|
|
|
2007年6月号 |
|
|
|
|
|
|
|
|
特集
コスト偏重の誤算
|
|
|
顧客サービスから出発する。それがロジスティクスの原則だ。ところが日本企業の多くはロジスティクスの生み出す顧客サービスに無頓着でいる。結果としてコスト偏重を招き、顧客の期待を裏切り、競争力を失うという悪循環に陥っている。
|
14
|
|
第1部 デル・モデルは陳腐化したか
|
16
|
|
第2部 顧客指向で指標と組織を改革
在庫水準や物流コストは、顧客にとっては何の意味も持たない。対顧客向けの管理指標を導入してマーケティング戦略に立脚したロジスティクスに舵を切る必要がある。物流企業も同様だ。従来の原価積み上げ方式では3PL事業は成功しない。
|
18 |
|
第3部 常識の逆張りで差別化する
“死に筋”まで品揃えする。在庫も自分で抱える。物流インフラへの投資も厭わず、現場のオペレーションまで社内で処理する――ネット通販の勝ち組たちは、従来の物流管理の常識とアウトソーシングのトレンドに逆行する戦略で売り上げを伸ばしている。
|
20 |
|
第4部 顧客サービス管理のプロセス
オハイオ州立大学 ダグラス・ランバート教授
マイケル・クネマイヤー准教授
ノースフロリダ大学 イェミシ・ボールモール准教授
SCMおける顧客サービス管理には正しい手順がある。効果的な管理は、SCMのパフォーマンスを引き上げ、業績の向上をもたらす。ロジスティクス管理論の世界的権威が、具体的な事例を交えながら、そのノウハウを解説する。
|
6
|
|
KEYPERSON
「物流は3つのKPIで管理する」
新良清
早稲田大学ロジスティクス研究所 客員研究員
(元デル オペレーション本部長)
ロジスティクスは簡単だ。まず適切なビジネスモデルを選択する。後はリードタイム、業務品質、コストの三つの視点から改善を重ねていけばいい。そのやり方でデルは日本市場においてもサプライチェーンの競争優位を確立した。この原則は、あらゆるビジネスに適用できる。
|
|
|
|
|
|
32
|
|
イトーヨーカ堂〈現場改善〉
トヨタ流の改善を物流拠点でも展開
自動発注にも着手し収益改善の兆し
|
|
38 |
|
東邦薬品〈物流拠点〉
薬品の製造ロット・期限を一貫管理
“光るICタグ”を活用してミス防止
|
|
42 |
|
ボックスチャーター〈新サービス〉
JITBOXチャーター便の販売好調
ヤマト&セイノーが仕掛ける特積み改革
|
|
54 |
|
物流IT解剖
《第3回》 佐川急便
ベンダー依存を脱し年間100億削減
浮いた資金を次世代システムに投入
|
|
|
|
|
|
28 |
|
新連載
自己創出型ロジスティクス 阿保栄司
第1章 経済学的なアプローチの困難性
「ようやく最近、ロジスティクスが分かりかけてきたように思う」――半世紀にわたり世界レベルの活動を続けてきた研究者が、従来のロジスティクス・システム論の課題を乗り越える突破口を見出した。オートポイエーシスだ。生命システムを解明するために生まれた生物学の概念だが、これをロジスティクスに適用することで新たな地平が見えてきた。
|
|
|
|
■■欧州レポート■■
|
|
46 |
|
海外トレンド報告【Report】
欧州SCM会議報告〈最終回〉
「シー&エア」で割高な航空輸送を回避
ドバイ経由の利用でコスト4割減も
マースク・ロジスティクス
キリー・ムクヘルジ 中央ヨーロッパ営業部長
|
|
50 |
|
海外トレンド報告【News】
欧米編・中国編
|
|
58 |
|
湯浅和夫の物流コンサル道場《第62回》
〜ロジスティクス編 第21回〜
|
|
63 |
|
佐高信のメディア批評
外国皇族には無遠慮でも宮内庁には及び腰
外務省は友好国相手に恥ずかしい抗議を連発
|
|
64 |
|
奥村宏の判断学《第61回》
「会社学」のすすめ
|
|
66 |
|
事例で学ぶ現場改善
《第53回》 物流会社M社のパート戦力化PJ
日本ロジファクトリー 青木正一 代表
|
|
70 |
|
ロジスティシャンのためのCSR経営講座
《最終回》
川島孝夫 前・味の素ゼネラルフーヅ 常勤監査役 ロジスティクス担当者がやるべきこと
|
|
74 |
|
IBMのグローバルSCM
《第6回》
IBMビジネスコンサルティングサービス
寺島 哲史 シニア マネージング コンサルタント グローバル調達改革(1)
|
|
78 |
|
The
International Society of Logistics
国際ロジスティクス学会[SOLE]報告
技術書の翻訳を足がかりに
ロジスティクスを再構築 |
|
80 |
|
ARC
Advisory Group レポート
製造アプリケーションにおける
RFID実験は市場拡大につながるか?
