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2004年8月号

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    2004年 8月号
     

特集 物流子会社のM&A

 

1


Key Person 安田隆二 一橋大学大学院 教授
「子会社を改革できない親会社は沈む」

 親会社・日産自動車の持ち株を子会社の経営陣が買い取るMBO(マネジメント・バイ・アウト)で独立を果たしたバンテック。この買収劇を経営コンサルタントとしてサポートした企業再生のスペシャリストに、日本企業のリストラクチャリングの現状と課題を尋ねた。

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解説 ゴーンに捨てられた会社たち
 ゴーン改革で独立を余儀なくされた2つの物流子会社が順調に業績を伸ばしている。株式公開も秒読み段階に入り、企業価値は急上昇している。物流子会社に独立資金を提供する未公開株ファンドの投資意欲も旺盛だ。それでも後に続く目指す物流子会社は出てこない。

 

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Case Study エスビーエス&雪印物流
独立系の有力定温物流会社が誕生

 雪印乳業の物流子会社を買収したのを機に、軽トラベンチャーのエスビーエスは定温物流事業に本格参入する。これまで同分野で幅を利かせてきたのは食品メーカー系の物流子会社だった。雪印の看板を外した独立系定温物流会社であることを武器に、共同配送事業などを展開していく。

 
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Case Study アルプス物流&TDK物流
電子部品物流のプラットフォームを目指す

  今年10月、アルプス物流を存続会社に合併する。両社の配送先は9割以上が重複しており、拠点の統廃合などを進めることでコスト競争力を高めるのが狙いだ。今後は親会社など顧客企業の進出に合わせて、海外への拠点展開も積極化していく。

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Case Study 丸全昭和運輸&スマイルライン(ライオン)
子会社受け入れで元請けの座を狙う

  今年7月、丸全昭和運輸は長年付き合いのあるライオンの孫会社にあたる「スマイルライン」を買収した。丸全昭和は2年前にも昭和電工の物流子会社を引き受けた。ここ数年で物流子会社の買収を積極化している。一連の買収劇は荷主との結びつきを深めるのが目的だという。

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Interview バンテック 奥野信亮 会長兼CEO
「MBOしなければ当社は消えていた」

 

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Interview ゼロ(旧・日産陸送) 岩下世志 社長
「上場利益で物流子会社の買収を進める」

  17  

Interview アルプス物流 安間洋一 社長
「競合しない相手だからうまくいく」

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Interview 富士物流 中尾靖博 社長
「主体性にこだわり“脱”物流子会社」

 今年3月、富士電機ホールディングスが保有していた富士物流の52%の株式のうち、26%が豊田自動織機に売却された。これにより資本上は、物流子会社から、持分法による関連会社へと変わった。「物流子会社という機能はなくなる」(本誌2001年6月号参照)と言い続けてきた中尾靖博社長に“脱”物流子会社の考え方を聞いた。

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寄稿 物流子会社のブランディング
菊池隆 ヴィブランド・コンサルティング 副社長

 物流子会社にとって親会社の冠はどのような意味を持つのか。ブランディングの視点からそれを理解し、自らの将来ビジョンを明確化することで、物流子会社の進むべき道が見えてくる。

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寄稿 物流子会社のブランディング
菊池隆 ヴィブランド・コンサルティング 副社長

  物流子会社にとって親会社の冠はどのような意味を持つのか。ブランディングの視点からそれを理解し、自らの将来ビジョンを明確化することで、物流子会社の進むべき道が見えてくる。

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連載 ロジスティクス経営講義 ――多摩大学大学院CLOコース
物流子会社にとっての3PL

水嶋康雅 多摩大学大学院 教授
 物流の本質に対する認識の低い荷主企業の物流子会社が、3PL事業に成功することはあり得ない。3PLの導入は単なる物流業務の外注ではない。荷主企業にとって3PLは、経営判断に基づくリソースの再配分を意味している。

     
 
34
ソニーグループ 〈オペレーション改革〉
DCM導入へ製・販・物のITを統合
中間在庫を持たず販売店へ製品直送

 
40
ヤマト運輸 〈環境対策〉
ハイブリッド集配車の導入を本格化
2012年までに2万台購入する舞台裏

 
46
物流企業の値段《特別編》
2004年3月期
物流企業決算ランキング

     
  66
米CLM報告
「中国における3PL企業の台頭」《上》
――中国のロジスティクスの現状と課題
ジェラルド・チャウ ブリティッシュ・コロンビア大学 助教授
チャールズ・グウェン・ワング
中国開発研究所 ロジスティクス・マネジメント・センター 主任
ロバート・ヤング・ジュン・ウィー
チャイナ・マーチャント・ロジスティクス・グループ
チーフ・マーケティング・ディレクター


