|
|
|
2025年1月号 |
|
|
|
|
|
Cover Story |
|
|
特集 地域物流
|
12 |
|
「運ばない物流」役割・責任分界点の再定義
KPMGコンサルティング伊勢田 伸プリンシパル/黒江健斗マネジャー/炭床天満コンサルタント
自動化やデジタル技術の活用など、物流効率化に向けた取り組みが広がっている。だが「モノをより効率的に運ぶ」だけでは、深刻度を増す物流原価高や担い手不足などの対応には限界がある。「計画・生産から物流へ」という順序の垣根を取り払い、物流効率化の観点から物量や距離を最小化する、「商圏に対応した運ばない物流」に目を向ける必要がある。
|
16 |
|
分散化を伴うSCネットワークの再編
アビームコンサルティング SCM改革戦略ユニット 大里和哉シニアマネージャー、大川口 隼人マネージャー
全国を複数のブロックで区切り、ブロック内で需給を完結する「エリア需給」が引き続き注目されている。一方で、集約化ブームが一周し、在庫配置の分散化や長距離輸送ルートにハブ拠点を追加し幹線輸送をリレーさせる形態が食品メーカーでは始まっている。在庫リスクへの対応も含めて解説する。
|
19 |
|
地域フィジカルインターネットへの挑戦
野村総合研究所 モビリティ・ロジスティクスグループ小林一幸 グループマネージャー、村井智也 シニアコンサルタント
物流課題がより顕著な北海道では、将来的にトラックドライバーの需給ギャップ拡大が予測される。その解決方法として、同地域内で共同輸配送や中継輸送を実現する「地域フィジカルインターネット」を示す。全国の物流課題地域のモデルケースとなるべく、異業種連携やデータ活用による取り組みを重ねている。
|
24 |
|
食料基地北海道の物流課題と最悪シナリオ
北海商科大 相浦宣徳 教授
北海道は全国各地で消費される食料品を生産する“大供給地”だ。北海道から全国各地への供給は貨物鉄道輸送やフェリーなどの海上輸送に強く依存している。国家的危機であるトラック輸送力不足と貨物鉄道輸送・海上輸送が抱える問題が互いに相乗し、最悪のシナリオとして、日本の食料安全保障を揺るがす事態になりうる。
|
30 |
|
イオン北海道
片道300キロの道内輸送を「陸から海へ」
全てトラック輸送していた道内183店舗への配送のうち、片道約300キロで7時間かかる道央配送センターから釧路市内店舗への配送を、RORO船を活用してモーダルシフトした。店舗と配送センターのオペレーションも変更した。長時間輸送の影響を受けない衣料品など7割が対象で、年間の運転時間は約83%削減される。
|
32 |
|
日本郵便、タカラ・エムシー
郵便集配網で過疎地にネットスーパー実現
静岡市街地の郵便局から車で40〜60分を要する中山間地域の郵便局に向かう集配車両の空きスペースを活用し、買い物困難地域向けネットスーパーの実証運用に乗り出した。中山間地域の特産物を販路先のある市街地に届ける取り組みと併せ、集配車両の積載率は往復便ともに向上。新たな地場経済の起爆剤となるか注目が集まる。
|
34 |
|
遠州トラック
静岡を軸とする中継輸送の複合施策を展開
静岡県が本拠地という地域特性を生かした中継輸送関連の複合施策「e-change」を展開している。複数の物流会社が利用できる中継輸送拠点「コネクトエリア浜松」を2018年からNEXCO中日本と共同運営。年間延べ1万3千台以上が利用する。自社輸送サービスでは静岡県内事業所を用いた「中継輸送プラットフォーム」の運用も開始している。
|
36 |
|
SBS即配サポート
1都3県配送をtoBからtoCへ機能拡張
1都3県を対象エリアに絞った法人間混載輸送サービス「SBS即配便」を展開している。2024年11月からは同様のインフラを活用した置き配専用の宅配サービス「SBS Ecoロジ便」をスタートさせた。大手ECのラストワンマイル業務や新聞配達店との協業配送などでの経験に加え、自宅療養者向け非対面配達やエコメルカリ便への参画で得た知見などをベースにサービスを設計している。
|
38 |
|
地区宅便
メール便インフラ活用で高密度配送を実現
