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2024年8月号 |
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Cover Story |
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特集 メーカー系物流会社
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【第1部】
潮流変化が生む物流子会社売却の新基準か
KPMGコンサルティング 伊勢田 伸アソシエイトパートナー
黒江健斗マネジャー/炭床天満コンサルタント
国内メーカーにおいて、物流の役割を見直そうとの新たな動きが生まれている。物流機能子会社の清算や売却といった「物流の外部化(以降、外部化)」の流れは途切れない一方、以前にはみられなかった組織再編や物流機能の高度化の動きも出てきた。外部環境が大きく変化する中、対応に向けた物流体制の構築、従来とは異なる施策やその実行に必要となる投資の原資確保といった課題に、メーカー各社は直面している。
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【第2部】
コスト削減から持続可能性への戦略転換
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
志田光洋パートナー/田岡 佑一郎アソシエートパートナー
物流子会社戦略の視点はコスト削減から持続可能性に移っている。物流子会社単独で輸送力や現場労働力などのリソースを維持・手配していくのは難しいと判断した親会社は売却に傾いている。その一方、改めて物流の“手の内化”を進める動きもある。同じ業界でも経営判断によって方向性が二極化している。
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【第3部】M&Aから始まるビジネスモデル改革
SBSリコーロジスティクス
先行投資で高い目標に挑む成長企業に
リコーを離れてSBSホールディングスにグループ入りしてから5年あまり。売上高は約1.4倍に拡大した。運用する物流施設の延べ床面積は15万坪から23万坪に、総従業員数は3100人から4300人に増えた。物流専業者として自立を果たしただけでなく、SBSグループを牽引する存在に成長した。
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SBS東芝ロジスティクス
カイゼンの文化生かし「貢献」から「成長」へ
2020年11月、SBSホールディングスが株式の66・6%を取得し、電機メーカーの物流機能子会社から物流事業会社へと転身を遂げた。倉庫開発といったSBSグループの営業手法を取り込みながら外販を拡大。東芝子会社時代に培われたカイゼン提案も評価を受けており、成長に向けた積極投資に乗り出している。
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日通NECロジスティクス
電機精密領域でのグループ連携を強化
NXグループのアセットを活用できるようになったことで、倉庫の統合や営業部隊の同居などが国内外で進められていった。一方で、NXグループ唯一の品質評価センターの運営は日通NECロジスティクスが担当している。近年、NXグループが注力するアカウントマネジメントでは電機精密・半導体領域における連携を強化。得意とする高付加価値物流を軸にグループの業容拡大の一翼を担う。
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三井倉庫サプライチェーンソリューション
LLPを超えてサプライチェーンを全部やる
三井倉庫ホールディングスが2015年にソニーの物流子会社をグループ化した。ソニー出身者をトップに据えて、サプライチェーン全域にわたるアウトソーシングを一括して請け負う新たな業態を目指している。そのために営業活動も荷主の経営層に直接アプローチしている。
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【第4部】外販拡大を続けるための競争戦略
キユーソー流通システム
荷主からの協力引き出す“モノ言う物流会社”
四つの温度帯による輸配送ネットワークを全国に展開する食品物流大手が、2024年問題を契機にさらなる変革への道を歩み始めた。「運び続けるため」を旗印に、適正料金収受や前々日受注の必要性などを荷主に訴えるほか、新領域へも参入。環境変化に備えた体質強化を図る。
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アサヒロジ
長距離トラックを鉄道輸送や中継輸送に転換
トラック輸送を鉄道や中継輸送へと転換し、直送のトラック長距離便を廃止する方向で取り組みを進めている。ダブル連結トラック輸送はクロスドックセンターを経由する東西幹線輸送に加えて、工場間直送を新たに開始。鉄道輸送では集配部分を従来の鉄道コンテナ専用車両から、トラック集配へと転換するとともに運行効率を高めた。さらに中継輸送ルートの拡大も進めている。
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F-LINE
食品メーカーが共同展開する物流改革を実行
加工食品メーカーが共同展開する「F-LINEプロジェクト」の推進を担う全国規模の物流会社として複数のメーカー系物流会社の統合によって発足した。北海道や九州での共同物流などを展開するほか、2024年問題対応を主軸とするF-LINEプロジェクト第二期にも参画。参加メーカー輸送データベースを用いた幹線共同化や配送拠点の再構築なども進めている。
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大和物流
施工工程を理解したドライバー強みに配送効率化
ハウスメーカーの物流子会社として、施工工程を理解したドライバーを多数擁することを強みに、現場荷役を中心に配送を効率化している。ハウスメーカーなどとの共同物流にも早い時期から取り組んできた。人口減による国内住宅市場の縮小を見据え、流通・産業機器系物流や医療機器・医薬品物流など、ポートフォリオの拡充も推進している。
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NTTロジスコ
3.5PL事業でサプライチェーンを川上から改革
物流はサプライチェーンの一構成要素であり、真に物流を改善するにはサプライチェーン全体の最適化が必要──そのコンセプトのもと、川上から整流化を図る「3.5PL事業」をスタートした。NTTグループとして「物流現場のICTリテラシーが高い」ことを強みに、テクノロジーとデータを活用した改革を提案していく。
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大塚倉庫
共同物流の運営を通じて業界標準を作り込む
「共通プラットフォーム」と呼ぶメーカー向け共同物流事業を軌道に乗せて外販比率を6割以上に引き上げた。現在はターゲットを医薬品に定めている。医薬品メーカーが2024年問題に対応するには物流の標準化が不可欠だ。共同物流事業の運営を通じて事実上の標準を作り込んできたノウハウと経験をそこで生かす。
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プラス ロジスティクス
物流専業者を買収してビジネスモデルを変革
親会社のプラスから派生したアスクルの立ち上げから物流パートナーを務めてきた。2009年にその物流事業をアスクルに譲渡したことで単体売上は約半分に縮小した。それを機に本格的に外販に乗り出した。必要な機能を物流専業者の買収によって獲得、独自のソリューションを組み上げ、大きな飛躍を遂げた。
