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57 NOVEMBER 2003
フレームワークスの田中純夫社長(右)とウェ
ブメソッドのデビッド・ミッチェル社長
物流専門誌の編集をしていて悩まさ
れるのは、物流という概念の守備範囲
の広さだ。 周知の通り、物流はたいて
いのビジネスに関係がある。 しかも、
荷物を出す側と、受け取る側、さらに
運ぶ事業者といった具合に、係わる立
場が異なれば、物流という言葉の意味
するものも違ってくる。 このため特定
の情報を読者に伝える場合でも、どう
いった読者に語りかけたいのかによっ
て書き方を変える必要がある。
そうでなくとも物流は、学問的にも、
業務としても、いまだに体系化されて
いない。 その全体像を提示したり、勉
強しようとすると、勢い?総花的〞な
情報を扱うことになりがちだ。 極端な
言い方をすれば、高度化している最先
端の物流管理手法を理解しようとした
ら、社会全体の産業構造を大づかみに
するくらいの網羅性が求められる。
その点、この『よくわかるこれから
の物流』という本は、いい意味で総花
的な内容になっている。 取り上げてい
る話題も多様だし、執筆者の顔ぶれも
非常にバラエティに富んでいる。 なか
でも特筆すべきは、編著者二人の専門
分野が時代のニーズにしっかりと合致
している点だろう。
二〇年前にカサイ経営を立ち上げた
河西健次氏は、物流の実務に精通し、
かつ数字まで分かる数少ないコンサル
タントだ。 もう一人の津久井英喜氏は、
物流の起源から循環型ロジスティクスまで
読者に物流事業者を想定した最新の入門書
物流アウトソーシングやコンサルティング事業を展開す
るイー・ロジットが十一月七日、「コストを利益に変える
物流改革セミナー〜隠れ利益を生む物流ヒントがつかめ
る!」と題したセミナーを開催する。
同セミナーでは物流改革を行う企業が直面する問題点
や落とし穴などを、「在庫管理」、「キャッシュフロー」、「S
CM」の三ポイントから解説する。 講師は本誌で連載中
の日通総合研究所の湯浅和夫氏をはじめ、カサイ経営の
河西健次氏、イー・ロジットの角井亮一氏が務める。
セミナーの概要は左記の通り。
日時
十一月七日(金)十三時三十分〜
場所
東京国際フォーラム
ホールD1
定員
一二〇人(先着順) 受講料
一八〇〇〇円(消費税込み)
講演内容
「コストを利益に変える物流ABC」
〜究極のローコスト物流を実現するためのアプローチ〜
日通総合研究所 常務取締役
湯浅和夫
「SCMと在庫削減成功のポイント」
〜実例に学ぶ、収益に貢献するSCM〜
カサイ経営 代表取締役社長
河西健次
「キャッシュフローを生み出す物流改革」
〜戦略物流がキャッシュフロー効果を増加させる〜
イー・ロジット
代表取締役 角井亮一
「キャッシュフローを生み出す物流改革」
イー・ロジットがセミナー開催
ライオンなどを経て現在は諏訪東京理
科大学で教鞭を執っており、最近では
「循環型ロジスティクス」の研究に本
腰を入れている。 物流と環境問題の双
方に通じる稀少な人材である。
近未来の物流にとって?環境〞は
避けられないテーマだ。 しかし、関係
者のあいだで環境問題が取り上げられ
るようになったのは、ごく最近の話に
過ぎない。 世の中に物流の入門書は山
ほどあるが、環境問題との関連にまで
きちんと言及している本となると、ほ
とんどない。 物流の全体像を俯瞰した
い人にとっては有用な本といえる。
ちなみに十二月五日には、本書の出
版と、カサイ経営の創立二〇周年を
記念した講演会が東京都内で予定さ
れている。 有料だが、編著者の生の声
に触れてみたいという方にとっては絶
好の機会だろう(講演会の詳細は本
誌六三ページの告知参照)。
『よくわかるこれからの物流』河西
健次、津久井英喜編著(同文舘出版、
税別価格一七〇〇円)
お問い合わせ先
イー・ロジット
セミナー事務局
電話番号 〇六(六一一〇)八一〇六
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