ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
よくある質問
詳細はこちら

2024年1月号

    2024年1月号
     
      Cover Story
   

 

   物流革新政策パッケージ
特集 荷主の責務


18

 

【解説】

発荷主・着荷主に課せられる責任と対策

 新しい物流政策が本格的に動き出した。現場の労働環境を改善して人手不足を緩和し、物流を持続可能なものにするために、荷主に新たな責務を課す。サービスの原価を料金に正確に反映させて、多頻度小口、短納期、過剰サービスにも歯止めをかける。荷主の各業界団体は一斉に反応している。

 

20

 

【第1部】

規制的措置に荷主はどう対処すべきか

フィジカルインターネット通信 特別編集版

野村総合研究所 水谷禎志 エキスパートコンサルタント

 「物流革新に向けた政策パッケージ」に基づき、2024年1月から始まる通常国会で、発荷主・着荷主を主な対象とする新たな規制的措置が検討される見通しだ。これにどう対応するべきなのか。交通工学および欧州における物流脱炭素化の知見を借りて検討する。

 

24

 

【第2部】

物流担当役員(CLO)のミッションとは?

野村総合研究所 藤野直明 シニアチーフストラテジスト

 物流担当役員の位置づけは、海外の主要企業と日本企業で大きく異なっている。その役割に対する認識にも明らかな格差がある。政策パッケージは規制的措置の一つとして、荷主に物流担当役員の配置を義務付ける方針だ。これを契機として日本企業がその責任と権限を再検討することが期待される。

 

28

 

【第3部】

持続可能な物流への実践論:データ活用

野村総合研究所 相澤晶子 システムコンサルタント

 トラック輸送に関する情報は大きく「貨物」「車両」「運転手」の三つに分けられる。このうち貨物の情報は荷主側にある。荷主がそれを紙ではなく、データで物流会社に伝えることで、三つの情報が紐付けられる。データに基づく効率化が可能になる。持続可能な物流の実現に向けてDXが動き出す。

 

30  

【第4部】政策パッケージが導く新・物流行政

国土交通省

「トラックGメン」が不良荷主を追い詰める
 2023年7月に「トラックGメン」を創設、総勢162人を全国に配置した。実運送事業者などから、長時間の荷待ちや契約にない付帯業務を強要する荷主企業・元請事業者の情報を収集している。荷主起因の違反が疑われる場合には「働きかけ」、複数回の違反原因行為などがあれば「要請」を実施。それでも改善されない場合は「勧告」と公表を行う。

 

32  

厚生労働省

「あい積ミーティング」で出会いの場を提供
 共同配送の相手を探している荷主同士に出会いの機会を提供するオンライン会合「あい積ミーティング」を行っている。参加企業の相談内容を基に組み合わせを決め、共同配送の検討の場を設ける。異業種間の共同配送にフォーカスしている点が特徴。これまでに延べ26社が計24件の共同配送案について、継続的に検討することを決めた。

 

34

 

【第5部】

「標準的な運賃」の妥当性と実現の可能性

Interview NX総合研究所 大島弘明 常務取締役

 ドライバーの労働時間や賃金を全産業平均並に改善しない限り、トラック不足は解消しない。そのために必要な運賃の目安が国の定めた「標準的な運賃」だ。現状の実勢運賃と比べるとその水準には開きがある。それでも運送会社が荷主と交渉する材料として活用するのが望ましい。

 

36  

【第6部】ケーススタディ : 2024年問題対策

ユニリーバ・ジャパン

卸との取引に「メニュープライシング」導入
 卸事業者らとの取引に、提供する物流サービスの内容に応じて料金が変動する「メニュープライシング」を導入した。パレットの活用による積載率向上などに協力することで割引のインセンティブを付与している。荷役作業を年間5800時間短縮するなど、業務効率化に大きな成果を上げている。

 

38  

ロッテ

競合メーカーと連携して鉄道ラウンド輸送
 2023年7月に同業のカバヤ食品と連携して、埼玉・岡山間の幹線輸送を鉄道ラウンド輸送に切り替えた。全国の工場や物流拠点でトラック待機時間削減にも着手した。人件費の高騰を受け、運賃の値上げ要請への対応も始めている。2024年問題をはじめとする物流課題に対応して複数の施策を並行して進めている。

 

40  

タカラスタンダード

自動化・平準化・モーダルシフトを全面展開
 納品トラックの待機時間が長すぎるというサプライヤーからの相談をきっかけに、物流のあり方を抜本的に見直した。作業の自動化、物量の平準化、トラックから鉄道へのモーダルシフトを全国的に展開した。協力運送会社のドライバーの付帯業務を明文化する契約の見直しも実施している。

 

42  

traevo

異なる車載器のデータをまとめて見える化
 規格の異なるデジタコやスマホアプリ、動態管理サービスなど、さまざまな車載端末のデータを一元管理して輸送を可視化するプラットフォームを運用している。国内で利用されている車載器の95%をカバーしている。同サービスを利用してサントリーは23年6月、新たな物流管理システムを稼働した。

