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2018年01月号 |
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Cover Story |
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特集 輸送協力会
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【解説】
売り手市場化で関係性を再構築
トラックが確保できない。 トラック輸送が売り手市場に変化したことで、協力運送会社との関係性があらためて問われている。従来は荷主の方針を伝える連絡会、あるいは出入り業者の親睦会にすぎなかった輸送協力会の在り方を抜本的に見直す動きが本格化している。配車担当者の人脈や個人技に頼っていれば安定供給が脅かされる。パートナーシップの再構築が迫られている。
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【提言】
運送取引を是正し物流を強くする
国土交通省 重田雅史 大臣官房物流審議官
トラック運送業に対する社会的規制が機能していたら今日のような物流危機は起きようがなかった。基準を満たしていない事業者を市場から排除すると同時に、運送取引にメスを入れて、買い手側が強過ぎる日本的商慣習を是正する。対等なパートナーシップが物流を強くする。
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キリングループロジスティクス
──ドライバーを軸に物流を組み立てる
ドライバーの声を出発点に物流の設計を見直して安定供給を維持していく。輸送協力会の位置付けも改める。協力運送会社が主催する自主運営組織から、人手不足をはじめとする社会的課題に荷主と運送会社が協力して取り組む「共通価値創造(CSV)」の推進団体へと変革する考えだ。
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味の素物流
──長時間運行の発生要因を取り除く
幹線輸送の物流課題を解決するため、協力会社との新たな連携組織を立ち上げる。ばら積み主体の低温分野におけるパレット輸送実現に向けた枠組み整備を推進。併せてスポット車両の利用比率を削減し、協力会社車両と自社便の比率を高める。“長距離輸送はなくならない。しかし長時間運行はなくすことができる”を旗印に各種施策を展開していく。
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バンダイロジパル
──特積み・宅配を代替する委託先を開拓
従来まで大手特積みや宅配大手に偏重していた小口貨物配送時の体制を改めた。各地で開拓を進めた地場運送や共配のトラックに小口貨物を委託する枠組みを整備している。一方、国内各地を結ぶ幹線輸送については一部を自社便化。複数路線の中継輸送を組み合わせることで幹線を自社車両でつなぐ。
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エフピコ物流
──“固定月額チャーター料”で安定収益提供
輸配送はほぼ全てを協力運送会社に頼っている。トラックドライバーの負担軽減へIT活用やオペレーション見直しを推進。実際の稼働日数にかかわらず毎月決まったチャーター料を払う契約を導入して安定収益を提供、経営者の懸念を払拭する取り組みも続けている。
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レンゴー
──パートナー3社に絞り意思疎通を円滑化
増加する物量に対してパートナー企業を広げるのではなく、長年にわたって取引関係のある運送事業者を厳選して起用。少数の協力体制に基づく迅速な意思統一とコミュニケーションを通じて、車両の安定確保やドライバー負荷軽減で実効性ある施策を打ち出している。
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積水ハウス
──生産・施工現場の手待ち時間を同時短縮
ボトルネックとなっていた工場の積み込み作業、住宅施工現場の荷降ろしで発生していた手待ち時間を荷主と事業者が連携して大幅に改善。仕事を希望する運送事業者が増え、車両の安定確保に効果を発揮している。AI(人工知能)を活用した積み付け・積み込みの精度向上も視野に入れる。
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東芝ロジスティクス
──製造・物流の垣根を越えた改善展開
親会社と連携して大規模製造拠点で生産工程の作業フロー改善・効率化に寄与、円滑な出荷体制を構築した。常態化していた長距離運行の解消などを実現、常駐の協力運送会社に大きな恩恵をもたらすことに成功した。大型貨物を取り扱う建材、機械など異業種との協業にも意欲を見せる。
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アルプス物流
──年間約千時間のトラック待機時間を削減
運用トラックの8割以上を協力会社車両が占める輸配送ネットワークの現場で待機時間問題が発生していた。新たに組織した協力会社との会議体での議論を契機に課題解決に向けた取り組みをスタートさせた。運行データを解析し、集配便と幹線便における待機の発生原因を特定。改善活動によって年間で936時間の待機時間を削減した。
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LIXIL物流
──納品先のサービス業務削減を後押し
建材・設備機器業界の主要5社が経営統合して誕生したのに伴い、運送会社と最適な関係を再構築したいとの思いから2014年に協力会を立ち上げた。会員からの信頼を強固なものとするため、納品先とサービス業務削減を交渉するなど、ドライバーの負荷軽減に力を注いでいる。
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クリナップロジスティクス
──品質極め外販拡大にも貢献
協力運送会社との連絡組織が輸配送のレベルアップを図る上で大きな役割を果たしている。全国に張りめぐらせた物流網を生かした「協同物流」を拡大する上で、培った品質の高さが武器となっている。仕事量を確保することで会員企業の安定した経営を支えたいとの思いも込めている。
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丸和運輸機関
──3千社・3万台のプラットフォーム構築に動く
運賃の支払いサイト短縮や共同購入で協力運送会社を支援する「AZ−COM丸和・支援ネットワーク」の会員数が急増している。将来は全国に3千社を組織して3万台を運行する計画だ。インターネット通販物流への本格参入に合わせて軽トラックドライバーの開業支援も開始した。2020年に1万台を目指す。
