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2004年 5月号 |
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特集
ICタグは使えない
ICタグ“バブル”の勢いが止まらない。しかし、実証実験が進むにつれ明らかになってきたのは、その可能性よりもむしろ実用化の限界のほうだ。行き過ぎた期待は裏切られると必要以上の反動を招く。ロジスティクスの実務家は事実を冷静に評価する必要がある。
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10
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第1部
経済波及効果17兆円は絵空事
全てのモノの動きを自動的に把握する究極のSCMシステムがICタグによって可能になる。その結果、とてつもない経済波及効果が生まれる。その規模は最大31兆円、最低でも9兆円――総務省はそう試算している。しかし、予測は“皮算用”に終わる公算が大きい。
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14
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第2部
導入効果を得られない理由
米ウォルマート、英テスコといった欧米の流通大手が相次いでICタグの実用化に踏み切る。最大の狙いは「シュリンケージ」。流通過程での盗難や万引きによる損害の防止だ。これまでロスが大きかった分、投資効果も期待できる。しかし、日本の場合は全く事情が異なる。
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第3部
バブルに釘刺す現場からの報告
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18
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日本航空 改善点多く本格導入見送り
輸入貨物の荷捌きスピード向上を狙い、ICタグの実証実験に踏み切った。しかしタグの読み取り精度が低いといった問題に直面。その結果、導入は時期尚早との判断を下した。今後は技術の進歩を待ちながら、引き続き導入の可能性を探っていくという。
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20 |
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成田空港 タグありきの実証実験
「手ぶら旅行」の実証実験にICタグが使用されている。タグには荷物検査の結果などが書き込まれている。国土交通省が音頭をとり、システムベンダーなど約20社が参画する大規模プロジェクトだが、実験参加者からは「わざわざ高価なICタグを使用する意図が分からない」といった声も上がっている。
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22 |
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JR貨物 コンテナの所在を一元管理
貨物駅の広い構内で目的のコンテナを探し出すのに苦労していた。今年1月から東京を皮切りに、全国のコンテナ駅を対象にICタグを活用した位置管理システムの導入を進めている。それによって荷役作業のスピードアップを目指している。
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24 |
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住金物産 タグの技術に作業を合わせる
中国の縫製工場から日本の店頭までを結ぶサプライチェーンの効率化を目指している。物流センターでの検品作業のツールとしてICタグに着目した。昨年度の基礎実験で手応えを掴み、今年度はICタグの活用領域をさらに拡げて実験を行う。来年度には本格導入も計画しているという。
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26 |
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第4部
物流マン100人はこう考える
本誌緊急調査「ICタグと、どう向き合うか」
日本のロジスティクスの実務家たちは現在のブームをどのように受け止め、ICタグと、どう向き合おうとしているのか。それを探るため、本誌はこのたび電子メールによるアンケート調査を行った。260人にメールを送付し、118人から回答を得た。その結果を報告する。
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30 |
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資 料
物流分野ビジネスモデル特許一覧
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32
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サントリー
〈SCM〉
トップダウンのSCMで在庫を半減
本音はブームに便乗した風土改革
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旭化成ホームズ
〈調達物流〉
センター経由で部材をJIT調達
