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2017年6月号

    2017年06月号
     
      Cover Story
   
特集 物流の働き方

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【解説】ヤマト「働き方改革」の舞台裏

 ヤマトが「宅急便」の総量抑制と基本料金の値上げに動いた。事業の成長にブレーキをかけて、「働き方改革」に最優先で取り組む。2017年3月期決算では巨額の未払い残業代が発覚して大幅減益を余儀なくされた。今期も人件費増を理由に減益を見込む。誤算はなぜ起きたのか。


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【第1部】 インタビュー:物流労働運動


アマゾンジャパン労働組合

人を部品として扱う経営に反旗

東京管理職ユニオン 鈴木 剛 執行委員長
 米アマゾンは現在、世界14カ国にインターネット通販サイトを開設している。そのうち労働組合があるのは英国、フランス、ドイツ、ポーランド、そして日本の5カ国だ。アマゾンジャパン労働組合は2015年11月に結成された。それ以降、会社側の厳しい締め付けをよそに組合員数は増え続け、相談は後を絶たない。

 

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運輸労連
送料は有料で輸送にも売り切れがある

難波淳介 中央執行委員長
 物流危機でドライバー不足に対する世間の注目は高まった。しかし、現場の労働問題に対する関心は依然として薄い。「送料無料」という誤った認識や再配達問題は事業者側の努力だけでは解決できない。送料は有料であり、輸送にも売り切れがあることを広く認知させる必要がある。

 

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交通労連
ドライバーの長時間労働は容認できない

山口浩一 中央執行委員長
 乗務員職が敬遠される最大の要因である長時間労働の解消に向けた活動を進める。現行のドライバー職の労働時間規制である改善基準告示では年間拘束時間は3516時間以内。これほどの長時間労働を許容していること自体に問題があるとの認識だ。

 

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【第2部】 ケーススタディー:労務管理


きくや美粧堂

KPIでセンターの残業徹底削減
 自社運営する東京と岡山の物流センターでピッキング作業の負担を減らすマテハンを独自開発するなど、働きやすい職場環境の創出に知恵を絞る。KPIを駆使してスタッフの人時生産性を精緻に管理し、人員を適正に配置して無駄な残業を徹底的に削減。安定した採用と貴重な労働力のつなぎ止めに成功している。

 

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ライフサポート・エガワ
ドライバーから総合職へ転身可能に
 「ドライバーは経験者を中途採用」との物流業界の常識に縛られず、新卒の大卒にアプローチ、優秀な若い人材を毎年獲得している。さらにドライバーやオペレーターで入社しても将来総合職への転身が可能なキャリアパスを整備。社内で多様な働き方を認めている。

 

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鴻池運輸
自社保有の中継拠点を全国展開へ
 一昨年に自社で中継輸送の専用拠点を開設。これまで1泊2日を要した関東〜関西間の長距離輸送で日帰り運行を実現した。全国ネットでの拠点整備を視野に入れ、新しいドライバーの働き方を元請け企業の立場から追求・提起している。

 

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ランテック
配属地域限定の「事務エリア職」創設
 流動性の高いドライバー、庫内作業員を定着させるため、個人の努力を反映した“質”重視の評価制度づくりに着手。新卒採用では変容する若年層の価値観に合わせた職責を来年度から導入するほか、専任のリクルーターを配置して地理的なハンディをカバーしようと取り組んでいる。

 

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【第3部】 リポート:荷主が直面するリスク


物流労働市場で何が起きているか

ロジラテジー 延 嘉隆 代表

 物流向けの人材派遣業がリーマンショック以来の活況を呈している。仕事はいくらでもある。派遣料金の高い現場から順に手持ちの登録スタッフを割り振っていくだけで確実に利益が挙がる。しかし、好景気は永遠には続かない。目端の利く経営者は次の局面に備えて動き出している。

 

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実名・事案の公表が不良荷主を襲う

全日本トラック協会
 トラックドライバーの労働時間ルールである「改善基準告示」。荷主企業には関係ない事項のようにも思えるがそうではない。過労運転防止違反などについて輸送依頼を行った荷主企業の主体的な関与が認められた場合、荷主名と事案の概要を公開する「荷主勧告制度」があるからだ。全ト協は荷主企業が知っておくべき改善基準告示と荷主勧告制度の概要に関する周知活動を本格化させている。

