2026年6月号
特集荒波に勝つ国際物流
提言
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中東緊迫化を「聖域なき改革」の好機に
ローランド・ベルガー 小野塚 征志 パートナー
ホルムズ海峡の事実上の封鎖で国際物流が混乱している。しかし逆の見方をすれば、環境変化は原材料の調達先見直しなど、事業の「聖域なき改革」につなげる好機とも言える。物流事業者としても柔軟に確実な輸送手段を提供することで差別化になる。サプライチェーンに襲い掛かったピンチをチャンスに変えよう。
第1部 輸送の現場はどう動くのか
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【リポート】航空業界の対応
トランジット貨物の開拓が未来を左右する
貨物の国際空輸を巡って日本で焦点となっているのが「供給量」だ。基幹拠点の成田空港は滑走路の延伸・増設を機にトランジット貨物の取り扱いを拡大し、路線・便の誘致を強化する。ANAとJALは貨物機を軸に拡充し、アジアから北米への高単価貨物の取り込みを推進している。ホルムズ海峡危機による欠航・減便は起きていないが予断を許さない。
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【海運】「リードタイム延長を前提にすべし」
Interview 神奈川大学 松田琢磨 教授(日本海事センター客員研究員)
中東情勢の緊迫化は、国際物流のレジリエンス(回復力)強化が不可欠だという事実をあらためて突き付けている。仮に事態が沈静化しても、そのまま元の世界に戻ることは考えにくく、代替輸送ルート設定などが進む契機となるだろう。海上輸送を利用する荷主としてもリードタイムが延びることを前提にサプライチェーンを運営すべきだ。
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【Topic】危機で燃費向上技術への注目度高まる
第2部 「氷海の高速ルート」を活用せよ
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【解説】北極海航路の将来性と激化する覇権争い
SCMソリューションデザイン 魚住和宏 代表
地球温暖化や地政学的リスクの高まりを受け、北極海航路の注目度がにわかに高まっている。だがスエズ運河やパナマ運河より航行距離を大幅に縮められる可能性の一方、北極圏の天然資源を巡る国同士の覇権争いも激化しつつあり、日本もステークホルダーの権利に配慮しながら、航路開発に向けて一役買うべき時期が来ている。
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【Focus】ロシアが活用する「運べる原子炉」
第3部 リスク対処のケーススタディー
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ヤマハ
意思決定支える物流情報を集約・可視化
新型コロナ禍で国際物流の混乱を経験したことなどを教訓に、社内に散在していた膨大な物流関連データを「正規データ」として集約・可視化した物流情報基盤を構築。関連の作業工数を年間300時間分短縮した。グローバル市場の先行き不透明感が高まる中、意思決定の後押しとなる情報基盤を武器に、刻一刻と変化する事業環境への対応力を進化させる。
第4部 今こそ押さえておきたい最前線
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グローバルの物流事業現況
「米中印を軸に海外事業を拡大していく」
Interview 伊藤忠ロジスティクス 佐々和秀 会長兼社長
海外関連ビジネスの拡充を成長戦略の柱に設定している。経済成長が加速するインドへの注力、大型かつ安定したビジネスの米国、縮小傾向にある中国での対応などを軸に海外事業を展開。高度化する顧客ニーズに応えるため、物流をベースとするマルチ機能集団化をさらに推し進めていく。
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「中欧班列」の最新情勢
「輸送量は15年間で2千倍に爆増した」
Interview 日本海事センター 福山秀夫 客員研究
中国と欧州方面を結ぶ国際定期貨物列車の「中欧班列」は15年間で便数が約1千倍、輸送量は約2千倍に増加した。西通道、中通道、東通道の基本ルートに加え、メインの西通道ではカスピ海方面などといったバリエーションルートの展開も本格化。ASEAN(東南アジア諸国連合)方面との接続も始まった。中欧班列が国際輸送の有力な選択肢へと変貌しつつある。
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米国の物流事情解説と展望
「コロナ禍の傷跡はまだ癒えてない」
Interview NX総合研究所 田阪幹雄 リサーチフェロー
米国では、年明けから春先ごろにかけて発生する急激な貨物量減少期に、前年のピークシーズン後に混乱したサプライチェーンの整理を行ってきた。しかし、そのサイクルがコロナ禍を機に崩れたことで、物流インフラが本来の能力を取り戻せずにいる。港湾などといった物流結節点でのパフォーマンスの復調が今後も遅れると、米国発着の貨物輸送全てに影響が出てくる可能性もある。
