ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2003年7号
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WMSのフレームワークスとEAIのウェブメソッドが提携

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

61 JULY 2003 「クライメート・セイバーズ」に佐川急便 国内初、運輸業としても世界初の参加 佐川急便はこのほど、WWF(世界自然保護基金)と「クライメー ト・セイバーズ・プログラム」の契約を交わしたと発表した。
「クライメート・セイバーズ・プログラム」は、WWFが全世界の企 業に対して、温室効果ガスであるCO 2 の排出量削減を呼びかけているプ ログラム。
参加企業はCO 2 排出量削減の目標値を設定し、自主的に削減 対策に取り組む。
現在、海外ではIBMやジョンソン&ジョンソン、ナ イキなどが同プログラムに参加している。
佐川急便は運輸業として世界 初、また日本企業としても初の「クライメート・セイバーズ」参加企業 となった。
今回の契約にあたり佐川急便は、二〇一二年度までに天然ガス車を約 七〇〇〇台導入し、CO 2 排出量を二〇〇二年度対比で六%削減することを目標に掲げている。
このプログラムの最大の特徴は、第三者機関が参 加企業の掲げるCO 2 排出量削減の目標値が追加的なものであるか検証・ 認証するところにある。
企業の自主的な取り組みに透明性と信頼性を付 加することが目的だ。
今回の契約では、中央青山PwCサステナビリテ ィ研究所が第三者機関となり、佐川急便が二〇〇二年度に測定したCO 2 排出量をもとに、目標値の前提となるベースラインを設定。
五年後をめ どに中間レビューを行い、CO 2 排出量の削減率を検証していく。
佐川急便の辻尾敏明専務は、「環境問題に対する取り組みは当社にとっ て経営戦略上、非常に重要な 位置を占めている。
『クライ メート・セイバーズ・プログ ラム』への参加は新たなビジ ネスへの発想にもつながるだろう」と意欲を見せる。
運輸業界においてCO 2 排出 量の削減は非常に難しいとさ れる。
WWFは、主要なCO 2 排出国である日本で世界初の 運輸業界からの「クライメー ト・セイバーズ」が誕生した ことに着目、世界の運輸業界 を温暖化防止へと牽引する効 果を期待している。
WMSのフレームワークスと EAIのウェブメソッドが提携 W M S ( Warehouse Management System: 物流センター管理システム)国 内大手のフレームワークスと、EAI ( Enterprise Application Integration: 統合ソフトウェア)世界最大手の ウェブメソッドが六月十一日、提携を発 表した。
フレームワークスは今後、同社 のWMS「Logistics Station iWMS 」と、 「ウェブメソッド統合プラットフォーム」 を併用したグローバルSCMソリューシ ョンを提供していく。
EAIはタコ足コンセントのように複 数の業務用アプリケーションソフトを連 結させる役割を果たすミドルウェアで、 近年急速に普及が進んでいる。
これまで WMSを始めとする実行系ソフトとER Pやレガシーシステムを接続するには、 インターフェースの開発に多くの手間と コストがかかっていた。
そこにEAIを 活用することで、大幅なコスト削減とシ ステム導入期間の短縮が可能になるとい う。
提携発表の記者会見でフレームワーク スの田中純夫社長は「グローバルなビジ ネスを展開していく上で、システムの統 合は最重要課題の一つ。
両社の製品を組 み合わせることで製品価値を高め、積極 的に市場を開拓していきたい」と抱負を 語った。
また、ウェブメソッドのデビッド・ミ ッチェル社長兼COO(最高執行責任 者)は「日本は米国に次いで重要な市場 だと認識している。
WMSにおいて日本 のリーディング・プロバイダーであるフ レームワークスとの提携は、日本企業ひ いてはアジアの企業へのチャネルとなる だろう。
今後も積極的なアプローチを展 開していきたい」と話している。
ウェブメソッドは二〇〇〇年一〇月に 日本法人を設立。
日本国内で製品開発、 マーケティング活動などを行っている。
同社がWMSベンダーと提携を結ぶのは 欧米市場を含めても今回が初めて。
両社 は今後、展示会への出展やセミナーの開 催、マーケティングなども共同で展開し ていく計画だという。
お問い合わせ先 株式会社フレームワークス 電話番号 〇五四(二八六)五四一一 ウェブメソッド株式会社 電話番号 〇三(六二二九)三七〇〇 佐川急便の辻尾敏明専務(右)とWWFジャパン の日野迪夫事務局長 フレームワークスの田中純夫社長(右)とウェ ブメソッドのデビッド・ミッチェル社長 JULY 2003 62 自動計量測定機器など各種はかり のメーカー新光電子が、小物用寸法 重量測定装置「パーツスキャンPS ― 450」を開発した。
同製品は、半 透明のビニールや卵のパックなど、従 来の計量測定機器では測定が難しか った、複雑な形状をした小型商品向 けの測定装置。
コスメ用ポーチやジ ュエリー、乾電池パックに使用されるブリスターなど、さまざまな商品 のマスター登録作業に威力を発揮す る。
従来の小物用寸法計量測定機器は 計測単位が五ミリだったのに対し、 「パーツスキャンPS―450」は赤 外線ビームを利用することによって、 一ミリ単位の測定を可能にした。
