 |
|
|
2025年4月号 |
|
|
|
|
|
Cover Story |
|
|
特集 物流人材を創る
|
10 |
|
共通スキルを持つ物流人材の育成と裾野拡大
日本物流資格士会 顧問 長谷川 雅行
物流人材の育成で重要になるのは裾野の拡大だ。共通スキルの習得を軸とする仕組みを整備することが肝要となる。教育内容としてはコンプライアンス・安全、物流の6機能、3PL、物流DX、グローバル化などを柱とするとともに、物流用語の統一も必要になる。現行の枠組みの中ではJILSやJAVADAなどが展開する各種物流資格講座の活用が有効になるだろう。
|
16 |
|
座談会 CLOに求められる役割とは
伊藤忠商事 長谷川 真一 住生活カンパニー物流物資部上席コンサルタント
オプティマインド 松下 健 代表取締役社長
国土交通省 木村 大 大臣官房審議官(物流・自動車局担当)
三井不動産 大間知 俊彦 ロジスティクス本部ロジスティクス事業部長
ファシリテーター:東京大学 西成活裕 大学院工学系研究科 教授
流通業務総合効率化法の改正によって、特定荷主に物流統括管理者(CLO)の選任が義務付けられた。物流機能の司令塔としての役割を期待されているが、具体的にどのような資質が求められるか。社内でどう育てていくべきか。これからの物流人材の在り方について議論する。
|
20 |
|
サッポログループ
全部門対象のロジスティクス教育コースを展開
社内公募型の「サッポロ ロジスティクス★人づくり大学」を運営している。基礎講座とフィールドワーク、ケーススタディ、グループワークを軸とする体系的な教育プログラムを整備。ロジスティクス知識の全社共有と部門間連携の土台になる人的ネットワークの形成を促し、物流改革に役立てている。これまでに6期、100人以上の修了生を送り出してきた。
|
22 |
|
SBSロジコム/千葉モードビジネス専門学校
物流コース立ち上げに専門学校と伴走
総合物流事業者と専門学校を運営する学校法人が、物流人材育成コースの設立でタッグを組んだ。稼働中の物流センターを企業実習に活用。学生は業務フローにとどまらない現場のリアルを体感する。働き方がイメージできれば採用後のミスマッチも起きにくい。初の卒業生は今春、“学び舎”となったSBSで社会人としての第一歩を踏み出す。
|
24 |
|
法政大学
産学連携で育てる「物流のよき理解者」
今春に12期生が卒業した李ゼミは、物流関連企業へ就職する多くの学生らを送り出してきた。基礎知識の理解からスタートし、物流現場への見学やケーススタディを通じて、実社会に通用する知識を身に着ける。「日本の物流教育は、規模でも専門性でも諸外国に劣後する」という限界と向き合いながらも、李瑞雪教授が学生を育て続ける理由は何か。
|
26 |
|
三菱倉庫
「安定」の風土変えるキャリア育成機関
人材育成方針をゼネラリスト中心からリーダーや専門人材重視へと舵を切り、2024年度に企業内大学を立ち上げた。資格取得や業務スキルアップ、失敗事例の共有講座といった多彩なプログラムを、社員が選んで受講できる。リピーターも多く、今後は社員の興味・関心を測る人事のバロメーターとしての効果も見込む。
|
28 |
|
アサヒロジスティクス
未経験ドライバーのデビュー支える研修施設
自社ドライバー数を4年間で20%増やした。トラック運転未経験者を採用し、自社で育てることで人材を確保する取り組みが奏功している。実車教習を行う滑川福田センターと、免許取得から就業支援まで一気通貫で行う川越自動車学校の2本立てで、新人ドライバーを確保・育成している。採用人数の増加を受けて、今年中に滑川福田センターを機能強化する。
|
30 |
|
ASKUL LOGIST
「共有文化」が培うゼミ形式の教育プログラム
業務における役割を反映させた人事評価制度の導入と併せ、役割に必要なスキルを磨く社内教育制度「LOGIST大学」を2023年に整備した。大学のゼミナールをモデルに、個々の学びを組織全体で共有、実際の業務につなげる。現場教育では動画作成ツールを活用。業務改善を競う社内大会などを通じて事業所の垣根を越えて共有され、現場教育の効率化とレベル向上に寄与している。
|
32 |
|
北九州市
物流業界志望する学生を産学官連携で育成
物流業界を志望する次世代人材を増やすため、地元の大学や物流事業者と協力して、大学生向けに物流企業の研究会を立ち上げた。物流現場の見学と座学で構成している。物流を主力産業の一つに地元経済の発展を目指す「物流拠点構想」の一環。過去2年間の参加者からは、見学先を含む物流企業への就職・インターンシップ志望者も現れており、市やゼミ教員は手ごたえを感じている。
|
34 |
|
センコーグループホールディングス
挑戦できる人材と企業風土を並行して育成
創業100年の節目に社内大学を立ち上げ、次代の収益事業を創出できる経営人材と、デジタル技術で業務改善できる人材の育成に取り組んでいる。人材育成だけでなく、人材が挑戦できる企業風土と、挑戦することを認めてもらう信頼関係を並行して育むことで、受講者の行動の変容を定着させてきた。4月には卒業生による社内ベンチャーも誕生する。
|
36 |
|
プロロジス
テクノロジー使う「発想」育てる荷主向け講座
新たなテクノロジーを活用して業務を改革するには、使いこなすスキルセット以前に、それを使うという発想=マインドセットが必要になる。ここにフォーカスして、物流人材の視座を底上げしようとプロロジスが開催している人材育成講座が「プロロジスアカデミー」だ。同社施設の入居荷主企業を主対象に、少人数制でディスカッション主体のカリキュラムを提供している。
