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2011年6月号

    2011年6月号
     
   
   
特集 止めない物流
拠点の分散・在庫の積み増しは本当に必要か?


12  

【第1部】 難局をチャンスに変えるSCM
 東日本大震災は各社のSCMの実力を浮き彫りにした。SCMに優れた企業は求心力を増し、対応に遅れを取った企業は信頼を失った。難局は差別化の舞台になった。サプライチェーンの勝敗はどうやって決まったのか。競争力を高めるポイントはどこにあるのか。


14

 

Interview 「直接取引の優位性が証明された」
イオングローバルSCM ジェンク・グロル 社長
 製造段階から店頭まで、小売りが100%管理する欧米型のサプライチェーンが災害時には有効に機能した。環境の変化に素早く対応することができたと自己評価を下す。リスク対策のカギはSCMの柔軟性であり、グローバルな調達力、見える化、そして標準化を、その手段と位置付けている。


16

 

【第2部】 B to C 物流の“新しい現実”
 通販業界では震災後、東北向けの商品が出荷不能になり、首都圏向けなどでも配送の遅延が多発した。宅配会社のサービスが地震の影響を受けたためだ。しかし、配送を宅配便に依存せず、専用車による独自の配送ネットワークを持つ通販業者は事業を継続していた。


  18  

Interview 「次は即日配送で拠点分散を支援する」
ヤマトホールディングス 木川眞 社長
 全国の主要都市間をドア・ツー・ドアの当日配送で結ぶ新たな輸送商品のインフラ整備を開始する。ハブ・アンド・スポークのネットワーク、ロールボックスを使ったオペレーション、車両の運行方法など、従来の「宅急便」の仕組みを全て作り替えることになる。まずは東京〜大阪間で実験に着手する。


  22  

【第3部】 取引条件に翻弄された食品卸
国分/菱食/日本アクセス
 大手加工食品卸は被災した自社拠点の復旧作業と並行して、食の供給を止めてはならないという責任感からサプライチェーンの維持に奔走した。しかし、合理性を欠いた取引条件がその足かせとなった。3分の1ルールや日付逆転の禁止といった商慣習は、未曾有の震災を経験した後も変わっていない。


  26  

【第4部】 日雑品物流は大手卸頼み鮮明に
パルタック/あらた
 震災後の日用雑貨品の供給は、二大卸のパルタックとあらたにかかっていた。自社専用センターが使えなくなった小売りはもちろん、燃料不足で輸送手段を断たれたメーカーも大手卸2社に泣きついた。他に頼れるところはなかった。


  28  

【第5部】 何が対応の成否を分けたのか
日本能率協会コンサルティング 広瀬卓也
オペレーション革新本部 チーフ・コンサルタント

 震災対応の成功事例、失敗事例の報告が徐々に上がってきた。事前に準備した事業継続計画(BCP)は役に立ったのか。対応に成功した会社では何が機能したのか。トップはどのような判断を下したのか。今回の震災から学ぶべき教訓を整理する。


  30  

【第6部】 ロジスティクスの災害リスク管理
日本能率協会コンサルティング 広瀬卓也
オペレーション革新本部 チーフ・コンサルタント

 震災対応の成功事例、失敗事例の報告が徐々に上がってきた。事前に準備した事業継続計画(BCP)は役に立ったのか。対応に成功した会社では何が機能したのか。トップはどのような判断を下したのか。今回の震災から学ぶべき教訓を整理する。


  32  

【第7部】 生産・物流施設の脆弱性を把握する
プランテックコンサルティング 嶋 正和 取締役
 
自社の生産設備や物流センターだけでなく、取引先や協力物流会社の拠点まで含めたサプライチェーン施設の脆弱性を把握し、災害時の回復力を強化する──その手法をプランテックコンサルティングは「SCF(Supply Chain & Facility Risk Evaluation)リスク評価」と呼ぶプログラムにまとめた。


