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2003年 10月号 |
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特集
共同物流の実践
物流を共同化すればトータルコストは劇的に下げられる。誰もが分かっているにも関わらず、その実現はこれまで容易ではなかった。しかし今日、物流ITの進化とSCMの普及が、共同物流を実現する全く新しいアプローチを可能にしようとしている。
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第1部 共同化事業の成功モデルを探る
キユーソー流通システム/プラネット物流/大成建設
物流業者主導の同業種共配が台頭している。トラック1台を貸し切るのに満たない中ロット以下の貨物輸送は、これまで特別積み合わせ便が担ってきた。それが共配の普及によって業界別に再編されようとしている。特積みと共配では、果たす役割は似ていてもビジネスモデルは全く異なっている。
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Interview 山本博巳 日立物流 社長
「3PLの新しいアプローチに挑む」
日立物流が共同物流事業に本腰を入れる。ただし、そのアプローチは従来の定石とは全く逆だ。先にインフラを用意して広く利用を促すのではなく、3PLのクライアントに対し、共同物流というオプションを提案。そこから出発して必要なハードを組織するという展開を目論んでいる。
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Interview 佐藤知正 札幌通運 常務取締役
「路線便事業のモデルは通用しない」
路線便は荷物を出す側の視点からシステムが構築されている。これに対して、共同配送には荷物を受ける側の意向が強く反映される。路線便のバリエーションとして共配をとらえてはならない。安易な共配の事業化は必ず失敗する。
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第2部 荷主が描く業界プラットフォーム
自動車・二輪車業界/鉄鋼業界/出版業界
業界の大手同士が手を結ぶ物流共同化が相次いでいる。企業を取り巻く経営環境の悪化がこれを後押ししている。しかし、計画通りに実施できているケースは稀だ。業界の慣習や勢力図を上手く料理することができた場合にのみ道は拓ける。
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Case Study サッポロビール
同業種共配の上手な進め方
酒類メーカーとの共配を運営しているサッポロビールは、事前調査の方法から実際に共同配送を稼働するまでの手順を4つのステップに分けてマニュアル化している。そのノウハウを紹介する。
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Case Study クリナップ&理想科学工業
生産革新から始まった異業種共配
20年近く前から、異業種40数社による共同輸送プロジェクトを実施してきた。しかし、この中で現在まで参加し続けている企業は事実上、クリナップと理想科学工業の2社に過ぎなかった。両社は昨年、インターネット利用の配車管理システムを構築した。再び参加企業を増やすことによって、異業種共配の成功を拡大しようとしている。
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第3部 行政主導のエリア共配を検証
Case Study 岐路を迎えた福岡・天神共配
福岡・天神地区の共同配送が再び、曲がり角に差し掛かっている。事業の黒字転換には成功したものの、取扱貨物量は96年をピークに減少傾向に転じている。長引く不況の影響でプロジェクトに参加する特積みトラック業者たちの足並みが乱れてきたことが原因だ。
Case Study 秋葉原共同物流の実現可能性
秋葉原電気街のど真ん中に共同物流センターを用意し、そこから各店舗に商品を供給するムム。国土交通省が二〇〇四年度に実証実験を予定している新たな共同配送プロジェクトの青写真だ。舞台の中心となるのは日本通運の旧本社ビル。今年9月、具体的な検討がいよいよ始まった。
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三菱電機〈エコ物流〉
環境を切り口に物流改善を本格化
目標は3年間でCO2排出量2割減
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ナスステンレス〈組織改革〉
投資ファンドの選んだプロ経営者が
企業再建かけてロジスティクス改革
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トラボックス〈情報システム〉
ITバブルを乗り越えた求車求貨サイト
有料化スタート後も会員数の拡大続く
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特別座談会 日本郵政公社の成長戦略
大部修司 日本郵政公社 経営企画部門 物流・国際部長
北見聡 野村証券 公共法人部 課長
司会 本誌編集長 大矢昌浩
日本郵政公社が事業の再構築を急いでいる。今年四月の公社化を契機として、民間宅配便会社に足元を浸食され続けてきた過去と決別。企業向け物流の強化によるシェアの巻き返しに本腰を入れ始めた。宅配便市場では2005年度までに、現在の倍近い、シェア10%を目指すという。果たして勝算はあるのか。
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連載 事例で学ぶ現場改善《第10回》
地域酒類卸H社の配送網刷新
中根治 日本ロジファクトリー 取締役
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講座 SCMの常識ーー改革の現場から《第5回》
【理論編】 需要と供給の同期化・
【実践編】 悪魔のサイクル
講師 杉山成正 ベリングポイント ディレクター
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やらまいか!物流通業――ハマキョウ流・運送屋繁盛記《第7回》
「口説き文句を間違えるな」
大須賀正孝 ハマキョウレックス 社長
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CLO実践録《第11回》
次はドライとチルドの物流統合
川島孝夫 味の素ゼネラルフーヅ 常勤監査役
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The International Society of Logistics
国際ロジスティクス学会[SOLE]報告
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奥村宏の判断学《第17回》
「歴史に学ぶ 過剰資本の整理」
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佐高信のメディア批評
「米国で指折りの“政商”的企業ベクテル
ビジネスを通じて見るイラク戦争の真実」
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国土交通省 月例経済報告
国土交通省 普通倉庫21社統計
日本冷蔵倉庫協会 主要12都市受寄物庫腹利用状況
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広告索引 |
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CLIP BOARD
●イラク三都市でサービスを開始
フェデラル エクスプレス
●東証一部上場で事業再編に拍車をかける
近鉄エクスプレス
●《書評》物流ABCは在庫管理には使わない/ムダの発見に使ってこそ真価を発揮 |
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編集後記
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主要記事索引
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[ CLO ]
次はドライとチルドの物流統合
2003年10月号
ロジスティクスの最適化は、自社の
どの製品が、どこで売れるかを考える
ことから始まる。その意味でCLO
(ロジスティクス最高責任者)は、自
社のマーケティング戦略を理解してい
なければならない。今回は、日本にお
ける食品の販売チャネルが、今後どの
ように変化していくかを考察する。
[ SCMの常識 ]
需要と供給の同期化?