 
54


現地報告 拡大EUのSCM
日系自動車メーカーの補修用部品管理
トヨタ自動車/マツダ/本田技研工業

 
74


事例で学ぶ現場改善《第20回》
経営破綻したK物流の再生
青木正一 日本ロジファクトリー 代表

 
78


やらまいか! 物流通業
――ハマキョウ流・運送屋繁盛記
《第17回》
運送会社の再建請負人
大須賀正孝 ハマキョウレックス 社長

 
58


湯浅和夫の物流コンサル道場《第28回》〜サロン編〜
物流サービスとコストの関係

 
82
The International Society of Logistics
国際ロジスティクス学会[SOLE]報告

 
64
奥村宏の判断学《第26回》
「『帝国論』をどう判断するか」

 
63
佐高信のメディア批評
せせこましくなった“大政党”と竹中平蔵
中立・公正を理由に色を排除するメディア

 
 

83

 

国土交通省 月例経済報告
国土交通省 普通倉庫21社統計
日本冷蔵倉庫協会 主要12都市受寄物庫腹利用状況


 
 

CLIP BOARD

 
33

●標準化モデル「SCOR」の入門書を一般公開
 
――サプライチェーンカウンシル(SCC)日本支部

 
57

●「.NET」を基盤とする新世代WMSを発表
 
――フレームワークス

 
57

●勝呂隆男氏の「APIM 」を活用した
 適正在庫水準の算出ソフトを開発
 
――TSCコンサルティング

 
93
広告索引
 
92
編集後記
 
86
主要記事索引

PDFバックナンバー

[ CLM報告 ] 中国における3PL企業の台頭 2004年8月号
本論文は二〇〇三年一〇月に米CLM年次総会で発表された。急速 に変わり続ける中国では、ロジスティクスもまた日進月歩で変化してい る。その意味で本稿の情報は最新のものではないが、米国から中国の物 流事情がどのように見えているかを窺える興味深い資料だ。今月から何 度かに分けて全訳を掲載する。
[ keyperson ] 安田隆二 一橋大学大学院 教授 2004年8月号
親会社・日産自動車の持ち株を子会社の経営陣が買い取るM BO(マネジメント・バイ・アウト)で独立を果たしたバンテ ック。この買収劇を経営コンサルタントとしてサポートした企 業再生のスペシャリストに、日本企業のリストラクチャリング の現状と課題を尋ねた。
[ SOLE ] SOLE報告 2004年8月号
SOLE東京支部では毎月「フォーラム」を開催し、ロジスティクス 技術、ロジスティクスマネジメントに関する活発な意見交換、議論 を行い、会員相互の啓発に努めている。 前回のフォーラムは6月18日に開催され、日本能率協会コンサルテ ィングの経営能力開発インストラクター、田中良知氏の講演「日 用・雑貨品業界の流通」を聴いた。以下、講演の概要を紹介する。
[ CLIP ] 標準化モデル「SCOR」の入門書を一般公開 2004年8月号
七月十二日、サプライチェーン カウンシル(SCC)日本支部が、 サプライチェーンのプロセスを記 述するための標準化モデル「SC O R : Supply Chain Operations Reference Model 」の入門解説書を 同 支 部 の ホ ー ム ペ ー ジ 上 ( h t t p : / / w w w . s u p p l y - chain.gr.jp/ )で一般に公開した。
[ CLIP ] 「.NET」を基盤とする新世代WMSを発表 2004年8月号
倉庫管理システム大手のフレームワー クスはこのほど、「.NET 」(ドットネッ ト)で開発されたWMS「Logistics Station iWMS ○ R LEX (以下LEX)」を、 二○○四年一〇月一日より正式販売す ると発表した。
[ ケース ] ソニーグループ――オペレーション改革 2004年8月号
ソニーグループは、エレクトロニクス製 品の分野でDCM(デマンドチェーン・マネ ジメント)を本格導入するため、販売・製 造・物流の情報システムを統合した。販売 店の実売情報をもとに需要予測を行い、中 間在庫を持たずに市場へ製品を供給する体 制への移行を進める。これにより140億円 のコスト削減と国内在庫の3割圧縮を狙う。
[ ケース ] ヤマト運輸――環境対策 2004年8月号
低公害車の主役争いが混沌としてきた。 陸運業界では近年、NOxやPMの排ガス規 制に対応するため、天然ガス自動車(CNG 車)の導入が急増している。ところが昨秋、 ヤマト運輸が2012年までにハイブリッド集 配車を2万台導入すると発表。ハイブリッ ドへの注目度が一気に高まった。
[ データ ] 国土交通省 月例経済報告 2004年8月号
概要はありません
[ メディア批評 ] せせこましくなった?大政党〞と竹中平蔵 中立・公正を理由に色を排除するメディア 2004年8月号
