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2003年 9月号 |
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特集
失敗に学んだ物流
物流プロジェクトの華々しい成功事例が世間にはあふれている。しかし実際にはそれを上回る数の失敗が日々、繰り返されている。そして失敗の経験は時に成功以上に大きな示唆を与えてくれる。物流各分野のパイオニアたちが自らの失敗から学んだ教訓を披露する。
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Keyword―物流センター開発
「スペース生産性」で思想が転換した
田中信博 中央ロジスティクス・エンジニアリング代表
元 花王 物流技術室 室長
花王の中興の祖、丸田芳郎氏の命を受け、物流センター開発のスペシャリストとして同社の物流合理化の陣頭指揮を執ってきた。取得したマテハン特許は日本最多。1日6万ケースを処理する岩槻物流センター。そしてバラピッキングを完全自動化した堺ロジスティクスセンターは、その象徴とも言える拠点だった。
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Keyword―3PL&求車求貨システム
日米の物流カルチャーの違いを痛感
岸井巍次 伊藤忠商事 北陸企画開発室室長兼本社物流部門担当部長 元 センチュリーロジスティクス 社長
定温物流に特化した求車求貨システムの運営と物流コンサルティングを2本柱に、本格的な3PLを日本市場に導入するーーそんなシナリオを描いて伊藤忠商事は96年にノンアセット型3PLのセンチュリーロジスティクスを立ち上げた。2001年までに運送会社1000社、車両2万台を組織化しようという意欲的なプロジェクトだった。
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Keyword―共同配送
部分最適の限界を思い知る
武部宏 トランコム 社長
小型トラック中心の地場配送業から、家電の共同配送ベンチャーに転身。全主要メーカーが参加する共配ネットワークを実現し、95年には株式公開を果たした。ところが、その後の量販店主導の物流再編がメーカー共配を直撃。2003年3月期には事実上、家電共配事業は終息した。
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緊急報告トラック事故は止まらない
トラック重大事故が立て続けに発生している。スピードリミッター規制を手始めに、行政もようやく重い腰を上げた。しかし事故は減らない。むしろ間違った対策によって今後、重大事故は一段と増加する。 |
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解説 スピード規制も逆効果 本誌編集部
今年に入って重大事故を引き起こしたトラック運送会社のほとんどが中小零細業者だ。長引く不況と。規制緩和に伴う過当競争の歪みが、市場の弱者を追い込んでいる。いま現場ではいったい何が起こっているのか。
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Interview
「間違いだらけのドライバー教育」
加藤正明 日本ハイウエイセーフティ研究所 所長
安全運転の啓蒙だけでは絶対に事故は減らない。トラック運送会社のドライバー教育には事故分析という視点が欠けている。なぜ事故が起こったのか。事故の実態を細かく伝えることが肝心だ。教育の仕方を誤ると、かえって事故を誘発することになりかねない。
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寄稿 交通事故防止のマネジメント
笠原維信 創造経営センター 取締役コンサルティング事業部長
交通事故の責任を負うのはドライバーだけではない。最近はトラック運送会社側の管理責任が厳しく問われるようになってきた。高額な賠償金の支払いは経営危機に直結する。トラック運送会社に必要なのは事故処理のノウハウではなく、事故を未然に防ぐためのドライバー教育の徹底だ。
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明治乳業〈情報システム〉
市乳製品に実績把握システムを導入