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島津ロジスティクスサービス
精密機器物流で鍛えた梱包技術強みに外販拡大
島津製作所の物流子会社として培った精密機器の梱包技術を強みに、島津グループや外部顧客の物流を手掛けている。国家資格の工業包装技能士に加え、同実技試験の試験官資格取得者も在籍しており、人材の層は厚い。4月には包装設計会社を吸収合併し、提案力を強化した。低環境負荷素材や梱包の小型化も推進している。
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【第5部】海外論文
製薬業界における物流アウトソーシング
“Investigation of drivers of logistics outsourcing in the United Kingdom’s pharmaceutical manufacturing industry”
英ウェストミンスター大 Mengqiu Cao博士ほか
医薬品メーカーが物流機能をアウトソーシングする理由、3PLプロバイダーの選定と評価に用いる基準、委託する業務内容について、英国の医薬品メーカー297社に調査協力を依頼して49社から有効回答を得た。その結果、これまで解明されていなかった複数の問題が明らかになった。
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Key Person |
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「世界初のフィジカルインターネット企業設立へ」
伊藤忠商事 長谷川 真一 住生活カンパニー物流物資部 上席コンサルタント
伊藤忠商事がフィジカルインターネットの商用サービスに乗り出す。伊藤忠が50%を出資して、KDDI、豊田自動織機、三井不動産、三菱地所を含むパートナーと共同出資会社を設立する。既に2年前から先行運用が始まっており、新会社は初期段階から1日当たり約1万2千パレットの荷物を運ぶことを見込んでいる。
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Case Studies |
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【集中連載】中国マテハン市場レポート《第1回》
GLOBL PTR
オープンイノベーションと生産の内部化で
中国最大の4ウェイシャトル台車メーカーに
法政大 李 瑞雪 教授
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ミスミグループ本社〈SCM〉
国内外400社超のサプライヤー在庫を自動積算
中ロットの部品調達業務を「D-JIT」で革新
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STOCKCREW〈EC物流〉
新拠点にAMR105台導入し1日3万件発送
セグウェイ付き台車で歩行時間短縮実現
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Columns |
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国際運賃の高騰が沈静化して荷動き低迷が追い撃ち
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高度物流人材のためのリスキリング講座《第5回》
ロジスティクス中期計画
講師 梶田 ひかる
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フィジカルインターネット通信《第24回》
手頃な負担で物流脱炭素化施策の展開を
野村総合研究所 水谷禎志 エキスパートコンサルタント
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海外トレンド報告
《欧米編》BAEとGlobalFoundries、米国の半導体供給網強化に提携
《アジア編》ゼネアビによる低空物流、中国政府の育成方針受け順豊が参入
《アフリカ編》ワクチン供給連盟、アフリカの輸入依存低減へ現地生産加速
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NEWS ROOM
安定物流体制構築で味の素冷凍食品やニチレイなど冷凍食品5社が協働
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湯浅和夫の物流コンサル道場
《第267回》〜温故知新編 第148回〜
物流業界における企業間連携
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国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告
リスク評価とロジスティクス
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佐高信のメディア批評
新紙幣の渋沢栄一に韓国から痛烈批判
社畜生んだ「日本資本主義の歪みの父」
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Information |
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CLIP BOARD
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●政府が荷待ち・荷役時間短縮図る改正法の規制的措置で詳細の議論開始
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●三井不動産が新たに物流施設6件の開発計画を公表、初のマルチ型冷凍・冷蔵倉庫も
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●セイノーHD・田口社長が三菱電機ロジスティクス買収に関する方針を説明
●アンモニアで海運の脱炭素実現目指す米スタートアップCEOが来日会見
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●NTTデータが2024年問題踏まえ「中継輸送」普及に注力
●SGホールディングスのC&FロジTOBが成立、完全子会社化へ
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DATA BANK
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●国土交通月例経済(国土交通省)
●デカルト・データマイン 海上コンテナ輸送量実績調査
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主要記事索引
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106 |
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編集後記 |
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広告索引 |
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ロジビズ・オンライン ピックアップ(2024年6〜7月配信分より) |