梱包資材のリターナブル化も推進
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物流企業の値段《第2回》
商船三井
一柳 創 大和総研 アナリスト
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1 |
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KEY PERSON
木村 剛 KFi 社長
「ビジネスモデルにダマされるな」
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80 |
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FOCUS
道路公団改革が頓挫した理由
ジャーナリスト 吉池 威
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74 |
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米CLM報告
拡大EUがもたらす
ロジスティクス業界の発展と課題
――ポーランドを中心に
W. ルイツコフスキー教授
グダニスク大学 交通政策学科
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68 |
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事例で学ぶ現場改善《第17回》
パート主導でセンター業務を改善
吉原和彦 日本ロジファクトリー 取締役
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60
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やらまいか! 物流通業
――ハマキョウ流・運送屋繁盛記《第14回》
子供の頃からアイデアマン
大須賀正孝 ハマキョウレックス 社長
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52
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講座 SCMの常識――改革の現場から《最終回》
【理論編】SCMを取り巻く環境変化と今後の展開
【実践編】強者の連鎖
講師
理論編 草島孝之 ベリングポイント ディレクター
実践編 杉山成正 ベリングポイント ディレクター
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84
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The International
Society of Logistics
国際ロジスティクス学会[SOLE]報告
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50
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奥村宏の判断学《第24回》
「名門カネボウの落日」
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49
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佐高信のメディア批評
『週刊文春』出版差し止め事件の波紋
言論の自由を再認識させる立花論文
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44
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湯浅和夫の物流コンサル道場《第25回》
〜卸売業編 最終回〜
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僕は新米ピッカー《第4回》
―元・物流記者の現場潜入ルポ
「不運が重なり水泡に帰した“出世”」
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国土交通省 月例経済報告
国土交通省 普通倉庫21社統計
日本冷蔵倉庫協会 主要12都市受寄物庫腹利用状況
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CLIP BOARD
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59
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●WMSのEXEを買収しロジ分野に本腰
――SSAグローバル
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73
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●「ヤマトとはフォーカスが違っていた」
日本法人発足で米UPS幹部が会見 |
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83
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●元副社長が語るウォルマートの物流
戦略研究セミナーを開催 |
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83
