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2021年11月号 |
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Cover Story |
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特集 脱炭素物流
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【解説】
JIT物流から次世代モビリティシステムへ
ジャストインタイム物流の終わりが始まった。環境・社会・企業統治を重視するESG経営が、行き過ぎた多頻度小口化と物流サービスの見直しを迫る。サプライチェーン全域にわたる脱炭素化の要請がロジスティクスの設計を変える。都市物流はトラック運送から地下輸送システムに移行する。
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【第1部】
「動く倉庫」と「動かない輸送」が常識を覆す
日通総合研究所 宮里隆司 AI/DX戦略コンサルタント
EV化に伴い低価格化したトラックはいずれ「動く倉庫」として利用されるようになり、オンデマンドの遠隔生産が可能な自動製造ユニットは「動かない輸送」を実現する。技術革新がサプライチェーンの姿を大きく変えようとしている。脱炭素化の要請がそれを強く後押ししている。
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【第2部】
商用車EV化が物流産業の構造を変える
日本EVクラブ 舘内 端 代表理事 自動車評論家
物流車両のEV化が始まった。佐川急便、SBSグループが中国製軽EVの大量導入を発表。中大型車の市販も本格化する。EVはエンジン車に比べて燃料費、維持費が桁違いに安い。ドライバーも一度EVを経験したらもうエンジン車には戻れない。圧倒的に運転が楽で疲労が少ないからだ。EVの普及は物流市場に変革をもたらすことになる。
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【第3部】
ロジスティクス部門におけるESGの実行
船井総研ロジ 矢部 誠 ロジスティクスコンサルティング部 マネージャー
ESG経営は上場企業よりも、むしろ中小企業にとって切実な問題だ。目の前に迫った「2024年問題」に対応するには、従来の物流管理のアプローチを逆転させて、運送原価と人件費単価を所与のものとして物流インフラの維持を図っていく必要がある。ESGがその取り組みの旗印になる。
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【第4部】ケーススタディ
大和ハウス工業
──花王とイオンを結ぶ物流自動化スキームを牽引
7月、物流DX推進グループを新設した。サプライチェーンの新たなスキームを顧客に提案、構築から運用まで伴走する。その第一弾が花王とイオンを結ぶ物流チャネルの自動化だ。日立物流、豊田自動織機を巻き込みAI自動運転フォークリフトを実用化、ロジスティクスの完全自動化に向けて最後に残ったピースを埋める。
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ベイシア
──帰り便でダンボールを回収しCO2を9割削減
各店舗で発生する廃棄ダンボールをカゴ車に格納して、納品トラックの帰り便で物流センターに回収するスキームを構築した。続いて、店内業務の生産性向上を目的に導入した6輪カートに合わせた専用シートを開発、回収効率を大幅に向上した。パッカー車が各店舗を回って回収していた従来と比べてCO2排出量を約92%削減した。
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日立物流
──脱炭素を切り口に荷主と3PLの関係性深化
荷主のサプライチェーン排出量を自動算出するサービスを今年4月に開始した。日本が世界に約束した「2050年カーボンニュートラル」の実現には物流企業の貢献が不可欠だ。排出量の「見せる化」とその削減を3PLの新たな事業機会と位置付け、脱炭素ソリューションをリードする。
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【第5部】
JR貨物
──鉄道を軸にした総合物流企業へ転換
総合物流部を新設、顧客の物流ニーズにワンストップで対応する体制を整備する。輸送サービスでは往復の貨物専用列車「ブロックトレイン」を拡充。物流施設は従来のオーダーメード型からマルチテナント型の「レールゲート」に比重を移す。2022年までに3棟を稼働させる。
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【第6部】
ドローン物流の運用シナリオと現在地
ドローン物流の実証実験が相次いで行われている。運送業の関係者らはトラック輸送の一部をドローンに置き換えることで、業務効率化と輸送距離の短縮が可能と見込む。温室効果ガスの排出削減効果への期待も高まる。まずは離島や中山間地など過疎の進む地域から始まる公算が大きく、商用化が視野に入ってきた。
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【第7部】
日本能率協会グループ
「ESG時代のSCMに関する自主調査」を読む
日本能率協会コンサルティング 加賀美 行彦 シニア・コンサルタント
日本能率協会総合研究所 小阪貴之 主任研究員
今年7月、日本能率協会コンサルティングと日本能率協会総合研究所は共同で「ESG時代のサプライチェーンマネジメントに関する自主調査」を発表した。同プロジェクトを担当した調達購買コンサルタントとアナリストが調査結果を解説する。
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【第8部】
大手トラック事業者3社における環境会計
札幌学院大 長岡 正 教授
荷主と違って物流事業者は、環境負荷低減とコスト削減を両立させることが難しい。環境の取り組みを推進するには、そのコストを把握して、事業活動と関連付けた上で効率化を図る環境会計の実施が有用と考えられる。日通、ヤマトHD、SGHDの3社における環境会計を基に考察する。
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【第9部】海外論文
持続可能な物流に関する体系的文献調査
“A Systematic Literature Review of Green and Sustainable Logistics: Bibliometric Analysis, Research Trend and Knowledge Taxonomy”
