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2018年10月号

    2018年10月号
     
      Cover Story
   
特集 物流不動産 2018
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【解説】

向こう2年間需給バランスは緩まない

CBRE リサーチ 高橋加寿子 シニアディレクター
 大型のマルチテナント型物流施設は2018〜19年に首都圏で計112万坪もの開発が計画されるなど、依然ハイペースの供給が継続している。しかし、需給バランスが大きく緩む兆しは見えない。予想以上に物流需要が湧き出しているからだ。向こう2年間、市場は拡大を持続していく。

 

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【寄稿】

賃料上昇で荷主の直接契約が増加

ジョーンズ ラング ラサール(JLL)

田口 元 ヘッド オブ インダストリアルリーシング ナショナルディレクター

鈴木博之 執行役員 サプライチェーン&ロジスティックスコンサルティング事業部長
 2018年の東京圏の供給はマルチテナント型、BTS型合わせて178万平方メートルに達する見通しだ。それでもリーシングは順調に進んでいる。ただし、賃料の上昇によって3PLのさや抜き余地が縮小し、荷主企業がデベロッパーと直接契約を結ぶ傾向が目立ってきている。

 

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好景気が強い需要を下支えする

日本ロジスティクスフィールド総合研究所 辻 俊昭 代表取締役

 物流不動産マーケットは過去最大の供給量を、過去最大の需要量で消化する状況が続いている。景気拡大という強い下支えにより需給バランスが大きく崩れることがなく、エリアによっては不足感さえ生じているところもある。直近の動向を詳細に解説する。

 

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省人化が立地戦略とスペックを変える

サヴィルズ・ジャパン 佐久間譲治

インダストリアル・アンド・ロジスティクス・アドバイザリー シニア・マネージャー

 作業員やドライバーの人手不足が物流拠点の立地戦略を変化させている。今後、庫内作業の自動化や自動運転車など省人化が進めば、立地の評価や拠点に求められるスペックはさらに変わる。物流不動産デベロッパーがビジネスモデル自体を大きく転換していく可能性もある。その兆しは既に表れている。

 

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【インタビュー】

「業務効率化コンサルティングまで踏み込む」

プロロジス 山田御酒 社長
 物流不動産市場は新たな付加価値が求められる「第4ステージ」に入った。IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)など先端技術を総動員し、現場の生産性向上を後押しする。デベロッパーの枠にとらわれず、物流業務効率化のコンサルティングまで踏み込む。

 

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「千葉県流山を第二の“三郷”に育て上げる」

日本GLP 帖佐義之 社長

 この1年で約1200億円を投資し50万平方メートル超を開発した。リーシングも順調だ。千葉県流山市で開発を進めている大規模施設3棟は既に9割が埋まった。65万平方メートル超を予定している神奈川・相模原の開発にも自信を持っている。日々の営業活動を通じて需要を正確に把握しているからだ。

 

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「荷主のニーズをきめ細かくくみ上げる」

大和ハウス工業 浦川竜哉 取締役常務執行役員 建築事業推進部長

 需要と供給の両面で環境変化のスピードが上がっている。荷主企業のニーズをきめ細かくくみ上げて開発適地を掘り起こし、ハードとソフトの両面で差別化する。ECへの対応はもちろん、製造業向けの“複合型”や食品輸出入対応の冷凍・冷蔵倉庫、地方エリアや海外など、自分たちにしかできない展開を加速させる。

 

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「立地重視の基本方針を今後も徹底する」

三井不動産 三木孝行 常務執行役員 ロジスティクス本部長

 2012年の本格参入から約6年で18棟を稼働させた。いずれも入居テナントが決定済みだ。後発ながら奇をてらわず、対象エリアを絞り込み、使い勝手の良い施設を開発するという基本方針の徹底が奏功。庫内作業スタッフの定着にもつながっている。

 

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「グループの総合力駆使し施設価値高める」

オリックス 小山幸男 物流事業部長

 不動産以外にも多様な機能を備えるグループのリソースを駆使。人手不足の対策としてテナント企業の物流ロボット導入支援を前面に打ち出し、物流施設の付加価値向上にまい進する。最近の災害頻発を受け、防災機能の強化も視野に入れている。

 

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【海外論文】

破壊的技術が物流アセット戦略を変える

英PiLab社 “The Future of Logistics”

 自動運転車やドローンの実用化によって物流拠点の在り方は大きく変わる。倉庫スペースと物流機能をオンデマンドで提供する「ダイナミックウェアハウジング」と呼ばれる新たなサービスも登場している。テクノロジーが物流アセット戦略を大きく変革しようとしている。

 