 

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荷主企業の危機意識に温度差広がる

日通総合研究所 リサーチ&コンテンツユニット

大島弘明 ユニットリーダー
 物流現場の長時間労働や過重業務を改善するには荷主企業の主体的な関与が欠かせない。昨今のドライバー不足を背景に運送事業者と連携して成果を挙げているケースは散見されるものの、その数はごくわずかなものにとどまっている。輸送力確保に対する危機感を産業全体で認識・共有することが以前に増して求められている。

 

        Key Person
  6  

「物流も非正規雇用の処遇改善が急務」

連合 山本和代 副事務局長
 パートタイマーやアルバイト、契約、派遣といった非正規雇用の労働者は現場の支え手として存在感を有するが、労働環境は多くの課題を抱えている。物流業界も決して例外ではなく、現場からは待遇の悪さへの不満が噴出している。採用した人材をつなぎ留め、人手不足を乗り切るには処遇改善と雇用安定化が急務だ。

 

        Case Studies
 
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サンコーインダストリー〈中間流通〉

顧客の最終オーダー時間を予測して出荷

物流とITを武器に成熟市場で事業拡大


  50
 
アダストリア〈SCM〉

海外工場の船積み予約・輸送を見える化

ICタグを活用した物流高度化も検証


        Columns
 
56
 

物流企業の値段
《第123回》

森内健矢 ゴールドマン・サックス証券 ヴァイス・プレジデント

キャセイパシフィック航空

年間の航空貨物取扱総量は世界第4位
規模拡大から利益創出ステージへの移行に期待

 

  58
 
海外トレンド報告【News】

《欧米&アジア編》DHLサプライチェーンが庫内で自律型ロボット実験
《中国編》国家郵政局が三大地区の速達発展計画を発表


  62
 
NEWS ROOM

セブン-イレブンとセイノーが宅配サービス拡大で提携
アマゾンが生鮮食品宅配を開始


  66  
湯浅和夫の物流コンサル道場

《第181回》〜温故知新編 第62回〜

“ICタグ狂想曲”

 

  70  
奥村宏の判断学《第181回》

会社をどう変えるか?


  72  
佐高信のメディア批評

メディアはどこまで許すのか

安倍首相夫妻の公私つまみ食い

 

  74  
物流指標を読む《第102回》

“ヤマトショック”が運賃上昇に拍車

日通総合研究所 佐藤信洋


  76  
事例で学ぶ現場改善《第169回》

外資系機械メーカーA社のインフラ構築

日本ロジファクトリー 青木正一 代表

  80  

The International Society of Logistics

国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告
エンジニアリングエコノミクス4

再考「インダストリー4.0」

 

        Information
 

 

 

CLIP BOARD

 
45
 

日本郵政が豪トール巨額減損で民営化後初の最終赤字

 

 
54
 

「第3回国際ドローン展」開催

 

 
55
 

政府がLNG燃料船普及促進でシンポジウム

/経産省と大手コンビニ5社が全商品に電子タグ貼付へ

 

 
65
 

GLPが物流施設に大型シーリングファンを標準設置

/JLLが1〜3月の東京圏物流施設市場調査

 

 
73
 

フレームワークスがシンポジウムで物流のAI活用促進を積極アピール/三井不動産レジデンシャルがマンション「再配達ゼロ」独自策

 

 
79
 

三菱地所社長が新中計の物流施設事業方針を説明

/政府の有識者検討会が大規模倉庫火災対策でたたき台

 

 
87
 

日本通運と郵船ロジスティクスが「ハラル物流」への対応強化

/ニチレイロジグループ本社が2017年度の重点施策を発表

 

 

 

 

DATA BANK

 
82
 

国土交通月例経済(国土交通省)

〜賃貸物流施設マーケット動向(2017年第1四半期)〜

 首都圏新規需要2万7千坪で6四半期ぶりの低水準

 シービーアールイー

 

 

88

 

主要記事索引

  92   編集後記
  93   広告索引

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