2003年10月号
今回から、いよいよ具体的なサプライチェ
ーン業務プロセスの設計の進め方について考
えていきます。
設計のステップはおおよそ以下の通りとな
ります。
サプライチェーン診断
?課題の抽出
?改革テーマの決定
?To
―Be業務プロセスの設計
?効果の検証
?To
―Be業務プロセス実現の障害の検討
?実現のための組織の設計
?マネジメントシステムの設計
?情報システムの設計
[ SOLE ]
SOLE報告
2003年10月号
SOLE東京支部では「RAMS研究会」を開催し、米国防総省(DoD)
の調達管理プロセスの研究を行っている。だが今回は夏休みのため、
代わりに最近見聞したロジスティクスに関する話を紹介したい。
筆者は今年7月、インドシナ戦争、ベトナム戦争の戦跡を訪問する
ツアー(ベトナム大縦断戦跡巡りの旅)に参加し、インドシナ戦争最
終段階の大激戦地ディエンビエンフー、フエのDMZ(非武装地帯)、
ホーチミン(旧サイゴン)などを見学してきた。このツアーを通じて、
ロジスティクスの観点から感じた事柄をいくつか取り上げてみたい。
以下は、ツアーの解説者(吉田修氏)、現地ガイドの話、資料(「歴
史群像」)などを参考にまとめた。
[ CLIP ]
イラク三都市でサービスを開始フェデラル エクスプレス
2003年10月号
エクスプレス(フェデックス)
はこのほど、イラクの首都バグダ
ッド、南部の都市バスラ、北部に
位置するモスルとそれら近郊地区
で国際航空貨物輸送サービスを
開始した。
[ CLIP ]
東証一部上場で事業再編に拍車をかける近鉄エクスプレス
2003年10月号
近鉄エクスプレス(KWE)は
九月一日付けで、東京証券取引所
より上場株券の市場第一部銘柄指
定を受けた。近鉄エクスプレスは
二〇〇〇年九月にナスダック・ジ
ャパンに株式を公開。二〇〇二年
五月に東証二部に市場を鞍替えし
た。その後、一年四カ月で一部へ
の上場を果たした。近鉄グループ
で東証一部に上場するのは同社が
五社目。九月一七日現在、同社の
株価は一九〇〇円前後で取引され
ている。
[ ケース ]
三菱電機―― エコ物流
2003年10月号
三菱電機が、今後3年間で製品輸送用車両
のCO2排出量を20%削減し、包装材使用量を
10%削減するという環境負荷低減に取り組ん
でいる。目標の達成に向けて、車両台数の削
減を図るべく主要物流拠点でのクロスドッキ
ングを強化し、家電と重電など物流特性の異
なる製品の輸配送を一本化していく。またリ
ターナブル容器の利用拡大にも取り組む。
[ ケース ]
ナスステンレス―― 組織改革
2003年10月号
親会社の経営危機にともない投資ファンド
に売却された。受注生産に近い製品を主に扱
っているにもかかわらず、なぜか大量の在庫
を抱えていた。投資ファンドから企業再生を
委ねられたプロ経営者は、オペレーションの
競争力強化のためロジスティクス部門を新設。
ロジスティクスの責任者を社外から招いて企
業改革を進めている。
[ ケース ]
トラボックス―― 情報システム
2003年10月号
運送屋の二代目が立ち上げた求車求貨サイ
ト。事業の縮小・撤退を余儀なくされている
ライバルたちを尻目に、順調に会員数を伸ば
している。「運送業界の特性を知り尽くし、痒
いところに手が届くサービス」の提供でユー
ザーたちのハートをがっちり掴んでいる。
[ データ ]
国土交通省 月例経済報告
2003年10月号
概要はありません
[ メディア批評 ]
米国で指折りの?政商〞的企業ベクテルビジネスを通じて見るイラク戦争の真実
2003年10月号
『噂の真相』連載「タレント文化人筆刃両
断」の二〇〇一年一〇月号で、私は「ジョー
ジ・ブッシュ」を取り上げ、ブッシュは親子
ともども?オイル・プレジデント〞であると
同時に?ベクテル・プレジデント〞だと指摘
した。
[ やらまいか ]
口説き文句を間違えるな
2003年10月号
お客さんが求めているのは、何といってもコストダウンだ。
ただし、営業の口説き文句は別にある。コストダウンの提案
には負の側面がある。相手の気持ちに立たないと、お客さん
に心を開いてもらうことはできない。ウチのやり方を教える
よ。
[ 現場改善 ]
地域酒類卸H社の配送網刷新
2003年10月号