  36  

【経済産業省 調査レポート】
東日本大震災後の産業実態緊急調査
サプライチェーンの復旧に向けた産業界の取組

 経済産業省は四月二六日、東日本大震災後の企業の生産状況、自粛ムードの広がりによる消費への影響などに関する緊急調査結果「東日本大震災後の産業実態緊急調査」を発表した。また、震災のサプライチェーンへの影響、復興に向けた産業界の取り組みについてヒアリングを実施し、その結果を「サプライチェーンの復旧に向けた産業界の取組」としてまとめた。両調査結果を一部編集して掲載する。


     
  4  

「ジャスト・イン・タイムに罪はない」
戦略調達 中ノ森清訓 社長
 東日本大震災以降、ジャスト・イン・タイムの弊害が喧伝されている。しかし、在庫を積み増してもリスクへの効果的な対策にはならない。的の外れた議論を続けるより、柔軟性のあるサプライチェーンを構築することが先決だ。


     
  42  

プロクター&ギャンブル〈欧米SCM会議4〉
需要予測から“需要感知”へ方法を転換
安全在庫を半減しサービスレベルも向上



  46  

伊藤ハム〈組織〉
グループの物流一元化担う新会社設立
商物分離につづき子会社の再編を加速

  50  

商船三井ロジスティクス〈3PL〉
中国でバイヤーズコンソリデーション展開
北京ベンツ向けに国内調達輸送網も構築


     
  54  

海外トレンド報告【News】
《欧米編》ハブ・グループが旧エクセルの米陸送部門を買収
《中国編》ドイツ鉄道が中独間の定期貨物列車の運行開始へ



  58   湯浅和夫の物流コンサル道場 《第110回》 〜メーカー物流編 第21回〜
「計画は月次で作っているんですが、実際の生産は月次では行っていないというのが、うちの生産の特徴です」


  62  

奥村宏の判断学《第109回》
揺らぐ大企業体制



  64  

佐高信のメディア批評
世論の買い占めに貢献するマスメディア
カネで批判を封じてきた“原子力ムラ”



  66  

物流指標を読む《第30回》 日通総合研究所 佐藤信洋
製造業の部品調達難は秋まで続く

 

  68  

物流行政を斬る《第3回》
寺嶋正尚 産業能率大学 経営学部 准教授
(財)流通経済研究所 客員研究員

物流インフラは即座に復旧
燃料・情報・在庫管理など
運用面の課題が浮き彫りに


  71  

事例で学ぶ現場改善《第101回》
日本ロジファクトリー 青木正一 代表
震災対応で揺れる中小通販の物流

 

  74   ARC Advisory Group レポート
不況から立ち直る
輸送管理システム(TMS)市場



  76   The International Society of Logistics
国際ロジスティクス学会[SOLE]報告

ソフトウェアへの要求を定義する
要求工学の体系と技術を学ぶ



     
 

 

 

DATA BANK

 

81

 

●国土交通月例経済(国土交通省)


     
 