|
|
|
|
|
|
|
|
DATA
BANK 国土交通省 月例経済報告
|
|
|
|
|
|
|
|
CLIP
BOARD
|
|
77 |
|
●フレームワークスと日本オラクル/協業で情報システム基盤の開発に着手
CLIP BOARD?
|
|
82 |
|
●中小企業におけるグローバルSCM/UPSがアンケート調査結果を発表
|
|
86 |
|
主要記事索引 |
|
90 |
|
編集後記 |
|
91 |
|
広告索引 |
[ keyperson ]
新良清早稲田大学ロジスティクス研究所客員研究員
2007年6月号
ロジスティクスは簡単だ。まず適切なビジネスモデルを選
択する。後はリードタイム、業務品質、コストの三つの視点
から改善を重ねていけばいい。そのやり方でデルは日本市場
においてもサプライチェーンの競争優位を確立した。この原
則は、あらゆるビジネスに適用できる。
[ ARC ]
製造アプリケーションにおけるRFID実験は市場拡大につながるか?
2007年6月号
製造業者は自社の製品にタグを付けることを、
サプライチェーンや小売業者から要求されるよ
うになってきている。その必要性から、より高
い投資回収率(ROI)が見込まれる製造アプ
リケーション向けのRFIDに関心が高まりつ
つある。製造段階でのRFIDの可能性を評
価する多くの試みがいま現在進行しているなか
で、実際に本格的な導入につながるケースがど
れだけ出てくるかが、市場全体の伸び率とその
タイミングを占うポイントになるだろう。
[ CSR経営講座 ]
ロジスティクス担当者がやるべきこと
2007年6月号
企業にとってCSRが不要と考え
る経営者は、ほとんどいなくなった。
しかし、CSR経営を実践するうえ
で、ロジスティクスが不可欠なもので
あることを理解している企業はまだ稀
だ。コンプライアンスや内部統制だけ
では不祥事を防げない。何よりも企
業のロジスティクス部門が、この点を
自覚する必要がある。
[ NEWS ]
海外トレンド報告
2007年6月号
スイス・キューネ+ナーゲル
ロシアで3PL拠点拡充
■同社プレスリリース
3・1
キューネ+ナーゲルは、ロシアでの
拠点建設に力を入れていく。今後三
年のうちに、ロシアに三〇万平方メ
ートルの物流センターを作る計画だ。
二〇〇七年内だけでも五カ所で新規
の物流センターを立ち上げる。
[ NEWS ]
海外トレンド報告(中国編)
2007年6月号
国際物流SCM博覧会
深
で七月に開催
■
07
・4・6
「深
国際物流SCM博覧会」が、
七月一七日〜一九日、深
展示セン
ターで開催される。契約済み出展企
業の約半数は、デンマークのマース
ク、米ライダー、独ハンブルク港をは
じめとする外資系企業が占める。
[ SOLE ]
技術書の翻訳を足がかりにロジスティクスを再構築
2007年6月号
SOLE日本支部は毎月「フ
ォーラム」を開催し、ロジスティ
クス技術およびロジスティクスマ
ネジメントに関する活発な意見
交換・議論を行い、会員相互の
啓発に努めている。
フォーラム開催日の午前中ま
たは夕刻には「RAMS研究会」
を開催している。二〇〇七年四
月号で既報の通り、研究会では、
有名なロジスティクス技術書で
ある『LOGISTICS ENGINEER
ING & MANAGEMENT, Sixth
Edition』(米バージニア工科大学
ベンジャミン・S・ブランチャー
ド教授)の日本語化・要約作成
を一年がかりで行い、SOLE
日本支部RAMS研究会の調査
研究基礎資料として完成させた。
[ CLIP ]
フレームワークスと日本オラクル協業で情報システム基盤の開発に着手
