
(歳)
平均勤続
年数(年) 平均現金給与額(千円) 平均年間賞与その他
特別給与額(千円)
1075
2174
7518
4971
903
912
(79.2%)
(120.3%)
(81.9%)
(89.3%)
(123.4%)
(137.8%)
46.2(+3.0)
47.3(+1.2)
46.6(+0.8)
45.5(+1.0)
45.1(+0.8)
46.4(+0.5)
9.1(-2.6)
10.0(-0.1)
12.9(-0.1)
13.9(+2.0)
12.3(-2.3)
14.0(+2.1)
338.0
312.2
317.3
370.2
331.7
313.6
(103.2%)
(110.2%)
(93.7%)
(122.2%)
(100.5%)
(98.9%)
562.3
374.6
601.5
705.7
532.5
523.2
(104.1%)
(79.8%)
(103.8%)
(139.9%)
(84.7%)
(101.8%)
運送事業社数〈2011 年3月時点〉運輸・郵便業の賃金水準〈2011 年6月時点〉
(括弧内は対前年増減) (括弧内は対前年増減もしくは比率)
※男性一般労働者出所)厚生労働省
出所)国土交通省
特集
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