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2003年 8月号 |
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商品トレーサビリティを巡る同床異夢
特集 ICタグ狂想曲
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第1部 バーコードにさようなら
全てのバーコードをゴマ粒大の無線ICタグに置き換える。それによって夢のようなサプライチェーン・マネジメント(SCM)が可能になる――米マサチューセッツ工科大学に本部を置くオートIDセンターの構想だ。バーコード以来の画期的ツールの出現に日本の産業界も沸き返っている。
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Interview 國領二郎 慶応義塾大学
環境情報学部 教授
「個品管理が可能にする究極の商物分離」
ICタグとトレーサビリティを巡る現在の議論は混乱し、バブルの様相まで呈している。それでもICタグが新しいビジネスモデルを可能にすることには疑いがない。完全な個品管理の実現は循環型経済を強力にサポートすることになるだろう。
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第2部 夢のSCMの実現可能性
その大きな可能性とは裏腹にICタグは当面、物流管理のツールとしては限定的にしか利用できない。従来のバーコードを置き換えるだけの推進力には乏しい。ブームに踊らされて新しいツールの導入を検討する前にクリアすべき課題は山積している。
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Interview
石川俊治 大日本印刷ICタグ事業化センター 副センター長/オートIDセンター 副所長
「夢はまだ何一つ実現できていない」
大日本印刷はオートIDセンターの中心メンバーであると同時に、日本におけるICタグ普及のリーダー的な存在だ。同社は今後10年間にわたるICタグ普及のロードマップを、3つのフェーズに分けて整理し、予測している。
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Interview 柴田彰 日本自動認識システム協会 研究開発センター 上級研究員
「技術屋は実務を分かっていない」
現在、ICタグを普及させようとしている勢力の中心には、ICカードメーカーがいる。彼らにはユーザー側の視点が欠けている。ロジスティクスの実務とその要求を十分に理解しているとは言い難い。
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第3部 実務家が挑むトレーサビリティ
ICタグの普及に奔走する人たちを後目に、実務家たちは現実的なトレーサビリティシステムの構築に奮闘している。すでに実用化されている技術を使って、唐突に発生するリスクから自分自身や所属企業を守ることが彼らに求められている。 |
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Interview 高山勇 キユーピー 技術開発部 部長
「それでもラベルはなくならない」
キユーピーのトレーサビリティシステムに対する評価は高い。二次元バーコードと独自の製品識別番号を組み合わせることによって、消費者からの問い合わせに迅速に回答できる情報システムを構築している。
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第4部 RFIDの可能性と幻想
泉田裕彦 前・国土交通省 貨物流通システム高度化推進調整官
RFIDは、その可能性が大きいだけに幻想も大きくなりがちだ。少なくとも一般の物流業者にとってRFIDは当面、具体的なテーマになりそうもない。技術的課題や標準化の問題があるのに加え、荷主側の協力を得ることが難しいからだ。
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第5部 ICタグ活用で進化するECR
「2003年度ECRヨーロッパ大会」報告
楢村文信 P&G ECRネットワーキング・マネジャー
ECR(Efficient Consumer Response:効率的な消費者対応)の推進団体「ECRヨーロッパ」では毎年春に年次総会を開催している。今年はドイツのベルリンが会場となった。そこでも無線ICタグの活用は大きなトピックスとなっていた。同大会に参加した楢村氏がECRとICタグの最新情報を報告する。
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日産自動車〈組織改革〉
総勢600人のSCM本部を発足
ゴーン流プロセス改革で納期短縮
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日本出版販売〈SCM〉
「売れる本」を「売れるところ」へ供給
書店・出版社と情報共有し無駄を排除
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フットワークエクスプレス〈経営再建〉
不動産処理巡り再建計画が二転三転
新スキームでドタバタ劇に終止符
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Supply Chain Council[SCC]報告
ジョセフ・D・フランシス サプライチェーン・カウンシル チェアマン
HP&コンパック統合のSCM
――SCORを活用したプロセス改革
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連載 事例で学ぶ現場改善
食品流通業S社のアウトソーシング――江坂運輸の物流IT
黒澤明 日本ロジファクトリー 取締役
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講座
SCMの常識ーー改革の現場から
【理論編】 目標と指標(KPI)の設定?