2007年6月号
フレームワークスが、情報システ
ム基盤「物流プラットフォーム(仮
称)」の開発に着手した。サプライ
チェーン全体のモノの流れをトータ
ルに管理するうえで基盤となるシス
テムで、日本オラクルの情報処理ツ
ールにフレームワークスのノウハウ
やロジックを組み合わせて構築する。
これまで、WMS(倉庫管理シス
テム)をメーンとするフレームワー
クスの製品がユーザーに提供できる
のは、倉庫内業務や輸配送業務の効
率化といった、サプライチェーンの
部分的な最適化に留まっていた。
[ CLIP ]
中小企業におけるグローバルSCMUPSがアンケート調査結果を発表
2007年6月号
ア・ビジネスモニター」の調査結果を発
表した。日本、中国、インド等アジアの
主要十二地域の計一二〇〇人の中小企業
経営者を対象に、グローバルSCMに関
する意識をアンケート調査したものだ。以
下、注目すべきテーマをピックアップし
て紹介する。
[ グローバルSCM ]
グローバル調達改革?
2007年6月号
それまでIBMの調達部門は、他部門からの指示に従って購買を手配
するだけの存在に過ぎなかった。管理は地域や事業ごとにバラバラで相互
の連携はゼロ。集中購買などできる状態ではなかった。これをグローバル
で一元管理する体制に改めた。トップには、CEO、CFOに次ぐ社内
ナンバー3の地位を与えた。戦略立案組織の設置、技術面をフォローす
るエンジニアの導入といった取り組みを通じて、「強い調達」を実現した。
[ ケース ]
現場改善イトーヨーカ堂
2007年6月号
店舗を対象として4年前にスタートしたトヨタ
流の改善活動を、物流センターに拡大してきた。
イトーヨーカ堂の社内ですら根づかせるのが困
難な改善体質を、アウトソーシング先の現場に
まで定着させて収益改善につなげている。さら
に店舗からの発注業務を一部で自動化するなど、
従来のヨーカ堂か
[ ケース ]
物流拠点東邦薬品
2007年6月号
医薬品卸大手の東邦薬品は昨秋、東京の2カ所
に物流拠点を新設した。一つは検査薬の全国供
給基地で、もう一つは医薬品の首都圏向けセン
ターだ。いずれも製造ロットや使用期限の一貫
管理システムを導入している。正確で迅速な出
荷体制の整備と、トレーサビリティーの実現を
狙ったものだ。
[ ケース ]
新サービスボックスチャーター
2007年6月号
JITBOXチャーター便の売り上げが好調だ。
最大600キロ積めるロールボックスパレット
(カゴ車)を使った路線便だ。2006年4月に正式
にサービスを開始。ヤマトとセイノーが中心と
なり販売を行い、初年度は約22万本を売り上げ
た。今年度は40万本の販売を見込んでいるとい
う。
[ データ ]
国土交通省月例経済報告
2007年6月号
概要はありません
[ メディア批評 ]
外国皇族には無遠慮でも宮内庁には及び腰外務省は友好国相手に恥ずかしい抗議を連発
2007年6月号
ピーター・タスカという著名な証券アナリス
トが、最初の本『インサイド・ジャパン』(笹
野洋子訳、講談社)で、「天皇が戦争を終わら
せることができたのなら、なぜその開始を食い
とめることができなかったのか」と指摘し、浩
宮のお妃選びに関しても、次のように日本人の
身勝手さを衝いたことがある。
[ 海外Report ]
「シー&エア」で割高な航空輸送を回避ドバイ経由の利用でコスト四割減も
2007年6月号
マースク・ロジスティクスは、海上コンテナ輸送で世界最大の規模を誇るA・
P・モラー・マースク社の3PL部門だ。同社は航空輸送を利用している荷主に
対し、「シー&エア」と呼ぶ船と飛行機を組み合わせた複合一貫輸送を提案するこ