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●「リサイクルと物流」に関する講演会を開催
――実践ロジスティクス研究会
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95
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広告索引 |
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94
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編集後記 |
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88
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主要記事索引 |
[ CLM報告 ]
拡大EUがもたらす ロジスティクス業界の発展と課題
2004年5月号
今年、新たにハンガリーやポーランドなど一〇カ国がEUに新規加盟する。
これに伴い新旧加盟国間の物流は確実に増加する。同時にロジスティクス企
業同士の国際競争が激化するのも必至だ。具体的に各国のロジスティクス事
業者はどのような影響を受けるのか。ポーランドを中心に検証する。
[ FOCUS ]
道路公団改革が頓挫した理由
2004年5月号
道路公団改革法案が今国会で可決・成立する見通しだ。民営化後
も採算を無視した道路建設は続き、公団が抱える四〇兆円に上る負債
のうち返済できなかった分は国民が税金で負担することになりそうだ。
小泉首相が公約に掲げた改革が、骨抜きに終わった理由はなぜか。
[ keyperson ]
木村 剛 KFi 社長
2004年5月号
完璧なはずのビジネスモデルが実際には上手くいかない。それが
経営の現実だ。成功したとされるビジネスモデルも、紆余曲折と試
行錯誤の末にたどりついた結果を後から説明しているだけに過ぎな
い。会社を成功に導くのは、緻密なビジネスモデルや気の利いた戦
略などではなく、経営者の?はらわた〞だ。
[ SCMの常識 ]
SCMを取り巻く環境変化と今後の展開
2004年5月号
今回は「SCMの常識」と題して過去十二回
にわたって解説してきた連載の総括です。SC
Mの概要に始まり、評価指標や需給調整の同期
化、グローバル・ロジスティクス、SCMのイ
ンフラと、前回までの解説でSCMに関する全
般的かつ実践的な話題を提供できたと考えてい
ます。
[ SOLE ]
SOLE報告
2004年5月号
SOLE東京支部では毎月「フォーラム」を開催し、ロジスティクス
技術、ロジスティクスマネジメントに関する活発な意見交換、議論
を行い、会員相互の啓発に努めている。
前回のフォーラムは3月23日に開催し、社団法人日本ロジスティ
クスシステム協会(JILS)の浜崎章洋氏による講演「SCMロジステ
ィクス・スコアカードを活用したロジスティクス成熟度と経営成果
の実証研究」を行った。以下、講演の概要を紹介する。
[ CLIP ]
WMSのEXEを買収しロジ分野に本腰
2004年5月号
製造業向け業務管理ソフト大手の
SSAグローバル(本社・米シカゴ)
がロジスティクス分野に本腰をいれ
ている。八一年に創業した同社は設
立以来、ERPソフト(統合業務パ
ッケージ)を販売してきた。だが世
界規模の業界再編が進むなかで単独
での勝ち残りは難しいと判断。近年
は積極的なM&Aを進めてきた。
[ CLIP ]
「ヤマトとはフォーカスが違っていた」日本法人発足で米UPS幹部が会見
2004年5月号
世界最大の物流企業である米国U
PSの一〇〇%出資子会社で、国際
エクスプレス輸送を手掛ける「UPS
ジャパン」が四月一日、営業を開始
した。それに伴い三月下旬、UPS
本体の国際部門責任者であるデイビ
ッド・アブニーUPSインターナショ
ナル社長、アジア太平洋地区を統括
するケネス・A・トロックUPSアジ
ア太平洋地区社長が来日。ジェーム
ス・R・オーウェンスUPSジャパン
社長らとともに記者会見に臨んだ。
[ CLIP ]
元副社長が語るウォルマートの物流 戦略研究セミナーを開催
2004年5月号
売上高二八兆円を誇る世界最大の
小売業である米国ウォルマート。物
流マンなら一度は同社の先進的な物
流システムが解説されているという
触れ込みの書物を手にしたことがあ
るのではないか。とはいえ、世に溢
れる「ウォルマート本」は期待外れ
のものばかり。しかしそれもそのは
ずだ。ウォルマートの社内では、ロ
ジスティクス戦略の詳細を外部の人
間に漏らすことが固く禁じられてい
るのだから。
[ ケース ]
サントリー――SCM
2004年5月号
2000年にサプライチェーン・マネジメン
ト(SCM)の導入に着手した。IT偏重に陥
ることなく、SCMブームを巧みに利用しな
がら企業風土の刷新を図った。トップダウ
ンの推進プロジェクトと、工夫を凝らした
社内の啓蒙活動が奏功して、99年からの4年
間で商品在庫の半減に成功した。
[ ケース ]
旭化成ホームズ――調達物流
2004年5月号
旭化成ホームズが調達物流システムの構
築を進めている。内装部材メーカーなどの
取引先に施工現場へ個別に搬入してもらっ
ていた従来の方法を見直し、自ら物流セン
ター経由でタイムリーに調達するように変
える。コスト削減や品質向上などが狙いだ。
2005年の秋までに全面稼動を目指す。
[ データ ]
国土交通省 月例経済報告
2004年5月号
概要はありません
[ メディア批評 ]
『週刊文春』出版差し止め事件の波紋 言論の自由を再認識させる立花論文
