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2023年6月号 |
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Cover Story |
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特集 低温物流市場
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【第1部】
冷蔵倉庫の需給を軸に市場動向を展望する
日本経済研究所 河野瀬 功 コーポレートアドバイザリー本部 部長
国内の冷蔵保管能力は過去10年間で約25%拡大した。大手による寡占化が進んでいる。1底堅い保管需要、2施設の老朽化による建替需要、3ネットワーク再編という三つのトレンドから、コールドチェーンの維持・強化を目的とした冷蔵倉庫の新設投資は今後いっそう活発化していくことが予想される。
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【第2部】
低温物流の市場規模とカテゴリー別動向
矢野経済研究所 熊谷悠紀 生活・環境・サービス産業ユニット 研究員
物流事業者の売上高ベースで算定した日本の低温物流市場は、2019年度まで長期にわたり安定成長を続けてきた。コロナ禍の20年度は減少に転じたが、すぐに成長軌道に戻ると見ている。堅調な需要に加え、コスト増が市場を底上げする。その結果、23年度の市場規模はコロナ前を上回る1兆8千億円を見込む。
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【第3部】低温物流大手3社:トップインタビュー
ニチレイロジグループ本社 梅澤一彦 社長
「DXを加速して働き方改革の先に進む」
DXのグランドデザインを策定して5カ年の業務革新計画を完遂した。ペーパーレス化に始まったその取り組みはあらゆる領域に波及した。“誰でもできる化”とセンターの遠隔管理は物流の働き方を一変させた。続いて標準作業時間に基づく予実分析を実現して、物流業のビジネスモデルを刷新する。
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キユーソー流通システム 西尾秀明 社長
「お客さまと共にベストプライスを作り上げる」
BtoBビジネスは、顧客と共に競争力のある仕組みを作り上げ、顧客と共に成長していくものだ。荷主と物流企業、元請けと下請けの関係性はバランスを欠いている。これを正常化することで、物流は持続可能なものになる。荷主にベストプライスを提供できるようになる。
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C&Fロジホールディングス 綾 宏将 社長
「難しいコースほど自分たちの車を走らせる」
正社員約6千人の半数がドライバーだ。準社員などの正社員登用を進めて、地域配送だけでなく年間約1800本の幹線便も自社化した。2024年問題は長距離輸送が最も深刻な影響を受ける。難しい仕事は協力会社任せにせず、自分たちの手の内に置くことで、持続可能な物流の実現という期待に応える。
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【第4部】
大手食品卸の低温物流マーケティング
関東学院大学 木島豊希 経営学部 講師
食品卸の低温食品事業の売り上げは、日本アクセス、三菱食品、国分グループ本社の大手3社が他を引き離して急伸している。3社はその低温物流機能をマーケティングの武器にしている。いずれも物流インフラ整備を活発化させており、寡占化はさらに進むものと予想される。
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【第5部】花卉の流通における改正卸売市場法の影響
【解説】規制緩和が農産物流通の構造を変える
神奈川大学 寺嶋正尚 経済学部 教授
卸売市場法と食品流通構造改善促進法が2020年6月に改正された。卸売業による仲卸業の中抜き、仲卸業による卸売業の中抜きが、それぞれ解禁になった。物理的に市場を経由しない取引、いわゆる商物分離も認められた。農産物のサプライチェーンが大きく変わる可能性がある。
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ケーススタディ:大手仲卸の対応と経営展開
神奈川大学 寺嶋正尚 経済学部 教授
改正卸売市場法の施行により、仲卸業のビジネス環境は大きく様変わりした。各社は現状をどう捉え、今後の経営戦略をどう描いているのか。法改正前から独自の経営戦略を展開してきた秋田市の仲卸・みづきの大沢重己社長、世田谷市場のフローレツエンティワンの小池雅也社長に、それぞれインタビュー調査を実施した。
みづき
流通加工を武器に量販店向けを拡大
フローレツエンティワン
新たな価値を提案して需要を創造
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【第6部】物流不動産市場リポート:低温倉庫
【解説】マルチテナント型の開発競争が本格化
賃貸冷凍・冷蔵倉庫の開発が加速している。旧来の物件は老朽化が進み、国際的なフロン規制への対応も求められているためだ。冷凍食品の利用拡大なども需要を底上げしている。物流不動産デベロッパーとしては冷凍・冷蔵倉庫の開発を通して技術力をアピールしたい狙いもある。
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【Interview】霞ヶ関キャピタル 杉本 亮 副社長
「環境にも人にも優しい低温施設を開発する」
