ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
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2023年7月号

    2023年7月号
     
      Cover Story
   


特集 倉庫の見える化


 

 

14

 

【第1部】

 

投資のいらない現場改善で「定時に帰ろう」

ロジスティクス・サポート&パートナーズ 吉原和彦 社長
 センター運営業務を初めて受託した。地元のチェーンストアがそれまで自社運営していた専用センターを引き継いだ。慎重を期して当初の1年間は、従来の運営方法をそのまま踏襲した。そのおかげで、残業の常態化という悪弊まで引き継ぐことに。物流コンサルタントも加わり改善に乗り出した。

 

 

 

19

 

【第2部】

 

生産性のバラツキを可視化して平準化する

ロジスティクス・サポート&パートナーズ 石橋岳人 常務取締役
 生産性は平均値を見るだけでは不十分だ。日別、作業員別などの生産性のバラツキを分析して、それを平等化する改善策を打つことで、初めて見える化は効果を発揮する。さらに生産性のデータを現場のコミュニケーションツールにすることで、継続的な改善が可能になる。

 

 

 

23

 

【第3部】オペレーションの見える化ツール

 

KURANDO 「ロジメーター」

超入門:データを使って現場の効率を上げる
KURANDO 岡澤一弘 社長

 荷主から「物流現場のデータを出してほしい」と要請されることが増えている。IT関連サービスのコストダウンに端を発して大手荷主から始まったデータ分析の取り組みが中堅中小にも広がっている。「知らない、やらない」ではもう済まされない。倉庫におけるデータ活用の「超入門」をまとめた。

 

28

 

NX総合研究所 「ろじたん」

汎用センターの荷主別採算を管理する
NX総合研究所 菰田有里 コンサルタント

 複数の荷主が同居する汎用物流拠点の採算管理はどんぶり勘定になりがちだ。荷主別に費用を仕分けることが難しいためだ。とりわけ荷役費は、庫内作業員一人一人の業務内容を見える化しないと荷主別の業務負荷を測定できない。NX総合研究所の倉庫作業分析ツール「ろじたん」を利用してそれを実施した。

 

32

 

東京海洋大 麻生研究室 「作業プローブシステム」

庫内作業の“大変さ”をスマホで計測する
東京海洋大学 麻生敏正 准教授

 作業員が身につけるスマートフォンにアプリをインストールするだけで、庫内作業の“大変さ”を可視化するツールを開発した。スマホの加速度センサーとジャイロセンサーで歩行や作業姿勢を計測する。既に10年以上にわたり運用ノウハウを積み上げている。2020年には特許も取得した。

 

 

 

36

 

【第4部】ケースステディ

 

ワコール流通

3D画像で庫内の動きをシミュレーション
 3Dシミュレーションソフトを導入、実際に棚や設備を動さなくても、レイアウト変更による動線の変化や作業パフォーマンスを見えるようにした。生産性の向上や自動化投資の最適化が実現した。シミュレーション結果をスタッフ間で共有することで、現場の意見交換も活発になった。

 

38

 

東京青果

バース予約時に積み荷の内容や量を登録
 消費者向けの総合予約サイト「EPARK」をトラックのバース予約システムとして利用している。予約時に積み荷の商品や量をドライバーに登録してもらう。荷物の到着が事前に把握できるようになり現場の効率化に弾みがついた。監視カメラで荷動きや動線も可視化、AIを活用したロケーションの最適化や場内渋滞の解消にも取り組んでいる。

 

40

 

SBSロジコム

リアルタイムの作業進捗を拠点全体で共有
 基幹拠点でリアルタイム作業進捗照会システムを運用している。管理者が詳細な情報をPCなどで確認するだけでなく、庫内スタッフも現場に設置された大型モニターで各エリアの進捗を正確に把握できる。業務の標準化と直接雇用スタッフによる運営体制を背景に、機動的な人員配置を実現している。

 

42

 

アルプス物流

「物流個性」を体系化して作業指示を自動化
 電子部品の流通加工は作業の種類が数百種類もある。製品や納入先ごとにラベルの貼り方や納品書の入れ方などの指定が異なっているからだ。これを「物流個性」と呼んで体系化。それぞれの作業の注意事項をデータベースに登録して、出荷指示書に記載する仕組みを運用している。

 

44

 

ロジスティード

部品加工の進捗まで可視化して納期を守る
 サプライチェーン最適化サービス「SCDOS」を荷主100社以上に適用している。保守部品を加工して出荷しているセンターでは、WMSでは把握できない生産の進捗まで把握する仕組みを作った。見える化の解像度が上がり、納期の遅れやイレギュラーへの対応力が向上した。

 

46

 

清長

4段階の可視化でパートの早期退職率を半減
 荷主別の作業手順や作業時間の計画値・実績値などを可視化して、荷主と庫内スタッフの双方と情報を共有することで、パートの定着率を向上し、荷主の高い契約継続率を維持している。パートの早期離職を予防するため、業務内容の標準化と現場教育・指導の高度化に取り組んだことがその出発点だった。

 

48

 

エスプールロジスティクス

独自の分析ダッシュボードでEC事業者を支援
 倉庫情報をベースにした独自の分析ダッシュボード「Synapse(シナプス)」で、EC事業者の売り上げ拡大を支援している。日々の損益計算にはKURANDOの「ロジメーター」を活用している。二つの可視化ツールの相乗効果でEC物流事業の成長を加速させる。

