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2006年10月号

WobNio[PDF
    2006年10月号
     

特集 激安物流


14
 
第1部
 掟破りの価格破壊を検証する

解説 低コスト高品質だけが生き残る
 
軽トラ、帰り荷、格安宅配便、保管料無料etc.―驚くほど安い物流サービス商品が存在する。手出し無用の粗悪サービスか、それともコスト削減の有効な裏技か。価格のカラクリを明らかにして、その利用価値を探る。

Interview 軽貨急配 西原克敏 社長
     「車両販売と決別し本業に集中する」
 
軽トラックの一人親方を組織化したフランチャイズチェーンで急成長を遂げた。しかし加盟者に対する車両販売のローン保証が焦げ付き、財務状況が悪化。巨額の特別損失を余儀なくされた。車両販売事業から事実上手を引き、物流事業に集中することで再建を図るという。

Interview
 ジャパンブリッジ 山崎 隆 社長
     「250円宅配便に再起をかける」
 
累積赤字が一時期、約17億円にまで膨らんだ。しかし、昨年6月の減資によって一気に累損を処理。大手荷主企業向けの3PL事業からも撤退し、1個250円の宅配便サービスに特化して再建を目指している。

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第2部 物流アイデアの商品の使いみち

1個100円の当日配達便─シズナイロゴス
 「100円ロゴス便」が好評だ。配送距離30キロメートル以内、重さ1個10キログラム以下の貨物を対象にしたサービスで、運賃はたったの100円。営業マンが商品配送を兼務するなど自家物流を展開している業種をターゲットに取扱量を伸ばしている。

無料の一時保管サービス─JR貨物
 JR貨物には旧国鉄時代から続いている便利でお得なサービスがある。コンテナ貨物を発着駅のヤードで5日間ずつ計10日間無料で保管してくれるというものだ。全国180カ所で提供されているこのサービスをうまく利用することで、倉庫費用の削減などに成功している荷主企業も少なくない。

翌日配送の定温路線便─キューソー流通システム
 食品メーカーから出荷される小ロットの定温貨物を翌日配送する「スルー便」事業を展開している。既存の共同配送ネットワークをうまく活用することで、クール宅配便より2、3割安い料金でのサービス提供を可能にした。同事業の収入は今年度75億円にまで拡大する見通しだという。

割高な国内輸送を回避─J&Kロジスティクス
 国内の在庫拠点を東アジアのハブ港に移し、日本のユーザーに直送する。これによって割高な日本国内の輸送やオペレーションを回避する物流の海外シフトが起こっている。一定の条件を満たした案件では2割、3割の大幅なコスト削減も夢ではないという。

2  

KEYPERSON「安すぎるサービスには歪みがある」
北海学園大学 川村雅則 経済学部講師 

 働いているのに生活できない─ワーキングプア問題が物流業界で深刻化している。軽トラックの一人親方の年収は、長時間労働にも関わらず200万円程度にとどまっている。時給換算すれば最低賃金を下回る。不当な労働に支えられた低価格は長続きするはずがない。

   
 

28

 

本田技研工業拠点集約
総額200億円投じて新センター建設

補修用部品の物流コスト3割削減へ

  32  

菱食 〈ICタグ〉
低温品も扱う初のフルラインセンター
ICタグ使って通い箱のレンタルも開始

  36  

ミドリ安全 〈物流センター〉
直販体制と豊富な品揃えで差別化
物流も情報システムも自社で運営

  40  

物流企業の値段《第25回》
センコー
一柳創 大和総研 企業調査第一部 アナリスト

  42  

海外トレンド報告 欧州SCM会議報告〈第1回〉
オリオン製薬(フィンランド)

競争激化でSCMの重要性が高まる
全体最適化で利益率70%増も可能

     
  46  

海外トレンド報告【News】

  48  

湯浅和夫の物流コンサル道場《第54回》
〜ロジスティクス編 第13回〜


  53  

佐高信のメディア批評
国家の密約を暴いて逮捕された元毎日記者

その姿を追う朝日記者のジャーナリスト精神

  54  

奥村宏の判断学《第53回》
なぜ王子製紙は失敗したのか?