2020年に物流施設開発に参入。「LOGI FLAG」のブランドで展開し、環境負荷が低いノンフロンの冷凍冷蔵倉庫は首都圏で2件が竣工した。21年にはリース大手の三菱HCキャピタルと合弁会社を設立、3年間でトータル2千億円規模の開発計画を打ち出している。
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【第7部】ケースステディ
大日本印刷
フィリピンで小規模店舗向けの低温配送網
マニラでトライシクルドライバーなどによるコールドチェーンのラストワンマイル構築に取り組んでいる。電源不要の低温物流容器を使って小規模店舗などに冷凍品を配達する。2月に実証事業を行い手応えを得た。将来的にはドライバーと荷主のマッチングプラットフォームも整備していく構想だ。
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小野薬品工業
室温品の納品をGDP準拠の共同物流に転換
同業の田辺三菱製薬、塩野義製薬と共に、室温品の医薬品卸への納品を、GDPに準拠した国内初の共同物流に切り替えた。物流パートナーのエス・ディ・コラボが提案した。共同物流センターおよび卸への輸送もGDPに対応した低温車両で共同化した。保冷品は保冷ボックスを巡回利用する仕組みを運用している。
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キョクレイ
低温環境下で自動運転フォークリフトを本格運用
2021年に「本牧物流センター」を開設した。低温環境下で自動運転フォークリフトやAGVなどを運用している。出荷パレットを夜間に上層階から出荷階へと自動で搬送する。昼間の時間帯はパレット自動倉庫からの出庫作業などの一部工程で自動運転フォークリフト活用を試みている。
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コールドストレージ・ジャパン
コンテナ型冷蔵庫で低温物流網の穴を埋める
大型冷蔵倉庫などの設置が困難だった離島や過疎地、発展途上国にもコールドチェーンを広めるため、低コストで小ロットの荷に適したコンテナハウス型冷蔵・冷凍倉庫を開発した。建築基準法に対応した設計な上、HACCP認証も取得している。2020年にはルワンダで合弁会社を設立し、途上国市場の開拓にも乗り出した。
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JALカーゴサービス
成田空港隣接の卸売市場でワンストップ輸出物流
海外に輸出する生鮮品の集荷、輸出手続き、航空コンテナ積み付けを、成田空港に隣接する卸売市場内で完結させることで、着地までのリードタイムを1日短縮した。日本食材の輸出力を向上することで、空港周辺の農水産業の振興に貢献する新たな価値の創出を目指す。
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全農物流
首都圏初の3温度帯センターで外販にも対応
冷凍・冷蔵・低温の機能を持つ3温度帯対応の倉庫を首都圏で初めて埼玉県久喜市に開設した。JAグループの農畜産物を保管・出荷する役割を担うのに加え、今後もニーズが伸びていくことが見込まれる冷凍・チルド品の取り扱いを強化する。「食の安定供給」への貢献を目指す。
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【第8部】
米Lineage ─ 設立8年で世界最大手に
米経済ニュース局CNBCが毎年発表している「破壊的企業50社(Disruptor50)」に3年連続で低温物流会社が上位にランクインしている。米Lineage Logisticsだ。低温倉庫効率化のハイテクを独自開発し評価されている。同社はREITの手法で資金を調達、低温倉庫を次々に手中に収め、2011年の設立からわずか8年で世界最大手に躍り出た。
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【第9部】海外論文
中国におけるコールドチェーン産業の発展
“Overview of cold chain development in China and methods of studying its environmental impacts”
米ミシガン州立大 Yabin Dong氏ほか
中国におけるコールドチェーンのキャパシティは劇的に拡大している。2010年には5400万立方メートルだった冷蔵倉庫の保管能力は、18年には1億立方メートルを超え、米国、インドに次ぐ規模となった。国内の冷蔵車両台数も約18万台に達した。しかし、国民1人当たりのリソースとしてはいまだに貧弱であり、市場には課題が多い。
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Key Person |
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「メーカーに物流の新たな選択肢を示す」
日本アクセス 宇佐美 文俊 取締役専務執行役員 ロジスティクス管掌
全国6カ所に大規模な在庫型拠点を設置して、冷凍食品の一貫パレチゼーションを実現する「冷凍マザーセンター構想」を進めている。食品卸最大手であると同時に年商約2千億円の食品3PLとしての顔も持つ同社が、メーカー物流の新たな選択肢を提示している。これに反応して従来の物流体制を見直すメーカーが相次いでいる。
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Case Studies |
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パルシステム〈自動化〉
総額130億円投じて生鮮品セット作業を刷新
出荷頻度に合わせた三つの集品方式で効率化
