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2025年7月号 |
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Cover Story |
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特集 配車を変える
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自動運転がもたらす物流への影響と課題
KPMGコンサルティング 伊勢田 伸 プリンシパル
物流の効率化・高度化に対する要請が高まるなか、自動運転技術は「物流2024年問題」への有力な対応策の一つとして効果が期待されている。一方で、自動運転技術は運送現場の無人化を促す側面から、多方面に影響を及ぼす可能性もある。経済効果の検証に加え、社会・制度的なインパクトを幅広く概観することで、今後の施策推進に向けた論点を見通す。
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スターバックス コーヒー ジャパン
店舗配送ルート最適化でコース数を圧縮
店舗数の増加に対応した配送最適化の取り組みを進めている。配送トラックの走行距離短縮などを目的に関東圏では分散化を軸とする拠点の見直しを実施。さらに店舗配送トラックのコース数を削減するため、輸配送最適化ソリューションを活用してコース組みの手法を刷新した。立案した最適コースを用いた店舗配送便の本格運行を3PLと連携して開始する。
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資生堂ジャパン
配送頻度や商慣習見直しケース内積載率上昇
配送頻度や商慣習の見直しにより、ダンボール1梱包当たりの商品数を1割以上引き上げた。物流部門と営業部門が緊密に連携し、分析データを根拠に取引先企業の欠品リスク懸念に対応。人手不足に悩まされる店舗現場の荷受け負担軽減にもつなげた。
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豊田合成
高性能センサーで荷台の積載余力を判定
主力の合成樹脂・ゴム製自動車部品は容積勝ちのため、積載率を高める際は荷台の空きを埋めることに集中できる。そこで豊田合成は、高性能センサー「LiDAR」を搭載したスマートフォンで撮影すれば、荷台の積載余力を自動で判定するシステムを独自開発した。物流センターのバースに固定したカメラの映像をAIで分析して荷量をはじき出す自社技術と使い分け、導入1〜2年で積載率を10%以上改善している。
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出光興産
AIと人知のベストミックスで業務を15%削減
最大1800台のタンクローリーを差配する燃料油の配車業務は、ガソリン価格の変動や天候でオーダーが変動しやすいことなどから車両数の事前予測が難しく、担当者の経験と暗黙知が頼りだった。属人的な状況を打開するため、試行錯誤の末、AIと人の英知を組み合わせて精緻な計画を作り上げる新システムを開発し、2024年12月から本格導入。配車作成業務の15%削減を達成した。
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北海道糖業&南西サービス
収穫期の違い活用し列島縦断でドライバー融通
共に砂糖原料でありながら産地の異なるビート(甜菜)とサトウキビ。両産地の収穫期が重ならないことを利用し、閑散期の産地から収穫期の産地にドライバーなどを列島縦断で融通し合う。持続可能な取り組みとすべく、受け入れ態勢の改善なども進め、産地同士と担い手の“三方良し”を模索し続ける。
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アサヒロジ
協力会社目線の施策展開で集車力を強化
入庫時間の「ダイヤ化」や貨物の「ルート化」といった協力会社が運びやすい環境を整備することで、集車力の向上を図っている。走行距離の短縮に向けては幹線輸送における多段階の中継輸送体制の整備や、地場配送での納品先150キロ圏内への拠点再設定などを実施。協力会社を年に2回定期訪問する価格協議の取り組みも新たに開始した。
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AZ-COM丸和ホールディングス
TMS導入と小型車活用でグループ機能を最大化
TMSの導入により、営業所ごとに担当者ベースで管理していた受注・配車・請求情報を全社で統括できるようにした。配車拠点を集約し、管制センター化することも目指している。5月にはタクシー配車アプリを手掛けるGOと新会社の設立を発表。シェアドライバーと荷物をマッチングするプラットフォームを開発し、ラストワンマイルサービス提供にも乗り出す。
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トヨタ自動車
港湾内のコンテナ車両輸送支援で生産性を倍増
港湾内におけるコンテナのトレーラー輸送は、変動の大きい海運スケジュール、法規制や港湾ごとのルールとさまざまな要因が絡み、配車業務の負荷が大きかった。そうした状況を改善しようとGPSによる車両の位置情報を基に作業進捗を把握し、刻々と変化する状況に即応する配車指示を自動作成するシステムを独自に開発。導入した輸送会社のコンテナ輸送本数は最大2倍に増える一方、配車業務の所要時間は8割減少した。
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NXグループ
激動の中国で自動車物流の包括的改善を実現
中国における自動車産業は、中国系メーカーの発展と熾烈な価格競争により、外資系メーカーも巻き込んだ拠点再編やSCM最適化など新たな激動期に入っている。これに伴う包括的な物流改善ニーズを、独自開発のTMSを武器の一つに狙うのが、NXグループのNX汽車物流(中国)だ。部品単位でトレースできる機能で積載率と便数を20%改善、配車業務の85%を自動化し、物流管理能力とコスト改善力を高めている。
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ダイフク
システム刷新で一連の配車関連業務を改善
半導体製造工場向けの搬送・保管設備を展開するクリーンルーム事業部では、旧システム運用に起因する配車業務の複雑化といった課題が発生していた。解決に向けて2024年にハコベルのクラウド型配車システムを導入。工数削減や属人化の解消に加え、荷主と物流会社の情報連携を実現した。今後は各種運行データを用いた改善策の立案にも挑戦していく。
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ファンファーレ&西部サービス
AIで難度高い産廃収集の配車効率化を達成