 
56

SCM時代の新しい管理会計《第19回》
梶田ひかる アビーム コンサルティング 
製造事業部 マネージャー

グローバルロジスティクスへの挑戦・
グローバル在庫を診る


  60   事例で学ぶ現場改善《第45回》
青木正一 日本ロジファクトリー 代表
建設資材卸T社のセンター移設


  64  

ロジスティシャンのためのCSR経営講座 《第4回》
川島孝夫 前・味の素ゼネラルフーヅ 常勤監査役
ロジスティクスとCSRの密接な関係

  68  

フレッシュマンのための物流産業論 《第7回》
森 隆行 流通科学大学 教授
中国特需で好況続く外航海運

 
72

ロジスティクス大学院体験記
〜サワコとユキの往復書簡〜《第11回》
ところかわればロジ変わる


  77  

ARC Advisory Group レポート

  80  

The International Society of Logistics
国際ロジスティクス学会[SOLE]報告
ダラス開催の年次総会に参加

次世代ロジスティクスを討議

 
 

83

国土交通省 月例経済報告

 
 
86
主要記事索引
  90   編集後記
 
91
広告索引

PDFバックナンバー

[ ARC ] 年率8.6%の成長が期待されるSCM市場SCE分野が成長の原動力に 2006年10月号
サプライチェーンマネジメント(SCM)ソ フト市場では、サプライチェーンエグゼキュー ション(SCE)系アプリケーションが成長の 原動力となるだろう。SCMの世界市場は今後 五年間で、年平均成長率八・六%が見込まれて いる。ARCアドバイザリーグループの最新調 査レポートによれば、二〇〇五年に五五・〇七 億ドルであった市場規模が、二〇一〇年には八 三・〇四億ドルを上回ると予測されている。
[ CSR経営講座 ] ロジスティクスとCSRの密接な関係 2006年10月号
CSR経営の実践にはロジスティ クスが欠かせない。この二つは従来ま ったく接点のない管理手法と考えら れてきた。だがロジスティクスの先進 企業は、優れたCSRを行うための 素地も備えている。企業不祥事を防 止するうえで欠かせない「情報と伝 達」の機能こそ、本来のロジスティク スが持つべき要素だからだ。
[ keyperson ] 北海学園大学川村雅則経済学部講師 2006年10月号
働いているのに生活できない――ワーキングプア問題が物流 業界で深刻化している。軽トラックの一人親方の年収は、長時 間労働にも関わらず二〇〇万円程度にとどまっている。時給換 算すれば最低賃金を下回る。不当な労働に支えられた低価格は 長続きするはずがない。
[ NEWS ] 海外トレンド報告 2006年10月号
米フェデックス 米郵政省との契約を延長 ■同社プレスリリース 8・1 フェデックス・エクスプレスはアメ リカ郵政省との契約を二〇一三年ま で延長した。元となる契約は二〇〇 一年に結ばれ、郵政省の取り扱う郵 便物を米国内の空港間で空輸すると いう内容だった。二〇〇八年までの 七年契約であったが、二年を残した この時点で再度七年契約を結んだ。 契約が正式に始まるのは二〇〇六年 一〇月から。 フェデックス・エクスプレスは重量 ベースで一日平均四〇〇万ポンド、D C 10 型機で四〇機分の郵便物を空輸 する。七年間でフェデックスの売り 上げは八〇億ドル(約八八〇〇億円) に達する見通しだ。
[ SOLE ] ダラス開催の年次総会に参加次世代ロジスティクスを討議 2006年10月号
SOLE日本支部では毎月「フォ ーラム」を開催し、ロジスティクス 技術・ロジスティクスマネジメント に関する活発な意見交換・議論を行 い、会員相互の啓発に努めている。 八月のフォーラムは休会とし、米国 で開催された総会「SOLE200 6」へ日本支部の代表を送った。三 回にわたって、会議の概要と現在注 目を集めているトピックを紹介する。
[ ケース ] 拠点集約--本田技研工業 2006年10月号
本田技研工業は総額200億円を投じて鈴鹿に補修 用部品の大規模な物流センターを建設している。こ れまで2地区21カ所の倉庫に分散していた在庫を新 センターに集約。オペレーションの改善や輸送方法、 包装形態の見直しによって、販売店までの配送のリ ードタイム短縮と3割の物流コスト削減を狙う。
