ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
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2005年12月号

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    2005年12月号
     

特集 欧米先進事例の真実

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解 説 本当に日本より進んでいるのか?
 欧米先進企業のロジスティクスは本当に日本企業より優れているのか。今やテクノロジーには大きな違いは見られない。オペレーションの処理能力や精度はむしろ日本のほうが上だ。闇雲に欧米を手本とするのではなく、その利点だけを吸収して日本型モデルの革新を目指せ。

 


■■米国レポート■■

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特別寄稿
クラフトフーヅ&ウォルマートに見る
米国ICタグ活用の最新動向
味の素ゼネラルフーヅ 川島孝夫 前常勤監査役

 ICタグに関する情報が錯綜している。米ウォルマートが進める導入実験の話ばかりが流布され、すぐにでも実用化されそうに感じている日本人が少なくない。しかし、その認識は誤りだ。日用消費財のサプライチェーンにICタグが普及するまでには、最短でも今後5、6年はかかる。 

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Interview 米国ロジスティクスIT市場の現状
ARCアドバイザリーグループ スティーブ・バンカー SCM担当サービスディレクター
 米国のロジスティクスIT市場は既に成熟している。新分野として期待されているRFID市場も現状では期待されたほど成長していない。既にRFIDの導入に踏み切った製造業者でも、その効果には懐疑的で、今後5年以内に投資に見合う効果が得られようになるとは考えにくい状況にある。


  20  

現地報告
運賃高騰とインフラ破綻で大混乱
再構築迫られるサプライチェーン

 
原油価格高騰の影響で中小零細のトラック運送会社が相次いで倒産。輸送力の確保が困難な状況に陥るとともに、運賃上昇が続いている。中国を中心としたアジアからの輸入貨物の受け皿であるロサンゼルス港はパンク寸前だが、インフラの拡張は一向に進まない――。米CSCMPの年次総会や現地企業の取材を通じて、米国のサプライチェーンが崩壊の危機に瀕している実態が浮き彫りとなった。

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CSCMP報告2005 なぜECRは失敗したのか?
マーク・ハラン 元クラフトフーヅ シニア バイスプレジデント
 
米国で92年に始まったECR(効率的な消費者対応)の取り組みは、グロサリー市場におけるSCM手法としてその後、全世界に普及した。しかし、ECRの当初の目的だった従来型スーパーマーケットのテコ入れは失敗に終わった。その理由を、ECR合同ワーキンググループの初代副議長が分析する。

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連 載 国際物流の基礎知識《第9回》
ロス港大混雑の元凶とは
森隆行 商船三井 営業調査室 主任研究員
 
2004年秋、米国西岸のロサンゼルス・ロングビーチ両港では、バースに着岸できずに沖待ちする船舶が数十隻に達するなど大混乱に陥りました。その結果、西岸で陸揚げして中西部などに配送するコンテナ貨物は平均で10日以上も遅れました。混雑化の原因は何だったのでしょうか? そして今年はこの問題をきちんと解消できているのでしょうか?

   

■■欧州レポート■■

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KEYPERSON「独ポスト参画後にはアジア開拓に本腰」
英エクセル ジョン・パタロ 欧州・中東・アフリカ地区担当CEO
 ドイツポストによる買収話が浮上し、欧米のロジスティクス業界の注目を集めているのがイギリスの大手3PL業者エクセルだ。この話がまとまれば、世界最大のロジスティクス企業が誕生する。エクセルのナンバー2であるジョン・パタロ氏に、同社の競争優位性や買収話の今後の行方などを訊ねた。

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寄 稿 伊・電力機器メーカーのAPS導入事例
BTicino社 フランチェスカ・コンパニョーニ プランニング改善責任者ほか
 イタリアのミラノに本社を置く電力機器メーカーのBTicino社は、APS(Advanced Planning System=先進的スケジューリング)という手法を使って、これまで週単位だった部材の在庫管理を1日単位に見直すことで、在庫の大幅削減に成功した。本稿では、同社が従来型の生産計画からAPSへと移行しながら、どのようにサプライチェーンの最適化を実現しようとしているのかを紹介する。

  37  

連 載 海外トレンド報告【Report】
仏・文具通販リレコの自社物流戦略

 北フランスに本社を置くリレコは、文具・オフィス用品のカタログ通販業者で、ヨーロッパ最大手だ。契約した法人顧客に対して、午後六時までに注文を受けた商品を二四時間以内に送料無料で届けている。すでに日本を含めた二一カ国に進出済みの同社が、同業他社との差異化の柱としているのは、自社戦力による物流体制だという。