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Columns |
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物流企業の値段《第182回》
金井健司 東海東京調査センター アナリスト
トランコム
業界別の物流プラットフォームを整備
幹線輸送の国内シェア拡大を本格化
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ビジキャリ ロジスティクス管理2級 対策講座《第51回》
復習7 物流子会社と3PL
講師 梶田 ひかる
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フィジカルインターネット通信《第11回》
世界中のPI研究者が横浜に勢揃い
野村総合研究所 水谷禎志 エキスパートコンサルタント
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トラサポ ダイアリー《第8回》
軽乗用車に続いて普通車も“一人親方”?
行政書士 鈴木隆広 トラサポ代表
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海外トレンド報告
《欧米編》Euroconsult、地球周回軌道上ロジスティクス市場の予測を発表
《アジア編》海運ブロックチェーンGSBN、サウジ企業と貿易ペーパーレス化
《アフリカ・中南米編》Woye Transport、エチオピア物流の課題を考察
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湯浅和夫の物流コンサル道場
《第253回》〜温故知新編 第134回〜
運送業の多重下請け構造が焦点に
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物流指標を読む《第172回》
ドライバー数、年間1万人減少の可能性
NX総合研究所 佐藤信洋
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国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告
装品備等の後方支援における
デジタルモデリングの活用
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佐高信のメディア批評
今や創価学会の守護神と化した佐藤優
“言論封殺魔”のやりたい放題に呆れる
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Information |
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CLIP BOARD
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●山九が30億円余り投じて関西最大級の危険物倉庫を堺泉北港で稼働
●会計ルール変更草案でリース取引を資産計上へ
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●「第4回関西物流展」に最新の自動倉庫やAGFの新機種がお目見え
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●ブリヂストンの「ソフトロボティクス」開発記(後編)
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●Shippioが物流DX促進のオンラインカンファレンスを初開催(後編)
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●ニチレイロジグループ本社が2022年度の事業報告会
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●大和ハウス工業が千葉・流山で大規模物流施設開発プロジェクトを完了
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●三井不動産が物流施設開発事業の方針を公表
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●ヤマトホールディングスが宅配ドライバーの職務変革へ
●NXHDが過去最大規模の海外企業M&A公表
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DATA BANK
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●国土交通月例経済(国土交通省)
●デカルト・データマイン 海上コンテナ輸送量実績調査
賃貸物流施設マーケット動向(2023年第1四半期)
首都圏では大量供給で空室率が8.2%に上昇
シービーアールイー
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主要記事索引
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110 |
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編集後記 |
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広告索引 |
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ロジビズ・オンライン ピックアップ(2023年4〜5月配信分より) |