[ ケース ] ICタグ--菱食 2006年10月号
食品卸の菱食が広島フルライン物流センターで興 味深いプロジェクトを展開している。ベンダー〜物 流センター〜店舗間を行き来するクレート(通い 箱)のレンタル事業をスタート。クレートの管理に はICタグを活用し、流出防止に役立てている。将 来は他のセンターにも同様の仕組みを導入していく 計画だという。
[ ケース ] 物流センター--ミドリ安全 2006年10月号
総額26億円を投じて物流センターを新設し、3カ 所に分散していた在庫を集約した。同時に業務フロ ーを見直して、サプライチェーンの効率化を図った。 その効果はコスト削減だけにとどまらない。インフ ラ整備によって営業力が向上。売上高の拡大に大き く寄与している。
[ データ ] 国土交通省月例経済報告 2006年10月号
概要はありません
[ メディア批評 ] 国家の密約を暴いて逮捕された元毎日記者その姿を追う朝日記者のジャーナリスト精神 2006年10月号
結局、人なのだろうか。 七月一五日付の『朝日新聞』から八月五日 まで毎週土曜日、四回にわたって連載された 「逆風満帆」は、元毎日新聞記者、西山太吉の ジャーナリスト精神を描いて生々しい。 沖縄返還をめぐる日本という国家の「密約」 を暴いた西山は、その手段が「情を通じて」 だったとして国家公務員法違反で逮捕される。 その密約は後にアメリカの公文書によって 裏づけられた。
[ 海外Report ] オリオン製薬(フィンランド)競争激化でSCMの重要性が高まる全体最適化で利益率七〇%増も可能 2006年10月号
製薬業界においてR&D(研究開発)にいくら資金をつぎ込むかで優劣が 決まる時代は一昔前に終わりを告げた。競争激化やM&A、規制緩和などが 進んだ結果、製薬業界では現在、サプライチェーン管理の必要性が叫ばれて いる。サプライチェーンの効率化に活路を見出そうとしているオリオン製薬 (Orion Pharma)のマーク・フータ・コイビスト副社長が、同社 の取り組みについて語った。
[ 管理会計 ] グローバル在庫を診る 2006年10月号
ロジスティクス管理の方法論は、その対象が国内で完結している 場合でも、グローバルであっても基本的に変わらない。実態の把握 が改革の第一歩になる。ただしグローバルロジスティクスでは、そ の第一歩を踏み出すのに、様々な工夫と、そして想像力が求められ る。
[ 現場改善 ] 建設資材卸T社のセンター移設 2006年10月号
物流センターを移管することになった。次の経営トップを 期待される社長の実子がプロジェクトリーダーだ。改革に取 り組む熱意は十分。しかしリーダーシップを示そうとするあ まり、現場の声をかき消してしまう恐れがあった。社内の意 見調整が我々コンサルタントの役割だった。
[ 大学院体験記 ] ところ変わればロジ変わる 2006年10月号
グローバルに活動するふたりには、駐在や長期出張で海外に 出ている知り合いが少なくありません。今回は、そのネットワ ークを生かして各地のロジスティクス事情を紹介してくれます
[ 値段 ] センコー 2006年10月号
3PLへの転身や有利子負債の圧縮に成功 した。ただし、収受料金の値下げや燃料費高 騰の影響で営業利益の伸び悩みが続いている。 今後は物流センター運営事業や国際物流事業 を強化することで収益力の回復を目指す。
[ 道場 ] ロジスティクス編・第13回 2006年10月号
「おかしなことが書いてあるんです」 仕入担当が本を取り出して質問した 休憩後、全員が席につくのを待って、物流部長 が会議の再開を宣し、弟子たちに振った。 「次のテーマは仕入の量ですね。よろしくお願いし ます」 美人弟子が頷き、休憩前の言葉を繰り返した。 「それでは、発注量をどう決めるかという、もう一 つの話に移りたいと思います。在庫管理において 最も重要なテーマです」 そう言って、全員を見回し、一言付け加えた。 「でも、答えは単純明快です」 その言葉を聞いて、物流部長が大きく頷く。最 近、物流部長は在庫管理に自信をもっているよう だ。そのとき、これまで一言も口をきかなかった 仕入担当が、恐る恐るという感じで手を上げた。そ れを見て、物流部長がびっくりしたような声を上 げた。
