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2023年3月号 |
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Cover Story |
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内閣府SIP第2期プログラム
特集 スマート物流サービス
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【解説】
「SIP物流標準ガイドライン」で情報共有
「内閣府SIPスマート物流サービス」が2023年3月をもって5年間の研究活動を終える。日本政府が提唱する未来社会のコンセプト「Society5.0」を支える物流ビジョンがそこで打ち出され、社会実装に向けて関連業界各社が協働した。その成果をレビューして、次の10年を展望する。
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【第1部】
国交省 ステークホルダーの協調領域を特定
Interview 国土交通省 平澤崇裕 総合政策局物流政策課長
SIPの5年間の活動を通じて省庁間の連携は大きく前進した。物流業界への理解も深まった。物流には多様なステークホルダーがいる。その協調領域を特定していく作業が標準化であり、「SIP物流標準ガイドライン」はその成果だ。使命感を持って事業者に準拠を働きかけていく。
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【第2部】
経産省 アナログな連携がDXの道を開く
Interview 経済産業省 中野剛志 商務・サービスグループ 消費・流通政策課長 物流企画室長
物流はITと同じだ。全体を俯瞰することができないため個別最適に陥っている。このまま放置すれば破綻は明らかなのに、経営者はレガシーシステムの刷新を決断できない。解決策は内製化だ。デジタルと物流には企業の競争力がかかっている。外部に依存できるはずはない。
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【第3部】
日本のフィジカルインターネット推進政策
Interview フィジカルインターネットセンター 荒木 勉 代表理事 上智大学名誉教授
2022年6月、日本にフィジカルインターネットセンターが誕生した。ヤマトグループ総合研究所主催のフィジカルインターネット懇話会の活動と、SIPスマート物流サービスのプラットフォームを引き継ぎ、完全中立の立場で社会的な物流シェアリングを推進する。「究極のオープン」の実現を目指す。
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【第4部】物流・商流データ基盤 構築技術
四つの要素基礎技術と標準化・共通処理方式
個々に蓄積されている物流・商流データをつなぎ合わせ、サプライチェーンを構成する各社が共有して利活用できるデータ基盤を構築するには、安心してデータを提供でき、かつ便利に使えるものにする必要がある。富士通を研究責任者とするユニットでは、そのために非改ざん性の担保や個別データの抽出・変換など四つの要素基礎技術を開発した。
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地域物流
域内の中ロット貨物を適切に組み合わせて輸配送
データ基盤を活用した中ロット貨物パレット共同輸配送モデルを構築した。通常の貸切便運行モデルとの比較では幹線トラック積載率や幹線ドライバー拘束時間などで大幅な改善効果が得られた。早期運送依頼や日付猶予期間の活用といった各種調整機能によって、さらなる輸送効率の向上が期待できる。
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リテール
サプライチェーン全域を対象にデータ連携
川上から川下までのリテール業界サプライチェーン全域の企業が活用可能なデータ基盤を開発した。データ基盤を用いたメーカー荷主同士の共同配送マッチング、小売り共同物流を支援するデータ連携システム、サービスや事業者間を超えたシームレスな電子伝票送受信を実現するデータ連携サービスなどの社会実装を進めている。
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医療機器
自動認識技術で院外と院内の物流を効率化
自動認識技術を用いて各種医療機器の物流情報を一元管理するデータ基盤を構築した。これを活用して従来は各社それぞれが行っていた配送や保管の共同化やRFID検品の業務モデルを整備。メーカーとディーラー、病院などによる物流データ連携を実施することで、病院外と病院内双方の物流を効率化していく。
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医療材料
医療機関の積極参加で共同院外倉庫が実現
コロナ禍による医療材料の偏在や欠品の常態化は、物流データの一元管理の必要性を浮き彫りにした。もとより医療材料の物流は少量多頻度・短納期・高品質が求められ、効率化が欠かせない。帝人を中心とする研究ユニットはこの課題を解決するため、受発注と配送の情報を企業や病院が共有して共同配送を行う物流システムを構築した。1月から本格稼働している。
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アパレル
海外で店別梱包まで済ませ国内業務を削減
アパレル製品は流行や気候に需要が大きく左右される上に、海外生産比率の高さから物理的・時間的に長いサプライチェーンを構成せざるを得ないため、物流面では施設・人員の稼働率変動幅が大きく積載率が低い、非効率な状態を余儀なくされてきた。そこで、アパレル企業間で海外からの輸入・配送を共同化し、コストや作業負荷を軽減するビジネスモデルを試作した。
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横断的ビッグデータ利活用技術
日本にはサプライチェーンに関するビッグデータが存在せず、その有用性を示せないため、各企業がデータを公開するモチベーションが低かった。そこで、物流・商流データ基盤に蓄積されるデータを使用して六つの実証実験を実施。最適輸配送ルートや最少二酸化炭素排出ルートの提示に役立つことを確認した。
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【第5部】自動データ収集技術
Automagi
スマホで荷物の三辺や荷姿などを自動判別
佐川急便 Kyoto Robotics
荷物情報を取得しながら自動荷降ろし
日本パレットレンタル
ユニットロード単位で荷物情報を自動取得
グローリー
センター内の車両状態や荷役進捗をデータ化
ロジクエスト
配送需給可視化で待機中の運転手を活用
東レ
新型低コストRFIDの複数同時読取技術
山形大学
アナログ世代になじみやすい電子タグを開発
東京都市大学
棚卸し自動化のため廉価な棚アンテナを開発
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【第6部】海外論文
「サプライチェーン4.0」から「5.0」へ
“From Supply Chain 4.0 to Supply Chain 5.0:Findings from a Systematic Literature Review and Research Directions”
伯パラナ連邦大教授 Guilherme F.Frederico 教授ほか
ロボットが産業を支配するようになるという現在のパラダイムに抗う概念として「インダストリー5.0」が提唱されている。そこでは協働型ロボットが可能にする技術と人間のバランスのとれた環境が重視されて、製品とサービスのマスパーソナライゼーションによる付加価値が追求されることになる。