東京近郊の1都3県に張り巡らされたメール便の配達インフラを活用して、小型荷物のポストイン配送を手掛ける。住宅などが密集する都市圏ならではの高い配送効率などを活かし、エリア内配送では競合の追随を許さない価格競争力を誇る。ネット通販の配送に対応するシステムインフラを構築し、首都圏以外や即日配送にも対応。セイノーグループの輸配送インフラを生かした業際拡大を続けている。
|
40 |
|
ラストワンマイル協同組合
中小運送の企業連合で都市部特化型宅配網
地場の運送会社が協同組合による企業連合を形成し、都市部特化型の宅配サービスを提供している。割安な運賃と品質などを武器にメーカー直営オンラインショップなどからの取り扱いを拡大している。2024年11月からは大型貨物の配送サービスもスタート。今後は対象エリアの再拡大とフルフィルメント領域への展開を模索していく。
|
42 |
|
《編集レポート》物流視点からの新生シリコンアイランド
半導体受託製造世界最大手TSMCの進出により、九州では半導体関連で3年間に5兆円近い設備投資計画が決まった。ビジネスチャンスを狙う物流各社も拠点を新増設。活況に「新生シリコンアイランド」の言葉も飛び交う。では物流視点で捉えた九州とは、どのようなエリアなのか。半導体集積地を目指す上での強みと課題は何か。
|
46 |
|
日本通運
需要拡大で半導体装置向け大型3拠点新設
九州で、半導体関連物流の需要はどれくらい増えているのか。この問いに対し日本通運は、「倉庫面積を拡大した分だけだ」と答える。2024年に博多・熊本・鳥栖で、合計延べ床面積13万平方メートルの半導体関連の戦略拠点を新設した。半導体製造装置の梱包とコンテナ積みを1カ所で行う新コンセプトを採り入れ、工場出荷から船積みまでの効率化も実現した。
|
48 |
|
ANA Cargo
特殊貨物の専門チームで半導体装置を空輸
半導体製造装置には高度な輸送品質が求められるため、エアラインの選定に当たっては就航地や機材だけでなく、ハンドリングスタッフの質が問われることが多い。特殊貨物輸送の専門スキルを備えた人員を選抜し、「プロフェッショナルユニット」としてチーム化することで、人材力を前面に打ち出した差別化を進めているのがANA Cargoだ。九州市場開拓の機を虎視眈々とうかがう。
|
50 |
|
近鉄ロジスティクス・システムズ
半導体装置の調達物流で膨大な動線を管理
半導体製造装置の調達物流を手掛けることで、差別化を進めている。調達物流は、多数のサプライヤーとメーカーを結び膨大な量の部品が動くボリュームゾーンである半面、複雑な動線を管理するノウハウが求められ、参入障壁が厚い。全国規模の仕組みと豊富な実績は強みだ。九州でも需要の伸びを踏まえ、熊本で大型ターミナルの建設を進めている。
|
52 |
|
西日本鉄道
フォークリフト使わない半導体装置荷役が好評
グループ最大の収益源となっている国際物流事業で、半導体分野を今後の主要成長市場とにらんでいる。半導体製造装置への衝撃を避けるため、重量物の荷役でもフォークリフトを極力使わないなど、品質へのこだわりを強みと自認する。九州とアジアを結ぶ新中核拠点も開設して、体制を強化した。空輸が大半だった装置輸送で、海上輸送の引き合いが増えてきたことに注視している。
|
54 |
|
ラストマイル配送を「宅外便」で効率化
“Out-of-home delivery in last mile logistics: A review”
ドイツ アウグスブルク大学 Lukas Janinhoff ほか
宅配便の急激な利用拡大は、CO2排出量の増大、交通渋滞、ラストマイル配送を手掛ける事業者へのコスト負担といった課題をもたらした。この課題への改善策として新たに登場したコンセプトが、近隣のピックアップ施設で荷物の受け渡しを行うOut-of-home delivery=OOHD(宅外便)だ。そのビジネスモデルと研究課題について考察する。
|
|
|
|
Key Person |
|
4 |
|
「半導体装置は輸送を前提に設計される」
一般社団法人日本半導体製造装置協会 渡部 潔 専務理事