【実践編】 部分最適の罠
杉山成正 ベリングポイント ディレクター
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物流企業の値段 《特別編》
成田康浩 野村証券金融研究所 運輸担当アナリスト
2003年3月期 物流企業決算ランキング |
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やらまいか!物流通業――ハマキョウ流・運送屋繁盛記《第5回》
「利益の源は『日替わり班長制』」
大須賀正孝 ハマキョウレックス 社長
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湯浅和夫の物流コンサル道場《第17回》
〜卸売業編〜
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CLO実践録《第9回》
店からの発想で流通を再構築する
川島孝夫 味の素ゼネラルフーヅ 常勤監査役
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The International
Society of Logistics
国際ロジスティクス学会[SOLE]報告 |
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奥村宏の判断学《第15回》
「銀行合併の大誤報事件」
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佐高信のメディア批評
「有事立法の指定公共機関と化したNHK
公共放送は正しいという先入観を捨てよ」
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国土交通省 月例経済報告
国土交通省 普通倉庫21社統計
日本冷蔵倉庫協会 主要12都市受寄物庫腹利用状況
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広告索引 |
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CLIP BOARD
●ABB社と物流システム分野で提携
欧州市場での販売強化を進める ダイフク
●佐川急便グループの佐川車体が
環境に配慮した「ECO車体」を開発
●10月に米国視察ツアー サン物流開発
●日通総研が『物流管理ハンドブック』を上梓
気軽に持ち歩ける新書サイズでも内容は充実 |
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編集後記 |
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バックナンバー |
[ CLO ]
店からの発想で流通を再構築する
2003年8月号
米ウォルマートをはじめとする小売
業者の躍進は、あらゆる関係者に多大
な影響を及ぼした。メーカー優位だっ
た従来の流通構造は根底から覆され、
小売業者がサプライチェーンのあり方
を主導するのが当たり前になった。こ
のとき中間流通の担い手として名乗り
を上げたのが、サードパーティ・ロジ
スティクス(3PL)業者だった。
[ SCC報告 ]
HP&コンパック統合のSCM
2003年8月号
六月、東京国際フォーラムで「サプライチ
ェーン経営フォーラム2003」(日本経済新
聞社主催、特別協力SCC日本支部)が開催
された。これに合わせてSCCの新チェアマ
ンであり、米ヒューレット・パッカード社と
コンパックの合併でプロセス統合を指揮した
ジョセフ・D・フランシス氏が来日した。そ
の講演内容と、ロジスティクス分野の統合に
関して本誌が行ったインタビューを紹介する。
[ SCMの常識 ]
目標と指標(KPI)の設定
2003年8月号
今回は、SCMで最も重要となる指標(K
PI)の「スループット」と、そのバックボー
ンとなっている「TOC」の考え方を紹介しま
す。
■■スループットとは
自社のビジネスモデルを明確にすること。そ
れがSCMの第一ステップでした。次のステッ
プでは、いかに効率的に利益を生み出す仕組み
を構築するか。つまりサプライチェーン上に無
駄な在庫を作らず、投入した資金をいかに早く
売り上げに結びつけるか、について考えること
になります。
[ SOLE ]
SOLE報告
2003年8月号
SOLE東京支部では「RAMS研究会」を開催し、米国国防総
省(DoD)の調達管理プロセスの研究を行っている。研究素材の