   

■■ニュース&トレンド■■

  46  

連 載
海外トレンド報告 【News】欧米編・中国編

  88  

連 載
The International Society of Logistics
国際ロジスティクス学会[SOLE]報告

     
 
50
日立物流&日本郵政公社〈業務提携〉
共同営業で5企業の3PL案件を受注
異なる思惑で動く強者連合の2年半

 
54
日本郵政公社〈国際物流〉
国際市場への本格進出をにらみ
アライアンスと拠点整備を加速

 
58
ニコン〈拠点統合〉
物流を刷新し販社との在庫一元化へ
デジタル製品の需要変動に迅速対応

     
 
40


新連載
日本―米国
ロジスティクス大学院体験記 〜サワコとユキの往復書簡〜

私たちが大学院に通うワケ
 米国と日本のロジスティクス大学院に通う20代の女性2人に出会いました。ロジスティクス分野でのキャリアアップを目指している彼女たちは現在、どのようなキャンパスライフを送っているのでしょうか。そもそも彼女たちがロジスティクスに興味を持つようになったきっかけとは何だったのでしょうか。2人のメールのやり取りを少しだけ覗かせてもらうことにしました。

 
63


事例で学ぶ現場改善《第35回》
地場運送会社S社の事業継承
青木正一 日本ロジファクトリー 代表

 
74


【日本の流通】進化のゆくえ《第15回》
台頭するショッピングセンター
プリモ・リサーチ・ジャパン 鈴木孝之 代表

 
66


湯浅和夫の物流コンサル道場《第44回》
〜ロジスティクス編 第3回〜

 
82


SCM時代の新しい管理会計《第9回》
欠品による損失の計算
梶田ひかる アビーム コンサルティング 製造事業部 マネージャー

 
86


ロジビズ「再」入門―マネジメント編《第8回》
小売業のロジスティクス戦略

 
72
奥村宏の判断学《第43回》
「楽天のTBS乗取りは成功するか」

 
71
佐高信のメディア批評
創価学会の内幕に踏み込んだ韓国メディア
本部の発言と違って世界各地で政治に関与

 
 

89

 

国土交通省 月例経済報告
国土交通省 普通倉庫21社統計
日本冷蔵倉庫協会 主要12都市受寄物庫腹利用状況

 
 