[ 判断学 ] なぜ王子製紙は失敗したのか? 2006年10月号
日本で初めてともいえる本格的TOBはみじめな失敗に終わった。その責任 はもちろん王子製紙の経営者にある。しかしその背景となっているのは、崩壊 しながらもいまだに生き残っている日本特有の株式会社のあり方である。
[ 物流産業論 ] 中国特需で好況続く外航海運 2006年10月号
中国を中心としたアジア地域における外航海運貨物の荷動きが活 発です。その恩恵を受けて邦船大手三社はここ数年、好調な業績を キープしています。日本の外航海運業は今後も発展を続けていける のでしょうか? 今回は外航海運の現状と課題を整理します。
[ 特集 ] 激安物流 低コスト高品質だけが生き残る 2006年10月号
東京〜大阪間 10 トン車4万円 インターネットを使って帰り荷をマッチングする求 車求貨システムを運営するトラボックス。その掲示板 には、車両や荷物情報だけを公開して運賃は「応相 談」、相対で激安運賃を呑んでしまう運送会社が少な くない。それを見越して相場の半値以下という運賃を 堂々とネット上に提示する厚顔な荷主も時に登場する。 トラボックスの吉岡泰一郎社長は「当社のシステム は運賃交渉を当事者同士で行う方式なので、取引実 態をすべて把握しているわけではない。しかし、なか には空気を運ぶよりはマシだからと、帰りのガソリン 代程度で請け負ってしまう会社もあるようだ。とりあ えず一度仕事をしておくことで荷主とのパイプを作っ ておきたいという狙いもあるらしい」という。
[ 特集 ] 激安物流 車両販売と決別して本業に集中する 2006年10月号
軽トラックの一人親方を組織化したフランチャイズチェー ンで急成長を遂げた。しかし加盟者に対する車両販売のロー ン保証が焦げ付き、財務状況が悪化。巨額の特別損失を余儀 なくされた。車両販売事業から事実上、手を引き、物流事業 に集中することで再建を図るという。
[ 特集 ] 激安物流 250円宅配便に再起をかける 2006年10月号
軽トラベンチャーのジャパンブリッジが業績不振に喘いで いる。累積赤字は一時、約17億円にまで膨らんだ。しかし、 昨年6月の減資によって一気に累損を処理。現在は1個250 円の宅配便サービスに特化して会社再建を目指している。
[ 特集 ] 激安物流 1個1 0 0 円の当日配達便――シズナイロゴス 2006年10月号
シズナイロゴスの「100円ロゴス便」が好評だ。配送距離 30キロメートル以内、重さ1個10キログラム以下の貨物を 対象にしたサービスで、運賃はたったの100円。営業マンが 商品配送を兼務するなど自家物流を展開している業種をタ ーゲットに取扱量を伸ばしている。
[ 特集 ] 激安物流 無料の一時保管サービス――JR貨物 2006年10月号
JR貨物には旧国鉄時代から続いている便利でお得なサービ スがある。コンテナ貨物を発着駅のヤードで5日間ずつ計10 日間無料で保管してくれるというものだ。全国180カ所で提 供されているこのサービスをうまく利用することで、倉庫費 用の削減などに成功している荷主企業も少なくない。
[ 特集 ] 激安物流 翌日配送の定温路線便――キユーソー流通システム 2006年10月号
食品メーカーから出荷される小ロットの定温貨物を翌日配 送する「スルー便」事業を展開している。既存の共同配送ネ ットワークをうまく活用することで、クール宅配便より2、3 割安い料金でのサービス提供を可能にした。同事業の収入は 今年度75億円にまで拡大する見通しだという。
[ 特集 ] 激安物流 割高な国内輸送を回避――J&Kロジスティクス 2006年10月号
国内の在庫拠点を東アジアのハブ港に移し、日本のユー ザーに直送する。これによって割高な日本国内の輸送やオ ペレーションを回避する物流の海外シフトが起こっている。 一定の条件を満たした案件では2割、3割の大幅なコスト 削減も夢ではないという。
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