2004年5月号
『週刊文春』四月二日号の出版差し止め事件
について、筑紫哲也が『週刊金曜日』四月二
日号にちょっとちがったアングルからの情報
を書いている。一般にこれは「?宿敵〞田中眞
紀子を搦め手から攻めようとした文春側に対
し、眞紀子側も長女の告訴という?代理戦争〞
で応じた」と見られているが、少し違うとい
うのである。
[ やらまいか ]
子供の頃からアイデアマン
2004年5月号
最近の若い連中にはハングリー精神が足りない。中には骨
のあるヤツもいるが、大半はソフトで女性っぽい感じだ。何
ひとつ不自由しない世の中だから、そうなってきたのかな。
仕事に対してハングリーになれない社員が増えているんじゃ
ないかって心配になる。昔はオレも含めてギラギラしている
ヤツが多かったが……。
[ 現場改善 ]
パート主導でセンター業務を改善
2004年5月号
全国七カ所に分散していた物流センターを東西二カ所に集約。商物分離と物
流の効率アップを実現した。しかし、輸送距離が伸びた分、納品リードタイムに
は課題が生じた。パート・契約社員の主導による改善活動によって、センター内
業務の処理時間短縮に挑んだ。改善に対する動機付けを工夫することで大きな
効果をあげることができた。
[ 新米ピッカー ]
不運が重なり水泡に帰した“出世”
2004年5月号
辛いピッキングを抜け出してインバウンドへと
“昇進”するチャンスは、ある日突然めぐってき
た。しかも働きはじめてわずか2カ月という短期
間で。しかし、アルバイト期間中で最大のチャン
スは、無情にも掌から砂がこぼれ落ちるように逃
げていった。
[ 値段 ]
商船三井
2004年5月号
八五年のプラザ合意以降、業績低迷に苦しんできた海運業界が勢い
を取り戻しつつある。中国を中心とした世界的な海運需要の拡大や市
況の高騰などを背景にここ数年、日系海運各社の業績は堅調に推移し
ている。今回は株式市場での評価が急上昇中の商船三井の動向を、大
和総研の一柳創アナリストが解説する。
[ 道場 ]
卸売業編・最終回
2004年5月号
「おもしろい発見がありました」
社長が合宿研修の秘話を披露した
初夏のような陽射しが降りそそぐ五月のある日、
大先生は問屋の社長室にいた。社長から「先生に
お会いしたいので、事務所に伺います」という要請
があったのを、「天気がいいから、こっちから行こ
う」と言って一人で出かけてきたのである。弟子た
ちは出張中だ。「おれも行けばよかった」と女史に
愚図っていたとき、ちょうど社長から電話が入った
のである。
[ 判断学 ]
名門カネボウの落日
2004年5月号
破綻したカネボウを国家が救うことは小泉首相の構造改革路線に逆行する。
しかも産業再生機構にカネボウを再建するだけの経営能力があるとも思えない。
必然性なき国家管理は、日本資本主義の悲劇なのだろうか。
[ 特集 ]
ICタグは使えない 経済波及効果17兆円は絵空事
2004年5月号
全てのモノの動きを自動的に把握する究極のSCMシ
ステムがICタグによって可能になる。その結果、とてつ
もない経済波及効果が生まれる。その規模は最大31兆円、
最低でも9兆円――総務省はそう試算している。しかし、
予測は“皮算用”に終わる公算が大きい。
[ 特集 ]
ICタグは使えない 導入効果を得られない理由
2004年5月号
米ウォルマート、英テスコといった欧米の流通大手が相次
いでICタグの実用化に踏み切る。最大の狙いは「シュリンケ
ージ」。流通過程での盗難や万引きによる損害の防止だ。これ
までロスが大きかった分、投資効果も期待できる。しかし、日
本の場合は全く事情が異なる。
[ 特集 ]
ICタグは使えない 成田空港──タグありきの実証実験
2004年5月号
「手ぶら旅行」の実証実験にICタグが使用されている。タグに
は荷物検査の結果などが書き込まれている。国土交通省が音頭
をとり、システムベンダーなど約20社が参画する大規模プロジェ
クトだが、実験参加者からは「わざわざ高価なICタグを使用する
意図が分からない」といった声も上がっている。
[ 特集 ]
ICタグは使えない 日本航空──改善点多く本格導入は見送り
2004年5月号
輸入貨物の荷捌きスピード向上を狙い、ICタグの実証
実験に踏み切った。しかしタグの読み取り精度が低いとい
った問題に直面。その結果、導入は時期尚早との判断を
下した。今後は技術の進歩を待ちながら、引き続き導入
の可能性を探っていくという。
[ 特集 ]
ICタグは使えない JR貨物──コンテナの所在を一元管理
2004年5月号
貨物駅の広い構内で目的のコンテナを探し出すのに苦労して
いた。今年1月から東京を皮切りに、全国のコンテナ駅を対象
にICタグを活用した位置管理システムの導入を進めている。そ
れによって荷役作業のスピードアップを目指している。
[ 特集 ]
ICタグは使えない 住金物産──タグの技術に作業を合わせる
2004年5月号
中国の縫製工場から日本の店頭までを結ぶサプライチェー
ンの効率化を目指している。物流センターでの検品作業のツ
ールとしてICタグに着目した。昨年度の基礎実験で手応えを
掴み、今年度はICタグの活用領域をさらに拡げて実験を行う。
来年度には本格導入も計画しているという。
[ 特集 ]
ICタグは使えない 物流マン100人はこう考える
2004年5月号
日本のロジスティクスの実務家たちは現在のブームをどの
ように受け止め、ICタグと、どう向き合おうとしているのか。
それを探るため、本誌はこのたび電子メールによるアンケー
ト調査を行った。260人にメールを送付し、118人から回答
を得た。その結果を報告する。
[ 特集 ]
ICタグは使えない 住金物産──物流分野ビジネスモデル特許一覧
2004年5月号
概要はありません