 

 

 

50

 

【第5部】

 

事例で学ぶWMS導入プロジェクトの進め方

クニエ ロジスティクス担当

長屋知紗/福地広和/塩谷 萌/中村早希
 WMSパッケージはベストプラクティスに基づいて設計されている。現行業務をパッケージに合わせて見直すことで標準化が実現する。他のシステムや設備との連携も容易になる。WMSの開発/導入支援で実績豊富なクニエのロジスティクス担当が、WMS導入プロジェクトの進め方とポイントを解説する。

 

 

 

56

 

【第6部】

 

プラント系製造業における調達物流のDX

シーオス 松島 聡 代表、今井義徳 執行役員
 原材料を取り扱う調達物流の実務は、完成品の物流よりもずっと複雑で属人化している。システム化も遅れている。WMSを導入して製造実行システム(MES)と連携させることで管理を高度化できる。ただし、必要なデータを正しい粒度で保持していることが前提だ。回り道のようでもデータ整備に着手することが改革の第一歩となる。

 

 

 

59

 

【第7部】海外論文

 

スマート倉庫:その原理、課題、方向性
“Smart Warehouses:Rationale, Challenges and Solution Directions”

蘭ヴァーヘニンゲン大 Maarten van Gees氏ほか

 従来型の倉庫から「インダストリー4.0」に対応したスマートウエアハウスに移行していく戦略を検討する。その導入目的、機能と特徴、RFIDをはじめとする構成テクノロジーを整理して、現状の課題を明らかにするとともに、期待される解決策の方向性について考察する。

 

        Key Person
 
4
 

「開発競争は既に自動化の先に進んでいる」

GROUND 宮田啓友 社長

 物流の自動化ではアマゾンが独走した。しかし、最前線の競争は既に次のステージ「最適化」に移っている。先端技術の詰まった物流センターを効果的に運用するには、施設全体を統合管理するオペレーションシステム(OS)が必要だ。そのために先進企業は着々と駒を進めている。

 

        Case Studies
 
66
 

アイシン〈DX〉

内製のロボットやシステムで物流を革新

コスト、CO2、物流従事者の半減目指す


  70  
DesignFuture Japan〈自動化〉

無償の建材サンプルをウェブで受注・発送

米製AMR導入し「超ロングテール」実現


        Columns
 
74
 

物流企業の値段
《第183回》

甲斐 友美子 いちよし経済研究所 主任研究員

丸全昭和運輸

メーカー物流を軸に9期連続で最高益更新
今後は情報活用型物流事業への変革を推進

 

  76  

ビジキャリ ロジスティクス管理2級 対策講座《第52回》

復習8 ロジスティクス・リスク管理(その1)

講師 梶田 ひかる

 

  79  
フィジカルインターネット通信《第12回》

打ち手が分かる! トラック待機時間把握法

野村総合研究所 水谷禎志 エキスパートコンサルタント

  80  
トラサポ ダイアリー《第9回》

運送業「役員法令試験セミナー」の苦い経験

行政書士 鈴木隆広 トラサポ代表

  82
 
海外トレンド報告

《欧米編》ÖBBとウクライナ鉄道が8月にも、ウィーンとキーウ間で貨物便開始
《アジア編》中国政府、宇宙貨物輸送の民間ビジネス化視野に輸送機公募

《アフリカ・中南米編》メキシコから米国へ、貨物輸送での密入国問題が再燃


  86
 
NEWS ROOM

政府が物流革新に向けた政策パッケージ案


  92  
湯浅和夫の物流コンサル道場

《第254回》〜温故知新編 第135回〜

「物流革新 政策パッケージ」を読む

 

  96  
物流指標を読む《第173回》

K字型回復が食料品・飲料需要を下押し?

NX総合研究所 佐藤信洋


  98  

国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告

業務プロセス改革とAPQCモデル

 

  102  
佐高信のメディア批評

JR東日本や日本航空にやらっれぱなし

メディアはなぜ公共交通機関に弱いのか

 

        Information
 

 

 

CLIP BOARD

 
64
 

プラスカーゴサービスが「配送トラッキング検品システム」を開発

 

 
65
 

ロジテムエージェンシーが物流現場の安全対策に「剥がれない床サイン」を提案

 

 
73
 

安全運行サポーター協議会が新改善基準告示を受け交通安全セミナー開催

 

 
81
 

ESRが川崎で完成の超大型物流施設を公開

 

 
85
 

日本GLPが神奈川・相模原で巨大物流施設開発計画「アルファリンク」竣工

 

 
101
 

山九が決算会見で海外の事業拡大に意欲表明

三井不動産が千葉・船橋のEC自動化物流センターを公開

 

 

 

 

DATA BANK

 
103
 

国土交通月例経済(国土交通省)

デカルト・データマイン 海上コンテナ輸送量実績調査

〜物流施設の賃貸マーケットに関する調査〜

東京圏は新規供給が続く一方で需給ギャップが拡大

一五不動産情報サービス

 

 

108

 

主要記事索引

  112   編集後記
  113   広告索引
  113   ロジビズ・オンライン ピックアップ(2023年5〜6月配信分より)

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