製造・出荷・配送状況を一元管理 |
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ロジワン〈物流子会社〉
トヨタ流の現場改善が社内に定着
ベンダー共同倉庫で流通改革狙う |
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長浜キヤノン〈現場改善〉
生産管理のプロが考案・実行した
物流を切り口にした工場の全体最適
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連載
ロジスティクス・リーダーシップ論《最終回》
変革に向けてのロードマップ
楢村文信 P&G ECRネットワーキング・マネージャー
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連載
事例で学ぶ現場改善
作業動線とロケーションの改善――中堅建材卸B社
青木正一 日本ロジファクトリー 代表 |
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連載
講座 SCMの常識
【理論編】 サプライチェーンの形成
【実践編】 組織見直しの壁
講師 杉山成正 ベリングポイント ディレクター
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やらまいか!物流通業―ハマキョウ流・運送屋繁盛記《第6回》
「赤字仕事を見分ける方法」
大須賀正孝 ハマキョウレックス 社長 |
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連載 湯浅和夫の物流コンサル道場《第18回》
〜卸売業編〜 第6回 |
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連載
CLO実践録《第10回》
転換期を迎えた日本の食品流通
川島孝夫 味の素ゼネラルフーヅ 常勤監査役
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連載
奥村宏の判断学《第16回》
「流行する陰謀理論の虚実」 |
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連載
佐高信のメディア批評
「辻元前議員逮捕の不自然なタイミングに
疑義を唱えないマスメディアの問題意識」
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The International Society of
Logistics
国際ロジスティクス学会[SOLE]報告
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日通総研 企業物流短期動向調査
国土交通省 月例経済報告
国土交通省 普通倉庫21社統計
日本冷蔵倉庫協会 主要12都市受寄物庫腹利用状況
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広告索引 |
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CLIP BOARD
●《書評》実務家が大学生に語った企業文化論/鉄鋼から食品、広告まで幅広く網羅
●東京・箱崎に荷物持ち込み拠点を開設 DHLジャパン
●営業・配送業務管理ソリューションで協業
デカルト システムズ ジャパン/キャップジェミニ・アーンスト&ヤング
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編集後記 |
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バックナンバー |
[ CLO ]
転換期を迎えた日本の食品流通
2003年9月号
CLO(ロジスティクス最高責任者)
は、何はともあれ?店からの発想〞を
忘れてはいけない――。前回はこの点
を、欧米の中間流通やロジスティクス
の先進事例を挙げながら説明した。し
かし、言うまでもなく日本と欧米の流
通事情は違う。日本市場の特徴をきち
っと整理しておかなければ、欧米と比
較すること自体がムダになってしまう。
[ SCMの常識 ]
サプライチェーンの形成
2003年9月号
