ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
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2021年8月号

    2021年8月号
     
      Cover Story
   


特集 物流とAI

 

14

 

【第1部】

AIの判断ミスは誰が責任をとるべきか?

神奈川大 経済学部 教授 寺嶋正尚

 経営者はAIに過度な期待を寄せてはならない。導入した時点のAIは未成熟であり、利活用には「不確かさ」がつきまとう。リスクマネジメントの手綱をしっかりと握った上で、時間をかけてビジネスツールとして育てていく。それが正しい進め方だろう。


 

 

 

19

 

【第2部】

次世代型ロボット物流センターの俯瞰図

 

トラスコ中山 GROUND

《対談》AI×ロボのプラットフォーム構築へDX加速

トラスコ中山 直吉秀樹 取締役物流本部長

GROUND 宮田啓友 共同創業者CEO

進行役:本誌編集発行人 大矢昌浩
 機械工具商社のトラスコ中山は6月末、物流テクノロジーのGROUNDとAI開発のシナモンにそれぞれ5億円を出資して資本業務提携を結んだ。この2社をパートナーに2024年の稼働を予定している新物流センター「プラネット愛知」で、ロボットとAIを活用した新たな流通プラットフォームを構築する。

 

22  

アッカ・インターナショナル

人手作業を凌駕するロボット運用法を確立

 中国のギークプラスと密接に連携して、物流ロボットのカスタマイズや運用ノウハウの構築を進めてきた。これまで人手作業が優位と考えられていた業務でも、今ではロボットを使った方が生産性が高い。そのため新規案件やフロアの増設は、ロボットの利用を前提にオペレーションを設計している。

 

24  

GreyOrange

複数種類の物流ロボットを統合管理

 棚搬送型のGTPロボットからスタートし、現在は仕分けロボットやパレット搬送ロボ、自動フォークリフトなど幅広いラインナップを取りそろえる。ハードウエアのコモディティ化を見据え、複数種類の物流ロボットを統合管理するソフトウエアの展開をグローバルで進めていく。

 

 

 

 

26

 

【第3部】

サプライチェーン自動化はここまで来た

 

シノプス

小売りの発注を起点にデマンドチェーン構築

Interview シノプス 南谷洋志 社長
 小売りの需要予測と発注をAIで自動化、その情報を中間流通や製造工程に展開していくことで流通全体を最適化できる。在庫のムダがなくなり、廃棄ロスが最小化される。ただし、ディープラーニングや機械学習のような最先端のAI技術は今のところ使えない。一世代前の技術で十分な効果を出せる。

 

28

 

アクセンチュア

需要予測を起点にサプライチェーン最適化

貝沼佑亮 AIグループ シニア・マネジャー

 先進企業はAIを活用して計画とオペレーションを最適化するのはもちろん、サプライチェーンの構造にまでメスを入れて、絶えず再設計することで競争力を強化している。しかし現状でそのレベルまで達している企業は限られる。まずは需要予測にAIを活用することから着手する必要がある。

 

32  

インダストリー・ワン

食品流通業界で在庫削減と欠品率低減を両立
 三菱商事とNTTが共同出資で産業DXを推進するインダストリー・ワンを設立した。最初のターゲットは食品流通業界だ。データ情報基盤と独自のAIを用いた在庫最適化ソリューションを開発。実証実験では三菱食品のローソン向けセンターで、平均約3割の在庫削減と欠品率の抑制に成功した。

 

34  

ライフコーポレーション

需要予測×AIチューニングで発注を自動化

 日本ユニシスと共同開発したAI需要予測自動発注システムを全店舗に導入した。従来から使用してきた自動発注システムは加工食品と日用品だけが対象だった。新システムでは日配品の発注も自動化した。需要予測エンジンをAIにチューニングさせることで可能になった。今後、対象を生鮮三品にも拡大する考えだ。

 

36  

NEC

独自のホワイトボックス型を400件超実装

 ディープラーニングでは分析の結果しか分からない。人の判断を支援したり、合意を得るのは困難だ。そこでNECは予測値の根拠を示すことができるホワイトボックス型のアルゴリズムを独自に開発・運用している。その一つ「異種混合学習」は既に400以上のプロジェクトに適用されている。

 

 

 

 

38

 

【第4部】

デジタル化の先にある物流産業のDX

 

アリババ集団「菜鳥」のスマート物流

イーパオディング 唐 徳権 社長
 「菜鳥」は中国語で「新人」あるいは「初心者」を意味する。アリババ集団の物流を担う戦略子会社として設立された同社は、「中国全土24時間、全世界72時間」の配達スピードを目指して物流産業のDXを進めている。そのビジネスモデル、テクノロジー、取り組みの進捗を報告する。

 

43  

OKI

自動交渉を物流業界に応用する

OKI イノベーション推進センターAI技術研究開発部 近藤 愛

伊加田 恵志
 自動交渉を活用した「AI協調」は、企業間をつなぐ新たなインターフェースとなり得る。これまでボトルネックとなっていた調整・交渉業務の省力化のみならず、柔軟でシステマティックな企業間協調の実現によって、サプライチェーンの在り方を大きく変革することになる。

 

48  

日本パレットレンタル(JPR)