産業廃棄物の収集運搬はオーダーを受けて都度出向くことが多く、積み降ろし作業も専門の機器やスキルが要求されることなどから、配車プランの作成は難度が高い。スタートアップのファンファーレは、創業前から業界と交流を重ねた知見も活かし、専門の配車システムを開発。導入した業界大手の西部サービスと連携して、配車業務属人化の解消を達成した。
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貨物輸送における水平分業:障壁と対策
“Horizontal collaboration in the freight transport sector: barrier and decision-making frameworks”
デンマーク オールボー大学 Ahmed Karamほか
貨物輸送において競合企業同士が水平分業を行う共同輸送ネットワークは、経済性と環境負荷軽減の両面から有益であると、常々言われてきた。しかし実際には、その恩恵を十分に引き出すことなく失敗に終わるケースが多い。なぜか。失敗をもたらす種々の障壁を5分野に区分して、対策の手掛かりを探る。
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Key Person |
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「有事の海上輸送力確保を考えるべき時」
ノンフィクション作家 堀川惠子氏
旧日本軍は海上輸送の重要性を考慮しないまま対米英開戦に踏み切り戦線を無謀に拡大、結果として物資の輸送が十分に行えず、多くの貴重な人材と資源を失った。ロシアのウクライナ侵略など地政学的リスクが高まる中、兵站軽視が招いた悲劇を繰り返さないよう、有事に備えた海上輸送力の確保をあらためて考えるべきだ。
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Case Studies |
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ブルボン〈共同化〉
菓子業界をあげて共同化を推進し物流を変革
製品やケースの寸法を見直しパレット化実現
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サントリーグループ〈2024年問題〉
共同配送や輸送距離短縮など並行して推進
自動保管ラックで荷積み時間3割短縮図る
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Columns |
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物流企業の値段《第203回》
甲斐友美子 いちよし経済研究所 主任研究員
AZ-COM丸和ホールディングス
構造改革や再成長戦略を含む新中計を策定
生産性改善などを軸に高成長軌道へ回帰
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高度物流人材のためのリスキリング講座《第16回》
マーケティングの基礎知識(3)プロモーション政策
講師 梶田 ひかる
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フィジカルインターネット通信《第35回》
アジア太平洋で動き出すPIネットワーク
野村総合研究所 水谷禎志 エキスパートコンサルタント
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海外トレンド報告
《欧米編》移植用臓器を生かして輸送する機器、肝機能の体外代替で新成果
《アジア編》中国上海の空港が、他地域での事前通関で物流を効率化
《中南米編》ナイジェリア空港当局、Lagosに国営貨物ターミナルを開設
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NEWS ROOM
センコーGHとマルハニチロが非物流分野を含む業務提携
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湯浅和夫の物流コンサル道場
《第278回》〜温故知新編 第159回〜
YKK AP社の挑戦「物流に技術を」
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物流指標を読む《第189回》
トランプ関税が輸出と設備投資を下押し
NX総合研究所 佐藤信洋
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国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告
原子力分野の訓練とシステムズ・アプローチ
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佐高信のメディア批評
「長嶋訃報」でスポーツ紙化するメディア
ファンよりチーム優先のミスタープロ野球
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Information |
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CLIP BOARD
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●デロイトトーマツグループが物流領域などのスタートアップ支援に注力
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●山九が中期経営計画の業績目標を引き上げ
●「自動物流道路」の実装に向けコンソーシアムが始動
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●ニチレイロジグループ本社が新たな中期経営計画を発表
●東京流通センター拠点の「平和島自動運転協議会」が発足
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●カクヤスグループが物流への取り組み強化
●野村不動産が物流施設開発の戦略を公表
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DATA BANK
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●国土交通月例経済(国土交通省)
●デカルト・データマイン 海上コンテナ輸送量実績調査
●物流施設の賃貸マーケットに関する調査
一五不動産情報サービス 東京圏は底堅い需要も空室率の上昇続く
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主要記事索引
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編集後記 |
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広告索引 |
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