|
38 |
|
「世界SCM競技会」で日本企業が初優勝
仮想企業の経営改善に挑む大規模なイベント「世界SCM競技会」が毎年開かれ、国内外から多くの企業が参加している。原材料の調達先選定や在庫方針の決定、最適な輸送ルート選択などSCMを疑似体験し、ROI(投資収益率)をいかに高められるか腕を競い合う。SCMの重要性と醍醐味を知ってもらう教育プログラムだ。2024年はロジスティードのチームが日本企業初の優勝という快挙を成し遂げた。
|
40 |
|
ナレッジが求められる時代の人的資源管理
“Knowledge-Based Human Resource Management, Logistics Capability, and Organizational Performance in Small Finnish Logistics Service Providers”
フィンランド ラッペーンランタ・ラハティ工科大学(LUT)Aino Kianto教授ほか
デジタル化や社会情勢の変化により、物流業もアセットベースからナレッジベースのビジネスへと移行しつつある。それに伴い、物流企業には新たなケイパビリティが求められている。最重要な一つが人的資源管理能力だ。充分かつ最新のナレッジを備えた人材と企業の競争力にどのような相関性があるのか、フィンランドの小規模物流企業から集めたデータをもとに検証した。
|
|
|
|
Key Person |
|
2 |
|
「リカレント教育が物流人材育成の鍵に」
流通経済大学 流通情報学部長 矢野裕児 教授
特定荷主に対する物流統括管理者の選任義務付けが決まったことで、物流人材の育成が急務となっている。その大きな柱となり得るのがリカレント教育だ。企業側ニーズの上位にロジスティクス分野が入ったことから、国が進める枠組みの整備に大学も参画していく必要がある。あわせて体系的なロジスティクス教育体制の拡充、定期論文集での情報発信、企業間物流連携への協力なども進めていく。
|
|
|
|
Case Studies |
|
46 |
|
アルペン〈物流改革〉
国内物流網の再編と自動化を7年かけて完遂
成功の秘訣は数値管理とパートナーシップ
|
|
50 |
|
MIC〈共同物流〉
ドラッグストア向けの販促物を共同配送
開梱や設置など店舗作業を大幅に効率化
|
|
|
|
Columns |
|
54 |
|
物流企業の値段《第200回》
姫野良太 JPモルガン証券 エグゼクティブディレクター
川崎汽船
業績拡大の鍵は非コンテナ船事業の伸長
自動車は複数年契約で高水準利益を維持
|
|
56 |
|
高度物流人材のためのリスキリング講座《第13回》
会計・財務の基礎知識(3)
財務部門とロジスティクス部門との関わり
講師 梶田 ひかる
|
|
62 |
|
フィジカルインターネット通信《第32回》
宅配ロッカーの進化で再配達削減を
野村総合研究所 水谷禎志 エキスパートコンサルタント
|
|
64
|
|
海外トレンド報告
《欧米編》独の軌道間輸送機メーカー、衛星分離装置が月面資源探査機に採用
《アジア編》中国国家発展改革委員会、物流データの相互利用試験区を開設へ
《アフリカ・中南米編》南アの車両犯罪、トラックはハイジャックが過半数占める
|
|
66
|
|
NEWS ROOM
グリコやキユーピーなどが自動運転トラック幹線輸送共同実証
|
|
70 |
|
湯浅和夫の物流コンサル道場
《第275回》〜温故知新編 第156回〜
JILS「物流統括管理者調査報告書」
|
|
74 |
|
物流指標を読む《第186回》
運転手不足はなぜ顕在化していないのか
NX総合研究所 佐藤信洋
|
|
76 |
|
国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告
持続可能なロジスティクスとSDGs
─循環型経済における環境の視点から─
|
|
80 |
|
佐高信のメディア批評
安倍元首相も囁かれた相続税脱税疑惑
世襲議員に用意された“特権の抜け道”
|
|
|
|
Information |
|
|
|
CLIP BOARD
|
|
45
|
|
●日本郵便、トナミホールディングス買収を発表
●三菱倉庫、物流施設の開発・取得に本格参入表明
|
|
53
|
|
●キリングループロジスティクスが新たな事業計画発表
●新東名道でトラック自動運転の走行実証実験開始
|
|
61
|
|
●政府の資金活用のRe-Seed機構、冷凍・冷蔵倉庫の開発支援に注力
|
|
63
|
|
●エア・ウォーター物流が千葉で食品向けの新たな低温センター開設
●山九、横浜の本牧ふ頭で新たな物流拠点竣工
|
|
79
|
|
●オリンパスが神奈川・相模原の先進物流拠点を公開
|
|
82
|
|
●石破首相が「物流の深刻な停滞起こっていない」と指摘、新施策大綱策定を指示
●公取委が日通など3社「協議経ず取引価格据え置き」と公表
|
|
|
|
DATA BANK
|
|
83 |
|
●国土交通月例経済(国土交通省)
●デカルト・データマイン 海上コンテナ輸送量実績調査
●物流施設の賃貸マーケットに関する調査
一五不動産情報サービス 東京圏は供給過多続き空室率上昇とまらず
|
|
|
|
主要記事索引
|
|
92 |
|
編集後記 |
|
93 |
|
広告索引 |
|
93 |
|
ロジビズ・オンライン ピックアップ(2025年2〜3月配信分より) |