六月二八日の選挙演説で、竹中平蔵は、 「この三年間で気付いたのは、この日本には 人の悪口だけ言い、人の批判だけして飯を食 っている人間がたくさんいるということだ」 と吠えたらしい。 竹中から見れば、私も「人の批判だけして 飯をくっている人間」の一人かもしれないが、 竹中というスピッツは逆に「人を持ち上げて 飯を食っている人間」である。俗にこれをヨ イショ屋という。いや、竹中の場合は番犬に もならぬ?ヨイショ犬〞である。
[ やらまいか ] 運送会社の再建請負人 2004年8月号
「何とかしてもらえないか」――そういってオレのところに 助けを求めてくる運送屋の社長さんが最近、増えてきている。 景気は回復基調にあるというのに、なぜか赤字続きで会社が 火の車なのだそうだ。治療は簡単だ。収支日計表の導入でど んぶり勘定を改めればいい。
[ 経営講義 ] 物流子会社にとっての3PL 2004年8月号
物流の本質に対する認識の低い荷主企業の物流子会社が、3P L事業に成功することはあり得ない。3PLの導入は単なる物流 業務の外注ではない。荷主企業にとって3PLは、経営判断に基 づくリソースの再配分を意味している。
[ 判断学 ] 帝国論』をどう判断するか 2004年8月号
イラク戦争以来“帝国”議論が特に盛んだが、解明のカギは企業や経済のグ ローバリゼーションにある。アメリカ帝国はこのまま支配を続けるのか、ある いは別の帝国が出現するのか、日本の将来はそこにかかっている。
[ 道場 ] 物流サービスとコストの関係 2004年8月号
「私は何をすべきなのでしょうか?」 今日の相談者は新任の物流部長だ お盆休みを直前に控えたある日の午後、大先生 の事務所に二人連れの相談者がやってきた。その 日の午前中に電話で「二人で行ってもよろしいで しょうか。その場合、料金はどうなるのでしょう か?」という問い合わせが入ったのに対し、女史が 「何人でもどうぞ。料金は変わりませんから」と返 事をした案件である。
[ 特集 ] 物流子会社のM&A ゴーンに捨てられた会社たち 2004年8月号
ゴーン改革で独立を余儀なくされた2つの物流子会社が 順調に業績を伸ばしている。株式公開も秒読み段階に入り、 企業価値は急上昇している。物流子会社に独立資金を提供 する未公開株ファンドの投資意欲も旺盛だ。それでも後に 続く目指す物流子会社は出てこない。
[ 特集 ] 物流子会社のM&A エスビーエス&雪印物流 2004年8月号
雪印乳業の物流子会社を買収したのを機に、軽トラベンチャ ーのエスビーエスは定温物流事業に本格参入する。これまで同分 野で幅を利かせてきたのは食品メーカー系の物流子会社だった。 雪印の看板を外した独立系定温物流会社であることを武器に、共 同配送事業などを展開していく
[ 特集 ] 物流子会社のM&A アルプス物流&TDK物流 2004年8月号
今年10月、アルプス物流を存続会社に合併する。両社の 配送先は9割以上が重複しており、拠点の統廃合などを進 めることでコスト競争力を高めるのが狙いだ。今後は親会 社など顧客企業の進出に合わせて、海外への拠点展開も積 極化していく。
[ 特集 ] 物流子会社のM&A 丸全昭和運輸&スマイルライン 2004年8月号
今年7月、丸全昭和運輸は長年付き合いのあるライオンの 孫会社にあたる「スマイルライン」を買収した。丸全昭和は2 年前にも昭和電工の物流子会社を引き受けた。ここ数年で物 流子会社の買収を積極化している。一連の買収劇は荷主との 結びつきを深めるのが目的だという。
[ 特集 ] 物流子会社のM&A 主体性にこだわり“脱”物流子会社 2004年8月号
今年3月、富士電機ホールディングスが保有していた富士物流 の52%の株式のうち、26%が豊田自動織機に売却された。これ により資本上は、物流子会社から、持分法による関連会社へと 変わった。「物流子会社という機能はなくなる」(本誌2001年6月 号参照)と言い続けてきた中尾靖博社長に“脱”物流子会社の 考え方を聞いた。
[ 特集 ] 物流子会社のM&A 物流子会社のブランディング 2004年8月号
物流子会社にとって親会社の冠はどのような意味を持つのか。 ブランディングの視点からそれを理解し、自らの将来ビジョンを 明確化することで、物流子会社の進むべき道が見えてくる。
[ 特別レポート ] 拡大EUのSCM 2004年8月号
動車メーカーのサプライチェーンにも大きな変化が現れて いる。域内貿易の自由化と通貨の統合によって、これまで のように国別に在庫を分散させる必要はなくなった。欧州 全体をひとつの市場に見立てたネットワークの構築が可能 になってきている。
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