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Key Person |
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「SIP標準がサプライチェーンをつなぐ」
内閣府SIPスマート物流サービス プログラムディレクター
田中従雅 ヤマト運輸 執行役員 デジタル戦略推進部長
企業が情報を抱え込み、競争力の源泉にした時代は終わる。情報を広く共有すればそれよりはるかに大きな価値を生み出すことができる。需要と供給のコントロールが刷新されて、物流の平準化が実現する。「SIP物流標準ガイドライン」の策定はそのために越えなければならない最初の関門だった。
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Case Studies |
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ハウス食品〈情報システム〉
新SCMシステムを稼働して需給管理を刷新
NECのAI最適化プラットフォームを採用
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Columns |
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物流企業の値段《第179回》
姫野良太 JPモルガン証券 エグゼクティブディレクター
商船三井
株価は一時期コロナ直前比で3.8倍に上昇
LNG・海洋部門の安定利益積み上げに期待
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ロジスティクス長期戦略 NEXT10
《第4回》Sharing:共同化
物流リソース最適化へのロードマップ
対談 Hacobu 佐藤健次 執行役員CSO × EYストラテジー・アンド・コンサルティング 田岡 佑一郎 アソシエートパートナー
インターネットの仕組みと考え方を物流に応用する「フィジカルインターネット」がシェアリングのコンセプトとして世界的に注目されている。一方、日本では競合メーカー同士の物流を共同化する業界別プラットフォームの構築が進んでいる。二つの潮流はいずれ衝突するのか。それとも統合されるのか。
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ビジキャリ ロジスティクス管理2級 対策講座《第48回》
復習4 営業とロジスティクス
講師 梶田 ひかる
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フィジカルインターネット通信《第8回》
欧州の「デジタル×物流」専門家コミュニティ
野村総合研究所 水谷禎志 エキスパートコンサルタント
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トラサポ ダイアリー《第5回》
運送業開業までのとても長い道のり
行政書士 鈴木隆広 トラサポ代表
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海外トレンド報告
《欧米編》宇宙ロジスティクス視野にソーラーセイルを打ち上げ
《アジア編》京東物流、医療用酸素濃度計3万台を甘粛省に輸送
《アフリカ・中南米編》南ア貨物鉄道の保守めぐる中国中車との協議が座礁
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湯浅和夫の物流コンサル道場
《第250回》〜温故知新編 第131回〜
「持続可能な物流の実現に向けた検討会」
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物流指標を読む《第169回》
内航船員不足の主因は勤務体制か?
NX総合研究所 佐藤信洋
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国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告
LEMのまとめと今後の方向性2
ロジスティクスマネジメントの観点から
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佐高信のメディア批評
無謀な軍備拡張に湛山復権を強く願う
日本の独立と安全は軍隊では守れない
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Information |
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CLIP BOARD
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●2023年は運賃値上げ交渉が本格化、船井総研ロジが物流企業に戦略を指南
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●ブリヂストンとアセントロボティクスが物流など向け「柔らかい」ロボット開発で提携
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●米スタートアップAEyeのCEOらが日本の物流領域で高性能センサー活用促進を表明
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●デンマークのOnRobotが産業用ロボットの導入作業大幅短縮可能なコントローラー開発
●三井不動産と日鉄興和不動産が東京都内最大規模の物流施設を共同開発
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●GROUNDが物流向け自律型協働ロボットの新タイプを公開
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●JUIDA・鈴木理事長が2023年は「ドローン『レベル4』実現元年」目標と表明
●佐川などが東京・青梅でドローン配送の実証実験を公開
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●キリングループロジスティクス・安藤社長が2023年の事業計画説明
●日本GLPが千葉・流山で物流施設開発計画「アルファリンク」新たに2棟竣工
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DATA BANK
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●国土交通月例経済(国土交通省)
●デカルト・データマイン 海上コンテナ輸送量実績調査
賃貸物流施設マーケット動向(2022年第4四半期)
首都圏竣工時稼働率17年1Q以来の低水準
シービーアールイー
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主要記事索引
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編集後記 |
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111 |
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広告索引 |
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ロジビズ・オンライン ピックアップ(2023年1月〜2月配信分より) |