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2020年8月号 |
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Cover Story |
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特集 コロナとSCM
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市場ニーズも生産も物流も、状況は目まぐるしく変化している。国際輸送の停滞とソーシャルディスタンスは、オペレーションの制約として今後も長く影を落とす。不確実な環境下における需給調整が顧客満足と企業業績を左右する。見える化のレベルとレジリエンスが試されている。
グローバルサプライチェーンの構造とデザインは再検討を避けられない。中国のリスクとポテンシャルをどう評価するのか、サステナビリティへの投資やリスクヘッジのコストはどこまで許容されるのか──その判断がカギを握る。国内外のスペシャリストと実務家たちの提言を報告する。
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【第1部】グローバル企業のサプライチェーン戦略
【調査】日本企業のSCM組織はどう動いたのか
野村総合研究所 グローバルインフラコンサルティング部
小林一幸、小畑皓平
日本企業のSCM担当者を対象に5月、緊急アンケートを行った。新型コロナ対策、担当組織、課題について尋ねた。その結果、従業員数300人以上の企業では既に7割がSCM部門を組織しているにもかかわらず、サプライチェーンの一元管理は必ずしも十分に機能していないことが分かった。
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【調査】米国企業の中国サプライチェーン戦略
“Supply Chain Strategies Under the Impact of COVID-19 of Large American Companies Operating in China”
PwC中国
中国に拠点を持つ米大手企業を対象に3月、新型コロナウイルスがサプライチェーンに与える影響を調査した。直面する最大の課題として挙がったのは物流だった。そして米中の経済的分断が今後いっそう拡大することが懸念されている。
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【ケーススタディ】米メドトロニック
危機対応の意思決定にデジタルツインを活用
“Transforming Medtronic’s supply chain decision making in the midst of COVID-19 disruption”
新型コロナがサプライチェーンに与えた影響は従来の災害とは異なっていた。複数の地域で時間差を伴い何度も危機が発生する。既存のBCPでは対応できない。そこで医療機器メーカーの米メドトロニックのロジスティクス部門は、かねてよりDX戦略の一環として進めていたデジタルツインを活用した。
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【第2部】グローバル3PL:トップインタビュー
郵船ロジスティクス 神山 亨 社長
需要以上に供給が落ち込む異常事態が発生
航空貨物は需要の落ち込み以上に供給が低下したことで運賃が高騰している。フォワーダーチャーターをはじめスペース調達力が問われる局面だ。しかし、異常事態も近く沈静化する。DXを加速させて、発地・着地の地場物流までスコープを広げることで真のエンド・トゥ・エンドをカバーするサプライチェーンソリューション事業を新たな柱に育てる。
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伊藤忠ロジスティクス 佐々和秀 社長
中国市場のEC化率はさらに上昇していく
中国EC市場は大きなダメージを受けたアパレル関連でさえ既に回復した。しかも、新型コロナを契機にECのユーザーは若年層から中高齢層にまで広がった。EC化率はさらに上昇。対象商品の幅も広がり、新業態が成長していく。そこに深くアクセスすることで変化を味方に付ける考えだ。
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OOCLロジスティクス(ジャパン)
樫山峰久 取締役日本統括COO
それでも“中国外し”は現実にはあり得ない
リスクヘッジを目的とした生産の国内回帰や在庫の積み増しは定着しない。いわゆる“中国外し”にもリアリティはない。グローバルサプライチェーンの最適化は既に後戻りできないレベルまで進んでいる。むしろ今は中国がポストコロナのサプライチェーンを牽引している。
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【第3部】国際貨物輸送マーケットはどこへ向かう
【海運】3大アライアンス体制が環境変動を吸収
流通科学大 森 隆行 教授
定期船の荷動きは新型コロナの影響で激減している。しかし、運賃は安定している。世界3大アライアンスによる市場の寡占化が柔軟な需給調整を可能にしている。新型コロナは反グローバル化とデジタル化を加速させる。それでも海運市場の供給体制には大きな変化はないだろう。
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【航空貨物】アフターコロナに向けた三つのシナリオ
岡三証券 山崎慎一 シニアセクターアナリスト
国際航空貨物市場の中長期の見通しは、新型コロナが収束する時期によって全く変わってくる。2022年の収束を想定したメインシナリオ、21年中を想定したベストシナリオ、そして25年になってもパンデミックが続いているワーストシナリオについて、それぞれ考察する。
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【第4部】
中国市場:「宅経済」広がり生鮮EC急成長
流通経済研究所 特任研究員 李 雪
中国のEC化率は、新型コロナの影響で24.1%に上昇した。「宅経済(巣ごもり消費)」で「到家(宅配)」が当たり前のサービスとして定着して、これまでは実店舗で購入されていた生鮮品にもECが爆発的に広がっている。そして「非接触」の常態化が、物流の無人化をさらに促進している。
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【第5部】
パンデミックの需給シミュレーション
“Predicting the impacts of epidemic outbreaks on global supply chains: A simulation-based analysis on the coronavirus outbreak(COVID-19/SARS-CoV-2)case”
独ベルリン経済法科大 Dmitry Ivanov教授
新型コロナウイルスはサプライチェーンにどのような影響を与えるのか。中国・武漢に調達先工場があるグローバルメーカーをモデルにシミュレーションを行った。サプライチェーンの寸断にどれだけ持ちこたえられるのか。回復にはどれだけ時間がかかるのか。最も効果的に対応するにはどうすべきか。
