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2024年7月号

    2024年7月号
     
      Cover Story
   


特集 物流統括管理者


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【第1部】本誌緊急調査

「役員クラス」選任に大手はどう対応するか
 役員クラスの物流統括管理者の選任が、一定規模以上の荷主に義務付けられることになった。これにどう対応するのか。本誌は5〜6月、各業界の大手荷主にアンケートを送付して22社から回答を得た。その結果、約7割の荷主が「執行役員」を、法令の求める「役員クラス」として認識していることが分かった。

 

物流担当責任者を巡る現状

Q1 専任を置いているか

Q2 現在の物流担当責任者の役職

Q3 現在の物流担当責任者の指揮系統

 

「物流統括管理者」選任に向けた対応

Q4 「役員クラスの物流統括管理者」の認識

Q5 「物流統括管理者」の選任時期

Q6 「物流統括管理者」の選任方法

 

選任義務付けに対する意見


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【第2部】

役員会での意思決定の方法とCLOの責務

野村総合研究所 藤野直明 未来創発センター シニアチーフストラテジスト

 経営レベルの意思決定の仕組みを変えない限り、物流担当役員やCLOを任命しても機能はしない。いわゆる“おみこし経営”から脱却して、ダイナミックケイパビリティを実現できる組織管理・経営管理方式へと移行する必要がある。世界の先進企業は既に20年をかけて改革を進めてきている。

 

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【第3部】

メーカーにおける物流統括管理者の実務

Fujita Office 藤田正美(元キユーピー上席執行役員ロジスティクス担当)

 メーカーにおいて物流統括管理者は社内外との連携を担うリーダーの役割を果たす。物流部門と営業や生産、開発など社内の他部門との調整役となり、顧客である着荷主と納品条件の見直しを交渉し、経営会議では必要な設備投資や費用の承認を得る。物流現場の実態をあらためて直視することがその第一歩となる。

 

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【第4部】

小売りに物流担当役員がなぜ必要なのか

Hacobu 佐藤健次 執行役員CSO

 米ウォルマートをはじめ欧米のグローバルリテーラーではCLOがCEOに昇進するための登竜門となっている。小売りのCLOは具体的にどのような職務に就いているのか。前職でウォルマート・ジャパン/西友の物流責任者として、米国本社の経営会議にも数多く参画したHacobuの佐藤氏が解説する。

 

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【第5部】

CLOの定義と求められる役割・職能

東京大学大学院 工学系研究科 川崎智也 准教授

 流通業務総合効率化法で「物流統括管理者」の選任義務化が明記されたことを受け、企業のCLO選任が活発化することが予想される。CLOとは何か、どのような役割を持ち、どんな知識・能力を持った人材がふさわしいのか。サプライチェーンを通じ、経営視点で社内外を俯瞰し、社会全体の利益を最適化できるリーダーが求められている。

 

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【第6部】現役CLOインタビュー

日清食品 シェアド・リーダーシップで社内外と連携促進

深井雅裕 常務取締役サプライチェーン本部長兼Well-being推進部長

 協力物流会社から取り引きを打ち切られた“危機”をきっかけに、ホールディングス全体の物流改革の責任者に抜擢された。物流は未経験ながら部門横断チームを結成して社内外に協力の輪を広げ、サプライヤーとのデータ連携や共同物流などを次々に実現してきた。改革の推進力となったのは、チーム運営の哲学と手法だった。

 

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イオン 時代とともに変化する最適解を問い続ける

手塚大輔 執行役物流担当

 サプライチェーン全体のオペレーションの再設計を進めている。改善プロジェクトの土台になったのが、地域エリアごとに積み重ねた実証事業だ。かつての最適解は今も最適なのか──経営環境が変化する中で常に問いかけ、ステークホルダーに働きかける役回りが物流責任者に求められている。

 

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三菱食品 コスト・品質・持続可能性のバランスを最適化

田村幸士 取締役常務執行役員SCM統括

 物流の基本的価値の一つに持続可能性が加わった。荷主の物流担当役員には、コストと品質、そして持続可能性の三つのバランスを最適化することが求められる。目下の懸念は、中小メーカーの物流が危機に瀕していることだ。メーカー向け物流代行や中ロットのマッチングサービスなどで「上流物流」の支援を強化する。

 

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YKK AP 商習慣やビジネスモデルの変革が第一の役割

岩崎 稔 執行役員CLOロジスティクス部長

 物流統括管理者の選任が義務化されるのに先行して今年4月1日付でCLOを設置した。商習慣やビジネスモデルの変革をその第一の役割ととらえている。社内の物流効率化にとどまらず、競合との共同物流にも挑む。他の業界関係者とも交渉できるコミュニケーション能力などが求められる資質とみている。

 

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日野自動車 CLOを新設しサプライチェーン整流化図る

山根良和 Chief Logistics Officer(CLO)兼日野グローバルロジスティクス社長

 2024年2月の組織改正でCLOを新たに設置した。ロジスティクス責任者を務めると同時に、日野自動車の物流部門と物流子会社を統合して22年に発足した日野グローバルロジスティクスの社長も兼務する。エンジン不正問題で混乱したサプライチェーンの整流化と、2024年問題対応を主要ミッションに定めている。