半導体製造装置は日本勢が世界シェア30%を握り、国内生産の9割が海外向けという、日本に残された数少ないハイテク工業輸出品だ。その物流には、厳格な条件が求められる。半導体世界大手の九州進出を機に、物流業界の関心も高まる装置の特性を、メーカーなど約250社が加盟する日本半導体製造装置協会に聞く。
|
|
|
|
Case Studies |
|
62 |
|
コープデリ生活協同組合連合会〈物流戦略〉
統合と機能刷新を重ねる日本最大の生協連合
独自の役割分担のもとで次の物流構想を模索
|
|
66 |
|
ファミリーマート〈物流DX〉
店舗配送最適化のシ「ミュレータ」を独自開発
フューチャー系と出荷実績などデータPF構築
|
|
70 |
|
中国マテハン市場レポート《第6回》(最終回)
日本大 孫 徳峰 准教授/法政大 李 瑞雪 教授
ハイロボティクス
ケース搬送ロボの企画から導入まで一貫提供
国外進出3年間で世界40の国と地域を開拓
|
|
|
|
Columns |
|
76 |
|
物流企業の値段《第198回》
姫野良太 JPモルガン証券 エグゼクティブディレクター
ヤマトホールディングス
適正単価収受とネットワーク改革を推進
費用抑制やフレイター収支改善などが鍵に
|
|
78 |
|
高度物流人材のためのリスキリング講座《第10回》
ロジスティクス組織(3)
講師 梶田 ひかる
|
|
84 |
|
フィジカルインターネット通信《第29回》
豪メルボルン〜ブリスベンの貨物専用鉄道
野村総合研究所 水谷禎志 エキスパートコンサルタント
|
|
86
|
|
海外トレンド報告
《欧米編1》冷やさないコールドチェーンで、急性肝不全救命にブタ肝臓を活用へ
《欧米編2》CMA CGM、人道回廊用の医薬品保管コンテナ開発
《アジア編》シンガポールのPIL、船団刷新へLNG船5隻新規発注
|
|
88
|
|
NEWS ROOM
アサヒ飲料など荷主5社が24年問題対応で研究会発足
|
|
94 |
|
湯浅和夫の物流コンサル道場
《第272回》〜温故知新編 第153回〜
2025年は法令順守が大きなテーマに
|
|
98 |
|
物流指標を読む《第183回》
早急な金融引き締めが招く雇用悪化懸念
NX総合研究所 佐藤信洋
|
|
100 |
|
国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告
ILSハンドブック 総括編
ILSハンドブックの読み解き
|
|
104 |
|
佐高信のメディア批評
兵庫県知事選から見えるメディアの敗北
坂本龍一も危惧した国民の浅い懐疑心
|
|
|
|
Information |
|
|
|
CLIP BOARD
|
|
60
|
|
●船井総研ロジ赤峰誠司氏が2025年の運賃動向など時流予測を公表
●24年度「エコドライブ活動コンクール」で上越運送が2度目の国土交通大臣賞受賞
|
|
61
|
|
●化学品WGが東海・関東間で共同物流実証
●NBSロジソルとイーメディカルジャパンがドライバーの健康維持で業界初の取り組み
|
|
68
|
|
●センコーと住宅大手3社が共同物流を本格展開
|
|
69
|
|
●バルカーの設備点検効率化ソリューション、物流領域でも活用広がる
|
|
83
|
|
●英デクソリー、“背高ロボット”とAI駆使し在庫可視化のソリューションを日本で積極展開へ
|
|
85
|
|
●出光興産が環境負荷低いエンジンオイル普及で運送業界支援
●国交省がトラック自動運転実証実験のデモ公開
|
|
93
|
|
●鴻池運輸が建設業界の物流効率化担う新拠点公開
●日本GLPが冷凍・冷蔵物流施設の開発方針説明
|
|
103
|
|
●ニチレイグループ4社が年末記者会見
|
|
|
|
DATA BANK
|
|
105 |
|
●国土交通月例経済(国土交通省)
●デカルト・データマイン 海上コンテナ輸送量実績調査
●物流施設の賃貸マーケットに関する調査
一五不動産情報サービス 東京圏は空室率上昇スピードが鈍化
|
|
|
|
主要記事索引
|
|
114 |
|
編集後記 |
|
115 |
|
広告索引 |
|
115 |
|
ロジビズ・オンライン ピックアップ(2024年11〜12月配信分より) |