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【第6部】
バイアブルサプライチェーンの理論モデル
“Viable supply chain model: integrating agility, resilience, and sustainability perspectives──lessons from and thinking beyond the COVID-19pandemic”
独ベルリン経済法科大 Dmitry Ivanov教授
リーン、アジリティ、サステナビリティ、レジリエンスといった従来のコンセプトでは、世界規模でサプライチェーンが機能不全に陥るパンデミックに対応できない。生物学やエコロジーの分野で研究が進んでいる「バイアビリティ(生存能力)」という概念をサプライチェーンに適用することで新たな道が開ける。
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【第7部】
レジリエンスに投資すべきこれだけの理由
“Supply Chain Lessons from Covid-19: Time to Refocus on Resilience”
ベイン・アンド・カンパニー
ローコスト志向で最小在庫の供給ネットワークは、非常時に重大な経営リスクを生じさせる。その影響の大きさに気付いた企業は、レジリエントなサプライチェーンの構築に投資を始めている。サプライチェーンで競争優位を築くための前提条件は既に変化しているのである。
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Key Person |
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「組織も人も自律分散型だけが生き残る」
アイ&カンパニー 入江仁之 代表
自律分散型の企業はコロナ禍にも影響を受けていない。繁栄を続けている。それに対して管理統制型の企業には最後通牒が突き付けられている。環境の変動に対応できない組織は衰退に向かうほかない。社員一人一人もまた、リモートワークの普及をきっかけに、その世界観と働き方が問い直されている。
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Case Studies |
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豊洲市場〈中間流通〉
露天・平屋の作業を閉鎖型の高層施設に移管
温度管理の徹底と場内物流の整流化を実現
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三菱商事〈デジタル化〉
ロボット導入支援や倉庫シェアリングを提供
国内外のスタートアップと物流DXを事業化
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Columns |
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ビジキャリ ロジスティクス管理2級 対策講座《第17回》
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実録 ラストワンマイル《第17回》
軽トラ同乗ルポ2
早朝・深夜を駆ける女性ドライバー
青山ロジスティクス総合研究所 代表 刈屋大輔
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海外トレンド報告
《欧米&アジア編》日中韓物流大臣が東アジアの物流安定化に向け共同声明
《中国編》JDロジスティクスが年内に13拠点設立し、地方配送を強化
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湯浅和夫の物流コンサル道場
《第219回》〜温故知新編 第100回〜
あらためてロジスティクスを考える その2
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物流指標を読む《第138回》
運賃はスポットと年間契約で異なる動き
日通総合研究所 佐藤信洋
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事例で学ぶ現場改善《第200回》
物流会社S社のコンサル事業を後方支援
日本ロジファクトリー 青木正一 代表
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国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告
信頼性重視保全(RCM)と保全革新
第1回 その思想と背景
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佐高信のメディア批評
戦後政治の生き字引が語る黒川前検事長
報道されない検察庁法改正案の舞台裏
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Information |
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CLIP BOARD
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●アイカ工業が福島工場に自動倉庫新設し首都圏へ直接納品実現
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●佐川急便など5者が電力データ用いて”不在配送ゼロ”実現へ
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●鈴与が先進技術の活用強化でスタートアップなど2社に出資
●兵庫・尼崎でESR開発のアジア太平洋最大級物流施設が完成
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●バイナルがシンガポールの通関ビッグデータ使用許諾を取得
●フレクト、ラクスル、パスコが輸配送のDXでWebセミナー
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●東洋メビウスが前橋に新設の機械化配慮した倉庫棟を公開
●東京海上日動火災保険が倉庫の事故防止支援拡充
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DATA BANK
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●国土交通月例経済(国土交通省)
●デカルト・データマイン 海上コンテナ輸送量実績調査
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主要記事索引
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編集後記 |
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広告索引 |
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