測 定範囲は、長さが一〇ミリ〜四五〇 ミリ、幅一〇ミリ〜三四五ミリ、高 さ三ミリ〜三四五ミリ。
また、重さ は四グラム〜一五キロまでで、五キ ロ以下は二グラム単位、またそれ以 上の製品は五グラム単位で表示する ことができる。
本体にはハンディバーコードリー ダー、コンピュータおよび画像モニタ ー用のインターフェースがあり、測 定した数値とバーコードで読みとっ た商品データをデータベース化する ことも可能だ。
また、画像モニター に商品をスキャンしたものをモニタリ ングすれば、数値が商品のどこの部 分を測定したものか特定することが できる。
海外ではすでに十数社が導入して いる。
国内ではソフトバンクの物流 子会社であるソフトバンクフレーム ワークスや日本通運など、計五社が 導入している。
ソフトバンクフレーム ワークスでは、ウィンドウズ用ソフト のパッケージやコンピュータのマウス、キーボード、チップなどの計測と、商 品のマスター登録を目的に同製品を 使用しているという。
本体の寸法は長さ九五五ミリ、幅 七二五ミリ、高さ一一五〇ミリで、重 さは約一八〇キロ。
定価は二五〇万 円となっている。
お問い合わせ先 新光電子株式会社 電話番号 〇三(三八三一)一〇五一 「ギガ」シリーズに新型ミッション 同社比平均二五%の省燃費運転を実現 いすゞ自動車 いすゞ自動車は同社の大型トラック 「ギガ」シリーズに省燃費運転を可能に するオートマチックトランスミッショ ン「スムーサーG」を搭載した新型車 両の販売を六月二日に開始した。
「スムーサーG」は、機械式のマニ ュアルトランスミッションをベースに しながらも、発進・変速・停止のシフ ト/クラッチ操作を完全自動化した十 二段変速のフルオートマチックトラン スミッション。
発進時からクラッチ操 作が不要で、変速、停止までアクセル とブレーキの二つのペダルだけで操作 することができる。
もちろんスイッチ 一つでマニュアルトランスミッション への切り換えも可能だ。
新型車は「速度抑制装置取り付け義 務化」の法規制に適合したスピードリ ミッターを標準装備。
エンジンは低燃 費でCO 2 排出量の少ないインターク ーラーターボエンジンに統一。
無過給 エンジンは廃止した。
シャシやサスペ ンションのベーススペック、ブレーキ などにも手を加え、経済性のみならず 走破成、信頼性、架装性および安全性 も追求している。
同社では近年、燃費を始めとした経 済性能の改善を目的に車両各部の改善 を進めている。
「スムーサーG」の開発 もその一環。
ドライバーの運転技量に 左右されない、より効果的で確実な省 燃費走行を狙っている。
これらの改良 によって新型車の燃費は同シリーズの 旧モデルに比べ平均約二五%向上。
新 型車にマニュアルトランスミッション を搭載した場合に比べても十一%向上 しているという。
価格は、二五トントラックのKL ― CYL51V4 で一七一一万円、二〇トン ダンプのKL ― CXZ51K4 で一三三〇万五 〇〇〇円。
お問い合わせ先 いすゞ自動車株式会社 電話番号 〇三(五四七一)一一八八 複雑な形状を一ミリ単位で計測 商品マスターの登録に威力を発揮 新光電子 「スムーサーG」を搭載した新型「ギガ」 パーツスキャンPS―450 63 JULY 2003 サプライチェーンの統合化の時代はやがて終わる。
固定化したサプラ イチェーンでは環境変化に対応できない。
絶えず有利な構成にサプライ チェーンを組み替えることのできる動態的ネットワーク、すなわち「バ リューネット」の時代がやってくる。
そこでは「コンポーネント」とい うビジネスモデルの考え方が重要なカギを握る。
そんな時代認識に基づいて、米国の経営コンサルタントが新しいビジ ネスモデルを解説したビジネス書が邦訳された。
『コンポーネント・ベ ースド・ビジネス――経営とITとの新たなゲーム』(同友館)がそれ だ。
日本語版の監修はロジスティクス研究家の阿保栄司氏が務めてい る。
コンポーネントとはネットワークを構成する一つひとつの要素だ。
今 日の企業は他の企業と結びついて最終顧客に商品やサービスを提供し ている。
全ての機能を一つの企業内で完結させることなど、もはやあり 得ない。
そのため他の企業といかに効果的に結びつくことができるかが、 重要な競争条件になっている。
しかも経営環境は常に変化している。
かつては最高のパフォーマンス を発揮したサプライチェーンも環境が変われば競争力を失う。
競争を勝 ち残るには、環境変化に素早く反応して、最適なパートナー企業を選 び直し、新しいネットワークを構築する必要がある。
これまでの固定的 なサプライチェーンに対し、新しい柔軟なネットワークはバリューネッ トと呼ばれる。
バリューネットの下で企業 は一つのコンポーネントとし て自立しながらも、他のコン ポーネントと結びついている。
そこでは電気コンセントのよ うに、プラグを差し込んだら すぐに立ち上がる、コンポー ネント同士の接続性が問題に なる。
本書はそんなコンポー ネント指向の考え方、実際の 導入方法、そして課題と解決 策を提示している。
「コンポーネント・ベースド・ビジネス」 阿保栄司監修の最新ビジネスモデル解説 『コンポーネント・ベースド・ビジネス ――経営とITとの新たなゲーム』 著=リチャード・ベイヤード 監修=阿保栄司、訳=島津信/松浦春樹 発行=同友館発行(税別定価二八〇〇円)

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