今回は、新しいサプライチェーンをどのよう
な手順でいかに形作っていくか、つまり自社
の各部門およびカスタマー/サプライヤーとの
協力体制をいかに構築していくかという問題
について考えていきます。
[ SOLE ]
SOLE報告
2003年9月号
SOLE東京支部では「RAMS研究会」を開催し、米国防総省
(DoD)の調達管理プロセスの研究を行っている。研究素材の「防衛
システム調達管理プロセスチャート(DSAMP)」はDSMC(防衛シ
ステム管理学校)の調達基礎コースの教材。調達ライフサイクルに
かかわる機能的活動のロードマップとして役立つように構成されて
おり、国防総省の各種の調達指針やマニュアルに準拠している。
SOLE東京支部では、このチャートを詳細に研究しようとしている。
そこにはシステム製品取得にかかわる全ての活動が網羅的に記述さ
れており、調達プロセスの全体を概観するのに適しているためだ。
前回の報告ではDSAMPチャートの「調達方針(AP)」の概要につい
て紹介した。今回はその中の「調達組織」と「関係者」(キープレー
ヤー)に関する議論を紹介する。
[ CLIP ]
実務家が大学生に語った企業文化論 鉄鋼から食品、広告まで幅広く網羅
2003年9月号
「新日鐵の社員は官僚に負けず
劣らずの国策的視点から提言」、
「松下の社員は綱領、信条、遵守
すべき精神を毎日唱えているだけ
で、日常の業務行動に結びついて
いない」、「信用金庫では長年、男
性は渉外担当(ないし融資担当)、
女性はテラー(ないし営業店の後
方事務方)という事実上の性差分
業が続いてきた」――。
[ CLIP ]
東京・箱崎に荷物持ち込み拠点を開設 DHLジャパン
2003年9月号
大手国際宅配会社のDHLの日本法人、DHLジャパンは八
月一日、東京・箱崎に「日本橋エクスプレスセンター」を開設し
た。同社が二〇〇一年一月より業務提携している郵船航空サー
ビスの日本橋輸出支店内に設置したもので、利用者は九時〜一
八時の営業時間内であれば荷物を持ち込むことができる。DHL
の担当者による直接集荷を待たずに、顧客自身が自由に海外発
送の手続きを行えるよう選択肢を増やした。
[ ケース ]
明治乳業―― 情報システム
2003年9月号
明治乳業は市乳分野で、倉庫への入庫・ピ
ッキング・出荷実績、配送状況をリアルタイ
ムで管理する倉庫管理システムの導入を進め
ている。業務の効率化や、日付け逆転出荷の
防止など顧客別鮮度管理の強化が狙い。MES
(製造実行システム)と運行管理システムとの
連携によって、商品を製造・出荷して納品先
へ配送するまでのトレーサビリティ(履歴追
跡)を実現しようとしている。
[ ケース ]
ロジワン―― 物流子会社
2003年9月号
ロジワンは、ダイエーグループの物流管理
を計画から実行まで全面的に手掛ける物流子
会社だ。99年にトヨタ自動車の改善指導を受
けたことが転機になって、現在ではグループ
随一と自負する改善活動が根付いた。小売り
の一括物流センターに代えて、ベンダーの共
同倉庫を設置することによって多段階流通の
改善を狙っている。
[ ケース ]
長浜キヤノン―― 現場改善
2003年9月号
キヤノンが100%出資する生産子会社。98年
以降、「生産革新」活動の一環として工場物流
の改善に着手、一定の成果を上げてきたが、
プロジェクトチームは満足していなかった。
2002年、物流を軸に生産のあり方を見直すと
いう新たなアプローチで再び改善に取り組む
ことになった。
[ データ ]
企業物流短期動向調査(日通総研短観)
2003年9月号
■調査方法
本調査はアンケート方式により、四半期ベース(3月、6月、
9月、12 月の年4回)で実施する。
調査項目は次のとおりであり、当期実績見込みと次期見通しを
対前年同期比「増加する」、「横ばい」、「減少する」もしくは「値
上がり」、「変わらない」、「値下がり」等の3 つの選択肢の中から
選択回答する。
集計は、調査項目ごとに各選択肢の回答事業所数を集計し、そ
の合計事業所数に対する割合を算出、以下により動向判断指標(※)
とする。
[ メディア批評 ]
辻元前議員逮捕の不自然なタイミングに疑義を唱えないマスメディアの問題意識
2003年9月号
私が編集委員をつとめる『週刊金曜日』を
取り上げるのはフェアでないと思って控えて
きたが、社民党の辻元清美前議員の逮捕につ
いて、真正面から「疑義」を唱えたのは同誌
くらいなので、八月一日号のそれをここで紹