「防衛システム調達管理プロセスチャート(DSAMP)」はDSMC(防
衛システム管理学校)の調達基礎コースの教材。調達ライフサイク
ルにかかわる機能的活動のロードマップとして役立つように構成さ
れており、国防総省の各種の調達指針やマニュアルに準拠している。
SOLE東京支部では、このチャートを詳細に研究しようとして
いる。ここにはシステム製品取得にかかわる全ての活動が網羅的に
記述されており、調達プロセスの全体を概観するのに適しているた
めだ。今回はこのDSAMPの「調達方針(AP)」を題材に、以下のよ
うな議論を行った。
[ CLIP ]
ABB社と物流システム分野で提携 欧州市場での販売強化を進める
2003年8月号
マテハンメーカーの大手ダイフクはこのほど、同社の子会社がスイス
に本社を置く世界最大級の電力・オートメーション企業ABBの子会
社とパートナーシップ契約を結んだと発表した。
契約を結んだのはダイフクの一〇〇%子会社ダイフクヨーロッパとA
BBのデンマーク法人ABB
A/S。両社は二〇〇一年のデンマークで
の協業を機に、共同で市場開拓を進めてきた。今回の契約により今後、
自動倉庫システムなどダイフクのハードとABBのWMS(物流センタ
ー管理システム)「SattStore
」やロボット技術をあわせ、欧州地区で物
流センターソリューションを提供していく。
[ CLIP ]
佐川急便グループの佐川車体が環境に配慮した「ECO車体」を開発
2003年8月号
佐川急便はこのほど、同社のグループ会社、佐川車体が新型「EC
O(エコ)車体」を開発、七月から佐川急便の集配車両に導入すると
発表した。地球環境に配慮した車体を開発、導入するのは業界初の試
み。今回「ECO車体」を導入するのは二トン〜三・五トンの小型集
配車で今後、佐川急便では新たに導入する全集配車両に同車体を採用
する方針だ。
[ ケース ]
日産自動車――組織改革
2003年8月号
日産自動車は2001年12月1日付けでSCM本
部を発足した。「リバイバルプラン」の成功で
すでに経営危機からは脱出しつつあったが、
同社には全社横断的な視点が欠けていた。
SCM本部で企画・マネジメントを担う約50人
の社員に、企業体質を抜本的に改善する役割
が課された。
[ ケース ]
日本出版販売――SCM
2003年8月号
売れる本が売れるところにない――。出版流
通が抱えるこの構造的な欠陥にメスを入れる
ため、取次大手の日本出版販売(日販)は書
店・出版社と共同プロジェクトをスタートし
た。書店の販売・在庫情報をネットワーク上
で共有し、これをもとに無駄のない商品供給
を行う。出版流通のイニシアチブをかけて取
次大手が動き出した。
[ ケース ]
フットワークエクスプレス――経営再建
2003年8月号
2001年3月、約1400億円の負債を抱えて経
営破たん。その後不動産処理で銀行団と折り
合いがつかず、再建計画がまとまらなかった。
今年6月末、弁済額の上乗せが期待できる「不
動産管理処分信託方式」の採用でようやく合
意。オーナーの放漫経営で背負うことになっ
た負の遺産を捨て、名門トラック運送業者と
しての復活に向け再出発する。
[ データ ]
国土交通省 月例経済報告
2003年8月号
概要はありません
[ メディア批評 ]
有事立法の指定公共機関と化したNHK 公共放送は正しいという先入観を捨てよ
2003年8月号
創価学会および公明党に対する厳しい批判
を続ける『フォーラム
21
』の六月一日号に、
「人権抑圧国家・社会到来の危機 それは創
価・公明の政権参画が始まりだった」という
座談会が載っている。出席者は元NHK記者
で椙山女学園教授の川崎泰資とジャーナリス
トの斎藤貴男、それに同誌発行人の乙骨正生
である。
[ やらまいか ]
利益の源は日替わり班長制
2003年8月号
イトーヨーカ堂から物流センター運営の仕事を受託した。
単にトラックで荷物を運ぶだけの運送屋だった当社にとって、
大きな冒険だった。儲からないと言われるセンター事業でど
うやって利益を出していくか。「日替わり班長制度」という
仕組みを思いついた。
[ 現場改善 ]
食品流通業S社のアウトソーシング
2003年8月号
中堅運送会社の江坂運輸は自社開発の情報システムを武
器にして、包括的な物流アウトソーシング業務の受注を拡
大させている。食品流通業S社のケースでは、判断業務を
自動化することで、全ての現場作業をアルバイトだけで運
営できるように改善した。
[ 値段 ]
2003年3月期 物流企業決算ランキング
2003年8月号
株式を公開している物流企業の二〇〇三年三月期決算を総括する。全体の売