99
広告索引
 
98
編集後記
 
92
主要記事索引

PDFバックナンバー

[ keyperson ] 英エクセルジョン・パタロ 欧州・中東・アフリカ地区担当CEO 2005年12月号
ドイツポストによる買収話が浮上し、欧米のロジスティクス業界の 注目を集めているのがイギリスの大手3PL業者エクセルだ。この話 がまとまれば、世界最大のロジスティクス企業が誕生する。エクセル のナンバー2であるジョン・パタロ氏に、同社の競争優位性や買収話 の今後の行方などを訊ねた
[ news欧州 ] 海外トレンド報告News 2005年12月号
米UPS 加州に部品用センターを稼働 同社プレスリリース 10 ・4 UPSは、カリフォルニア州南部の ミラ・ラマに七六万五〇〇〇平方フィ ート(六万八八五〇平方メートル)の 物流センターを稼働した。同時に、同 地区で二つ目となる物流センターの建 設にも着手した。二つ目のセンターの 延べ床面積は四〇万平方フィート(三 万六〇〇〇平方メートル)で、二〇 〇六年の上期に完成する予定。
[ SOLE ] SOLE報告 2005年12月号
SOLE東京支部では毎月「フォーラム」を開催し、ロジスティク ス技術やロジスティクス・マネジメントに関する活発な意見交換、 議論を行い、会員相互の啓発に努めています。 このコーナーでは通常、毎月開催しているフォーラム活動の内容 を紹介しています。しかし、10月の集まりのテーマはSOLE東京支 部の総会でした。よって今回は、フォーラム活動についてではなく、 SOLE日本支部のこれからの計画や考え方について説明させていた だきます。
[ ケース ] 日立物流&日本郵政公社――業務提携 2005年12月号
日立物流と日本郵政公社が業務提携を 発表してから2年半が経過した。3PLの 経験と、郵便の配送ネットワークを組み 合わせて営業活動を進めてきた。これま での成約実績は5件。郵政民営化が決定 したことで、両者のノウハウの交流は、 日本のロジスティクス市場を左右しかね ない重要な意味を持ちはじめた。
[ ケース ] 日本郵政公社――国際物流 2005年12月号
民営化法の成立で国際物流事業への 進出が可能になった。これを受けて10 月下旬にANAやTNTと戦略的提携を 締結した。その一方で国際物流の受け 皿となる拠点の整備にも乗り出してい る。2年後の民営化を前に、将来の成 長が見込まれる国際物流市場の開拓に 向けた準備に本腰を入れ始めた。
[ ケース ] ニコン――拠点統合 2005年12月号
今年8月、横浜にカメラ製品のロジス ティクスセンターを稼働し、販社を含め た国内の物流拠点を統合した。デジタル 化に伴う事業環境の急激な変化を背景に、 市場への迅速な対応とコスト削減の両立 をめざして物流体制を一新した。今後は、 メーカーと販社の在庫を一元化するなど して20億円の在庫削減を狙う。
[ データ ] 国土交通省 月例経済報告 2005年12月号
概要はありません
[ メディア批評 ] 創価学会の内幕に踏み込んだ韓国メディア 本部の発言と違って世界各地で政治に関与 2005年12月号
日本のメディアで、創価学会についてこれ ほど踏み込んだ報道をすることはできないだ ろう。わずかに『週刊新潮』や『週刊現代』 などの週刊誌、そして、月二回刊の『フォー ラム 21 』が学会の内幕を暴露している程度だ が、一〇月一五日号の『フォーラム 21 』が韓 国SBSテレビが八月二七日に「韓国SGI (創価学会インターナショナル)」の検証番組 をやったと伝える。これに対しては反発も強 く、放送中に同局の電話は主に抗議で鳴りっ 放しだったという。
[ ロジビズ再入門 ] 小売業のロジスティクス戦略 2005年12月号
ロジスティクスをはじめとしたバックヤード 機能はベンダーに任せ、自らは店舗開発に特 化するのが、かつては日本の小売業の基本的 なスタンスだった。それが九〇年代以降、一 変した。自社専用の物流センターを建設し、店 頭を起点としたサプライチェーンの再編に乗り 出すチェーンストアが後を絶たない。
[ 海外トレンド報告 ] 仏・文具通販リレコの自社物流戦略 2005年12月号
北フランスに本社を置くリレコは、文具・オフィス用品のカタログ 通販業者で、ヨーロッパ最大手だ。契約した法人顧客に対して、午後 六時までに注文を受けた商品を二四時間以内に送料無料で届けている。 すでに日本を含めた二一カ国に進出済みの同社が、同業他社との差異 化の柱としているのは、自社戦力による物流体制だという。
[ 管理会計 ] 欠品による損失の計算 2005年12月号
在庫を減らせば欠品が増えると考えるのは間違いだ。多くの企業 が、在庫削減と欠品率の低減を両立させている。在庫削減の施策の 判断にも、欠品率の低減による効果を加えることで、より改革を推 進させることができる。
[ 軽トラ入門 ] 元警察官僚から学んだ役人操縦法 2005年12月号
配車係として務めていたタクシー会社のオーナー社長 は、とんでもない人物だったが、それでもお金はたっぷ り持っていた。どうやらタクシー会社は儲かるようだ。 どうやったらタクシー会社を開業できるのか、とりあえ ず役人に聞きに行くことにした。役人との交渉術は警察 官僚だった祖父が教えてくれた。
[ 現場改善 ] 地場運送会社S社の事業継承 2005年12月号