とで、懐に食い込む戦略をとっている。同社の中央ヨーロッパ営業部長であるキリ
ー・ムクヘルジ氏がその詳細を語る。
[ 現場改善 ]
物流会社M社のパート戦力化PJ
2007年6月号
物流センターで働くパート・アルバイトの戦力化に取り
組んだ。パートの募集から採用までのプロセスを強化し、
社員とパートの役割分担を明確化した。加えてパート向け
の評価制度や表彰制度など、パート現場を管理するノウハ
ウをセンター長と副センター長の二人に教え込んだ。
[ 自己創出型ロジスティクス ]
経済学的なアプローチの困難性
2007年6月号
従来の経済学的なアプローチでは、ロジス
ティクスは十分に解明できない。また今日の
物流費会計手法は、ロジスティクスの生み出
す顧客サービス・パッケージの原価を管理す
ることができない。ロジスティクスのもたらす便益に対し、市場における価格形成機能が
働いていないからだ。
[ 道場 ]
ロジスティクス編・第21回
2007年6月号
社長以下、関係者全員が顔を揃え
効果を検証する会議が開かれた
梅雨時とは思えない真夏のような太陽がふりそ
そぐある日の午前、大先生と弟子たちは車で大
阪の物流センターに向かっていた。二年ほど前に、
この問屋のコンサルのキックオフミーティングが
大阪支店で開かれた翌日に視察に来て以来の訪
問だ。
[ 判断学 ]
「会社学」のすすめ
2007年6月号
会社の引き起こす事件が後を絶たないのは、会社のあり方そのものに問題が
あるからではないか。しかし会社そのものを真正面から研究する学問はまだ確
立されていない。欧米の理論の輸入ではなく、日本の会社の現実から出発した
「会社学」がいま必要とされている。
[ 物流IT解剖 ]
佐川急便
2007年6月号
ダウンサイジングと脱ベンダー依存という切り口から、IT革新を進めて
いる。先進技術を大胆に採用する一方で、開発案件ごとに内容を精査する
ことによって投資効率の改善を図っている。セールスドライバーが携帯端
末を使わずに集配できる次世代システムや、請求書の全面的な電子化も視
野に入ってきた。
[ 特集 ]
コスト偏重の誤算 デル・モデルは陳腐化したか
2007年6月号
サービス神話の崩壊
デルが失速している。昨年第三・四半期に世界首
位の座をヒューレットパッカード(HP)に奪われて
以降、日を追うごとにその差が拡大している。米調査
機関のガートナーによると、今年第一・四半期にHP
がパソコンの出荷台数を前年同期比で二八・七%増
加させたのに対し、デルは同七・八%減らした。これ
によってデルの世界シェアは一六・四%から十三・
九%に下落した。
[ 特集 ]
コスト偏重の誤算 顧客指向で指標と組織を改革
2007年6月号
在庫水準や物流コストは、顧客にとっては何の意味も
持たない。対顧客向けの管理指標を導入してマーケティ
ング戦略に立脚したロジスティクスに舵を切る必要があ
る。物流企業も同様だ。従来の原価積み上げ方式では
3PL事業は成功しない。
[ 特集 ]
コスト偏重の誤算 常識の逆張りで差別化する
2007年6月号
“死に筋”まで品揃えする。在庫も自分で抱える。物流
インフラへの投資も厭わず、現場のオペレーションまで
社内で処理する――ネット通販の勝ち組たちは、従来の
物流管理の常識とアウトソーシングのトレンドに逆行す
る戦略で売り上げを伸ばしている。
[ 特集 ]
コスト偏重の誤算 顧客サービス管理のプロセス
2007年6月号
SCMにおける顧客サービス管理には正しい手順がある。効
果的な管理は、SCMのパフォーマンスを引き上げ、業績の
向上をもたらす。ロジスティクス管理論の世界的権威が、具
体的な事例を交えながら、そのノウハウを解説する。