上高や利益の動向は連結決算を発表した公開物流企業六七社(除く海運)のう
ち、九七年三月期以降、継続的に連結、単独業績を発表している五三社をサン
プルにした。なお、決算期末が三月でない企業については直近の決算数値を使
用している。
[ 道場 ]
卸売業編・第5
2003年8月号
確かな手応えを残して会議が終わり
大先生と関係者は宴席に向かった
退社時間を迎える頃、大阪支店での会議が終わ
った。クライアント側の参加者の表情には一様に
疲労がにじんでいる。だが心の中では、今回のプロ
ジェクトで会社に何か大きな変化が起こりそうな手
応えを感じながら、会議室を後にしていった。
[ 判断学 ]
銀行合併の大誤報事件
2003年8月号
「大和銀、住銀と合併へ」――。1995年、新聞各紙が一面トップで報じたニュ
ースをきっかけに、苦境に陥っていた大和銀行の株価は反騰した。しかし、合
併のニュースは大蔵省による情報操作と、それに疑いを持たない新聞記者がで
っち上げた大誤報だった。
[ 特集 ]
ICタグ狂想曲 バーコードにさようなら
2003年8月号
全てのバーコードをゴマ粒大の無線ICタグに置き換える。それ
によって夢のようなサプライチェーン・マネジメント(SCM)が
可能になる――米マサチューセッツ工科大学に本部を置くオート
IDセンターの構想だ。バーコード以来の画期的ツールの出現に日
本の産業界も沸き返っている。
[ 特集 ]
ICタグ狂想曲 個品管理が可能にする究極の商物分離
2003年8月号
ICタグとトレーサビリティを巡る現在の議論は混乱し、バブルの
様相まで呈している。それでもICタグが新しいビジネスモデルを可
能にすることには疑いがない。完全な個品管理の実現は循環型経済
を強力にサポートすることになるだろう。
[ 特集 ]
ICタグ狂想曲 夢のSCMの実現可能性
2003年8月号
その大きな可能性とは裏腹にICタグは当面、物流管理のツールとし
ては限定的にしか利用できない。従来のバーコードを置き換えるだけ
の推進力には乏しい。ブームに踊らされて新しいツールの導入を検討
する前にクリアすべき課題は山積している。
[ 特集 ]
ICタグ狂想曲 夢はまだ何一つ実現できていない
2003年8月号
大日本印刷はオートIDセンターの中心メンバーであると同時に、
日本におけるICタグ普及のリーダー的な存在だ。同社は今後10年
間にわたるICタグ普及のロードマップを、3つのフェーズに分けて
整理し、予測している。
[ 特集 ]
ICタグ狂想曲 技術屋は実務を分かっていない
2003年8月号
現在、ICタグを普及させようとしている勢力の中心には、
ICカードメーカーがいる。彼らにはユーザー側の視点が欠
けている。ロジスティクスの実務とその要求を十分に理解
しているとは言い難い。
[ 特集 ]
ICタグ狂想曲 実務家が挑むトレーサビリティ
2003年8月号
ICタグの普及に奔走する人たちを後目に、実務家たちは現実的
なトレーサビリティシステムの構築に奮闘している。すでに実用化
されている技術を使って、唐突に発生するリスクから自分自身や所
属企業を守ることが彼らに求められている。
[ 特集 ]
ICタグ狂想曲 それでもラベルはなくならない
2003年8月号
キユーピーのトレーサビリティシステムに対する評価は高い。二次
元バーコードと独自の製品識別番号を組み合わせることによって、消
費者からの問い合わせに迅速に回答できる情報システムを構築してい
る。この仕組みを、ほぼ一人で作り上げてきた同社技術開発部の高山
勇部長に話を聞いた。
[ 特集 ]
ICタグ狂想曲 FIDの可能性と幻想
2003年8月号
RFIDは、その可能性が大きいだけに幻想も大きくなりがちだ。少
なくとも一般の物流業者にとってRFIDは当面、具体的なテーマに
なりそうもない。技術的課題や標準化
[ 特集 ]
ICタグ狂想曲 ICタグ活用で進化するECR
2003年8月号
の推進団体「ECRヨーロッパ」では毎年春に年次総会を開催してい
る。今年はドイツのベルリンが会場となった。そこでも無線ICタグ
の活用は大きなトピックスとなっていた。同大会に参加した楢村氏
がECRとICタグの最新情報を報告する。
[ CLIP ]
10月に米国物流視察ツアーサン物流開発
2003年8月号
コンサルティング会社のサン物流開発
は共同で「米国最新物流・情報システ
ム視察」ツアーを開催する(後援=日
本販売士協会・東京販売士協会)。ロ
ジスティクス先進国と言われる米国の
小売業が各地に展開する物流センター
を訪問。マテハン設備や情報システム
の活用術、センター運営のノウハウな
どを学ぶことを目的としている。