 

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【第7部】

フィジカルインターネットセンター

「CLO協議会」を発足して交流の場を提供

 6月、フィジカルインターネットセンター(JPIC)は「CLO協議会」を発足した。CLOや物流統括管理者に任命された担当者、そのカウンターパートとなる物流企業、IT、コンサルなどの各業界関係者が集まる交流の場を提供する。JPICには現在27社が加盟している。当面100社を目指し会員を募っていく。

 

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【第8部】

日本ロジスティクスシステム協会

新たな特定荷主約3千社に向けて活動広げる

 JILSの会員に占める荷主企業の比率は、物流アウトソーシングの普及・拡大に伴い長期的に低下する傾向にあった。しかし、国内の主だった荷主約3千社が新たに特定荷主に指定されることで転機を迎える。「物流統括管理者」を選任する意義、その権限・責任の明確化と環境整備を進める。

 

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【第9部】海外論文
物流部門の女性管理職のリーダーシップ
“The Importance of Sustainable Leadership amongst Female Managers in the Spanish Logistics Industry:A Cultural, Ethical and Legal Perspective”

スペインEAEビジネススクール Elena Bulmer ほか

 スペインで企業の物流部門に所属する女性管理職を対象に、組織とそのメンバーを持続可能な発展へと導く「サステナブルリーダーシップ」に関するアンケート調査およびヒアリングを行った。しかし、その結果は研究者たちの仮説や課題認識を裏切るものであった。

 

        Key Person
 
4
 

「物流の経営課題、CLO選任で“診断”を」

経済産業省 中野剛志 消費・流通政策課物流企画室 室長

 運送業の規制緩和に端を発する物流の構造問題は、多くの日本企業から、物流を経営課題として位置付ける機会を奪ってきた。CLO選任は、各企業が自社のサプライチェーンマネジメントを経営課題として再認識し、産業界や日本経済全体が「体質改善」を成し遂げるための一里塚になる。

 

        Case Studies
 
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綿半ホールディングス〈物流戦略〉

多様な小売事業の物流管理を新組織に統合

改革を推進するため現場運営を一部内製化


  60  
エアークローゼット〈物流事業化〉

洋服レンタルで高回転の「循環型物流」構築

他のECなどへプラットフォーム外販も開始


        Columns
 
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物流企業の値段
《第193回》

甲斐 友美子 いちよし経済研究所 主任研究員

鴻池運輸

2期連続で過去最高益を更新してV字回復
継続的な業容拡大が成長持続の鍵を握る

 

  66  

高度物流人材のためのリスキリング講座《第4回》

経営戦略と経営中期計画

講師 梶田 ひかる

 

  72  
フィジカルインターネット通信《第23回》

第10回 国際フィジカルインターネット会議

野村総合研究所 水谷禎志 エキスパートコンサルタント

  74
 
海外トレンド報告

《欧米編》米国輸送軍などが、大国間競争に備え空中給油機の整備技術改革へ
《アジア編》中国の東方航空物流、バイオ医薬を主眼に低温物流会社新設

《アフリカ・中南米編》中国が木材を密輸入、IS系武装勢力の資金源の恐れも


  76
 
NEWS ROOM

伊藤忠商事など5社がフィジカルインターネットの事業化で覚書


  80  
湯浅和夫の物流コンサル道場

《第266回》〜温故知新編 第147回〜

物流統括管理者への期待

 

  84  

国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告

ヒューマンウェアからのロジスティクス

《第3回》「台湾大観」

 

  88  
佐高信のメディア批評

小選挙区制は優れた人物に道を開けない

田中秀征「中選挙区連記制」に膝を打つ

 

        Information
 

 

 

CLIP BOARD

 
54
 

ブルーイノベーションなどがドローンによる能登半島地震復旧支援を報告(後編)

 

 
55
 

ニチレイロジグループ本社が2023年の事業報告会開催

 

 
63
 

空港グランドハンドリング協会新会長に服部氏が就任

ヤマトホールディングスが共同輸配送促進の新会社設立

 

 
71
 

茨城・境町が独自のドローン研究開発施設をオープン

日本パレット協会・二村新会長が就任会見

 

 
73
 

SGホールディングスとC&Fロジの両社トップがTOB実施で会見

三菱地所が仙台で高速IC直結物流施設を開発へ

 

 
87
 

国内初のスタートアップ対象健康保険組合が発足、物流にプラス効果も期待

 

 

 

 

DATA BANK

 
89
 

国土交通月例経済(国土交通省)

デカルト・データマイン 海上コンテナ輸送量実績調査

物流施設の賃貸マーケットに関する調査

一五不動産情報サービス 東京圏では新規供給がピークを迎える

 

 

94

 

主要記事索引

  98   編集後記
  99   広告索引
  99   ロジビズ・オンライン ピックアップ(2024年5〜6月配信分より)

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