年商四億円の運送会社を家業として親から継承したN専務。生 き残りのために事業領域を流通倉庫に拡大し、年商一〇億円を 目指して舵を切ろうと考えた。しかし実父の創業社長と、取り巻 きの古参社員は、昔ながらのやり方を変えようとしない。突破口 が必要だった。
[ 国際物流の基礎知識 ] ロス港大混雑の元凶とは 2005年12月号
二〇〇四年秋、米国西岸のロサンゼルス・ ロングビーチ両港では、バースに着岸できず に沖待ちする船舶が数十隻に達するなど大混 乱に陥りました。その結果、西岸で陸揚げし て中西部などに配送するコンテナ貨物は平均 で一〇日以上も遅れました。混雑化の原因は 何だったのでしょうか? そして今年はこの 問題をきちんと解消できているのでしょう か?
[ 進化のゆくえ ] 台頭するショッピングセンター 2005年12月号
究極の大型商業施設であるショッピングセンター(SC)の開発が相 次いで進められている。SCは市街地の商店街などに甚大な影響を及ぼ し、物流と人流を一変させる。法的に規制しようとする動きも出てきた。 今後の流通の方向性を見極めるうえで注視する必要がある。
[ 大学院体験記 ] 私たちが大学院に通うワケ 2005年12月号
米国と日本のロジスティクス大学院に通う20代の女性2人に 出会いました。ロジスティクス分野でのキャリアアップを目指 している彼女たちは現在、どのようなキャンパスライフを送って いるのでしょうか。そもそも彼女たちがロジスティクスに興味を 持つようになったきっかけとは何だったのでしょうか。2人のメ ールのやり取りを少しだけ覗かせてもらうことにしました。
[ 道場 ] ロジスティクス編・第3回 2005年12月号
「支店で何を聞くつもり?」 物流部長は返答に窮してしまった 初冬の日差しが柔らかく降りそそぐ大先生の事 務所。喫煙場所と決めた会議机の窓側に陣取って、 大先生がたばこをくゆらせながら本を読んでいる。 パソコンに入力する音がスタッフルームから響い てくるだけで、所内は穏やかな空気に包まれてい る。
[ 判断学 ] 楽天のTBS乗取りは成功するか 2005年12月号
ライブドアVSフジテレビは、結局フジ側が買占め株を引き取るという形 で決着した。しかし今回の楽天によるTBSの乗取りは事態が泥沼化する可能 性がある。楽天とTBS、それぞれが抱える弱点とは何か。
[ 特集 ] 欧米先進事例の真実 本当に日本より進んでいるのか? 2005年12月号
欧米先進企業のロジスティクスは本当に日本企業より 優れているのか。今やテクノロジーには大きな違いは見ら れない。オペレーションの処理能力や精度はむしろ日本の ほうが上だ。闇雲に欧米を手本とするのではなく、その利 点だけを吸収して日本型モデルの革新を目指せ。
[ 特集 ] 欧米先進事例の真実 米国ICタグ活用の最新動向 2005年12月号
ICタグに関する情報が錯綜している。米ウォルマート が進める導入実験の話ばかりが流布され、すぐにでも実 用化されそうに感じている日本人が少なくない。しかし、 その認識は誤りだ。日用消費財のサプライチェーンにIC タグが普及するまでには、最短でも今後5、6年はかかる。
[ 特集 ] 欧米先進事例の真実 米国ロジスティクスIT市場の現状 2005年12月号
米国のロジスティクスIT市場は既に成熟している。新分野 として期待されているRFID市場も現状では期待されたほど成 長していない。既にRFIDの導入に踏み切った製造業者でも、 その効果には懐疑的で、今後5年以内に投資に見合う効果が 得られようになるとは考えにくい状況にある。
[ 特集 ] 欧米先進事例の真実 運賃高騰とインフラ破綻で大混乱 再構築迫られるサプライチェーン 2005年12月号
原油価格高騰の影響で中小零細のトラック運送会社が相 次いで倒産。輸送力の確保が困難な状況に陥るとともに、運 賃上昇が続いている。中国を中心としたアジアからの輸入貨 物の受け皿であるロサンゼルス港はパンク寸前だが、インフ ラの拡張は一向に進まない――。米CSCMPの年次総会や現 地企業の取材を通じて、米国のサプライチェーンが崩壊の危 機に瀕している実態が浮き彫りとなった。
[ 特集 ] 欧米先進事例の真実 なぜECRは失敗したのか? 2005年12月号
米国で92年に始まったECR(効率的な消費者対応)の取 り組みは、グロサリー市場におけるSCM手法としてその後、 全世界に普及した。しかし、ECRの当初の目的だった従来型 スーパーマーケットのテコ入れは失敗に終わった。その理由 を、ECR合同ワーキンググループの初代副議長が分析する。
[ 特集 ] 欧米先進事例の真実 伊・電力機器メーカーのAPS導入事例 2005年12月号
イタリアのミラノに本社を置く電力機器メーカーの BTicino社は、APS(Advanced Planning System= 先進的スケジューリング)という手法を使って、これ まで週単位だった部材の在庫管理を1日単位に見直す ことで、在庫の大幅削減に成功した。本稿では、同社 が従来型の生産計画からAPSへと移行しながら、どの ようにサプライチェーンの最適化を実現しようとして いるのかを紹介する。
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