今年九月一日、酒類の小売規制が緩和になった。コンビニや量販店などが一
斉に参入を開始している。これまで酒・米穀類の小売店への配送は白ナンバー
の請負ドライバーの利用が圧倒的だった。しかし法律の改正を機に、酒類の物
流のありかたも大きく変化しようとしている。酒販卸H社の改善事例を通して、
その一端を紹介する。
[ 座談会 ]
日本郵政公社の成長戦略
2003年10月号
日本郵政公社が事業の再構築を急いでいる。今年四
月の公社化を契機として、民間宅配便会社に足元を浸
食され続けてきた過去と決別。企業向け物流の強化に
よるシェアの巻き返しに本腰を入れ始めた。宅配便市
場では二〇〇五年度までに現在の倍近い、シェア一〇%
を目指すという。果たして勝算はあるのか
[ 判断学 ]
歴史に学ぶ 過剰資本の整理
2003年10月号
竹中大臣がアメリカの言いなりになって過剰資本の整理を銀行に強要してい
る。しかし、今の日本にそんな余裕はない。断行すれば大不況が待っている。
昭和初年の金融恐慌の二の舞だ。歴史オンチの経済学者にはそれが分からない。
[ 特集 ]
共同物流の実践 共同化事業の成功モデルを探る
2003年10月号
物流業者主導の同業種共配が台頭している。トラック1台を貸
し切るのに満たない中ロット以下の貨物輸送は、これまで特別積
み合わせ便が担ってきた。それが共配の普及によって業界別に再
編されようとしている。特積みと共配では、果たす役割は似てい
てもビジネスモデルは全く異なっている。
[ 特集 ]
共同物流の実践 3PLの新しいアプローチに挑む
2003年10月号
日立物流が共同物流事業に本腰を入れる。ただし、そのアプロー
チは従来の定石とは全く逆だ。先にインフラを用意して広く利用を
促すのではなく、3PLのクライアントに対し、共同物流というオ
プションを提案。そこから出発して必要なハードを組織するという
展開を目論んでいる。
[ 特集 ]
共同物流の実践 路線便事業のモデルは通用しない
2003年10月号
路線便は荷物を出す側の視点からシステムが構築されてい
る。これに対して、共同配送には荷物を受ける側の意向が強
く反映される。路線便のバリエーションとして共配をとらえて
はならない。安易な共配の事業化は必ず失敗する。
[ 特集 ]
共同物流の実践 荷主が描く業界プラットフォーム
2003年10月号
業界の大手同士が手を結ぶ物流共同化が相次いでいる。企業を
取り巻く経営環境の悪化がこれを後押ししている。しかし、計画
通りに実施できているケースは稀だ。業界の慣習や勢力図を上手
く料理することができた場合にのみ道は拓ける。
[ 特集 ]
共同物流の実践 同業種共配の上手な進め方
2003年10月号
酒類メーカーとの共同配送を運営しているサッポロビールは、共
同配送立ち上げまでの手順をマニュアル化している。そのノウハ
ウは実務を担当する物流子会社「サッポロ流通システム」にも移
植されている。現在、共同配送の導入を検討している企業にとっ
て、サッポロ流“共配の進め方”はいいお手本になりそうだ。
[ 特集 ]
共同物流の実践 生産革新から始まった異業種共配
2003年10月号
20年近く前に始まった、異業種40数社による共同輸送プロジェ
クト。現在まで参加し続けている企業は事実上、クリナップと理
想科学工業の2社に過ぎない。両社は昨年、インターネット利用
の配車管理システムを稼働した。改めて参加企業を募ることによ
って、異業種共配の拡大を図ろうとしている。
[ 特集 ]
共同物流の実践 岐路を迎えた福岡・天神共配
2003年10月号
福岡・天神地区の共同配送が再び、曲がり角に差し掛かってい
る。事業の黒字転換には成功したものの、取扱貨物量は96年をピ
ークに減少傾向に転じている。長引く不況の影響でプロジェクト
に参加する特積みトラック業者たちの足並みが乱れてきたことが
原因だ。
[ 特集 ]
共同物流の実践 秋葉原共同物流の実現可能性
2003年10月号
秋葉原電気街のど真ん中に共同物流センターを用意し、そこか
ら各店舗に商品を供給する――。国土交通省が2004年度に実証
実験を予定している新たな共同配送プロジェクトの青写真だ。舞
台の中心となるのは日本通運の旧本社ビル。今年9月、いよいよ
具体的な検討が始まった。