介したい。
[ やらまいか ]
赤字仕事を見分ける方法
2003年9月号
イトーヨーカ堂の仕事を受注して以降、物流センター運営
の依頼が殺到した。ただし闇雲に引き受けるわけにはいかな
い。ババをつかまされたら大変だ。きちんと利益の出せる仕
事だけを選ばなければ。そこで役に立ったのが「収支日計表」
だった。
[ リーダーシップ論 ]
変革に向けてのロードマップ
2003年9月号
ECRにおけるロジスティクスのリーダーシップを論じた本連載のまと
めとして、最後に取り組みのロードマップと、そのツールを解説する。か
つて「ECRスコアカード」と呼ばれたツールは現在、「ケイパビリティ・
アセスメント・ツール」と名称を変え、内容を進化させている。
[ 現場改善 ]
作業動線とロケーションの改善――中堅建材卸B社
2003年9月号
建材卸B社は手厚い物流サービスを武器に急成長を遂げていた。しかし売上
拡大と比例して、物流現場では作業が長時間化し、コストが上昇していた。セ
ンター内は過剰在庫で溢れ、作業動線にも課題があった。商品別出荷数量と作
業項目別タイムデータの分析をもとに、保管ロケーションと作業動線を改善した。
[ 道場 ]
卸売業編・第6回
2003年9月号
社長と大先生が倉庫の現場視察にくる
現場責任者は緊張の余り体調を壊した
宴会の翌日。大先生一行と社長、物流部長の総
勢五人は、二台のタクシーに分乗して大阪支店の
倉庫へと向かった。その日は朝から蒸し暑く、いか
にも不快指数が高い。暑いのが大嫌いな大先生に
とっては最悪の状況での倉庫視察となった。弟子
たちにとっても不安いっぱいの視察である。
[ 判断学 ]
流行する陰謀理論の虚実
2003年9月号
ネオ・コン=ユダヤ系アメリカ人が世界を支配しようとしている――そんな
陰謀説が流行している。その真偽のほどはともかく、アメリカの多国籍企業や
ウォール街の金融資本が世界経済の支配を狙っているのはれっきとした事実だ。
ただし、彼らとて決して万能ではない。
[ 特集 ]
トラック事故は止まらない スピード規制も逆効果
2003年9月号
今年に入って重大事故を起こしたトラック運送会社のほ
とんどが中小零細業者だ。長引く不況と、規制緩和に伴う
過当競争の歪みが弱者を追い込んでいる。いま現場ではいっ
たい何が起こっているのか?
[ 特集 ]
トラック事故は止まらない 間違いだらけのドライバー教育
2003年9月号
安全運転の啓蒙だけでは絶対に事故は減らない。トラッ
ク運送会社のドライバー教育には事故分析という視点が欠
けている。なぜ事故が起こったのか。事故の実態を細かく
伝えることが肝心だ。教育の仕方を誤ると、かえって事故
を誘発することになりかねない。
[ 特集 ]
トラック事故は止まらない 交通事故防止のマネジメント
2003年9月号
交通事故の責任を負うのはドライバーだけではない。最近
ではトラック運送会社側の管理責任が厳しく問われるように
なってきた。多額の賠償金の支払いは経営危機に直結する。
トラック運送会社に必要なのは事故処理のノウハウではなく、
事故を未然に防ぐためのドライバー教育の徹底だ。
[ 特集 ]
失敗に学んだ物流 『スペース生産性』で思想が転換した
2003年9月号
花王の中興の祖、丸田芳郎氏の命を受け、物流センター開発のスペ
シャリストとして同社の物流合理化の陣頭指揮を執ってきた。取得し
たマテハン特許は日本最多。1日6万ケースを処理する岩槻物流セン
ター。そしてバラピッキングを完全自動化した堺ロジスティクスセン
ターは、その象徴とも言える拠点だった。
[ 特集 ]
失敗に学んだ物流 日米の物流カルチャーの違いを痛感
2003年9月号
定温物流に特化した求車求貨システムの運営と物流コンサルティン
グを2本柱に、本格的な3PLを日本市場に導入する――そんなシナ
リオを描いて伊藤忠商事は96年にノンアセット型3PLのセンチュリ
ーロジスティクスを立ち上げた。2001年までに運送会社1000社、車
両2万台を組織化しようという意欲的なプロジェクトだった。
[ 特集 ]
失敗に学んだ物流 部分最適の限界を思い知る
2003年9月号
小型トラック中心の地場配送業から、家電の共同配送ベン
チャーに転身。全主要メーカーが参加する共配ネットワークを
実現し、95年には株式公開を果たした。ところが、その後の量
販店主導の物流再編がメーカー共配を直撃。2003年3月期には
事実上、家電共配事業は終息した。