異業種の共同輸送を迅速にマッチング

 パレット管理システムのデータを活用し、ユーザーの企業同士で幹線輸送の共同化を後押ししてきた。ニーズの高まりを受け、今年10月にAIでより迅速かつ的確に異業種間の共同輸送をマッチングできるサービスを開始する。将来は同一企業のグループ内輸送最適化への活用も視野に入れる。

 

50  

サントリーロジスティクス

フォークのドラレコ映像から危険運転を検知

 全てのフォークリフトに取り付けたドライブレコーダーの映像から、各オペレーターが安全運転しているかどうかを定期的に評価している。AIを活用し、動画を分析して危険行為を自動検知するシステムを富士通グループと開発。安全推進の担当者が評価にかかる負荷を大幅に減らせると見込む。

 

52  

AI配車システムの選び方・使い方・導入効果

ロジ・ソリューション  釜屋大和 プリンシパル・コンサルタント

松室伊織 チーフ・コンサルタント
 配車業務のシステム化が進んでいる。AIの活用も始まった。実際に現場でどこまで使えるのか。投資は回収できるのか。物流コンサルタントとして配車システムのコンペ運営や導入を支援してきた経験に基づき、ユーザーが知っておくべき基礎知識と上手な選び方、使い方、期待できる導入効果を報告する。

 

55  

【第5部】

《海外論文》スマートロジスティクスにおけるAI活用

“A Review of Further Directions for Artificial Intelligence, Machine Learning, and Deep Learning in Smart Logistics”

墺レオーベン大 Manuel Woschank 教授ほか

 スマートロジスティクス分野のAI・機械学習・深層学習技術に関する体系的な文献調査を行った。対象論文を「戦術・戦略プロセス最適化」「サイバーフィジカルシステム」「予知保全」「ハイブリッド型意思決定支援システム」「生産計画および生産管理システム」「オペレーションプロセス改善」「高度道路交通ロジスティクス」の七つのクラスターに分類、それぞれ内容を分析した。

 

      Key Person
 
4
 

「配車危機が運送会社をDXに駆り立てた」

ライナロジクス 朴 成浩 社長

 自動配車システムのパイオニア。東大の研究者から転じて2000年に起業した。組み合わせ最適化の手法を物流に応用、AIを活用して人間の勘と経験に頼ってきた業務の自動化に取り組んでいる。2018年にローンチした自動配車クラウドサービスがユーザー数を大きく伸ばしている。

 

        Case Studies
 
66
 

ジュピターショップチャンネル〈物流拠点〉

船橋に新センターを開設して5拠点を集約

新型自動倉庫とGTP方式を採用して省力化


  70  
西日本鉄道(にしてつ)〈物流施設〉

「修正中計」で国際物流事業への注力を表明

福岡空港近隣に冷蔵機能付き基幹拠点新設


        Columns
 
72
 

物流企業の値段《特別編》

2021年3月期

物流企業決算ランキング

 

  76  
ビジキャリ ロジスティクス管理2級 対策講座《第29回》

受注処理システム

講師 梶田 ひかる

 

  84  
事例に学ぶ物流会社のM&A《第4回》

トップ同士の面談で譲渡側の不安を払拭

営業エリアを補完してシナジーを創出

ストライク 金山 奈穂美 アドバイザー

 

  86  
シーオスのDXカッティングエッジ《第5回》

物流DX人材のキャリアから時代を読む 《前編》

シーオス 松島 聡 代表 × ヤマト運輸 恵谷 洋 常務執行役員

 

  90
 
海外トレンド報告

《欧米&アジア編》DHLサプライチェーン、米ロボティクス企業との協業拡大
《中国編》満幇集団が時価総額2.5兆円でNY上場


  94
 
NEWS ROOM

セブン&アイHDがネットスーパー拠点を新横浜で23年に開設


  98  
湯浅和夫の物流コンサル道場

《第231回》〜温故知新編 第112回〜

荷主と運送会社の関係性を考える

 

  102  
物流指標を読む《第150回》

21年度の消費・生産関連貨物は大幅増に

日通総合研究所 佐藤信洋


  104  
事例で学ぶ現場改善《第209回》

製造卸F社のパレット自動倉庫問題

日本ロジファクトリー 青木正一 代表

  107  
佐高信のメディア批評

「物言う株主」の異論許さぬ東芝の体質

問題の根幹に社内スパイ組織「扇会」

 

  108  

国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告

交渉と目標設定

──LSEの新体系化に向けて

 

        Information
 

 

 

CLIP BOARD

 
65
 

国内最大の国際展示会「ジャパンドローン」開催

 

 
82
 

「官民物流標準化懇談会」が初会合

三井不動産が千葉・船橋で3棟目の大型物流施設竣工

 

 
83
 

JLL・河西社長がインタビューで「物流施設は不動産サービス最重要項目の1つ」と明言

 

 
111
 

物流連・池田新会長が就任会見

東京大と丸和運輸機関がスポーツ科学の共同研究へ

 

 
112
 

ANACargoが3rd compassと連携し航空輸送強化

パナソニックSSJが画像センシング技術を公開

 

 
113
 

自動化ソリューションなど333社が集結、「第2回 関西物流展」開催

 

 

 

 

DATA BANK

 
114
 

国土交通月例経済(国土交通省)

デカルト・データマイン 海上コンテナ輸送量実績調査

 

 

118

 

主要記事索引

  122   編集後記
  123   広告索引
  123   ロジビズ・オンライン ピックアップ(2021年6〜7月配信分より)

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