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Key Person |
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「“情物一致”から新たな価値を生み出す」
サトーホールディングス 松山一雄 社長兼CEO
人手不足の深刻化でいよいよ日本でもRFIDの普及が本格化する。バーコードやQRコードとは異なり、物の動きを「点」ではなく「線」で捕捉することが可能になる。“情物一致”からどのような価値を生み出すか。IoT(モノのインターネット)時代を迎えて、サプライチェーンの競争は新たなステージに移る。
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Case Studies |
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ワークマン〈SCM〉
サプライチェーン自動化にめどを付け
PB開発と販売力強化に歩を進める
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パルシステム〈物流拠点〉
低頻度受注品を1カ所に集約して自動化
作業員の手待ちが発生しない運用を工夫
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サプライチェーン解剖《第22回》
上野善信 金沢工業大虎ノ門大学院MBAプログラム 教授
フードシステムの構築に学ぶSCM
フードシステムとは、食料品の生産、流通、消費に関わるさまざまな産業の相互関係を一つの体系として捉える概念だ。非排除性、非競争性を前提とした社会システムであり、各構成員が経済合理的な行動を取ることで、システム全体の利益が阻害される「公共財ジレンマ」を生じ得る。その解決法はSCMのヒントになる。
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Columns |
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物流企業の値段《第128回》
甲斐友美子 いちよし経済研究所 副主任研究員
鴻池運輸
高収益の複合ソリューション事業を軸に成長
業績拡大の鍵は新たな成長ドライバーの開拓
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海外トレンド報告
《欧米&アジア編》フェデックスが貨物用航空機を相次ぎ購入
《中国編》世界初の2千トン級新エネルギー純電気船が広州で進水
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NEWS ROOM
オイシックスドット大地とヤマト運輸が野菜の物流効率化で連携
ダイドードリンコと澁澤倉庫が合弁会社設立へ
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湯浅和夫の物流コンサル道場
《第188回》〜温故知新編 第69回〜
三菱食品とキユーピーのECR
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佐高信のメディア批評
政治利用で進展ゼロの北朝鮮拉致問題
それでも首相を絶賛する政商・見城徹
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事例で学ぶ現場改善《第175回》
医療機器メーカーR社の物流コスト削減
日本ロジファクトリー 青木正一 代表
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The International Society of Logistics
国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告
台湾高速鉄道プロジェクト
そこで得た経験、学んだ知識
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Information |
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CLIP BOARD
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●東京海上日動が物流改善の支援強化
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●三井住友トラスト基礎研究所が物流施設調査
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●日本郵便とサムライインキュベートが新事業創出支援で4社採択
●セルート「DIAq」登録者が数百人規模で増加
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●KDDIが「ドローン物流」実現に意欲
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●横浜冷凍が新中計で冷蔵倉庫事業は一貫物流サービスに注力と表明
●ニチレイ主要4社トップが年末会見
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●SGホールディングスが東証1部上場
●JUIDAが第3回「ジャパンドローン」概要発表
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●物流連のモーダルシフト最優良事業者賞
●三井住友海上火災保険が庫内作業の事故防止学習ゲームアプリ
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●米JDAソフトウェアとサトーホールディングスが提携発表
●首都圏で超大型物流施設の開発計画発表相次ぐ
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DATA BANK
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●国土交通月例経済(国土交通省)
〜物流施設の賃貸マーケットに関する調査〜
関西圏の空室率12.9%で小幅な上昇
一五不動産情報サービス
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主要記事索引
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編集後記 |
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