84
  主要記事索引
  88   編集後記
 
89
  広告索引

PDFバックナンバー

[ 特集 ] 止めない物流 2011年6月号
概要はありません
[ 特集 ] 第1部難局をチャンスに変えるSCM 2011年6月号
 東日本大震災は各社のSCMの実力を浮き彫りにした。 SCMに優れた企業は求心力を増し、対応に遅れを取った 企業は信頼を失った。難局は差別化の舞台になった。サ プライチェーンの勝敗はどうやって決まったのか。競争力 を高めるポイントはどこにあるのか。
[ 特集 ] Interview「直接取引の優位性が証明された」イオングローバルSCM ジェンク・グロル 社長 2011年6月号
 製造段階から店頭まで、小売りが100 %管理する欧米型 のサプライチェーンが災害時には有効に機能した。環境の変 化に素早く対応することができたと自己評価を下す。リス ク対策のカギはSCMの柔軟性であり、グローバルな調達力、 見える化、そして標準化を、その手段と位置付けている。
[ 特集 ] 第2部 B to C 物流の“新しい現実” 2011年6月号
 通販業界では震災後、東北向けの商品が出荷不能になり、 首都圏向けなどでも配送の遅延が多発した。宅配会社のサー ビスが地震の影響を受けたためだ。しかし、配送を宅配便に 依存せず、専用車による独自の配送ネットワークを持つ通販 業者は事業を継続していた。
[ 特集 ] Interview「次は即日配達で拠点分散を支援する」ヤマトホールディングス 木川眞 社長 2011年6月号
 全国の主要都市間をドア・ツー・ドアの当日配送で結ぶ新 たな輸送商品のインフラ整備を開始する。ハブ・アンド・スポー クのネットワーク、ロールボックスを使ったオペレーション、 車両の運行方法など、従来の「宅急便」の仕組みを全て作 り替えることになる。まずは東京〜大阪間で実験に着手する。
[ 特集 ] 第3部 取引条件に翻弄された食品卸 2011年6月号
 大手加工食品卸は被災した自社拠点の復旧作業と並行 して、食の供給を止めてはならないという責任感からサ プライチェーンの維持に奔走した。しかし、合理性を欠い た取引条件がその足かせとなった。3分の1ルールや日付 逆転の禁止といった商慣習は、未曾有の震災を経験した 後も変わっていない。
[ 特集 ] 第4部 日雑品の物流は大手卸頼みが鮮明に 2011年6月号
 震災後の日用雑貨品の供給は、二大卸のパルタック とあらたにかかっていた。自社専用センターが使えな くなった小売りはもちろん、燃料不足で輸送手段を断 たれたメーカーも大手卸2社に泣きついた。他に頼れる ところはなかった。
[ 特集 ] 第5部 何が対応の成否を分けたのか日本能率協会コンサルティング 広瀬卓也オペレーション革新本部 チーフ・コンサルタント 2011年6月号
 震災対応の成功事例、失敗事例の報告が徐々に上がっ てきた。事前に準備した事業継続計画(BCP)は役に立っ たのか。対応に成功した会社では何が機能したのか。トッ プはどのような判断を下したのか。今回の震災から学ぶ べき教訓を整理する。
[ 特集 ] 第7部 生産・物流施設の脆弱性を把握するプランテックコンサルティング 嶋 正和 取締役 2011年6月号
 自社の生産設備や物流センターだけでなく、取引先や 協力物流会社の拠点まで含めたサプライチェーン施設の 脆弱性を把握し、災害時の回復力を強化する──その 手法をプランテックコンサルティングは「SCF(Supply Chain & Facility Risk Evaluation)リスク評価」と呼 ぶプログラムにまとめた。
[ keyperson ] 「ジャスト・イン・タイムに罪はない」戦略調達 中ノ森清訓 社長 2011年6月号
 東日本大震災以降、ジャスト・イン・タイムの弊害が 喧伝されている。しかし、在庫を積み増してもリスクへ の効果的な対策にはならない。的の外れた議論を続ける より、柔軟性のあるサプライチェーンを構築することが先 決だ。
[ ケース ] プロクター&ギャンブル 欧米SCM会議? 2011年6月号
需要予測から“需要感知”へ方法を転換 安全在庫を半減しサービスレベルも向上
[ ケース ] 伊藤ハム 組織 2011年6月号
グループの物流一元化担う新会社設立 商物分離につづき子会社の再編を加速
[ ケース ] 商船三井ロジスティクス 3PL 2011年6月号
中国でバイヤーズコンソリデーション展開 北京ベンツ向けに国内調達輸送網も構築
[ NEWS ] 欧米編 2011年6月号