 

44

 

【第7部】

2024年問題:トラボックス会員アンケート

トラボックス 皆川拓也 社長

 物流DXプラットフォームを運営するトラボックスは、2024年問題がトラック運送業に与える影響と中小零細事業者の対応の現状を明らかにするため、23年9〜10月に会員企業代表者および配車担当を対象としたアンケート調査を実施した。全国307人が回答した。その結果を解説する。

 

48  

【第8部】

《海外論文》先進国における自動運転トラックの必要性

“The Necessity of Introducing Autonomous Trucks in Logistics 4.0”

韓国釜山大学校 Eunbin Kimほか
 ドライバー不足は、トラック輸送比率が高い先進国に共通の課題となっている。自動運転トラックの導入が解決策として期待されている。各国は競って法整備を進め、実運用に動いている。複数のトラックが一定の車間距離を保って自動走行する「隊列走行」の実現が当面の焦点だ。

 

        Key Person
 
6
 

「ドライバー不足の解決には法規制が要る」

根本敏則 敬愛大学 教授

「持続可能な物流の実現に向けた検討会」座長

 今年1月の通常国会には、荷主と元請けをターゲットにした各種の規制法案が提出される見通しだ。2024年問題でいっそうひっ迫するドライバー不足を解消するには、ガイドラインだけでは十分ではなく、強制力が必要との政策判断だ。「持続可能な物流の実現に向けた検討会」がその方向性を決定付けた。

 

        Case Studies
 
56
 

日清食品〈SCM〉

JA全農との垂直連携に踏み込み調達を改善

「ウェルビーイング」を物流改革のゴールに


  60  
花王〈自動化〉

メーカー自らドローン物流に本気で挑む

既存拠点生かし25年にも実運用目指す


        Columns
 
64
 

物流企業の値段
《第188回》

甲斐 友美子 いちよし経済研究所 主任研究員

サカイ引越センター

営業利益の平均成長率は10%超を持続
さらなる全国シェア拡大への体制構築に本腰

 

  66  
【集中連載】ウクライナ侵攻後のユーラシア物流《第3回》

中央アジア諸国の物流事情と最新動向

ロシアNIS貿易会 ロシアNIS経済研究所 齋藤大輔 部長

 アジアとヨーロッパを結ぶ経由地として、中央アジア5カ国(カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、キルギス、タジキスタン)への注目が高まっている。従来は“ロシアの裏庭”とされてきた地域だが、現在は中国がその経済力と資金力を背景に影響力を強めている。各国の物流事情を紹介する。

 

  72  

ビジキャリ ロジスティクス管理2級 対策講座《第58回》

復習14 ロジスティクス監査

講師 梶田 ひかる

 

  76
 
海外トレンド報告

《欧米編》USCC、中国LOGINKによる物流情報の掌握に警鐘
《アジア編》英国ABPと台湾港務公司、洋上風力発電の港湾整備で協力

《アフリカ・中南米編》南ア主要港湾、渋滞で荷降ろしに最長19日の遅延


  80
 
NEWS ROOM

食肉加工メーカー大手4社が物流改善で共同取り組み宣言


  86  
湯浅和夫の物流コンサル道場

《第260回》〜温故知新編 第141回〜

荷主は変わる。運送業界はどうか?

 

  90  
物流指標を読む《第179回》

日本経済は当面悪化が続く可能性大

NX総合研究所 佐藤信洋


  92  

国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告

水素エネルギーの現状と展望

 

  96  
佐高信のメディア批評

石橋湛山と田中角栄に三つの共通点

対米姿勢・党人派・ジェンダー意識

 

        Information
 

 

 

CLIP BOARD

 
54
 

バイナルセミナーでTOTO、古河電工らが貿易業務デジタル化の成果を披露

 

 
55
 

YEデジタル主催セミナーでカインズらが講演、自動化による物流の将来像を提示

 

 
63
 

荷役作業を革新、地面へ下降する荷台の活用広がる

2023年度エコドライブ活動コンクール、CO2排出量可視化のDATAFLUCTなど受賞

 

 
71
 

NECが物流改革支援に注力

 

 
79
 

ニチレイグループ4社が年末恒例社長会見

 

 
95
 

パイオニアが「2024年問題」対応を強化

 

 
97
 

三菱倉庫がAWSと連携し国際輸送のCO2排出量算定機能開発

三井食品が千葉・流山に開設の同社最大物流センターを公開

 

 

 

 

DATA BANK

 
99
 

国土交通月例経済(国土交通省)

デカルト・データマイン 海上コンテナ輸送量実績調査

一五不動産情報サービス 物流施設の賃貸マーケットに関する調査

東京圏・関西圏ともに需給緩和がさらに進む

 

 

104

 

主要記事索引

  108   編集後記
  109   広告索引
  109   ロジビズ・オンライン ピックアップ(2023年11〜12月配信分より)

  • プライバシーポリシー
  • 利用規約
[EDIT]