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APRIL 2013 30
《中国》荷主の海外シフトで貨物量が急減
円安局面入りで、中国地方の景気動向は下げ止まりの気配を見せ
ている。 荷動きも今年に入ってからは持ち直しの傾向だ。 しかし、遅
きに失した感が否めない。 長期にわたる円高の影響で、地元経済を
支えてきた自動車や電機関連の荷主は生産の海外シフトを推し進めて
きた。 全体の物量は以前と比べて大きく落ち込んでいる。 運賃下落
にも歯止めが掛からない。 地元運送業界からは「アベノミクスがあと
1年早ければ」という怨嗟の声も挙がっている。
今後は自社比率を少しずつ上げていく方針。 広告
だけでなく、縁故採用などあらゆる手段でドライ
バーを確保する。 有望な社員に対して中型免許取
得を会社で支援する取り組みを二年前からスター
トし、これまでに一〇人取得させている。
(広島・3PL)
●当社の取扱貨物は建築物に使用される鉄鋼が主力
だが、荷動きは一時に比べて回復しつつある。 民
主党時代にはハコモノは敵視されたが、自民党政
権になって公共事業関連の仕事が増えつつある。
現在の長距離運賃は増トンで広島から東京まで十
二万、名古屋まで七万、大阪まで五・五万。 運
賃は下げ続けている。 この一年でも一割ほどは落
ちた。 ただし、最近では明るい兆しもある。 安
全性や輸送品質を評価し、若干ながら運賃を上
げてくる荷主が増え始めている。 それだけ真っ当
な運送会社が減っているということだと思う。
(広島・建材物流)
●運賃は規制緩和以降、下がり続けている。 最近
は広島駅の再開発などで仕事は増えてきたが、運
賃が上がっていく兆しはない。 (広島・一般物流)
●人手不足だが女性やシルバー層の活用は考えてい
ない。 当社は長距離が多いため、やはり二〇代〜
四〇代の男性ドライバーを確保する必要がある。
長距離でも家に帰れることを伝えるなど、少しで
も働きやすい環境を整えている。 特に若い世代の
ドライバーは価値観が昔とは全く違うので、管理
をするのにも気を遣う。 (鳥取・一般運送)
●ドライバー採用にはハローワークを活用している
が、この一〜二年ほどは応募がほとんど来ない状
況。 傭車先に無理を言って日々の仕事に対応して
いるが、今後は自社のトラックを減車して仕事量
を減らすことも検討している。
(岡山・食品物流)
●ドライバーがすぐに辞めていく。 全体の二〇〜三
〇%は流動的。 そのため求人広告を常に打ってお
く必要がある。 二週間掲載するのに三万〜五万
円のコストが掛かる。 以前は一度の採用でそれな
りの人数が応募してきたが、今は少ない。 やはり
待遇面の悪化が影響している。 ピーク時に比べて、
募集給料は三〇%ほど低くなっている。
(広島・一般運送)
●当社は住宅関連が主力。 岡山から東京まで一〇ト
ン車で九万円、名古屋まで六万円弱、大阪まで
三・九万〜四・一万円。 四トン車で東京まで七・
五万、名古屋まで四万円、大阪まで二・八万円
が正味の運賃。 リーマンショック以前と比べたら
大体一万〜二万円くらい下がっている。 今後は
担い手が少なくなるので運賃は上がっていくと期
待したい。
繁忙期には傭車を使うが、震災以降、極端に
輸送力の確保が難しくなった。 そのため荷主から
の依頼があっても、お断りするケースが増えてい
る。 当社のようにある程度の規模があるところは
まだ良いが、傭車だけでつないでいる零細は次々
に倒産している。 同じ規模の運送会社とアライア
ンスを結ぶことで、ドライバーと車両を融通し合
うケースが増えてきた。 以前は考えられなかった。
(岡山・住宅建材物流)
●当社はこの二年で、傭車比率を以前の一五%程
度から三〇%ほどに高めている。 運賃が低すぎる
ことに加えて、ドライバーの確保も困難だ。 ただ、
最近では傭車先も人手不足。 依頼してもなかな
か受けてもらえない。 どこでも良いという条件な
ら運び手はいるだろうが、当社は元請け的な立場
でもあるので、コンプライアンス上それは難しい。
市場の声
解 説
ブロック別・この春の運賃市況
特集
31 APRIL 2013
300
260
220
180
140
100
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10
0
-10
-20
-30
-40
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10
月
11
月
12
月
1月
2月
3月
15,000
12,500
10,000
7,500
5,000
2,500
20
10
0
-10
-20
-30
-40
-50
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10
月
11
月
12
月
1月
2月
3月
特別積合せ貨物の荷動き宅配貨物の荷動き
(千トン) (%) (千個) (%)
2011年度
輸送トン数
2011年度
2012年度 取扱個数
輸送トン数
2012 年度
取扱個数
2012年度
前年同月比
2011 年度
前年同月比
2011年度
前年同月比
2012年度
前年同月比
出所)国土交通省出所)国土交通省
2011 年4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
2012 年1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
86.2
94.9
112.2
100.6
97.3
106.5
104.3
100.7
100.2
86.5
110.0
109.5
86.1
98.9
103.6
105.6
92.5
106.6
107.2
99.6
105.4
99.1
98.9
100.4
95.9
100.7
101.2
104.5
101.9
98.3
99.3
101.2
99.0
93.7
105.7
101.2
103.3
98.3
98.6
103.0
100.9
100.0
前月比
(%)
前年同月比
(%)
一般貨物の荷動き景況感一覧
宅配貨物 宅配以外 一般貨物
11 年
1〜3月
11 年
4〜6月
11 年
7〜9月
11 年
10〜12月
12 年
1〜3月
12 年
4〜6月
12 年
7〜9月
12 年
10〜12月
13 年
1〜3月(見通し)
特積貨物雇用関連総合計
出所)全日本トラック協会
出所)経済産業省
出所)国土交通省
判断指標
矢印
… -100 … -60 … -20 … +20 … +60 … +100 …
貨物車両数推移(両)
58,331
58,208
58,094
58,095
58,119
58,155
58,122
58,085
58,080
58,017
57,940
58,000
57,855
57,729
57,715
57,624
57,596
57,558
57,503
57,542
57,579
4,055
4,035
4,025
4,025
4,020
4,046
4,035
4,016
4,018
4,029
4,026
4,014
4,009
4,003
3,988
3,985
3,974
3,976
3,962
3,954
3,944
5,931
5,910
5,908
5,920
5,910
5,922
5,900
5,897
5,903
5,905
5,933
5,926
5,917
5,904
5,915
5,916
5,924
5,924
5,922
5,917
5,925
普通貨物小型
四輪貨物被けん引車
※すべて営業用
出所)国土交通省
2012 年1〜3月
4〜6月
7〜9月
10〜12月
2013 年1〜3月見通し
20
26
15
18
15
28
25
33
34
34
52
49
52
48
51
101
97
96
97
96
△8
1
△18
△16
△19
東海の国内向け出荷量の実績と見通し
出所)日通総合研究所「日通総研短観」より抜粋
時期荷動き
指数回答社数
構成比(%)
増加横ばい減少
鉱工業生産指数推移(2005 年=100)
150.0
140.0
130.0
120.0
110.0
100.0
90.0
80.0 12年
1
月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10
月
11
月
12
月
13
年1月
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