 米国のノンアセット型インターモー ダル輸送(複合一貫輸送)大手、ハ ブ・グループは、ドイツポストDHL から旧エクセルの米国の陸上輸送部 門、エクセル・トランスポーテーショ ン・サービス(ETS)を八三〇〇 万ドル(六七億二三〇〇万円)で買 収した。今後は「モード・トランスポ ーテーション」に社名を変更する。経 営陣の多くは留任する予定。
[ NEWS ] 中国編 2011年6月号
 一〜二月の中国の社会物流総額は、 前年同期比一四・五%増の二〇兆 五〇〇〇億元(二六六兆五〇〇〇万 円)だった。
[ 道場 ] メーカー物流編 ♦ 第21回「計画は月次で作っているんですが、実際の生産は月次では行っていないというのが、うちの生産の特徴です」 2011年6月号
 震災でいったん中断したロジスティ クス導入プロジェクトが再開した。今 度の相手は生産部門だ。本社の生産 管理部から新たに二名がプロジェクト メンバーとして加わり、これからどう やって工場を攻略していこうか、作戦 会議が開かれた。
[ 判断学 ] 第109回 揺らぐ大企業体制 2011年6月号
 政府が国民の税金で東京電力を救済しようとしている。株式会社とし ての原則が無視されようとしている。このことは戦後日本の大企業体制 とは何だったのかという問いを我々に投げかけている。
[ メディア批評 ] 世論の買い占めに貢献するマスメディアカネで批判を封じてきた?原子力ムラ? 2011年6月号
 寺島実郎と私の「私たちはどこで間違えた のか」という対談は二週にわたって『週刊現代』 に掲載されたが、五月二一日号の後篇のタイ トルは「世論を買い占めてきた東電、参与の ような菅首相」である。
[ 物流指標を読む ] 第30回 製造業の部品調達難は秋まで続く「東日本大震災後の産業実態緊急調査」経済産業省 2011年6月号
●十分な調達ができている製造業者は1割未満 ●加工型・素材型ともに円滑化は10月以降の見通し ●中小零細サプライヤーの存在価値が浮き彫りに
[ 物流行政を斬る ] 第3回 物流インフラは即座に復旧燃料・情報・在庫管理など運用面の課題が浮き彫りに 2011年6月号
 大規模災害にもかかわらず、道路、鉄道、空港、港湾など の物流インフラはスピード復旧を実現した。日本の復旧能力の 高さが改めて証明された。ところが、被災者に充分な物資が届 くまでには時間を要した。政府や地方自治体は緊急時における 燃料確保や情報の一元化、在庫管理などの再検討を急ぐ必要が ある。
[ 現場改善 ] 震災対応で揺れる中小通販の物流 2011年6月号
 東日本大震災は、国内市場における数少ない成長分野と 目されてきた通販物流にも大きな影を落としている。被災地 から遠い関東でも液状化によって使えなくなった拠点や、リ スク分散のために関西進出を検討する企業が出始めている。
[ ARC ] 不況から立ち直る輸送管理システム(TMS)市場 2011年6月号
 T M S( Transportation Management Systems =輸送管理システム)市場はグローバ ル不況から立ち直った。二〇一〇年、市場はイ ンフレ率を大きく上回る成長を示したのである。 この成長の勢いは二〇一五年まで続くものと予 測される。
[ SOLE ] ソフトウェアへの要求を定義する要求工学の体系と技術を学ぶ 2011年6月号
 SOLE日本支部四月度のフォー ラムでは、日本ユニシス上席研究員 兼国立情報學研究所教授の妻木俊彦 氏が﹁要求工学﹂について講演を行 った。﹁要求工学﹂とは、システムに 求められる要求事項をとりまとめる エンジニアリング体系である。特にソ フトウェア開発に必要なオブェクト志 向・要求獲得法、仕様書作成、変更 管理などの技術の概要説明と以下の 文章の寄稿もいただいた。(企画担当 :SOLE日本支部会員 菊地徹)
[ 特別レポート ] 東日本大震災後の産業実態緊急調査サプライチェーンの復旧に向けた産業界の取組 2011年6月号
 経済産業省は四月二六日、東日本大震災後の企業の生産状況、自 粛ムードの広がりによる消費への影響などに関する緊急調査結果「東 日本大震災後の産業実態緊急調査」を発表した。また、震災のサプ ライチェーンへの影響、復興に向けた産業界の取り組みについてヒア リングを実施し、その結果を「サプライチェーンの復旧に向けた産業 界の取組」としてまとめた。両調査結果を一部編集して掲載する。
[ データ ] 国土交通月例経済(国土交通省) 2011年6月号
概要はありません
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