第5部 地政学リスク調査を読む
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KPMGコンサルティング
サプライチェーン脱中国依存の意向強まる
中国の貿易管理規制は経済安全保障・地政学上の最大リスクと位置付けられ、サプライチェーンの脱中国依存志向が強まっている──。KPMGコンサルティングが1~2月に実施した調査で、企業の意識の実態が明らかになった。イラン紛争直前まで中東情勢への警戒感が低下していたことも分かり、SCMの危機管理を巡って新たな視点も投げかけている。
第6部 海外論文
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ウクライナ紛争に見る貿易路断絶リスク
“New economic geographies of war:risks and disruptions in Eurasian transport routes and supply chains through the military conflict in Ukraine”
オーストリア ウィーン工科大学 Franziska Sielker教授ほか
ロシアによるウクライナへの侵攻は、欧州経済が依拠する陸海の貿易ルートが抱えていた脆弱性を顕在化させた。欧州とアジアを結ぶサプライチェーンは、両地域の経済に不可欠なものだが、重要な海上ルートとなる黒海は戦場になり、陸上鉄道網は大部分がロシア影響圏内にある。地政学的危機を踏まえた新たな経済地理学が必要だ。
Key Person
4
「世界の不確実性は『新たな連携』で克服する」
デロイトトーマツ戦略研究所
江田 覚 主席研究員、平木綾香 研究員
米国の第2次トランプ政権は関税引き上げ、ベネズエラやイランへの攻撃など第1次を上回る想定外の大胆な行動を取り続け、世界の秩序と協力関係が大きく揺らいでいる。物流業界を含めた日本企業はどのように行動すべきなのか。国際政治や安全保障の専門家に考察のヒントを尋ねた。
Case Studies
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TOPPANホールディングス〈共同化〉
包装資材のトーインと共同配送をスタート
運営担うTOPPANロジは外販拡大も推進
52
医療流通対策研究会〈業界内連携〉
医療メーカー7社が物流危機打開へタッグ
まず4社で東日本対象に配送で協力開始
Columns
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《不定期連載》中国マテハン市場レポート2nd《第3回》
優艾智合機器人
半導体工場用から巡回点検まで多彩な協働ロボ
AGV/AMRは過当競争避け中国外を主市場に
法政大 李 瑞雪 教授、愛知淑徳大 潘卉 講師
62
物流企業の値段《第212回》
濱野 亮 SMBC日興証券 アナリスト
セイノーホールディングス
CFや資本効率を重視する経営方針に転換
特積みの収益改善とロジ・貸切の成長に注力
64
高度物流人材のためのリスキリング講座《第27回》
サプライチェーンマネジメント(2)
調達・購買
講師 梶田 ひかる
69
フィジカルインターネット通信《第46回》
PI+AI+EI──上海で見た物流革新
野村総合研究所 水谷禎志 エキスパートコンサルタント
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海外トレンド報告
《欧米編》宇宙での医薬品・半導体製造へ、米英の実証機が成果着々
《アジア編》チベットの荷役動物ヤク、個体数回復へクローン第2弾
《アフリカ編》アンゴラのQuiluma天然ガス田が、本格供給開始
74
NEWS ROOM
NXHDが北米3PL大手のメトロサプライチェーンを子会社化
80
湯浅和夫の物流コンサル道場《第289回》〜温故知新編 第170回〜
「CLOは物流統括管理者の略称にあらず」
84
物流指標を読む《第200回》
日本経済は本当に危機的状況なのか?
NX総合研究所 佐藤信洋
86
国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告
海外諸国のサプライチェーン教育事情【前編】
92
佐高信のメディア批評
「報道自由度」で順位低迷続く日本のメディア
権力批判せず差別に鈍感な窮状を自覚せよ
Information
CLIP BOARD
55
- 米アマゾンが企業向け物流に本格参入
- 花王や三菱食品など荷主9社が共同配送コンソーシアムの活動本格化
73
- ESR・ギブソン共同CEOが中継輸送拠点の機能持つ物流施設開発に意欲
- uprが中小事業者向けにスマホ活用した運行管理の新サービス発表
DATA BANK
93
- 国土交通月例経済(国土交通省)
- デカルト・データマイン 海上コンテナ輸送量実績調査
- 賃貸物流施設マーケット動向(2026年第1四半期)
シービーアールイー 首都圏の空室率が9.2%に低下、賃料は上昇
98
主要記事索引
102
編集後記
103
広告索引
103
ロジビズ・オンライン ピックアップ(2026年4〜5月配信分より)