中国College of Defense Engineering, Army Engineering University of PLA Rui Renほか
「グリーン&サステナブル・ロジスティクス(G&SL)」に関するこれまでの研究論文を体系的に調査した。主要なキーワードを4つのクラスターに整理し、さらにG&SLの研究テーマを5つのグループ・50のサブグループに分類、それぞれの最新技術・課題・研究動向を把握した。
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Key Person |
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「輸送モードの最適な組み合わせを提案する」
JR貨物 真貝康一 社長
鉄道貨物キャリアから総合物流業への転身を打ち出した。鉄道を軸に輸送モードの最適な組み合わせを提案する「モーダルコンビネーション」で差別化を図る。一方、コロナ禍でJR旅客各社が貨物輸送に手を伸ばしている。新幹線もその対象だ。JR7社で唯一全国網を敷くJR貨物に新たな役割が期待される。
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Case Studies |
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キユーピー&日本アクセス〈SCM〉
持続可能な食品物流に向けて製・配が協業
簡易な検品レスと翌々日納品でスキーム構築
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Columns |
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物流企業の値段《第166回》
金井健司 東海東京調査センター アナリスト
セイノーホールディングス
業績はコロナ禍から回復するも株価停滞
成長の鍵はロジスティクス事業の拡大
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ビジキャリ ロジスティクス管理2級 対策講座《第32回》
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事例に学ぶ物流会社のM&A《第7回》
土木工事会社が地元ダンプ運送を買収
物流を内製化して異業種間でシナジー
ストライク 金山 奈穂美 アドバイザー
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シーオスのDXカッティングエッジ《第8回》
物流業の装置産業化に向け舵を取る 《前編》
大塚倉庫 大塚太郎 会長 vs シーオス 松島 聡 代表
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海外トレンド報告
《欧米&アジア編》FedExがトラック自動運転の実証実験を実施
《中国編》菜鳥とアリエクスプレスが仏パリに宅配ロッカー新設
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湯浅和夫の物流コンサル道場
《第234回》〜温故知新編 第115回〜
「2024年問題」2代目社長の挑戦
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物流指標を読む《第153回》
トラック運賃が上昇すると予測する理由
日通総合研究所 佐藤信洋
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事例で学ぶ現場改善《第212回》
カー用品販売F社のゼロからの仕組み作り
日本ロジファクトリー 青木正一 代表
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佐高信のメディア批評
「改革」称した竹中流の格差拡大政策
内橋克人「共生経済」の警鐘は今も鳴る
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国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告
「スマート保安」を巡る最新動向
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Information |
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CLIP BOARD
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●日本GLPの大型物流施設「アルファリンク」の開発本格化
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●日本ミシュランタイヤがトラックのパンクなどトラブル迅速解決サービス開始
●野村不動産の物流現場自動化共同プログラムに26社が参加
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●グレイオレンジが自動搬送ロボットの最新モデルを日本投入
●「フィジカルインターネット」実現へ官民が工程表の検討開始
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●「国際物流総合展2021 INNOVATION EXPO」が開催
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DATA BANK
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●国土交通月例経済(国土交通省)
●デカルト・データマイン 海上コンテナ輸送量実績調査
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主要記事索引
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編集後記 |
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広告索引 |
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ロジビズ・オンライン ピックアップ(2021年9〜10月配信分より) |