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【リポート】

主要プレーヤー24社の最新活動状況

ESR/伊藤忠商事/SGリアルティ/オリックス/グッドマンジャパン/シーアールイー(CRE)/清水建設/新日鉄興和不動産/住友商事/センターポイント・ディベロップメント(CPD)/ダイヤモンド・リアルティ・マネジメント/第一生命保険/大和ハウス工業/東京建物/東急不動産/日本GLP/日本生命保険/野村不動産/プロロジス/三井不動産/三菱地所/三菱商事都市開発/メープルツリーインベストメンツジャパン/ラサール不動産投資顧問

 

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【調査】

空室率・賃料・用地価格はこう動く

 主要4エリア(首都圏都市部/内陸部、関西圏大阪湾岸/内陸部)の市場の見通しを主要プレーヤーたちにアンケートした。

        Key Person
 
6
 

「資産20億ドル増の核を物流施設が担う」

ラサール不動産投資顧問 キース藤井 社長

 日本の不動産運用資産残高(AUM)を2020年までに20億ドル(2200億円)増やすとの意欲的な目標を打ち出した。中核を担うのが物流施設だ。労働力確保などテナント企業のサポートにも踏み込み、物流業界全体の発展に貢献したいと意気込む。

 

        Case Studies
 
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PALTAC〈物流拠点〉

次世代システムを「RDC新潟」に初導入

AIとロボットを駆使して自動化を推進


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エアークローゼット〈スタートアップ〉

洋服レンタル市場をテクノロジーで革新

大和ハウスのシェアリング物流に参画


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サプライチェーン解剖《第30回》

上野善信 金沢工業大虎ノ門大学院MBAプログラム 教授

調達リードタイムの変動と在庫管理

 調達リードタイムは常に一定というわけではない。その変動が在庫に与える影響は通常考えられているよりもはるかに大きい。しかし、一般的な安全在庫の計算式は、調達リードタイムが不変であることを前提としている。それが実態とはそぐわないことから、担当者の勘や経験を頼りに在庫を積み増していることが多い

 

        Columns
 
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物流企業の値段
《第135回》

姫野良太 JPモルガン証券 ヴァイスプレジデント

GLP投資法人

資産規模は物流リートで最大級
安定した分配金継続で評価は向上へ

 

  86
 
海外トレンド報告

《欧米&アジア編》日中海事当局が6年ぶり政策フォーラム開催
《中国編》今年上半期の鉄道貨物輸送量は7.5%増


  90
 
NEWS ROOM

龍角散と大塚倉庫が共同物流を開始

キユーピーとライオン、JPRが共同幹線輸送をスタート


  94  
湯浅和夫の物流コンサル道場

《第197回》〜温故知新編 第78回〜

キユーピー&ライオン&JPRの共同化

 

  98  
佐高信のメディア批評

肩書ごまかし蜜すする“パソナ平蔵”

メッキを剥がさぬメディアの無責任

 

  100  
物流指標を読む《第116回》

中小事業者は税率10%に耐えられるか

日通総合研究所 佐藤信洋


  102  
事例で学ぶ現場改善《第183回》

水産仲卸F社の改善「ステップ2」

日本ロジファクトリー 青木正一 代表

  106  

The International Society of Logistics

国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告
自動車産業の大変革期における

異業種協働と異業種競争の構図

 

        Information
 

 

 

CLIP BOARD

 
67
 

セルート「DIAq」が通販・小売りと店舗発EC宅配で連携へ

 

 
73
 

資生堂・山口氏がオラクルのセミナー講演でSCM最適化手法を紹介

JLLが4〜6月の東京圏物流施設市場調査

 

 
82
 

官民協議会が「空飛ぶ車」実用化へ年内に工程表策定

KDDIとゼンリン、長野県伊那市が物流ドローン専用空路の実証プロジェクト

 

 
92
 

ヤマトグループの法人向け引っ越し不適切請求で第三者委が報告書

2017年度の宅配便取扱数は5.8%増

 

 
99
 

パスコとナビタイムジャパンが物流業界の課題解決促進へ業務提携

 

 
105
 

丸協運輸が和歌山市内に新倉庫を建設

国土交通省が規制緩和で宅配ボックス普及促進

 

 
109
 

シーネットコネクトサービスが新システムの実証実験

「国際物流総合展2018」が開催

 

 

 

 

DATA BANK

 
110
 

国土交通月例経済(国土交通省)

 〜物流施設の賃貸マーケットに関する調査〜

 東京圏の空室率4.8%で需給均衡続く

 一五不動産情報サービス

 

 

114

 

主要記事索引

  118   編集後記
  119   広告索引

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